IS×AC ガチタンが行く   作:ガチタン愛好者

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気がついたら最終話間近!やべーです。


事後処理

オールドキング率いるテロリスト、リリアナのIS学園襲撃から3日。だいぶコジマ汚染も落ち着いてきたところで企業連が記者会見を開いた。その内容は‥‥

 

「現在企業連は全世界を勢力下に納めている。だが、我々としても永遠にこのまま世界を支配し続けるのは不可能だ。そこで次の計画の達成をもって我々企業連は制圧した国々の主権を返還することをここに発表する」

 

「その計画とは全世界の武力の完全管理と有効利用である。企業連はより良い世界を目指しておりその世界に武力は不要であると考える」

 

「手始めに世界を支配している最大戦力、ISについてだがここからは彼女に説明を頼もう。ISの開発者、篠ノ乃束博士だ」

 

その発言に全世界が驚愕した。ISを世に放って以降人前に一切姿を見せず、死亡説も出てくるくらいであった。

 

「ハロハロー、皆のアイドル、束さんだよ~」

 

開口一番かなりフレンドリーな言葉が飛び出す。が、

 

「皆色々思うことはあると思うけどさ、まず聞きたいことがあるんだ」

 

すると今までの笑顔が一変した。無表情になり

 

「私がさ、最初に何て言ってISを発表したか覚えてる人どれぐらいいる?」

 

ざわ‥‥ざわ‥‥

 

どよめく会場。そのなかで一人手を挙げた者がいた。

 

「我々女性の地位向上です!」

 

言い切った女性の胸元には女性利権団体のバッジが付いていた。それを聞いた束は一気に不機嫌な顔になり

 

「それは結果論だよね?皆には言って無かったっけ?今のこの世界はね、私が望んだ形じゃない。むしろ大嫌いだ」

 

その言葉に驚愕の表情を浮かべる女性達。会場の約半数がそう思っていたらしい。

 

「最初に発表したときね、私こう言ったんだ。人類が宇宙に羽ばたける翼だって。IS、インフィニット・ストラトスの意味知ってるよね?無限の成層圏って意味なんだ」

 

「今の世界さ、どうなってる?兵器としてしか使われてないじゃん。おまけに宇宙に行けないような規則まで作っちゃってさ。中には白騎士事件起こした張本人が何を言うって言われるかも知れない。でもさ、白騎士事件だって降り注ぐミサイルから人々を守るためにISを使ったじゃん。戦闘機を落とした?攻撃されたら反撃するのが道理でしょ?」

 

誰も何も言えなかった。正論だからだ。さっきまで生き生きしていた女性も下を向いてうなだれている。

 

「そこでね。今回いっそのこと全世界のISを軍事利用出来なくしちゃおうと思ったんだ。別にいいでしょ?戦う為だけならノーマルもネクストも、AFだってあるじゃん。そこで全世界のISを持ってる国々に要請します」

 

「現在保有している全てのISを一旦企業連に預けてください。全てです。出回ってるコアの数は把握しているから隠しても無駄です。私からは以上です。質問は受け付けません」

 

言い切るや否やさっさと退場する束。会場はどよめき

 

「どういうことですか!?」

 

「それでは女性の権利が!」

 

騒ぐ人々をそのままに

 

「以上で企業連の記者会見を終了します」

 

記者会見は終了した。

 

 

 

数週間後

「これで全部?」

 

「はい。ヨーロッパで失われたコアを除く世界に散らばった全てのISコアです」

 

「ありがとう。もう出てっていいよ」

 

「はい」

 

企業連の専用研究所には全てのISコアを前に母親のような笑みを浮かべる束がいた。

 

「もう戦わなくていいんだよ」

 

手元のキーボードを叩くと一瞬だけコアが光った。まるで返事をするように‥‥‥

 

 

 

数日後、ISコアが返還された世界は混乱した。なんとISが重火器といった兵器を一切装備出来なくなったのだ。装備出来るのはプラズマカッターといった救助活動に使える装備だけ。ISは兵器としての性能を完全に失った。残された装備を使って戦闘行為をしようとすると強制的にISが停止する機能も追加されていた。戦えなくなったため世界大会は形を変え、今までの戦闘からレース等に使われるようになる。だが一番混乱したのは‥‥‥

 

「今日の授業は目の前の倒壊したビルから負傷者を救助する訓練だ!」

 

IS学園である。今までブレードや銃を使った戦闘訓練から救助といった訓練に移行した。数多くあったアリーナもピットが撤去された。そこには

 

「うぉおおおおお!不整地どんと来いやああああ!」

 

瓦礫を踏み潰す隆彦の姿もあった。戦闘以外でもタンクの高い安定性は存分に役立っているらしい。OIGAMIの代わりに巨大なクレーンを背負ったその姿は助けを待つ者には高い安心感を与えるであろう。

 

「間違っても救助者を踏み潰さないでね?」

 

それに続くのはミサイルコンテナの代わりに医療キットを装備した打鉄弐式を纏う簪。

 

「ハイパーセンサーがあるんだ。そんなヘマはしないさ‥‥‥あっ」

 

ぐしゃっと救助者人形が潰れる。恐らく現実だったら即死であろう。

 

「ハイパーセンサーが‥‥‥何だって?」

 

「‥‥‥以後気をつけます」

 

「大雑把なのが有澤君の悪い所だよ?」

 

「‥‥‥ぐうの音も出ない!」

 

銃声の代わりに響く工具の音。平和そのものであった。

 

 

 

何も賑やかなのは地上だけではない。今まで規則で不可能だった宇宙空間でもISは使われている。数年経ってようやく正しい使われ方をされたのだ。劣化がひどく、工事も困難を極めていた国際宇宙ステーションも格納領域に資材を詰め込み、自由自在に移動できるISが活躍し、大幅に工期は短縮された。

 

「凄いわね。宇宙にほぼ生身で来れるなんて。これがISの本来の使い方か‥‥」

 

「シールドのお陰でお腹とか露出してても平気だしね。というか無重力って楽しい!」

 

いちいちロケットを打ち上げる手間も無くなり大幅に宇宙開発は進んだ。

 

 

 

では今までISが担ってた軍事はどうなったか?昔は核、今はISが抑止力となっていたが今は企業連が平和を保っていた。というのも

 

「◯◯国で戦闘準備の動きが‥‥」

 

「ランドクラブを向かわせろ」

 

コジマを使わないAFが戦いが起こりそうな地域に配備され、戦闘行為を防いでいた。そのお陰か小競り合いが少し起こる程度で世界を巻き込む戦争は起こらなくなった。現在のパワーバランスは

 

通常戦力<ノーマル<ネクスト=AF

 

となっている。このうちノーマルとネクストとAFは全て企業連が管理しているため平和の実現だけでなく、平和の維持も企業連が担っている。主権を返還したとはいえ依然として世界は企業連に支配されていた。

 

 

 

 

 




次が最終話(の予定)です。

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