エレボニア帝国。ゼムリア大陸に位置する、『黄金の軍馬』の紋章を掲げる巨大帝国。その帝国北部ノルティア州ユミルの領主、テオ・シュバルツァー男爵に拾われた義理息子リィン・シュバルツァーには誰にも言っていない秘密があった。それは前世と呼ぶべき知識。その知識にはゼムリア大陸を舞台にした軌跡シリーズと呼ばれるゲームである。
リィン・シュバルツァーは困惑した。何故自分にこんな知識が有るのか解らず、そもそも前世の知識というのも正しくはない。その前世の知識には人物がいない。この軌跡シリーズに関しても記憶として取得した人物がおらず知識だけが朧気にあるだけ。だがリィン・シュバルツァーは切り替えが異様に早かった。いちいちこんなことを思い悩んでも時間の無駄だ。空の軌跡FC・SC?零の軌跡?碧の軌跡?………知るかよ。阿呆が。まぁ、自分が楽しむためにこの知識に関しては有用活用してやろうとリィン・シュバルツァーは思った。
そしてその知識の中にある八葉一刀流には心惹かれる物があった。自身もこの剣術を扱いたいと!女神の引き合わせか何かどうやら我が父親テオ・シュバルツァーの旧知の中には八葉一刀流の創始者『剣仙』ユン・カーフェイもいた。それを知ったリィンは直ぐ様に父親に頼み込みユン・カーフェイに剣術の指南を受けた。そこから月日が立つ。
リィンは今日もユミルの森林で剣を振るう。リィンの年齢はまだ七歳だ。このユミルの森林ではもちろん魔獣も存在している。普通ならばこの年齢には立ち入れないようにするだろう。だがリィンには大人顔負けの実力になっていた。リィンに言わせれば幼いから弱いなど誰が決めた?俺は知らないぞ。そんな考えに至る。
リィンは目の前の魔獣に目を向ける。ブレードホーンが5匹、ハッシムゥが3匹、ゴーディオッサーが2体がリィンを襲おうとしている。幼子どころか大人であろうとも何かしら戦う術がなければ逃げるであろういったくにリィンは愉しげな笑みを浮かべる。そして自身が最も好む型を構える。
「八葉一刀流、弐の型【疾風】」
疾駆したッ!魔獣たちはリィンが消えたように見えたのだろう。ブレードホーンが3匹、ハッシムゥが2匹、斬り殺されていた。魔獣たちも事態に気付きリィンの姿を捉えようとするが遅すぎる。もうゴーディオッサーが2体、いや1体斬られ最後の1体も怪力を振るうことも叶わず首を斬り飛ばされた。………リィンは深く息を吐く。そこにはもう愉しげな笑みを浮かべておらず、つまらなそうな顔をしている。リィンは物足りないのだ。雑魚は所詮雑魚なのだ。数を揃えたところで雑魚にはかわりない。数を揃えば少しは歯応えがあるかとは思ったが時間の無駄をしたとリィンは思った。命懸けの戦いこそ自身を成長させると考えるリィンにとっては先ほどの虐殺は不満が残るところだ。
ユン老師はリィンのこの在り方を刀を振るう才能を含めて斬るために生まれてきたような子だ称した。ユン老師の数ある弟子の中では最も刀に愛された子供、いずれは近いうちに最年少の剣聖になりうるだろう。ユン老師もリィンに邪念があればその在り方に危機しただろう。だがしかし剣術とは斬るために存在する殺しの技術。ユン老師は故にリィンに問いかけた。何故刀を振るうと?リィンはこう言った。「斬らない刀に意味などない」そこには思想や理念などなく刀は斬るためにあるものと言ったのだ。華々しい考え方などいらないのだと。成る程。やはりこの子は刀に愛されている。いや、斬ることに愛されているのか。ユン老師とて剣術を扱う身。この子が何処まで行くのか見たくなってしまった。自身ですら想像も思い付かない場所にまで到達しうるのではないのかと。ユン老師はそれからも熱心に剣術をリィンに指導した。そして今に至る。
リィンは森深くのところに足を向ける。あちら側の魔獣は先ほど斬った魔獣とは違いレベルが数段違う。今のリィンとてあちら側に行けば死ぬ可能性は充分にある。リィンは嗤った。自分が死ぬ?想像できない。あり得ない。そこには自分の腕の絶対と呼べる自信に満ちている。リィン・シュバルツァーにとって敗北は死だ。死ななければ負けではない。
「行くか…」
森深くにリィンの姿は消えていった。
「くくッ、はははははははっ!」
リィン・シュバルツァーは歓喜の笑いを上げていた。いまリィンと戦っている魔獣はグルノージャが3体だ。ほかにはリィンの周辺にグルノージャが2体死んでいる。その巨体から繰り出される連打は周りの木々を押し潰しリィンへと迫る。その3体から迫る連打を難なくかわし自身が誇る剣技、弐の型【疾風】で3体を斬りつける。グルノージャたちから苦痛に呻く声を上げリィンに怒りの念を向ける。リィンの剣技は殺傷力と速さに念を置いている。一撃一撃を必殺の威力にし相手の攻撃を回避そして目にも止まらぬ速さで攻撃する。当たらなければどんな攻撃も意味が無く当たったとしても戦闘に致命的な損傷を受けない自信があった。
リィンの鋭敏な感覚が気配を探知する。ゴーディシュナーの群れだ。10体ほど、ほかにはゴルドサイダーが4体こちらに向かってくる。リィンの気分はどんどん高揚してくる。リィンの中に眠る力が開放しろッと声を上げているのだ。 リィンは自身を更なる高みへと昇るために力を開放しようとする!
「■■■■■■■■■ッ」
声にならない声を叫び変貌した。リィンの容姿は黒髪から銀髪緋目へと変わり全身から黒い闘気を溢れだしている。
「ハァッッ!」
有象無象には用がないと言わんばかりに弐の型【疾風】をゴーディシュナーとゴルドサイダーの群れの中を駆けながら斬りつける。神速。ただその一言に尽きるだろう。魔獣たちはどうやら即死のようだ。そしてリィンはそのまま斬り殺したらグルノージャ3体に業火を伴う弧状の斬撃を放つッ。グルノージャたちは反応が出来ないまま斬りつけられながら焔を受け死んだ。
リィンは充足感に満ちていた。自分の剣が一つまた高みへと昇ることが出来たことを。唐突にリィンはハッとした。呆けたままではいられない。空を見上げればもう夕方だ。あまりに遅く帰ると妹が心配し泣いてしまう。両親にも心配をかける。急いでリィンは自分の家へと戻るのであった。…
・リィン・シュバルツァー
7歳
基本的には自己中心的だが自身を愛してくれる家族を愛している。
クラフト
弐の型【疾風】
『攻撃(威力S):円LL即死(70%)崩し発生率+35%』
雑魚には用がないと言わんばかりの技。リィンと戦う際には即死を防ぐアクセサリーを身に付けよう。
【業炎弧影斬】
『攻撃(威力SS+)直線M(地点指定)即死(30%)炎傷(70%)気絶(70%)遅廷+50崩し発生率+50%』
行動なんてさせない。そのまま死ねという技。甲零級を獲得したときのアクセサリーを身に付けたほうがいいかも。
衝動的に思わず書いてしまった。最近、閃の軌跡をやったんですがリィンの王道主人公っぷりにこんなリィンも居ていいだろうと思い書いてしまいました。続くかどうかわかりません。リィンのモデルはあの人です。