剣鬼の軌跡   作:温野菜

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第2話

リィン・シュバルツァー、11歳。リィンは悩んでいた。毎日のように刀を振り魔獣を斬り続けてきたが、ふと気付いたのだ。自分は対人戦をあまりしたことが無いことを。模擬戦ならばユン老師といくらでもしたことはあるが対人戦の殺し合いはしたことがないのだ。このままではいけないとリィンは思った。経験こそが人を成長させると考えるリィンにとっては足踏みしているようなものなのだ。リィンの『知識』もそう言っている。この場に第3者が居ればこう言うだろう。「それはゲームだから」と。

だかリィンはそんなことはどうでもいいのだ。新米の人間がたかだか数ヵ月で超一流と呼ぶべき人間と戦うことが出来たのだ。ならば幼い頃から拷問紛いの鍛練を行えばゼムリア大陸で『最強』の実力者になれるのではないだろうか?リィンはそう考えた。リィンにとっての『最強』は何をしても勝てないということ。不意討ち?弱点探し?毒を盛る?そんなことをしても無意味。弱者が強者に勝てる道理などない。リィンそんな『最強』になってみたいのだと恥ずかしながらユン老師に語ったことがあった。ユン老師はそんなリィンの『夢』を聞いて少しばかり頬がひきつっていたがリィンは知ること無し。

リィンは考えた。まず一つ目、遊撃士。多方面にいろんな事態に関わることが出来ることはリィンにとっても魅力的だった。しかし遊撃士に求められる物が問題だった。実力、それは申し分無いものだとリィン自身自負している。だがしかし次の人格に関してだ。これには引っ掛かるとリィンは断言する。リィンとて自分の人格に問題があることは解っている。こんな自分を受け入れてくれているのは今のところ両親と妹、それに加えユン老師ぐらいものだろうとリィンは思う。故に遊撃士は除外。リィンは心が狭いものだと思いながら次の選択肢、猟兵。戦うことだけを考えたらこれほど魅力的なものはないだろう。これもまたしても問題だ。それは自分の身分が貴族であること。爵位を廃爵し猟兵になる人間もいるが今の自分には関係ない。そもそもな話し両親から貰ったシュバルツァーの名を自分から棄てるなどありえない。これもまた除外。さてどうしたものかと考えていたところリィンは走るのを辞める。リィンは考え事をしながらでも鍛練を辞めないのだ。

ユミルの実家からかなり離れてしまったことに気付く。そこで思い出した。最近猟兵くずれが盗賊紛いのことを領地内でしていることを。このユミルの地では馬車は珍しくない。導力車は帝国では普及しているが辺境の地で誰もが持っているわけではないのだ。そこを猟兵くずれに狙われる。リィンはならばまずは自分で見つけだしてしまおうと思った。鍛練も兼ねてリィンはユミルの地を走り回った。

 

リィンはとうとう猟兵崩れを見付けた。だがまだ確信は持てない。装備から判断したまでで本人たちから聞いたわけではないのだ。リィンは猟兵崩れ?の前に姿を現した。

 

猟兵崩れたちは困惑している。それはそうだろう。急に刀を携えた子供が自分たちの目の前に現れたのだから。だがそこで猟兵崩れたちは眼の色を変えた。それはリィンが携える刀だ。注視して見ると色々な物を盗んできた猟兵崩れたちにも解るぐらい値打ちものだと。しかもそれを持っているのが140㎝をちょっと越えているぐらいの子供なのだ。猟兵崩れの一人がこの餓鬼を脅しつけて奪おうと思ったときその子供が

「こんにちは、あなたたちは猟兵崩れですか?」

 

そんな挨拶をしてきたのだ。猟兵崩れたちはポカンとした。この餓鬼は何を言っているのだと。猟兵崩れの一人が自身が所属していた猟兵団のことを高々に自慢した。そう自分たちは落ちぶれたとは言え有名どころの猟兵団に所属していたのだ。まったくこんな餓鬼に何を言っているのだと思いながらも自慢したい気持ちもわからなくはないと思った。

 

「そうですか。じゃあ、斬ってもいいんですね。」

 

そのとき鮮血が舞った。猟兵崩れたちは唖然とした。先ほど餓鬼が現れたときよりもだろう。そして首を斬り飛ばされた仲間の2人がドシャリと音を立てて崩れを落ちた。何故何故何故何故何故何故何故何故意味が解らない。またもう1人仲間が斬り殺されてようやく混乱から立ち直った。これは目の前の餓鬼が挙げた開戦の号砲だということを。そして餓鬼に銃を向けるが……居ない!何処だと思いながらもどんどん鮮血が舞い仲間たちが血の海に沈む。またしても狂乱状態になり餓鬼の姿をした化け物を探そうとするが急に視界が暗転し永遠に暗闇の底へと堕ちていった。

 

 

リィンは自身が斬り殺した猟兵崩れたちを視る。だが自身が想定した戦闘とは魔獣たちと同じ虐殺になってしまった。何故この猟兵崩れたちは銃も装備していたのにこんなにも弱いのだろう。リィンと猟兵崩れたちでは圧倒的に実力差があったのだ。ゆえにこの結果。少し不満が残るものだと思いながらも返り血も浴びてもいない姿に満足しつつ帰るのであった。

 

 

リィン・シュバルツァー

 

11歳

 

クラフト

 

『我励』

【補助:自己STR・DEF・SPD+50%4ターン】

 

自身を鼓舞する。俺の剣は最強だ!

 

『弧影斬』

【攻撃(威力S+):直線M(地点指定)即死(30%)遅廷+70】

 

今回は小手調べで撃った技。

 

Sクラフト

 

『疾風迅雷』

【攻撃(威力EX):全体 即死(100%)】

 

まだ出番無し。

 

『■■■■■■■』

【補助:自己 全ステータス+100% 常時発動】

 

一話目で出た技。リィンも何故使えるか解らない。




思わずまた書いてしまった。閃の軌跡2周目プレイ満喫中です。ナイトメアは怖くて手が出せない。

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