『赤い星座』。ゼムリア大陸西部に神出鬼没に現れる猟兵団の一つ。『猟兵団/イェーガー』とは大陸諸国で活動する傭兵部隊の中でも特に優秀な部隊を指して使われる称号。規模や目的に応じた柔軟な契約が行え、高い戦闘力を期待できることから、私兵として使われることが多く、その運用を法律で禁じる国も存在する。その中の『赤い星座』は『西風の旅団』と並んで最強の猟兵団と称され同時に宿敵の間柄でもある。その起源は古く暗黒時代の
『ベルセルク』オルランドに始まるという。今は『闘神』の異名を持つバルデル・オルランドを団長をもとに副団長を
『赤の戦鬼』シグムント・オルランドを据える。全ての団員が一騎当千の力を持ち、帝国軍や結社すらも単純の戦闘力では上回ると言う。
その『赤い星座』がこのユミルに地に来ているらしい。そんな情報がリィンの耳に届く。リィンは直ぐ様にその情報の正否を確かめた。これはまたとない機会だと。オルランドは戦闘狂が多いと『知識』にある。ならば自分と戦ってくれるのではないかと期待したのだ。リィンはいろいろなところから聞きまわり、その情報が本当だと言うことがわかった。今は人数が多いので広い場所で野営をしていると聞く。リィンは『赤い星座』が野営をしていると言われる場所へと向かった。
◆
『赤い星座』は休暇と言うのが正しいのだろう。今は猟兵団の仕事はなく骨休めといったところだ。『血染めのシャーリィ』ことシャーリィ・オルランドは頬を膨らませて不満そうにしているが。
「うーん、ひま、暇だよー」
「そう言うな。仕事がなければ俺たちの出番もない」
燃えるような赤髪とそれに加え大柄な体を持つバルデル・オルランドはシャーリィの頭をバシバシ叩きながら言う。
シャーリィは叩かれた頭を押さえながらウーッと唸る。
「でも………っっ」
今まで和気藹々としていた『赤い星座』団員の全てのものたちが警戒体制に入った。この広場に向けられている圧倒的ともいえる闘気。いったい誰だ。まさかこんな辺境の地でこれほどの闘気を有するものがいるとは。それが団員たち全員の総意だった。そのなかでバルデル・オルランドとシグムント・オルランドは面白げな顔をしシャーリィ・オルランドは退屈そうな顔から一転、楽しげな顔をしている。
そして現れてきたのは自身の闘気を隠そうともせず後の世では『剣鬼』リィン・シュバルツァーと呼ばれる少年だった。その少年が一言
「死合いしてくれませんか」
満面の笑みで言ったのであった。
◆
リィンは『赤い星座』の面々にそう言った。
「すみません。突拍子もなく言ってしまいました。俺、強い人と闘いたくてきたんです。出来れば闘って欲しいです。」
リィンは恥ずかしげに頭を掻いた。こんな挨拶では妹に叱られてしまうと。第3者が居ればリィンのセリフに突っ込んだだろう。言っているところは結局変わっていないのだから。だがリィンにとってはこれがここにきた全てである。要点だけを伝え時間の無駄を省く。リィンが気がはやっているのだ。戦いたい戦いたい戦いたい戦いたい戦いたい戦いたいと。それを理解しているのか、バルデル・オルランドが自らの得物ブレードライフルを手にしリィンに
「坊主、名前は?」
「リィン・シュバルツァー」
「そうか。俺の名はバルデル・オルランド。『赤い星座』の団長だ。」
赤い星座の団員たちは驚いた。まさか団長自ら出てくるとは。同時にこの子供の姿をした鬼が団長自らが相手をしなければならないということを理解した。
開始の合図はリィンによる弧影斬の一閃だった!その一閃は『赤い星座』の団員ですらあっさりと殺しうるものである。団員たちは戦慄した。実力者だとはわかっていたがこれほどのものとは。だがバルデルはそれを難なくかわす。そして地面が爆発するほどの踏み込みを経てリィンへと斬りかかる。リィンは回避。回避したそばからライフルの掃射を受ける。リィンの心は歓喜の一言。自身の一閃が簡単に避けられるとは。リィンの口から歓喜の声が漏れる。
「ふふふ…ははははははッ!」
リィンから膨大の殺気が溢れ出す。それは『赤い星座』の団員に無差別に叩きつけられた!自分たちが歩んできた戦場でも見受けられないあまりの殺気に団員の何名かが吐いている。バルデル・オルランドはその殺気に感嘆の息を漏らす。我が宿敵、猟兵王でもこれほどの殺気だすことは敵わないだろう。バルデルはそのままリィンへと特攻する。猛攻とも呼ぶべき攻撃が斬りながら至近距離で弾幕の嵐。リィンも掠り傷を負っている。そう掠り傷。リィンは至近距離で銃弾による弾幕を回避し続けているのだ。攻撃を続けていたバルデルは唐突リィンの姿を見失った。身体に痛みが走った。バルデルの身体から鮮血が舞う。斬られたのかとバルデルは認識した。リィンがいま使ったのは【神風】という技。弐の型【疾風】が多対一に優れているのならば【神風】一対一に優れている。速さの極致の技である。バルデルは斬られ続ける。だが倒れていない。歴戦ともいえる経験が無意識に致命的になるものを回避しているのだ。
そしてバルデルはリィンの姿を捉えた!リィンがどこから来るのか解っていたようにリィンの身体に斬撃の一閃が入った!リィンの身体が吹き飛ぶ。地面に何度も打ち付けながらもリィンは体勢を整えようとするがバルデルによるライフルの掃射が降りかかる!リィンの身体から鮮血が舞う。だがリィンはあれほどの追撃を受けていても立っている。いや、その顔に笑みが浮かんでいる。
「如医善方便、為治狂子故、顛狂荒乱、作大正念」
「心墜醍悟、是人意清浄、明利無穢濁、欲令衆生、使得清浄」
「諸余怨敵皆悉摧滅――」
リィン・シュバルツァーが口にしたものは自身の狂気を正気ものだと断ずる祈り。その祈り述べたリィンに変貌を遂げた。
バルデルはカッと眼を剥く。リィン・シュバルツァーの容姿が急に変貌を遂げたのだ。どういうことだ。その疑問が氷解する前にリィンの斬撃を喰らった。思わず膝がつきそうになる。ただでさえリィンの速さも凄まじいものだがそれが跳ね上がった。攻撃の意を読んで捉えようとするが読めない!初めの殺気が凪ぎのように思えてくる。その膨大の殺意が攻撃の意を読ませないのだ。そしてリィンは
「【閃突】」
至近距離からの刺突!今度は鮮血を撒き散らし吹き飛んだのはバルデルの方だった。轟音をたてながら地面に激突。バルデルが激突した地面は5m位のクレーターが出来上がったのだ。その威力に畏れを抱かせる。勝負は決した。リィンは満足感を得た。リィンの服は自分と相手の血によって染め上げられている。それすらもリィンの心を満たす。
だがあまり惚けてはいられない。バルデルの手当て邁進する面々とバルデルにリィンは
「ありがとうございました。」
お礼はきっちり言わなければならない。でもリィンは驚いてもいた。心臓を狙った【閃突】が貫かれる刹那、絶妙な体捌きでずらされたのだ。さすがは『闘神』と思いながら帰途へついたのであった。
リィン・シュバルツァー
13歳
クラフト
『神風』
【攻撃(威力SS)単体 即死(100%)2回連続行動】
Sクラフト
『閃突』
【攻撃(威力EX+)単体 即死(100%)気絶(100%)封技(100%)ステータスオールダウン】
喰らった相手は全てのステータスが低下する。