剣鬼の軌跡   作:温野菜

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第5話

『トールズ士官学院』。帝国中興の祖『ドライケルス帝』によって創設され、身分に囚われない人材育成を目指してきた士官学校である。その士官学校で今年から新しく作られる特科クラス『Ⅶ組』の指導教官または担任を務めることになるサラ・バレスタインは自身の元へと送り届けられた『Ⅶ組』に配属される生徒の資料にもう一度、眼を送る。どうやら勘違いではないようだ。

 

「まさか……ねぇ…」

 

サラもこれには絶句した。いつも飄々としている彼女を知っている者からすれば想像もつかない様子だ。

リィン・シュバルツァー。その名前が自身の生徒になる子だ。

『剣鬼』リィン・シュバルツァー。帝国では知っている者は知っている。八葉一刀流を免許皆伝している。

『八葉一刀流』とは東方の剣士『剣仙』ユン・カーファイが興された剣術の流派。刀・太刀を得物とした剣術で、一の型から七の型の七種の剣術と、武器を無くした時などに使う素手による第八の型『無手』の計8つの武術で構成されている。その剣術の型を1つでも皆伝まで極めた者を『剣聖』と呼ばれ、世界でも指折りの実力者として知られるようになる。

そして奇しくもリィン・シュバルツァーは弐の型を皆伝しており『風の剣聖』アリオス・マクレインと同じ型の皆伝である。しかし二人は独自の発展を遂げており似ても似つかないものになっている。

本来ならば『カシウス・ブライト』・『アリオス・マクレイン』と並び『剣聖』と呼ばれる筈なのだ。だが誰もがそれを口にしない。『剣聖』と呼ばれない変わりに『剣鬼』。すなわち剣に狂った鬼だと称される。何故こう呼ばれるのかリィン・シュバルツァーの逸話の一つに最もあげられるのが猟兵団『赤い星座』に単身で乗り込み『闘神』と殺し合い、その上で勝利したことであろう。

馬鹿な。有り得ない。そんな言葉に尽きるだろう。気が狂っているのでないかと思わせる。同時に『闘神』に勝利できるほどの超一流の実力者でもあることを窺わせる。まぐれ勝ちで勝てるほど『闘神』は甘くないのだ。ゆえに『剣聖』という呼び名に敬意が込められているのであれば『剣鬼』という呼び名は畏敬の念が込められている。

サラ・バレスタインも、もちろんその情報を知っていた。だからこそ頭が痛い。自身も元A級の遊撃士で『紫電』のサラ・バレスタインと呼ばれたが『闘神』に勝てるとは思えない。サラは自分の実力を理解している。自身の力を認識していなければ戦場では死ぬだけなのだから。

そして情報が正しければリィン・シュバルツァーは13歳の頃に『闘神』を降しているのだ。今の年齢を省みれば更なる力を身に付けているだろう。少なくとも自分の力を越えている。手綱を握れるかわからない。リィン・シュバルツァーはいつ爆発するかわからない不発弾のようなものなのだ。サラ・バレスタインは頭を振った。これ以上は考えても埒があかない。実際対面した訳ではないのだから先入観は禁物だ。サラは次なる生徒の資料に眼を遣った。◆

近郊都市トリスタ。リィン・シュバルツァーが列車に揺られながら向かっている都市の名である。そこは帝都の東、大陸横断鉄道で20分ほどの位置にある近郊の町。歴史はあるが古めかしくはなく、居心地がいい雰囲気の街並みに北側には自身がこれから通うことになる『トールズ士官学院』があるとリィンは聞き及んでいる。ほかには学生街としての機能も備えており、それ以外にも、導力ラジオ番組を放送する『トリスタ放送』などが存在すると妹のエリゼが親愛なる兄のために調べてくれたのだ。そもそもな話、この兄リィン・シュバルツァーはラジオなどには興味などなくそれよりも剣を振ることを至高とする男である。だがそれとは別として妹のエリゼにはリィンは感謝していた。

「本日はケルディック経由、バリアハート行き旅客列車をご利用頂きありがとうございます。――次はトリスタ、トリスタ。1分ほどの停車となりますのでお降りになる方はお忘れ物の無いようご注意ください。」

 

列車内から目的地の到着のアナウンスが鳴り響いた。どうやらこれから住むことになる都市の概要を思い返していたら、ずいぶんと時間がたっていたことにリィンは気付いた。リィンは手持ちの荷物を確認し列車を降りる準備をする。皆が席を立ち、最後に忘れ物がないか立ちながら再三確認してから自身もその人の流れに乗り列車から降りた。いろいろな人たちが列車が降りてくる。そのなかで多いのがトールズ士官学院の学生服を着た少年少女たちである。リィンは自分と同じ新入生なんだろうと納得する。しかしリィンはおや?っと思った。いま自分が着ている赤い制服なのだが1人2人は見かけたがそれ以降はパッタリと見えず、後は緑の制服と白い制服がチラホラ見かけるだけだ。そのことに不思議に思いながら駅のホームを出た。

 

リィンが外に出るとトリスタではライノの花が咲き誇っていた。その光景にしばしば足を止める新入生たちが見受けられる。それらを視たとき得た感想はリィンは自分の剣術の技が完成したときのほうがよっほど恍惚すると彼は思ったのだ。リィンは歩きながら街並みを確認しておく。まず目に入ったのが花屋に服屋、あとはカフェテラス、喫茶店か何かだろう。世間知らずとは彼はそのぐらいは知っている。そして次は橋を渡り左側に教会が見える。ここからでもトールズ士官学院が見える。一通りの街並みを確認したこと満足する。歩いて行くうちに10m先で執事風の老人が長方形のケースをポニーテールの少女に渡している。少女はケースを受け取り学院へと向かっていった。その執事風の老人がわざわざ去り際リィンに礼をとった。リィンはその去っていた老人が高水準の武芸者だと判断した。死合ってくれないだろうかと物騒なことを考えるリィンだが恐らく駄目だろうなと残念な気持ちでそれを迎入れた。歩いて数分、トールズ士官学院にたどり着いた。これほど大きな学校は類をみないだろう。『トールズ士官学院』。父の紹介で入ることになった学校。剣を振るいたいのならば、どういう場で振ることが出来るか学ぶには調度良い場所だとリィンは紹介された。そんな父に感謝の念を送る。そこに

「――ご入学、おめでとーごさいます!」

 

小柄な少女がリィンにそう声をかけてき、身体が太めな作業服を着た男性も追随し近づいてきた。

 

「うんうん、君が最後にみたいだね」

 

何かに納得するかのように頷く少女。リィンは自分に何か用があるのかと頭を捻っていると

 

「リィン・シュバルツァー君、――でいいんだよね?」少女はそう尋ねてきた。

 

「―そうですけど。何か用でも?」

 

「うん、えっとね、学院で預かる荷物があるんだけどそれを渡してほしいの。」

なるほど、そういうことかと彼は納得する。確かに案内書に書かれていた。リィンは肩にかけていた包みの中に入れた刀を男性に手渡す。

「―確かに。ちゃんと後で返されるとは思うから心配しないでくれ。」

 

「入学式はあちらの講堂であるからこのまま真っ直ぐどうぞ。あ、そうそう―『トールズ士官学院』へようこそ!」

 

邪気のない華やかな笑顔で少女はリィンに歓迎の言を示した。男性もそれに続いて

「入学おめでとう。充実した2年間になるといいな。」

 

「――ええ。そうですね。」

 

リィンはそれに頷き講堂へと向かった。

 

『獅子戦役』を終結させたエレボニア帝国、中興の祖にしてトールズ士官学院の創立者、『ドライケルス大帝』。

 

『獅子戦役』と『ドライケルス』とは何か。七耀歴950年頃にエレボニア帝国で勃発した内戦。皇位継承から巡る内紛の端を発し、瞬く間にエレボニア全土が戦火に包まれた。内戦が長期化する中、後に『帝国中興の祖』と呼ばれる『ドライケルス大帝』が挙兵し、『槍の聖女』と謡われた『リアンヌ・サンドロット』と『鉄騎隊』と共に内戦を終結に導く。戦後、リアンヌは生死不明になるが、その武名は後々まで伝えられていくという話だ。

『リアンヌ・サンドロット』。リィンはこの『鋼の聖女』が生きていることを『知識』で知っている。―自分の剣が何処まで届くのか試したいと彼はそんな思考に埋めつくされた。『最強』までの道程をとるならば彼女は避けて通れないだろうと彼は確信しているからである。リィンは今この場に居ない人間のことを考えても仕方ないと思考を打ちきる。

 

「若者よ――世の礎たれ。」

 

そんなヴァンダイク学院長の声が講堂内に響き渡った。どうやら考えごとをしている間に話が進んでいたようだ。

 

「世とは何か。何を持って礎たる資格を持つのか。これからの2年間で自分なりに考え、切磋琢磨する手がかりにして欲しい。――ワシの方からは以上である。」

 

切磋琢磨。斬り合いの相手を探すことを頑張ればいいのかとリィンは考える。世とか礎の資格とか彼にしてみればどうでもよいのだ。最高の敵手、そしてそれを打ち倒す自分の剣があることをリィン・シュバルツァーは至高としているのだから。我が武は誉れ。とても単純である。

 

「うーん、いきなりハードルを上げられちゃった感じだね?」

 

唐突に隣の紅茶色の髪をした柔和な顔立ちをした少年がリィンにそう声をかけてきた。リィンはその少年に視線を向ける。

 

「ご、ごめんね!急に声をかけて。僕はエリオット。エリオット・クレイグだよ。」

 

リィンの視線に威圧されたのか慌てて自己紹介する少年エリオット。リィンも自己紹介されたのならば、きちんと礼を返す。

「リィン・シュバルツァーです。」

 

リィンは無表情だがエリオットにそう返した。あとリィンは基本的に敬語なのだ。気分が上がれば別だが、リィンの気分が高揚するときは間違いなく殺し合いの場になっている。物騒な話だ。そして無言の場になっている。エリオットも若干気まずそうだ。エリオットはチラチラとリィンを見る。余談だがリィンの容姿は男にしては長髪であり、端整な顔立ちした優男である。エリオットもそのせいもあってか話し掛けやすそうだと思ったのである。リィン・シュバルツァーは無口だ。そもそも彼にとっての他人は家族以外ではユン老師ぐらいのものである。あと会話したことがあるのは『闘神』とそれに加えリィンに殺された人間である。殺された人間に関しては「助けてくれ!」とか「殺さないでくれ!」とか、「あぁぁぁぁ!」とか、とにかく会話にすらなっていないものばかりである。付け加えるならばエリオットという少年が気まずかろうとどうでもいいし、興味がないのだ。リィンは無駄なところでも胆が太いのである。エリオットは何とか沈黙を打ち破ろうと声をあげた。

「そ、そう言えば、僕たちの赤い制服はどういうこと何だろうね?ほとんどの新入生は緑色の制服みたいだけど……あと向こうにいる白い制服は貴族の新入生なのかな?」

 

リィンもそれに関しては不思議であった。だが答えが出ないものを考えても仕方がないし、後から連絡がくるのだ。だけど、とりあえず自分の考えを伝える。

 

「それはわからないですけど、後から先生方から通達がくるのではないのでしょうか?向こうの新入生は貴族でしょうね。」

 

「――以上で『トールズ士官学院』、第215回・入学式を終了します。以降は入学案内書に従い、指定されたクラスへ移動すること。学院におけるカリキュラムや規則の説明はその場で行います。以上――解散!」

マイク越しに入学式の終了の挨拶があった。長い入学式がようやく終わったようだ。

 

「指定されたクラスって……送られてきた入学案内書にそんなの書いてあったけ?」

 

エリオットから戸惑いの声があがる。「いえ、書いてありません。」

 

リィンは入学案内書の内容は頭に入っているのだ。だがどこにもそんな情報は見当たらない。

 

「はいはーい。赤い制服の子たちは注目〜!」

 

声のしたほうにリィンは身体を向けた。そこには学院の女性教官なのだろう。あぁ、この女性もまた1人の強者であることがリィンには解った。ヴァンダイク学院長しかり、列に並んでいた金髪の男の教官しかり、そしてこの女性。思わず彼の口からくぐもった笑いが出そうになる。なんて素晴らしいところなのだろうか。バルデル・オルランド並みの強者はめっきり見えなくなった。飢えていた。飢えていたのだ。強者を!強者を!強者を!と。これだけでもこの学院にきたかいがあった。いつの間にか手が刀を探そうとしている。リィンはすぐに心を静めようとする。リィンは息を吸い深く吐く。これを繰り返す。自分の興奮状態の精神が徐々に落ち着く。

「リィン?皆、移動しているよ。」

 

「ええ。俺たちも移動しましょう。」

 

そして女性教官の後に続いてきて到着した場所は古めかしい建物の前であった。女性教官は鼻歌を歌いながらその建物の鍵を開ける。リィンも女性教官の後へと続いていった。後ろの方からは戸惑いの声があがるがついてきているようではある。

建物の中に入り女性教官が高台に上る。

 

「――サラ・バレスタイン。今日から君たち『Ⅶ組』の担任を務めさせてもらうわ。よろしくお願いするわね。」

 

『Ⅶ』組と呼ばれたメンバーは思い思いに困惑している。リィンはこの場所で斬り合いでもするのだろうかと期待した。もちろんサラ・バレスタインという教官とである。だがその線はないようだ。

「お、さすが首席入学。よく調べているじゃない」

 

クラス分けは身分によって変わるのでないかという眼鏡の少女の問い掛けに感心するサラ教官。

 

「そう、5つのクラスがあって貴族と平民で区別されていたわ。――あくまで去年まではね。」

 

その答えに眼鏡の少女は驚きの声を出す。

 

「今年からもう1つのクラスが新たに立ち上げられたのよね〜。すなわち身分に関係なく選ばれた特科クラス『Ⅶ組』が。」

 

リィンはこの『Ⅶ組』の話を聞いて自身の剣を振るう機会が多くなるのでないかと推測する。特別というのは得てして厄介事が付きまとう。まるでこの学院にくることが女神による天恵なのではないかと思えてくるほどだ。彼は人知れず喜んでいると――

「――冗談じゃない!」

 

そんな大声が建物内部で響き渡った。

 

「身分に関係ない!?そんな話は聞いていませんよ!?」

眼鏡の男子にはそれが許容できないのか否定的な声だ。その声に応じてサラ教官も少年に尋ねる。

 

「マキアス・レーグニッツです!それよりもサラ教官!自分はとても納得しかねます。まさか貴族風情と一緒のクラスでやって行けと言うんですか!」

 

マキアス・レーグニッツ。それが眼鏡の男子だ。この少年、見事なほど貴族嫌いのようだとリィンは感想を得る。

 

「うーん、そう言われてもねえ。同じ若者同士なんだからすぐに仲良くなれるんじゃない?」

 

 

そんなサラ教官の軽い言動に憤慨するようにマキアスは反論する。そこで恐らく貴族出身の金髪の男子生徒は鼻で笑う。それにマキアスは露骨に反応する。

いい加減、話を進めてくれないだろうかと表情にはでていないがリィンは苛々としはじめる。こういうものは長引くものだと相場が決まっている。時間の無駄は嫌だ。剣を振る時間が少なくなってしまう。その思いに反してマキアスと金髪の男子は口論をはじめた。マキアスはその金髪の男子の態度に気に食わず、皮肉を込めて家柄を尋ねると金髪の男子は答える。

 

「ユーシス・アルバレア。貴族風情の名前ごときに、覚えてもらわなくても構わんが。」

 

アルバレア。マキアスはその家名に驚く。『四大名門』。帝都の東西南北に広がる4つの州は『四大名門』と呼ばれる大貴族が統治し、州ごとの『領邦軍』を統帥する。正規軍に比べ装備は劣り、情報局の様な部署を持たないが、外部から雇い入れて欠点を補っている。そして東のクロイツェン州を治めているのがアルバレア公爵家なのである。これに『Ⅶ組』の面々は驚いたのである。なかにはその家をよく知らない褐色の留学生や眠そうな小柄の銀髪の女子生徒もいたが、いま一番の危険はリィンの無表情の顔に変化はないが目に殺気が宿り始めている。

 

お前ら、その無駄な時間の浪費は俺の剣に実があるのか。なければ斬り殺すぞ。リィンから殺気が溢れ出す。急に静まりかえる一同。いや、それどころか地面に脚が崩れたかのように座り金髪の少女とエリオットが恐怖した眼でリィンを見ている。顔色が悪くなった小柄な銀髪の少女はリィン対して警戒し、褐色の留学生やポニーテールの少女も同様の様子である。このような状況を招いた殺気も彼にとっては不機嫌程度の殺気である。リィンは口を開いた。

 

「サラ教官、いい加減話を進めてもらえないでしょうか?」

 

 

リィン対して警戒したサラ教官はその言を受けて警戒を緩める。

 

「ふぅ、そうね。本題に戻りましょうか。君たちにこれからオリエンテーリングを始めてもらいます。」

 

サラ教官は後ろに下がっていく。

 

「――それじゃ、さっそく始めましょうか♪」

 

突然何かが外れる音がした。リィンは自分の足元が浮く感じがした刹那、一気に踏み込み蹴り上げて後退する。ほかの面々は穴のそこに落ちたようだ。いや、銀髪の少女が道具を使い、難を逃れたようだ。と思ったがサラ教官がナイフを投げて少女の道具を斬り落とした。

これは自分も含めて穴に落ちる予定だったのだろうとリィンは自分の考えに終着をつけ、自ら飛び降りた。

少しの浮遊感から解放されリィンは地面に足をつけた。ほかの者たちは早々に混乱から立ち直っているようだ。何名かが降りてきたリィンを見て身体を強張らせていたようだ。それを気にする彼ではない。リィンが落ちてきた場所は広間である。円を描くように所々で台座があり荷物がある。そこには自分が預けた刀も見受けられた。リィンのポケットから唐突に発信音が鳴った。どうやら発信音はオーブメントからのようだ。それは自分以外の者たちも同様であると彼は確認する。

 

『オーブメント』。それはC・エプスタイン博士によって発明された、七耀石から導力を引き出し、様々な現象を引き起こす機械の総称である。オーブメント内の構造・歯車の動きで、七耀石を加工した結晶回路を相互干渉させることで無数のバリエーションの現象を発現させる。オーブメントの有用性は、バリエーションの豊富さに加えて、『時間が経てば内部の導力が回復する』ことにあり、外燃・内燃機関と比べると経済効率が遥かに高いのである。

 

『それは特注の【戦術オーブメント】よ。』

 

皆の疑問に答えるサラ教官の声がオーブメントから聞こえた。驚きの声をあげる一同。そのオーブメントに金髪の少女が何かに思い至ったのかサラ教官もそれに応じる。

【ARCUS(アークス)】。エプスタイン財団とラインフォルト社が共同開発した次世代戦術オーブメントと呼ばれるものが皆に渡されたものだ。 そして学園で預かった武器とそれぞれに応じたクオーツをARCUSにセットすることをサラ教官が『Ⅶ組』一同に命じる。 リィンも自分の武器が置かれている台座に向かい刀を携え、ARCUSにクオーツをセットする。ほかのⅦ組一同も自分たちの場所へと向かう。所々でサラ教官の説明もあり、皆は問題なくクオーツをセットすることができた。これでアーツを使用することができるとサラ教官の注釈が入る。

 

そこからはサラ教官が操作したのか広間の奥の扉が開かれ、先はダンジョン区画になっていると説明があり、区画を抜けてリィンたちが入った建物、旧校舎1階に戻ることがⅦ組のオリエンテーリングだとサラ教官が言う。

 

リィンはサラ教官のご褒美などはいらないが旧校舎に徘徊する魔獣には興味があった。ほかのⅦ組一同が集まっていたがそれを無視して1人さきにダンジョン区画へと行くのであった。

 


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