「ヴェティさん!おはようございます!」
「あら、マシュ。ごきげんよう。
今日もあなたは可愛いわ。
それに比べて…」
思わずため息をこぼす。
食堂へ向かう途中、視界に入るのは筋肉、筋肉、筋肉。
そう、現在カルデアにて現界するサーヴァントは、ヴェンデッタ、竜胆を除き
すべてが男性。もっとも、どこのホストクラブだ、とでも言いたくなるほど
見目好い男ばかりではある。
しかし、それとこれとは話が別。
見苦しい体型こそいないものの、逆に言えば「マッチョ」ばかりなのである。
(正直ムサいわ、物凄く。
いい加減、別なのいないのかしら…)
かといって。
唯一マッチョでない男といえば――
「おや、これはこれは。
ヴェンデッタ嬢にミス・キリエライト。御機嫌よう。相も変わらず、健勝そうで、何よりだ。」
これである。胡散臭い。どこどこまでも胡散臭い。
これならマッチョのほうが何億倍もマシである。
「あら、おはよう。
部屋に引き籠りはやめたのかしら?
なら、やるべきことを正しくなさいな。
あなたは決めたことをやり遂げられる、やればできる子、だったのでしょう?」
「おやおや、手厳しい」
「あ~、やだやだ。お前はオカンかっての。
どこかに養ってくれて甘えさせてくれる、いい女はいないもんかねぇ……」
と、通りがかったゼファー。
私の矛先が離れたのを感じてか、
メルクリウスはこれ幸いと離れていく。
「馬鹿言わないの。前にも言った気がするのだけれど、
それは都合がいい女でしょう?そんなの童貞の夢見る甘い甘い夢物語だって」
「へぇへぇ、悪ぅござんしたぁ」
「あの……ヴェティさんとゼファーさんは、
以前から面識がおありなのでしょうか?」
と、マシュからの質問。
そういえば、私たちを狙って呼んだのではないのであったか。
「そうね。深い関係なのは間違いないわ。でも、説明するのが難しいのよね……」
これは本音だ。私の中での関係性など、
外部から見た関係性となればまず私の出自から語らねばならない。
「まぁ、今のところは親しい間柄、でいいんじゃないかしら。
隠したいわけではないけれど、説明が長くなってしまうから。
時間のある時に、お茶会でもしましょうか。」
「あ……はい!ぜひ!」
パァっと効果音が出そうなほど明るくなるマシュの表情。
(この子、本当に可愛いわね。
この世界にはいない、
「まぁ、面識があるだけなら英雄コンビもそうだけどな。」
「英雄、ですか?
サーヴァントの皆さんは出典の違いはあれど、全員が英雄なのでは?」
素直に首を傾げるマシュ。
「あぁ、意味合いが違う。
まぁ俺たちが英雄ってのも烏滸がましい話だが、
あの二人は格が違う。俺たちの世界で最高の英雄だ。
一人はどうも中に閉じこもってるみたいだけどな。」
「片や史上最高の為政者にして独裁者。
片や史上最強の人誑しよ。
表に出てるのは最悪の救世主みたいだけど。
―もっとも、有能が極まった英雄が出す結論が極端に過ぎるのは、
どの世界も一緒みたいね。一緒に呼ばれた子たちも、性根が捩れてそうよ。
素直なのはリンドウとシロウくらいかしら?」
「まぁ、ヴァルゼライド総督とヘリオス。
もし今回の召喚で与えられた知識から表現するなら、
あの二人は現代に生まれたアーサー王と、仏陀ってところか?」
「――二人そろって、化け物だよ。」
瞬間、ゼファーのそれまでの
「キリエライト。
マスターにも言ったんだが、ひとつ忠告だ。
――光に魅せられるな。灼かれるぞ。
失うのが眼か、翼かはわからないがな。」
こんなお節介は柄じゃないけどな、と嘯いてゼファーは離れていく。
いつまでたっても偽悪癖は抜けないけれど、
危うい姿を見たら忠告せずにいられない、優しい子なのも変わらない。
(ホントに、もう。もう、ね。)
――とりあえず、よくわからない顔をしたマシュのフォローから始めましょうか。
「ゼファーはああ言うけれど、別に光を目指すのが悪いわけじゃないのよ。
けれど、強すぎる光は、他のものを焦がしてしまう。
だからね、マシュ。あなたは優しい光にお成りなさい。
色鮮やかで、穏やかな光に。
あなたとマスターなら、きっと成れるって、信じてるわ。」
「さ、ご飯を食べて、今日も一日頑張りましょう?」
「あ……はい!」
うん、いい返事。
ゼファー、きっとこの子たちは大丈夫よ。
助け合い、支え合って、真っ直ぐに育っていけるはず。
それはきっと、
今後の更新について、どれを優先して欲しいですか?
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Fate/genesis light
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