Fate/genesis light   作:馬の人。

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今回から、話中の書き方を調整してみました。
今後もこの形式で、評判が悪くなければ投稿済みの話も
この形で修正したいと思います。

ころころと書き方が変わり、読みづらいかと思います。
申し訳ございません。
当方の執筆慣れまで、できればお付き合い願います……!

また、序章で理解された方もいると思いますが、
本作ではNPCや野良サーヴァントはかなり削っていきます。
文量問題で薄くするくらいなら、出さないほうがキャラ好きな人たちに
失礼でないかと思いましたので……。
何卒ご了承願います。

さて、それでは第一特異点・邪竜百年戦争の開幕です!


第一特異点:炎の詩 前篇/ Carmen flamma

Interlude:ジャンヌ・ダルク

 

 

「――されど汝は、その眼を混沌に曇らせ侍るべし。」

「汝、狂乱の檻に囚われし者。我はその鎖を手繰る者――」

「汝三大の言霊を纏う七天、抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ!」

 

(――なに、この感じ。最後の一騎だけ、遠いところから呼び寄せたような……。)

(あの女(・・・)の言うとおり、座が混線しているということ?)

(まぁ、いいでしょう。パスが通る以上は、どこの英霊でも関係ありません。)

 

そして現れる、6騎の英霊。

ジルを含めて7騎が、私というマスターの同胞となる。

 

「――よく来ました、我がサーヴァントたち。

 私が貴方たちのマスターです。」

 

「召喚された理由はわかりますね?

 破壊と殺戮、それが私から下す尊命(オーダー)です――」

 

瞬間。

一人、先の違和感の主が動き出す。

裂けるような笑み、そしてその両腕を振り上げて……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――直後、バーサーク・セイバーが両断され、バーサーク・アーチャーの足が串刺しとなった。

 

 

 

「「なっ!?」」

 

なぜ暴走する?

なぜ守りに優れたセイバーが一振りで割断される?

なぜ敏捷を極めるアーチャーがその脚を貫かれている?

 

どうやって離れた二人のサーヴァントを一度に仕留められる!?

 

 

驚愕によって全員の動きが止まった瞬間、それはまた動き出した。

 

 

「ウラァッ!!」

 

セイバーを仕留めた得物を、ライダーに向ける、その瞬間。

 

振るった大剣は光の粒子と消え、大筒がその手に収まる。

 

 

 

    ――Realize――

  ――"VI"Blaze Garm――

 

 

 

ライダー、マルタは混乱のさなかにありながら、反応を返し拳を振るう。

極近距離、全ての武器が意味を為さない間合いでは

その拳を防ぐ術など無いかに思えたが、しかし。

 

 

 

  [ハウリング・ゼロ]

 

 

 

刹那、空間が破裂したかの如き衝撃。

信じられないことに、拳が触れる寸前で押し付けた大筒を発射したのだ。

一歩間違えれば自らも容易く吹き飛ぶであろう威力を、

拳の間合いで遠慮なしに放つなど、大概頭がイカれているとしか思えない。

 

 

 

 

結果、ライダーは杖を残し消滅した。

まさしく消し飛んだのだ。

 

「ッ、止まりなさい!!」

 

一喝。

止まらぬならば全員でタコ殴りにして、と思うも。

素直に動きを止める謎のサーヴァント(Unknown)

 

「――アンタ、クラスと名前は?」

 

 

「……アルターエゴ、桐原零示(きりはられいじ)。」

 

 

バーサーク化していない?

 

確かに先ほどの動きにも、言動にも殺意はあれど狂気は無い。

それにしても聞いたことのない名前だ。

聖杯より与えられた知識にも、該当はない。

 

しかしルーラーとして与えられた真名看破が、嘘ではないことを

告げている。

 

「なぜ、セイバーとライダーを殺ったの?」

 

 

 

 

 

「オイオイ、言ったのはアンタじゃないか。

 破壊しろ、殺戮しろ。

 オレは、その方が面白い(・・・)と思ったまでだ。」

 

 

 

 

成程。あくまでも指示に従ったというスタンスを取るか。

我は曲げないが筋を通す、香港マフィア……

いえ、ジャパニーズ・ヤクザの人種でしょうか。

態度にも行動にも腹は立つが、サーヴァントはまた召喚すればいい。

それよりもこれほどの実力、切り札になるかもしれない。

となれば、言葉で縛っておくべきか。

 

「貴方の言い分はわかりました。

 ならば再度伝えましょう。

 この世界のフランスに(くみ)する人、サーヴァントを破壊し、

 殺戮なさい。」

 

つまり、解釈の余地がないオーダーは聞いてしまうのでしょう?

少なくとも逆らうことはできなくなる。

警戒すべきはサボタージュくらいかしら。

 

 

 

 

 

「雑魚ばかりなんだろ?オレが出る意味がない。

 クソゲーはお断りだ。」

 

 

予想通りの反応ね。

でも、そんな雑魚ばかりなら邪竜とジルがいれば事足りる。

 

 

「安心なさい。

 聖杯を取り戻しに、世界を救いに、星見の旅人(カルデア)がやってくる。

 そうでしたね、■■■■(ティシポネー)?」

 

 

 

 

 

 

 

 

「――ええ。あちらには、"彼"がいるのですから。

 半端者が来ることはあり得ません。

 英雄か、冥王か、神か、それとも神殺しか。

 いずれにしても人の身には過ぎた相手でしょう」

 

 

どこに潜んでいたのか、玉座の間に突然現れたローブの影。

そしてその言葉にも臆する気配を見せないレイジ。

 

 

 

 

「そうかい。んじゃ期待しねぇで待ってるぜ」

 

アーチャーの足を串刺した短剣は、光と散る。

彼はそのまま、振り返ることもなく闇夜に消えていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

英霊たちが立ち去った玉座の間。

その隅で、ローブの"女"は一人嗤う。

 

 

 

 

「フフ……ああ、ようやくです。

 ようやく、貴方に逢える……焔の君(ヴァルカーン)――」

 

 

 

 

 

 

     「――Fiat justitia ruat caelum(天が落ちようとも、正義は為される).」

 

 

 

 

 

 

憎しみに満ちた、声が響いた。

 

 

 

 

 

/Interlude end


 

Side:Master

 

 

 

 

「レイシフト、成功しました。」

 

 

マシュの声で、我を取り戻す。

そう、ここはフランス、百年戦争最中のオルレアン。

 

 

「蓮さんは魔力が制限されているそうですが、大丈夫ですか?」

 

 

カルデアの魔力炉の復旧状態は未だ不完全であり、蓮さんが全力を出すには

出力が足りない。

そのため霊基再臨を活用して人間のころ、"藤井 蓮"としての姿で

現界しているそう。

本来のルーラーは覇道神としての姿で、天魔・夜刀(やと)、というようだ。

 

マシュが心配するのも道理だ。

 

なお、ラインハルトはそもそもマスターおよびカルデアから魔力供給を

受けることなく、所持しているエーテルを消費して戦闘を行っていたらしい。

 

……あれ、メルクリウスは???

 

 

 

 

「ああ、戦闘には支障ない。多少窮屈だけどな。」

 

「背中が軽いのは久しぶりだ。それに、この姿ならマリィも繋がるみたいだな」

 

ルーラー、蓮さんは嬉しそうに眼を潜める。

 

 

「……マリィ、さん?」

 

聞いたことの無い名前だ。

そんな私の疑問符に、答えを返す蓮さん。

 

 

「俺の最愛の(ひと)だ。この姿ならこの腕に宿ってる。」

 

 

そう言って、右手を持ち上げる彼。

 

……ただの腕が、断頭台に見えるのは、錯覚だろうか。

 

 

 


 

 

 

「――こんな小娘(わたし)にすがるしかなかった国とか、

 ネズミの国にも劣っていたのね!」

 

 

こちらを見下ろし、嘲笑うもう一人のジャンヌ・ダルク。

 

 

「フランスは滅ぼします。私、サーヴァントですもの。」

 

「政治的に、経済的に。

 そんなやり方では、この世界は変わりません。

 救済(・・)のためには、物理的に全て滅ぼしてしまうべきでしょう?」

 

 

「バカなことを……!」

 

 

「バカなこと?」

「愚かなのは私たち(・・・)、でしょう?ジャンヌ・ダルク。」

「騙され、裏切られ、唾を吐かれ。

 そんな人間たちを、主の導きのままに救う?」

 

ジャンヌ・ダルクの最後は、救いたかったはずの人々による、処刑。

 

「私は主の声など聞こえない。

 つまりそれは、主がこの国に愛想を尽かしたということでしょう?」

「故に、主の嘆きを私が代行します。

 この地の人類種をを根から絶やし、悪しき種を滅ぼす。」

「それが私、ジャンヌ・ダルクの復讐。

 それが新しき私による救国方法です。」

 

「消えなさい、ジャンヌ・ダルク(わたし)

 貴女は不要です。無価値です。私にも、この国にとっても。」

 

 

「そんなの、救済じゃない!」

 

声を張り上げる。

力では、私一人じゃ彼女に勝てっこない。

それでも気持ちは、精神(こころ)だけは負けてないと胸を張る。

 

「色んな人がいる。

 中には必ず、貴女が言う騙したり、裏切ったり。

 悪い人がいると思う。」

 

「でも、それだけじゃない。

 私が今まで生きてきて、見てきた人々はそんな人だけじゃなかった!」

「この特異点でも街の人を、大切な人を守るため、

 ワイバーンに立ち向かう人がいたんだ。」

 

「そんな人たちを、悪い種なんて私は認めない。

 滅ぶのが救済なんて、認めるもんか!」

 

 

「……先輩。」

 

 

「リツカ……。」

 

 

少し恥ずかしいけど、これが今の私の本心。

両親も、友達も。

カルデアに来てから出会った、マシュも、ドクターも。

滅ぶべきなんて、絶対に言わせない!

 

 

 

 

 

 

「ハッ、所詮一皮向けば、畜生肉に変わりはないでしょう?」

「この国の滅びを見たくないのなら、貴女たちは一足先に主の許へ行きなさい!」

 

「行きなさい、バーサーク・サーヴァント!」

 

 

黒いジャンヌ・ダルクの号令に従って、3騎ものサーヴァントが向かってくる。

マシュが前に出ようとした、そこで蓮さんが一人、前に出る。

 

 

「――よく言った、マスター。

 今を生きる者の、刹那を奪わせない……

 俺はそう誓った。だから――」

 

 

Yetzirah(形成)――

Verweile doch(時よ止まれ―), ()du bist so schon(―おまえは美しい)!」

 

 

蓮さんの腕が、化粧が剥がれるように赤黒く染まり、

鎌のような刃が伸びていく。

 

 

そして刃がドクンと脈打って――

 

 

 


 

 

 

私たちをアーチャーの狙撃から守りながら、

それでも蓮さんは他のサーヴァントを圧倒していた。

 

ランサーの攻撃を凌ぎつつ、次々に飛んでくるアサシンとアーチャーの攻撃を

避け、弾き、私たちに向かうものは防いでいく。

 

私が、足手まといになってる。

どうしようもないとわかってはいても、悔しさに唇を噛みしめる。

 

 

「くっ……援護すらできないなんて!」

 

ジャンヌも時折、前線に割って入ろうとするけれど、二人の技量が高すぎて

邪魔になってしまう、と援護できずにいる。

 

 

令呪で、マシュの宝具を使うべきか。

でも向こうはまだ、黒い聖女がこちらを伺ってる。

もし、宝具を使った直後に追撃されたら、助からない。

 

 

 

 

そうだ、司令塔の仕事は戦場を広く見ること。

ラインハルトが、教えてくれた。

 

 「戦闘のことなど、部隊長に任せておけば良い。

  リツカ、卿の仕事は、その外にある。」

 「敵の予備戦力、伏兵といった直接的なもの。

  地の利や天候といった間接的なもの。

  それらを見落とさず、情報を精査する。」

 

 「そうして初めて、戦場は己の思うように進むのだ。」

 

 

 

 

今の敵の戦力は、ランサー、アーチャー、アサシンの3騎。

予備戦力はもうひとりのジャンヌ。

伏兵は、こっちを見てる人が、一人?

戦況は互角……ううん、違う。

蓮さんは、それでもランサーを圧している。

これはきっと、我慢比べ。

 

 

 

 

 

 

 

――そして我慢比べは、こちらの勝利で終わる。

 

アーチャーの宝具をマシュの宝具で防ぎながら、

蓮さんが腕の刃でランサーとアサシンの首を刎ねたのだ。

 

……ヴラドは、満足そうな顔で消滅していった。

 

 

 

「成程。無価値な聖女様はともかく、そこの男はなかなかやるようです。

 ここは一度退きましょう。」

「しかし努々(ゆめゆめ)、忘れないことです。

 フランスは必ずや、私が焼き払います。」

 

 

そう告げると、黒いジャンヌは空を飛んで去っていく。

さっきの視線も、いつのまにか消えている。

 

 

「状況終了。お疲れさまです、先輩。」

 

 

 

 

私たちはその後、マリー・アントワネット王妃と

アマデウス・モーツァルトに出会い、ともに竜の魔女の城を

目指すことになる。

 

 

 


 

 

 

再び召喚された、バーサーク・サーヴァントたち。

そして街に襲い来る、ワイバーンの群れ。

 

選択を迫られた私たちは、蓮さんの提案を受け、

マリー・ジャンヌ・マシュと私で街全体を守り、

蓮さんが囮としてサーヴァントを足止めする作戦をとった。

 

アマデウスは両者の連絡役として、遊撃に当たる。

 

前回の戦いを警戒してか、今回攻めてきたサーヴァントは6騎。

いくら蓮さんでも長時間は厳しいはず。

早くこっちを片付けて、応援に行かないと!

 

 

 

Side:シャルル・アンリ・サンソン

 

 

 

それは、突然目に飛び込んできた。

 

「その、刃は……」

 

青年の腕より生える、異形の刃。

あるいは巨大な鎌にも見える、湾曲した刃。

ひとたび見直せば、終生の処刑人である僕に

とって、それは見慣れたもの―

ギロチン(・・・・)としか、認識できない。

 

そう意識して見れば、その美しさときたら。

生前に扱った、全ての処刑具にも勝り。

どころか比較することさえ烏滸がましい。

 

戦闘中だということも忘れ、動きを止めて見入ってしまう。

 

 

――欲しい。

――アレさえあれば、絶頂さえ超える死を、彼女に与えられたのに。

――否、今からでもやり直せる。アレを奪い、彼女(・・)の頸を……

 

 

「そこまでだ」

 

 

途端、首元に刃を突きつけられ我に返る。

今、自分は何を考えたのだ。

彼女をもう一度手にかけるなど、想像するだに寒気がする。

 

 

しかし、それを措いても、その処刑具は耽美に過ぎて。

 

「それは、ギロチン、なのか」

 

もはや敵方であることも忘れ、問いかけてしまう。

 

 

「……そうか。処刑に携わっていた者なら、認識できてもおかしくはないし。

 彼女(マリィ)に魅せられて当然だった。

 そうだ。この刃はギロチンにして、俺の最愛の女性の魂そのものだよ。」

 

 

……言外に、「俺の女に色目を向けるな」、ということか。

まぁ、魔が差したのだと思うしかないだろう。

 

「そう、か。

 勝手で悪いが、一つだけ頼みたい。

 彼女に、マリーにだけはその刃を見せないでくれ。

 それを見たなら彼女は、きっと自ら頸を断たれてしまう。

 

 

 ――その死は、余りにも、美しすぎる。」

 

そんなことになれば、きっと僕は耐えられない。

 

生きた意味のすべてを、失うことに等しいのだから。

 

 

 

「わかった。気を付けよう。」

 

「ただ、そんなに弱い(ひと)には見えなかったけどな。」

 

―― 一閃。

跳ね飛んだ命は、最後までその眼を閉じることが無かった。

あるいは特異点の、その未来(さき)の、処刑台を見つめて。

 

 

 

Side end


 

 

 

 

辛くも襲撃を退けた私たちは合流し、ついに竜の居城へとたどり着いた。

邪竜ファブニールとバーサーク・サーヴァントたちを相手に、

蓮さんは手札を切る、といって姿を消す。

 

攻め寄せるバーサーク・サーヴァントと、刃を交えようとしたその瞬間、

轟音。

 

 

 

 

 

 

 

 

  邪竜の、首が、落ちた。

 

 

あまりの光景に、一瞬動きを止める私たち。

 

残心する蓮さんに、飛びかかる影。

前にこちらを覗いていたサーヴァント!

 

「蓮さん!」

 

 

「来るな!そっちは、任せる!」

 

 

……そう言われてしまえば、こっちに集中するしかない。

任されたことは、果たさなきゃ。

でも、蓮さんは一人で頑張りすぎ!

あとでまた、マリーに説教してもらわないと!

 

 

 

Side:????

 

 

 

「ハッ、面白れぇ!」

 

ルーラーに駆け寄る影、それは当初離脱したはずのアルターエゴ。

 

「邪竜を瞬殺かよ。所詮ヌルゲーかと思ってたが……アンタだけ別格じゃねえか。

 ……時間(・・)、か?」

 

時間操作を見抜かれたことに辟易しながら、

大剣と鍔迫り合うルーラー。

この男、並大抵の相手じゃない、と結論づける。

 

 

「さて、どうかな?

 その身で確かめてみると良い。」

 

(しかしこの男、声が司狼に似ている……。

 あのゼファーというアサシンよりも、気性が似ている分更に近しく感じるなぁ。)

 

 

「上等ォ!!」

 

 

「出し惜しみは無しだ。行くぜ、レオナ(・・・)

 リアライズ!!」

 

  [Code:Unsung Blue(謳われぬ蒼穹)]

  [Execute(実行)――]

 

 

 

(プログラムの実行?)

(魔力の隠蔽は予測していたが、ここまで大きいなんて……)

敵から瞬時に距離を取り、全力で詠唱を紡ぐ。

 

 ――日は古より変わらず星と競い

 ――定められた道を雷鳴のごとく疾走する

 ――そして速く、何より速く

 ――永劫の円環を駆け抜けよう

 ――光となって破壊しろ

 ――その一撃で燃やし尽くせ

 ――そは誰も知らず 届かぬ 至高の創造

 ――我が渇望こそが原初の荘厳

 

「っ、創造!美麗刹那(アインファウスト)序曲(オーベルテューレ)!」

 

 

 

発動と同時、周囲の目から二人は消え去る。

 

 

ルーラー、藤井蓮の力は自己時間の加速。

その加速は認識にも及び、今の彼は周囲の1秒を1日以上に感じている。

「目にも留まらぬ速さ」など、この創造の前には牛の歩みも同じ。

 

 

 

しかし――

 

「!?」

 

蓮は加速した時間の中、零示を見つけては見失う。

 

(動きは追えているはず、なのに奴は視界から消える。)

 

(シュライバーとは違う、速さの概念を書き換えているわけではない。)

(しかし攻撃の振りは見て取れる。移動に関してのみ、

 奴は時間の影響を受けていない。)

 

(だとすれば――)

 

 

 

直後、蓮の背後に出現し大剣を振りかぶる零示。

当然の如く回避し、振り向き様に刃を振るうがその場は既に(もぬけ)の殻。

 

 

 

そして爆音。

 

 

「ぐっ……」

 

声を漏らしたのは蓮。

見れば遥か彼方から、大砲で狙われている。

しかし音速程度(・・)の砲撃であれば、目を瞑ってすら避けられたはず。

 

いままでの情報を総合すると。

 

「……距離、か。

 離れた地点同士を繋ぎ合わせて、瞬間移動や弾の加速をしてるな。

 それも、尋常じゃない動きと反射速度だ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

「そういうアンタは時間加速だな。」

 

「――しかも数百倍程度じゃないだろ。

 数万から数十万、てところか。十分バグキャラじゃねえか。」

 

(攻略ルートは見える。いくら加速しようが、蒼の軌跡は防げない。

 

 今の司令塔は素人の女、護衛は本体聖女が担当。

 祈る時間が無ければ聖女は少し頑丈なだけの人間だ。

 しかも死因が火炙り。

 

 ゼロ距離からフレイムアーチで旗ごと聖女を焼き落とし、

 スイッチして跳躍込みのクロスエッジでマスターを切り刻む。)

 

(あとは向こうの魔力が切れるまで、距離を取りつつ無作為な転移を

 打ち続ければ、いずれは自壊させられる。

 所要時間(キルタイム)は0.4秒、先手を取れば――)

 

「――ハッ、それじゃつまんねぇよな。

 ギミック前提のラスボスを、真正面からPSで捻じ伏せる!

 これ以上の楽しみが、あるもんかよォ!!」

 

 

 

 

 

声を張り上げた零示に対し、全力で迎え撃つ覚悟を決める、(夜刀)

 

 

「わかった。それじゃこっちも、ラスボスとしてやらせてもらう。」

 

Die Sonne toent nach alter Weise In(日は古より変わ) Brudersphaeren Wettgesang.(らず星と競い)

 

Und ihre vorgeschriebne Reise Vollendet sie mit Donnergang.(定められた道を 雷鳴のごとく疾走する )

 

Und schnell und begreiflich schnell(そして速く 何より速く)

 

In ewig schnellem Sphaerenlauf.(永劫の円環を駆け抜けよう)

 

Da flammt ein blitzendes Verheeren(光となって破壊しろ)

 

Dem Pfade vor des Donnerschlags;(その一撃で燃やし尽くせ)

 

Da keiner dich ergruenden mag, Und alle deinen hohen Werke(そは誰も知らず 届かぬ 至高の創造)

 

Sind herrlich wie am ersten Tag.(我が渇望こそが原初の荘厳)

 

 

 

 

 

 

         「Briah(創造)――Eine Faust Finale(涅槃寂静・終曲)

 

 

 

 

 

Side:藤井蓮


 

 

 

 

 

 

「たとえ全てが作り物だったとしても、たった今、この刹那は真実なんだ。」

 

 

「わかったような口を、聞くんじゃない!アンタなんかに、私の何が…!」

 

 

激昂する竜の聖女。そうだ、諦観よりも激情の方が余程人間らしい。

 

 

「わかるさ。俺も、作られた存在だ。」

 

 

それも、人ではなく、聖遺物(モノ)なのだ。

あの傍迷惑な変態によって作られた、マリィにつながる端末。

 

でも今は、マリィと出会えたことだけは、奴に感謝してもいい。

 

 

「何度も何度も、大切な人を、思い出を、刹那を失った」

 

太陽みたいな幼馴染を、素直になれない意地っ張りな彼女を、

寂しさを埋めてあげたかった先輩を、自分の半身と定めた黄昏の乙女を。

 

 

「それでも俺は、過去を取り戻そうとも、代わりを見つけようとも思わない」

 

 

その世界の俺は、時に復讐に駆られ、時に自暴自棄になり。

自分自身を見失ったのだろう。

それでも、失ったものを取り戻そうとは、しなかったはずだ。

 

 

「失われたら戻らないからこそ、かけがえがないからこそ、特別なものだから」

 

――そう、だからこそ、これを為した狂人の気持ちがわからない。

  大切なものを失った後、望むがまま代用品を作り、替えとできるならば、

  掛け替え(・・・・)があるならば、そんなものにどんな価値があるというのか。

  失ったものに替えを求めた時点で、大切だという想いさえ価値を失うのだ。

 

 

 

 

   「たとえ過去が泡沫(うたかた)の夢だとしても、失った刹那を大切に思う

    この思いだけは真実だから」

 

 

 

 

Side end


 

 

 

「……もう、いいわ。」

 

「持っていきなさい、星見の旅人」

 

何の気なしに投げ渡されたそれは、特異点の核……聖杯。

 

「あ、あの」

 

自分でも何を言いたいのかわからない。

けれどこのまま、彼女と別れてしまっては後悔するような気がして。

 

 

 

「、ぷっ……アハハハハハ!なんて顔してるのよ!」

 

「私は確かに、聖杯によって作られた存在。

 この霊基(からだ)が消えれば、全ては終わり。」

「復讐も、救済も……何も果たせず、消えていく。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「バカにしないで!!」

 

 

 

「私は竜の魔女!

 そうあれかしと願われた存在!」

「最期は魔女らしく、生き汚く足掻いてみせるわ!」

 

 

「……ただ、それに聖杯は不要なだけ。」

「私は聖女でもある。最期は処刑されて当然なの。」

 

「去りなさい、カルデア。

 すぐにこの世界は崩れるでしょう。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   「そして、ルーラー(夜刀)

    我が復讐、受け止めて貰います。もう少し付き合いなさい?」

 

 

 




申し訳ございません!
自分でもわかるほど読みにくい文章になってしまいました……。
話を進めつつ校正していきますので、平にご容赦を!


ツァラトゥストラ
クラス:ルーラー
真名:藤井 蓮
性別:男性
出典:異界史・無間刹那大紅蓮地獄
地域:異界・日本/諏訪原市
属性:秩序・悪
成立:星
身長:176cm
体重:63kg

クラススキル
超越する人の理(ツァラトゥストラ・ユーヴァーメンシュ)・A:七騎士クラスに対してダメージ上昇。
覇道神・B:与ダメージを常に増加。覇道神を持つ敵からの被ダメージ増加。

所持スキル
罪姫・正義の柱(マルグリット・ボワ・ジュスティス)・EX:自身に生物、および人型特攻状態を付与(3ターン)
軍勢変性・A:味方全体に英雄作成の効果、覇道神・Dを付与する(3ターン)。
美麗刹那・B:自身に回避状態(3回/3ターン)、コマンドカードのHit数+2を付与。自身のスキルCTを1減少。

宝具
涅槃寂静(アインファウスト)終曲(フィナーレ)
自身のスキルCTを2減少。自身のNP効率をUP(3ターン)OC。
自身を除く敵・味方全体に超高確率でスタン(1T)付与。
敵全体に必中の強力なQuick攻撃。
配布カードを全て自身へと変更する(1T)を付与。

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