ヴァンガード !F   作:大葉景華

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レンとの戦闘。 ここからちょっと物語が動きます


第六話

いきなりレンさんと戦ってくれって言われたけど……せっかく櫂さんとファイトしようと思ってたのに。

 

「すみません、今から櫂さんとファイトしようと……」

 

と俺が断ろうとしたが

 

「……いや、レンの方が適役だ。 神宮、ファイトはまた今度だな」

 

櫂さんが言ってデッキを片付けてしまった。

 

「まぁ……櫂さんがいいって言うなら……。ん?

えっと、適役って……?」

 

「まぁまぁ、ファイトしてみれば分かりますよ。 でも、デッキが悪いですね。 まだ慣れ切っていない」

 

慣れ切っていない? 確かに俺はまだ初心者だけど……。

 

「デッキの構築がって事ですか? これは店長が貸してくれて……」

 

俺がそう話すとレンさんは納得したように頷いた。

 

「なるほど、そういう事なら……。 櫂、アイチ君は今日は来るかな?」

 

「俺に言われても知らん。 レン、アイチのデッキを使わせるのか?」

 

「ええ、アイチ君のデッキなら大丈夫でしょう。 という訳で、アイチ君が来るまで待って貰えますか?」

 

「え? 俺は大丈夫ッスけど、俺がアイチ先輩のデッキで戦うんスか?」

 

「ええ、多分今のあなたのデッキより使いやすいはずですよ? あ!ミサキューじゃないですか〜」

 

「ミサキュー言うな!」

 

そう言って俺の事は忘れたかのようにミサキ先輩のいるカウンターに向かう。 ミサキュー?

 

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

 

それから十分後くらい。 アイチ先輩が軽く息切れしながらやって来た。

 

「すみません、遅くなっちゃてって……レンさん!? 」

 

「やぁ、アイチ君。 久しぶりですね」

 

アイチ先輩が驚く。 見た目から立ち振る舞いまで何だかこの二人は対極な気がする。

 

「アイチ君。 早速で悪いんですけど、彼に君のデッキを貸してあげることは出来ませんか?」

 

そう言って俺の事を指さす。

 

「え? 僕のデッキを、燈君にですか?」

 

「ええ、その状態の彼とファイトしてみたいのですよ。 アイチ君。 君も薄々気づいているんじゃないですか?」

 

気づく? さっきから何の話をしているんだ?

 

「…………。 分かりました。 燈君、僕のデッキの使い方は分かる?」

 

と言ってデッキを渡してきた。

 

「あ、はい。 大丈夫ッス。 でも良いんですか? アイチ先輩のデッキを使うなんて……」

 

「僕は大丈夫だよ。 ……燈君、気をつけてね」

 

「? 気をつけてって……」

 

「さぁ、始めますよ?」

 

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

 

一通りデッキの内容を確認し、テーブルに着く。

 

「……少年。 ヴァンガードの世界観は知っていますよね?」

 

ファイトを始める前に、レンさんがいきなり話しかけてきた。 この人は行動が読めない気がするからちょっと苦手だ。

 

「え? ええ、勿論。 架空の惑星クレイで霊体になっている俺達ヴァンガードファイターが戦うって……」

 

「そう。 一般的には惑星クレイは存在しないと言われる。 ……しかし、クレイは本当は存在するとしたら? そして、本当に意識をクレイに飛ばして戦うことが出来るなら? そんな事は思いませんでしたか? いや、君はもう体験した事があるんじゃないですか? その感覚を」

 

クレイが実在? 意識だけが本当に霊体になる? 何を言っているんだ?

 

「あの、何を言って……」

 

いや、思い出した! 初めてアイチ先輩とやった時のあの感覚。 俺は確かに惑星クレイでアイチ先輩と対峙していた。

 

「…………」

 

「やはり思い当たる節があるようですね。 私達ファイターの中に稀にいる存在。 ユニット達と真に心を通わせる事が出来る。 イメージを力に変えることが出来る能力『PSYクオリア』」

 

PSYクオリア……。 ユニット達と真に心を通わせる力。

 

「……お喋りはここまで、これからは……ファイトの時間です」

 

レンさんの掴みどころのない雰囲気はもう無い。

 

「分かりました。 いきます!」

 

『『スタンドアップ!!(The)ヴァンガード!』』

 

ファーストヴァンガードを開けた瞬間。俺は見た。 漆黒の馬に跨り、二体の剣士を連れてオレを見下すレンさんの姿だった。




やっぱりというかヴァンガードのオリ主ってすぐにPSYクオリア持ちになりがちな気がします。
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