それから数カ月後
その日ドロシーは所用で街を出て隣町まで来ていた。
「お客様、これなどいかがでしょうか今回は贈り物ということで少々値段が張りますがその分よいものでございますよ」
「ふむ・・・」
ドロシーは目の前に広げられた、豪華なソレを見分する
「常に身に着けるものがいいので華美過ぎないものがいいのだが、それでいて壊れないものを頼む」
「それでしたらこちらはいかがでしょうか、この商品を作り出した職人はとにかく強度を求めなおかつ芸術性を求めたそうです」
そういって店員が箱に入った二つのソレをドロシーに見せる
「これの素材は何でできているんだ?透明な素材のようだが」
「はい、こちらは特殊な日緋色金を使用しておりまして、その希少性からそれ相応のお値段となっておりますが・・・」
「それをもらおう、これでも金ならある」
「ありがとうございます、値段のあまり買い取り手がつかず私どもも困っておりました」
ドロシーは何気なくさもポケットから出したように最高金貨を100枚ほど出す
「あの。少し多いようですが」
「良い品を譲ってくれた礼だ」
「さようでございましたか、こちらが商品でございます、重ね重ね誠にありがとうございました」
「良い買い物だった」
ドロシーは豪華な店を出る、ここはいつものサクラの店がある街の隣町の高級なものを取り扱っている店がならぶいわゆる貴族町と呼ばれる区画だ
今日は休みをもらってここまで来ていた
用事は済ませたのでとっとと帰ることにする
「む?」
ご機嫌で帰路についていたドロシーがサクラに危険があったらすぐにわかるように待機させていた蝙蝠の反応が消えた
この蝙蝠に戦闘能力はなく、あるのは対象者が危機に陥った時に結界を張る程度の力しかない、なので急がねばならなかった
「まさか、襲われたか?いや今サクラの近くには代理の冒険者がついている可能性は低い、となると街自体に何かあったか
ともかく急がねば」
ドロシーは空を飛ぶことができる吸血鬼モードで街へ戻る、
町が燃えている、そして阿鼻叫喚にして地獄絵図という言葉がぴったりなほどの混沌に包まれている
逃げ惑う、市民ソレを追いかける、どこかの国の兵士、少なくともこの国の兵士ではない
「っ・・・ひとまずはサクラだ」
いつものパン屋へ向かって飛ぶ
「完全に崩れている・・・」
パン屋があった建物は火に飲まれ完全に崩壊してしまっている
しかし、日の中に一つだけ生命反応がある
「サクラ!!」
翼の羽ばたきで一時的でも炎をどかし瓦礫を撤去する
やがて結界に守られて気絶しているサクラを発見する
「良かった、君が生きていただけで」
「お前らー!!ここにも人がいるぞ!!女もいるぞ!!」
瓦礫をどかす音が聞こえたらしく、兵士がやってきた
「殺せー奪えー我らが国王がお望みだー」
「黙れ」
気絶しているサクラの結界をそのままに抱きかかえ、
今まで完全な『絶』状態だった『念』を開放する
『確立せよ古の吸血鬼の領域』
「なん、だこれは」
一瞬にして町だった場所が満点の星が輝くどこまでも続く平野に塗り替わる、塗り替わる範囲はドロシーが維持できる円の範囲
現在のドロシーなら町一つを包み込む円を維持するなど造作もないうえ外に陣取っている敵の拠点ごと取り込みなお余裕がある
「貴様らは夜の領域に踏み入ったここから抜け出すには我を倒すよりほかない、せいぜい励むがよい」
その言葉を聞いた兵士たちがドロシーのもとへ突撃してくる
「へへ、これでもう逃げ場はない、お前はこの変な空間をいじ__がはっ」
「誰がお前たちの相手を私だけですると言った、お前たちの相手など下級で十分だ、私は用があるのでなではさらばだ」
ドロシーが消えた瞬間兵士たちの陰から次々と影のようなものが這い出して来る
一匹一匹が協力でそれが兵士たちと同じ数いるのだ勝ちようがない、こうして一万もの数の兵士は一刻もたたずに消え失せた
「サクラ、起きて」
「ん・・・私確か、はっドロシー?確か警報が鳴って兵士が攻めてきて、ドロシーさん町は、私たちのお店は!?」
ドロシーは静かに首を振る
「町はもうだめだ、お店も完全に崩れた、生き残った人たちが協力して立て直しを図ているけど、もう新しく作った方が早い
敵兵は皆殺しにしておいた、しばらくは安全だろう」
「そうですか・・・敵さんはドロシーさんが?」
「ああ、少し頭に血が上ってしまってねこれでも強いから、でもよかったサクラが無事で」
「はい、私ももうだめかと思いました」
「どうしてサクラは警報が鳴ったのに避難しなかったんだい?」
「・・・守りたかったんです、ドロシーさんは帰る場所がないって言ってたから、あそこを失ってしまったらって」
「サクラ・・・」
「結局守れなかったですけどね、おまけに迷惑までかけちゃって」
えへへとサクラが無理に笑って見せてくれる
「サクラ、話があるんだ君はこれからどうする?」
「私は・・・」
「俺は旅に出ようと思っている」
「そうですか・・・」
「君についてきてほしいと思っている、ずっと近くにいてほしいと思っている
サクラ、ずっと俺の近くにいてくれないか?」
隣町で買ってきた、ソレを差し出す
「これって・・・指輪ですか・・・」
「ああ、君がこの指輪を受け取ってくれるなら俺は君を永遠に守ると誓おう、俺と結婚してくれ」
「・・・はい///こんな私ですけど」
「そんなことはない、俺は君のことが大好きだ」
「私も好きですよドロシー」
「サクラ・・・」
二人の顔がどちらともなく近づいていく
唇が重なる
「えへへ、ドロシーとキスしちゃいました、これからずっと一緒ですよ?」
「ああ、これからずっと一緒だ」
お久しぶりです
最近やる気が出ずに全然かけませんでした
今回も皆さんのご期待に添えていらばうれしいです