Fate/Zero盗賊と槍兵の願い   作:泥の男

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どうも、泥の男です
ランサーさんのあの最後がどうにも納得できず、書いちゃったけいです。
楽しんでくれたら幸いですではどうぞ


盗賊者の戦いと契約

暗い、そこはとても暗い場所だった。電気とは違う魔術の灯りでここに何があって、どうなっているかはすぐにわかるが、それも数分前。今はその灯りも術者と共に消えかかっている。

 

この場所で儀式を行おうとしていた者はまさかこのような事態になるとは夢にも思っていなかったとはいえ、切り札を持っている自分に敗北などあり得ない。いや、なかったとしても、ある程度の賊に自分は負ける道理などない。負けるはずがない。目の前にいる敵は素人であると認識したからだ。

 

「あんた、こんな言葉知ってるいるか?」

 

だが、その考えはいとも簡単に砕かれた。

 

「油断大敵…まぁ、あんたの場合、大層な権威やらなんやらがあるから慢心するんだろうが」

 

「な、なぜ、なぜだ!……貴様は、いったい?」

 

そこには2人の男がいた。1人は天才魔術師と言われる魔術の名門アーチボルト家の嫡男

 

「死にかけのあんたに名乗る必要があるのかい?ケイネスさんよ?あと、自分の切り札をおいそれと答えるほど甘くはないぜ。ともかく、あんたが普通の魔術師の限りは俺には勝てないぜ。」

 

ケイネス・エルメロイ・アーチボルトという男の質問に答えようとはしない男はまだ若く20代前半といったとこだ。東洋人の顔と、英国人ような瞳しており、ズボンやベルト、胸などには多数のポーチがつけられており、魔術師というより軍人に近い。

 

(なぜ、このようなことに)

 

 

 

数分前

 

ケイネスは近々東洋で行われる魔術師同士の殺し合いと言う名の戦争、聖杯戦争に参加するために、英霊召喚の儀式を行っていた。

そこに、扉が開く音がしたが振り向く前にケイネスは相手が自分の知る人物ではないと察知していた。

 

「何者だ?」

 

フードをかぶっており、顔が見えないが体格からして男であるとすぐにわかった。男は答えず、ケイネスを見つめる。

 

「まぁ、何者であってもこのような場所にずかずかと入ってきたのだ。賊に違いあるまい?」

 

問いただしたわけではない。が、

 

「あぁ」

 

とだけ答えるとフードの男は問答無用でナイフを投げつけた。

 

「!おろかな」

 

しかしそれは魔術の障壁に阻まれ、威力を失って地に落ちる。

 

「私の工房ではないにしろ、どうやってここまでたどり着いたかは知らんが、そのような物で私を討とうなど………片腹痛いわ!!」

 

瞬間、無数のガンドと風の刃が男を襲い、当たった場所に粉塵が舞った。

 

「たあいもな…!」

 

粉塵に近づくケイネスに何かが飛びかかる。小石のような大きさのそれは複数あった。すぐに障壁をはるがケイネスはここでミスをしてしまう。障壁の力が少々弱かったのだ。

 

(これは、魔力のこもった宝石!まずい)

 

そう考えたと同時にその宝石はその輝かしさを散らすがごとく爆散した。

 

「なるほど、すこしは、魔術に精通しているということか!」

 

瞬時に力を強めてガードしたもの服は汚れ所々かすり傷ができていた。これが何らかの高等秘術のようなものによってつけられたものなら彼は相手に賞賛を与えただろうが、それとは違い下賤な賊の悪あがきと言ってよい攻撃に付けられたのなら、プライドはズタズタに切り裂かれた。

 

「!どこへ、いった!!」

 

この地下室は推定30メートルを超える広々とした空間で遮蔽物となる柱や魔術に使う道具や家具もいくつかおいてある。

 

「いいだろう!聞け、賊よ!これから行われるのは退治でも粛清でもない!単なる掃除だ!今から貴様にはここに来たことを後悔…」

 

言い終わる前に今度は弾丸が彼の頭をかすめる。

 

「ふ、ふふ、——————殺す」

 

懐からケイネスは少し大きめの瓶を取り出し、その中身にあった水銀を地面に出しながら呪文をとなえるとこぼれた水銀は大きく膨脹して、やがて大きな塊となる。

 

「そこだな……Scalp!!」

 

とたん、水銀はまるで意志を持つかのごとく相手を的確にとらえ、その形を刃に変えて襲い掛かる。これこそがケイネスが誇る切り札、月霊髄液(ヴォールメン・ハイドラグラム)

 

「逃げても無駄だ!」

 

とても人間技とも思えない動きで回避してフードの男はその攻撃をよけ続ける。

 

(なるほど、魔術による肉体強化…だけではないな。おそらく奴は一時的に感覚の一部を遮断し、人間にあるリミッターを自分の意志で開放しているな)

 

火事場のくそ力。そうもいわれるこれは、普段の人間では到底起こりえない。が何らかのことがきっかけによって一時的に開放されると一般の人間もそれこそスポーツマンを超えるかもしれない動きもできる。

 

(だが、それもそんなには持つまいて)

 

次の一撃で決めるそう決めてケイネスの前にあろうことか男は出てきた。

 

「自らの死に悟り出てきたか?だが許しは…」

 

「うざい!」

 

またもケイネスの言葉を聞かず今度は2つの拳銃を乱射する。が、月霊髄液(ヴォールメン・ハイドラグラム)の自動防御で防がれる。

 

「そんなおもちゃごときで……」

 

「どうなると思う?」

 

その声が聞こえたと同時に、月霊髄液(ヴォールメン・ハイドラグラム)は爆散し、あたりに飛び散る。

 

「なっ!」

 

当然のことながらケイネスの防御は丸裸になる。そこに一発の弾が彼の肩にあたると拳銃とは思えない威力でケイネスの腕を吹き飛ばした。

 

「ぐあぁぁぁ‼‼‼腕がぁぁ!令呪がぁぁ!」

 

「さっきからべらべらと」

 

いつの間にかフードは取れていた男は一瞬でケイネスの懐に入り拳を腹に入れ、即座に回し蹴りを加えるとサッカーボールのようにケイネスの体は転がって行った。

 

「うるさいんだよ」

 

何が起こったか理解はできなかっただろうが仕組みとしては簡単だった。

 

男が撃っていた弾丸は魔力を充分に溜め込んだ宝石でできており、最初に撃っていたのは拡散弾に近く放たれた瞬間に空中で宝石の弾丸は四散し、月霊髄液(ヴォールメン・ハイドラグラム)に防御される。

そしてそのかけらの一部は中に取り込まれる。巨大な城壁に正面から攻撃しても大したことはないが、もし壁の中に爆弾が埋め込まれていたら、そしてそれが爆発したら、壁は内部崩壊する。

取り込まれた宝石は小さくとも、数十発も乱射されたならかなりの数は取り込まれていただろう。

そして腕を吹き飛ばしたのも同じく魔力を溜め込んだ弾丸である。威力はマグナムを悠々と超えるほどである

 

魔宝石弾

様々な威力を使い分けて撃っているこの弾丸だが、散弾はレベル1腕を吹き飛ばしたものでさえ2である。

 

 

 

 

そして今につながる

 

 

「ごほっ、がはっ!」

 

必死にこの場から逃げようとするも、両足の骨も筋肉も粉砕され、腕に関しては片腕をもがれ、肋骨から肺は潰れており、体全体はボロボロで生きているのが奇跡の状態であった。治癒を行おうにも目の前にいる男はそんな時間を与えないのは火を見るより明らかである。

 

「すまないな。あんたが俺の依頼者にどういう恨みをかったのかは知らんし、知りたくもないが、契約は守るのが俺のやり方でね」

 

カチャリと、S&Wと言われる拳銃を改造したものを向ける。

 

「じゃあな。できれば俺を恨まないでくれ」

 

引金を引こうとしたまさにその時だった。部屋が一気に明るくなる。

 

「な、なんだ…痛っ!」

 

同時に腕に痛みが走った光は部屋の中央にあった魔法陣からのものであった。

 

「!!」

 

警戒を強めると同時に、ケイネスの監視もしていると

 

「ふ、ふふ、ふはははははは!」

 

突然ケイネスは笑い出す。

 

「これで貴様も終わりだな!どうやら私は運がいいようだ!」

 

「………」

 

パァンと通常の弾丸をあえて耳に発砲した。

 

「~~~~~!!!」

 

片耳がなくなったショックと痛みでケイネスは声にならない叫びをあげる。

そうしていると光はだんだん小さくなり、そこに

 

「なんだ、おまえは?」

 

新たな人影があった。その人影がこちらに歩いてくる。が、不思議とこいつは敵ではないと、男は気づいていた。だからこそ、その顔が認識できる距離までの接近を許したのだ。

 

「サーバントランサー、召喚に応じ、参上いたしました」

 

そう言った2本の槍を持った男からは並外れた魔力が感じられた。隣にいるケイネスを先の自分よりも早く仕留めることのできそうなこの男は、何を思ったのか首を垂れたのだ。ケイネスではなく、その命を奪おうとする、自分に。

 

「な、何をしているんだ!お前のマスターはそいつではない!!」

 

とたん、ケイネスは怒りと混乱で叫びだすが、槍を持った男、ランサーは無視をして、さらに問い掛けた。

 

「あなたが、我が主でしょうか?」

 

「主?」

 

「はっ。その腕にある令呪が、契約した主の証であります」

 

言われてみると先ほどの痛みがあった腕に付けたはずのないアザがあった。

 

「馬鹿な!令呪が、私の令呪が、貴様に!?聖杯は私を選んだのではなかったのか!?」

 

ケイネスはもはや最後の砦も失ったことに絶望し、理解不能の状況下でパニックになっていた。

一方、主と言われた男は状況をすばやく整理していた。

 

「…なるほど。つまり、これは面倒事」

 

そして今度こそケイネスの頭に弾丸を撃ち込む。

 

「!、主、いったいなにを!」

 

それを見てようやく、特殊な現状が理解できたランサーの問いにこたえようとせず、男は言う

 

「なんでか知らんが…まぁ、つき合ってやるよ………聖杯戦争とやらにな」

 

「—————、では、やはりあなたが」

 

「あぁ、お前さんのマスターだ。クラウス・クラウン。魔術盗賊なんて言うやつもいるがな」

 

クラウス・クラウンと名乗った男は今の状況をランサーに説明するのと、ここからどうやって動こうかを整理していた。

 

そしてすべての説明が終わるころ。

 

「よし、いい手を思いついたぞ。とりあえず、参加する奴の情報収集だな」

 

めんどくさそうに、だがどこか楽しそうな様子で言うクラウスを

 

(我が主は、どういう…いや、どのような人であろうと、令呪の契約を、忠節の道を貫くだけだ)

 

己の誓いを立てながらランサーこと、ディルムッド・オディナは見ていた。

 

 

本来のマスターから別のマスターへ。正史の道から少々外れた程度では未来が変わるわけではない。

 

が、少なくともランサーのこれからの戦いは正史とは外れた未来になることは容易に想像ができることであった。

 

彼らの聖杯戦争は今始まった。

 




先に言いますがこの話は本編と変わってきますが、第4次聖杯戦争のあの結末だけは変わりません。

自分はただ、キャスターですらちょっと幸せそうにいったのにランサーさんだけひどい死に方だったので書きました。

誤字脱字や、これは違うといった内容がありましたら教えてください
乾燥お待ちしています
↑おい 

さて、次回はとりあえずクラウスについても書いてみようと思います。
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