カズマ「……ここどこだよ……」
辺りを見渡すと地平線の向こうまで地面が白く空が青い。それ以外、何もない所だった。
そしてカズマの近くには杖を抱きしめて寝ているめぐみん。
鎧を着てハァハァと息を荒くし興奮しながら寝ているダクネス。
だらしなく腹をだし、よだれを垂らしながら寝ているアクアがいた。
カズマ「おい! 全員起きろ!」
めぐみん「うう……。どうしたのですかカズマ……」
ダクネス「んん……。どうしたカズマ。何かあったのか……」
アクア「後もう少し……」
アクア以外が目を擦りながら起き上がり目の前の光景を見て愕然とする。
カズマはまた寝ようとしているアクアの頭をひっぱ叩く。
アクア「痛っ! 痛いじゃない! いきなり何すんのよこの引きニート!」
カズマ「なんだよじゃねーよ! 周りをよく見てみろ!」
アクア「ってなによこれ! 私の大事な酒はどこいったのよ!」
カズマ「酒なんかどうでもいいんだよ!」
めぐみん「それよりここはどこなんでしょうか……。ままままさか私達が寝ている間にどこかの貴族にら、拉致されてしまったのでしょうか……! どどどどうすれば……!」
ダクネス「そ、そうだとしたら私はこれから捕まえられた貴族にあんなことやこんなことを……! や、やめろおお! //」ハァハァ
カズマ「ああもう! お前ら一旦落ち着けえええ!」
カズマが全員を落ち着かせた後、円になるように座り自分の体に異常がないか確かめていた。
めぐみん「私は特に異常はありません」
ダクネス「私も特に異常はない……」
アクア「私もないわ」
カズマ「俺もないな。というかダクネス。お前はなんで体に異常がないのに落ち込んでんだよ。でもなんで全員、クエストに行くときの格好なってるんだ?」
カズマ達が起きたときには既にこの格好になっていたのだ。
めぐみん「私達が寝ている間に誰かが装備させたのでしょうか?」
ダクネス「装備させる意味が分からないのだが……」
カズマ「どうせ考えても分からないしこれからどうするか決めるか」
カズマがこれからの方針を考えているとポケットの中からクシャッと音がした。
カズマはポケットに手を突っ込み中に入っている物を出す。
アクア「手紙?」
めぐみん「なんで手紙なんかがポケットに入ってるのですか?」
カズマ「いや、わからん。手紙なんてポケットに入れた覚えなんてないぞ?」
ダクネス「中身はなんて書いてあるんだ?」
カズマ「ええと『サトウ カズマさんへ カズマさん達は先ほど、何者かの特殊な転移魔法に巻き込まれ別の空間に飛ばされてしまいました。
その空間はカズマさん達を転移した者が造りだした空間です。こちらから接続を試みたのですが強力な結界が張られておりこちらからでは魔法で転移させて元の世界に戻す事や会話する事さえ出来ません。
私が出来る事といえばカズマさん達に手紙と装備を送る程度です。
そこでカズマさん達にはやってもらいたい事があります。その空間の何処かに空間を維持する動力源があるはずです。それを見つけだし、破壊して下さい。
近くに穴があるはずです。そこに落ちればカズマさん達の様に巻き込まれ別の世界から転移された人達が居ます。
その人達にも既に手紙を送り、カズマさん達を待つよう伝えてあります。なので説明は不要です。
その人達と一緒に動力源を見つけだし破壊してください。そうすれば結界が壊れなくとも弱まるはずです。
破壊した後、私はこちらから転移魔法を使い、皆さん方を元の世界に戻します。
その空間は特殊な空間です。なにが起こるのか私でもわかりません。気お付けて進んでください。
追試(カズマさん。もし死んだら私でもどうなるかわかりませんので特に気お付けて進んでください。皆さんの事は任せましたよ) エリスより』」
カズマ「(最後に怖い事、言わないでくださいよエリス様……)」
ダクネス「あ、あのエリス様が書いたのか……?」
めぐみん「にわかに信じがた事ですが……」
カズマ「とにかくこの手紙には近くに穴があるしい。まずはそれを見つけて……ってアクア寝てんじゃねぇ!」
カズマはまたアクアの頭をひっぱ叩き起こした後、全員で手分けし、エリスが言っていた穴を探す。
少し時間が経過しやっとカズマが穴を見つけた。
そこにはロープが吊るされており下に降りられる様になっていた。
アクアが全員に支援魔法をかけロープを蔦っていくと段々、明りが見えてきた時、アクアが「悪魔に似た臭いがするわ」と言いだした。
カズマ達は警戒しながら地面に降り立つとそこには銀髪の少女とメイド服を着た青髪の少女、ドレスを着た子供、黒髪に黒い目をしジャージを着込む少年がいた。
??? 「あんたらが違う世界から来たっていう人達か?」
カズマ「あ、ああそうだ。ええと……」
??? 「おっと。先に自己紹介しとくか。では改めて」
黒髪の男は咳払いをし指を上に掲げて言う。
スバル「俺の名前はナツキ スバル! 精霊使いでありエミリアの騎士! よろしく!」
カズマ「お、おう。よろしく。俺はサトウ カズマだ。そんでこっちが」
カズマの名前をきいたスバルは眉を上げる。
だがスバルは何も言わずカズマが指す方を見る。
ダクネス「ダクネスだ。よろしく頼む」
エミリア「私はエミリア。よろしく」
ベアトリス「ベアトリスかしら。よろしくなのよ」
レム「レムです。よろしくお願いします」
レムはスカートの裾を掴みお辞儀する。そんなレムを見てカズマとダクネスは驚嘆する。
カズマ「(まともそうな人達でよかったぁ……。問題は……)」
アクア「私の名前はアクア。そうアクシズ教団で崇められてる水の女神アクアよ!」
アクアが胸を張って偉そうに言うとベアトリスとエミリアとレムがスバルの後ろに隠れる。
スバル「ど、どうしたんだよ皆?」
カズマ「(あれ? この反応どこかで……。まさか)」
エミリア「スバルは知らないと思うけどアクシズ教徒は魔女教徒の次に危険だって言われててアクシズ教徒はマイナーな教団でそこまで人数はいないんだけど一人一人がとんでもない加護を持ってて全員が変人ばかりって知られてるの」
レム「危害を加えたりはしないんですがなんでもアクシズ教徒に会った人はあられもない姿で帰ってきたっていう話しがあったそうです。なので世間の人は関わりを持たないようにしてるんです」
ベアトリス「あの魔女教徒や魔女さえ関わりたくないと思わせるほどなのよ」
スバル「魔女も! アクシズ教徒パネェな!」
それを聞いたアクアは涙目になりスバル達を襲おうとするがカズマに取り押さえれる。
まだ自己紹介をしていないめぐみんは前に出てローブを翻し名乗る
めぐみん「我が名はめぐみん! アークウィザードにして、最強の攻撃魔法、爆裂魔法を操る者!」
スバル達は呆然とする。
スバル達は一旦、集まり小さな声で話しだす。
スバル「俺さっきあの子がめぐみんっていってたんだけど聞き間違えじゃないよね?」
エミリア「うん……。私もそう聞こえた」
レム「偽名なのでしょうか?」
ベアトリス「もしかしたらあっちの世界だとあれが普通なのかもしれないかしら」
スバル「カズマ達は名前は普通だったけど……」
エミリア「カズマ達は何も言わないしきっと偽名じゃないと思う」
エミリアの結論に全員が頷く。
スバル達はめぐみんの方に向き直り
スバル「よろしく! め、めぐみん!」
めぐみん「よしっ! 私の名前に言いたい事があるなら聞こうじゃないか!」
めぐみんはダクネスに取り押さえられる。
めぐみんを落ち着かせている間にカズマはスバルの所に行く。
カズマ「スバル達はどうやってここに?」
スバル「目が覚めたらここに。後、ポケットにこれが」
カズマ「手紙か。その手紙にこれから俺達は何をしてほしいとか書いてあるか?」
スバル「ああ、この手紙には目の前の通路の何処かに外に出れる通路があるから探して外に出てほしいって書いてある」
カズマ「外? 俺達が目が覚ましたのは外だったぞ?」
スバル「ん、どういう事だ? なんでわざわざ違う場所から外に出なきゃいけないんだ?」
カズマ「どうせ考えても拉致があかないしまずは進もうぜ」
スバル「そうだな。うんじゃまぁ。外に出るために探索と行きますか!」
スバルとカズマを先頭に、嫌な緊張感が漂わせながらそれぞれが警戒と注視し、二列になって進む。
自然と無言になって進んでいるなか、エミリアが突として壁を指でなぞる。
エミリア「それにしても変わった壁……こんなのルグニカでも見たことない」
エミリアがそう言うと、それぞれが壁に触れる。
既にカズマとスバルはその壁について看破していた。
その壁はスバルとカズマの本当の元の世界にあるものだったからだ。
プラスター。
厳密に言うとかなり違っているが、コンビニなどのような白い壁、と言うと想像しやすだろうか。
ダクネス「確かに、私の屋敷や王都でもこんなツルツルと綺麗な壁は見たことがない。……それにこの壁に埋め込まれているこの光る石はなんだ?」
めぐみん「微弱ですが魔力を感じますね。形からしてマナタイトに近いですが……ですが、光るマナタイトといったらかなり高価なマナタイトになりますし、だとしても魔力が微弱過ぎます……なんなんでしょうかこれ?」
間隔を空けて左右の壁に埋め込まれている石を睨むように凝視するめぐみんに、レムがそんなめぐみんの隣へと移動する。
レム「この石は魔鉱石と言います。この石を加工してこのように光をだしたり熱を発しさせたりなど、いろいろな用途に使われ、私たち世界の住民にとっては欠かせないものとなってます」
めぐみん「そちらの世界の物ですか。ほぅ、それはなかなか興味深いですね」
そう言ってめぐみんが魔鉱石を眺めていると、レムの説明を聞いていたアクアが何か閃いたとでも言いたそうな表情をしたかと思いと、突然壁に埋め込まれた魔鉱石に顔を近づかせ、今度は魔鉱石に何度も指を引っ掛けてようとする。
ベアトリス「なにやってるかしらこの青髪の娘は……」
変なものを見るような眼差しを向けるベアトリスに、アクアはベアトリスに向き直り、胸を張って鼻を鳴らすと、
アクア「元の世界に無い異世界のものよ? 元の世界に持ち帰って、この石売り捌いて大儲けするのよ!! 私頭いいでしょ!! それより、ねぇカズマその剣貸してちょうだい。手じゃ取れそうにないからその剣でこの石取りたいのよ」
カズマ「ふざけんな、そんな下らない事の為に貸すわけねぇだろう! てかお前、あのめぐみんとアレなダクネスが珍しくちゃんとしてんのに、なにふざけてんだ、ちょっとは真面目やれこの駄女神が!?」
アクア「あああっ!? まだ会ったばかりの人の前でカズマがまた私に言っちゃいけない事言ったあああ! 謝って、皆んなの前で私はちゃんとした女神ですって謝って!? ねぇ、ほら早く謝って!!」
めぐみん「黙って聞いてれば私のこと、あのと言いましたね!! なんですか、ケンカ売ってるんですか!?」
ダクネス「そうだぞカズマ、今のは聞き捨てならないぞ!」
めぐみん「ダクネスはともかく、ここ最近の私はなんだかんだしっかりしていた筈です!!」
ダクネス「めぐみん!?」
カズマ「ああああもうっ、お前ら静かにしろおおおおおお!!!」
めぐみん、ダクネス、アクアと言い募られたカズマの天を仰ぎたくなるような理不尽な現状を呪う、カズマの叫び声は洞窟の奥まで響き渡ったのであった。
そんなカズマ達の悲惨な光景を黙って見ていたスバル一行、エミリアが一言。
エミリア「皆んな仲良しなのね」
スバル「この状況でその感想でるって、エミリアたんマジE・M・P(エミリアたん・マジ・ポジティブ)……」