使い魔少女HOMURA★ほむら ~だが、誰が救い手を救うのか?~(完結) 作:曇天紫苑
私の指に力が篭もり、何時もより震える指先を押さえつけながら引き金を引こうとした瞬間。
「だめぇっ!!」
叫び声が聞こえたかと思うと、私の腕が誰かに引っ張られて、銃口が私の手から思い切り逸れた。
でも、引き金にる力は止め入られない。そのまま銃声が響き、何かに当たった時の手応えを感じる。どうやら、私の手は吹き飛ばずに済んだらしい。
ならば、誰が私の腕を掴んでいて、誰が私の代わりに傷ついたのか。酷く嫌な予感がして、目を開けたくなかった。でも、でも、私を止めようとしたその声は……まどかの物では無かったか?
酷く不安になりながら目を開くと、そこには、予想した通りだが、まどかが居た。私の腕を掴み、銃口を自分の方向に移動させた状態で、私の事を見ていた。
まどかは怪我をしていた。幸い、弾は彼女を貫く事は無く、左肩を掠っただけの様だが、それでも酷い傷だ。まどかの肩から、大量に血が流れている。
「まどか、どうしてっ……」
「バカっ!!」
ペシリ、と。そんな、軽い音だった。
一瞬、何が起きたのかが分からなかった。小さな衝撃と同時に、頬に軽い痛みを感じただけだ。
まどかが、私の頬を叩いた。それを私が理解したのは、かなり遅れての事だった。
「叩いてごめんね、ほむらちゃん……でも、そんな事は絶対にしちゃ駄目」
静かに泣きながらも、まどかは私に向かって怒りを露わにした。こんなに激しく瞳を燃え上がらせる姿を、私は今まで一度も見た事が無かった。
悲しみと怒りで一杯になったその瞳で見つめられると、どうしようもない罪悪感を覚えてしまう。頬へ加えられた衝撃が、今になって響いてくる。
「……その、まどか。私は」
「あんなの、無いよっ……ほむらちゃんが傷ついたら、わたし……!」
自分の肩の傷なんて気にもせず、まどかは私の両肩を掴んだ。形振り構わず、必死に私へ気持ちを伝えようとしてくれる。
私はもう、何も言えなくなった。どういう顔をすれば良いのかも分からなくて、ただ、黙って声を聞く事しか出来なかった。
「どうして、どうしてあんな事をしたの……!? そうやって、ほむらちゃんは何時だって、辛いのも苦しいのも一人で背負い込んで……どうして、何も言ってくれないの……!?」
思い切り私に迫って、泣きそうな表情で叫ぶまどか。こんなに必死で私へ言葉を投げかけてくる姿を見るのも、初めてだった。
自分がまどかへ迫る所は容易に想像出来るし、隠していた感情が振り切れてまどかに縋ってしまった経験は腐る程に有る。でも、まどかが私に対してこんな態度を見せるなんて、想像もしていなかった。
だから、だろうか。思わず口から出た内容は、とてもぎこちなく、説得力に欠ける物だ。
「私は、貴女に迷惑を掛けたくなくて……それで……」
「そんなの違うよっ!!」
思い切り首を横に振って、大声を上げたまどかが、私を抱き締めた。
「……どうして、そんなに」
『私の事を構ってくれるの?』そう言おうと思ったが、言葉は出てこない。
まどかの香りが一杯に広がり、桃色の髪がすぐ目の前に来る。そして、まどかは私の耳元へ口を近づけて、とても深い声音で告げてくる。
「だって、貴女が傷ついたら、わたしが傷つくもん……! ほむらちゃんが辛い思いをしたら、わたしも辛いから……!」
感情が抑えきれなくなったのか、まどかは私の背中に手を回す力を増していく。腕の力はそれほど強くなかったけれど、その中に有る気持ちの強さは、私が今まで『鹿目まどか』から受けたどんな好意より激しく、熱く、深い物だった。
「ほむらちゃん……自分を傷つけようとするのは止めて、お願いだから……」
「ごめんなさい、まどか……」
やっと、謝る言葉が出てきてくれた。
まどかへの罪悪感を覚えながらも、私は嬉しさを隠せなかった。まどかに怒られて、頬を張られて、抱き締められて。私の事を、大切にしてくれている。それが強く伝わってきた。
まどかの優しさと暖かさ。それに比べれば、私の事など些細な物でしかない。
「……えへへ。ごめんね、頬、痛かったよね?」
少し安心してくれたのか、まどかは私から腕を放す。柔らかくて慈悲深い笑顔が何とも眩しく、直視するのが辛い程に輝いて見えた。
だからこそ、彼女の肩から流れる鮮血を改めて視界に入れて、私はパニックを起こしかけてしまうのだが。
「まどかっ、ち、血。血が……!」
「平気、ほむらちゃんが側に居てくれるから、全然痛くないよ」
「だめよっ! すぐに応急処置をするから……ああ、こんなに血が出て……!」
何か、布は無いか。ブロックに巻いた上着は汚いから使いたくない。草で応急処置をする方法も有るが、先に出血を抑えなければ。
「あの、本当に大丈夫だよ?」
「大丈夫なんて、そんなの。傷口を放っておくなんて駄目よ。さあ、そこに座って、じっとしていて!」
何か、何か無いか。そこで自分がワイシャツを着ている事に気づく。丁度良い大きさの手頃な布だ。色も白いから、出血量が分かりやすい。
何の躊躇いも無く、私はワイシャツを脱いだ。
「ほ、ほむらちゃん!?」
まどかが驚いているが、今はそんな場合ではない。ワイシャツの下にもちょっとしたシャツを着ているから、一応、下着は隠れている。だから、何も恥ずかしがる事は無い。
「じっとしていて。腕に巻くから……ごめんね、私の着ている服なんか使って……」
「う、ううん。そんな事は無いけど……」
戸惑っているまどかの片腕を持って、その上に素早くワイシャツを巻いていく。出血で布の赤く染まった部分が、酷く目立つ。
幸い、まどかは大人しくしてくれた。私なんかの着ていた服だが、これは一時的な処置でしかない。さっさと包帯を調達して、ちゃんと病院へ連れていこう。
まどかを怪我させたなんて、まどかのご両親や暁美ほむらに殴られても仕方が無い失態だ。
自分が人形かもしれない、そんな不安や恐怖なんて、まどかの怪我に比べれば塵にも等しく価値の無い物だ。はっきり言ってしまえば、どうでも良かった。
+-----
「えへへ、包帯を巻いてくれる時も、何だか手つきが優しかったよね」
自分の腕に巻かれた包帯を見て、まどかはどことなく嬉しげな様子になっている。
「もう痛くない?」
「平気平気っ、ほむらちゃんが必死になってくれたんだもん。必要とされるのって、とっても幸せだよね」
まどかの言う通りだ。確かに、必要とされるのは幸せな事だった。特に、まどかに必要とされるのは、世界が一つ滅んでも良いくらいに幸福だと思う。
「幸せだと思ってたら、全然痛くないの。血も止まったみたいだから、安心して?」
「うん、安心したわ」
私達はベンチに座り、肩を寄せ合っている。
この状態になって、私はやっと気持ちを落ち着かせていた。
まどかを『お姫様だっこ』の状態で抱えて土手から飛び去り、魔力で強化した身体能力で薬局へ飛び込んで包帯を買い、すぐ近くの公園に有ったベンチへまどかを座らせて、その腕に包帯を巻く。
ここまで、僅かに一分足らずだった。そんな動きが無意識に出来てしまうくらい、私の心が泡立っていたのだ。
「その……まどか」
「何?」
「さっきは、本当にごめんなさい」
「いいよいいよっ、気にしないで?」
「でも……」
今まで連続して爆発を起こしていた感情がすっかり落ち着くと、私の心の中からじわじわと自分への悪意が沸きだしていた。
まどかを傷つけた。私の都合で、まどかの腕を傷つけた。いっそ自分を殺したくなるくらい、呪わしい。せめて、まどかに謝らないと、辛くて死んでしまいそうだ。
「本当に、ごめんなさい……私、まどかを傷つけちゃって、最低だよね……」
「そんな事無いよ。わたし、ほむらちゃんが自分の手を撃とうとしてる所を見たら、もう、一杯一杯になっちゃって。絶対にさせちゃ駄目だって、そう思ったら勝手に身体が動いてたの」
だから、気にしなくて良い。まどかは私を気遣う様子だった。涙が出る程優しい対応だが、当然かもしれない。彼女は素敵な人だ、自分の怪我くらい、私を助けられたんだから良いと思ってるんだろう。
「だから、謝らなくても良いの。その代わり、もうあんな事をしちゃ駄目だよ?」
「うん……分かった……ごめんね」
改めて、謝罪する。何度謝っても謝りきれないけれど、これ以上言うと、逆にまどかに嫌な思いをさせてしまうかもしれない。
そう思うと、続く言葉に詰まる。
私が声を詰まらせている姿に気づいてくれたのだろう。まどかは私の手を取って、明るく、ただ少しだけ心配そうに笑ってくれた。
「心配してたんだよ。お風呂から出たら、ほむらちゃんが居なくなってて……探し回ったんだからね?」
「うん……」
それは、本当に申し訳なかった。そう思うと同時に、あの暁美ほむらが事情を説明していなかった事に驚きを覚える。彼女なら、間違いなくまどかに話の一つくらいしている筈だと思っていた。
「きっと、ほむらちゃんは何か困ってる事が有るんだよね」
「それは……」
まどかが心配そうに私を見つめてくれる。目を逸らそうにも、まどかの視線が完全に私の逃げ場を奪っていて、退路は既に無かった。
それでも、こんな事を相談出来る筈が無い。『自分が偽物かもしれないと思ったから、ちょっと腕を吹き飛ばして確かめようとした』なんて、誰が言えるというのか。
私が無言になったのを見ると、まどかは微かに顔を歪めた。悲しんでいるのだろうか……いいや、そうじゃなかった。
「話、聞かせてくれないかな」
強い声音と強い瞳を私に合わせて、思い切り頼もしげに顔を近づけてくる。それまでの穏やかな優しさは消えて、多少強引な優しさが現れた。
「何でも相談して欲しいの」
「まどか……?」
弱気な所なんか一つも無い。明るくて強いまどかの姿。思わず心を奪われそうになってしまう。
そんな私の隙を見て取ったのか、まどかは即座に私の首へと手を回し、抱き締めてくる。
「……ほむらちゃんはわたしを助けてくれるよね? だから、わたしもほむらちゃんを助けたい。ほむらちゃんの言う事だったら、何だって信じるから、言ってみて? 何か、力になれる筈だから」
「でも……」
「わたしは、ほむらちゃんの全部を受け入れるよ」
何て、強い言葉なんだろう。遠慮なんか一つも無く、『暁美ほむら』を胸に抱いて、言葉通りに全てを受け止めてくれる。
まるで、自分がまどかの『一番大切な人』になった気分だった。誰にでも優しいまどかが、私だけを……『暁美ほむら』だけを一番に大事にしてくれている気がした。
堪えきれなかった涙が目元から決壊し、少しずつ流れ出す。
私の中に残っていた、最後の疑念が崩れていく音が聞こえた。
彼女は、紛れも無く『鹿目まどか』、だった。どうして此処に居るのか、どうしてそんなにも私を大事にしてくれるのか、そんな事はどうでも良くなるくらい、確信を持てた。
「あなたは……本物の、まどかなのね……」
「えっと。わたしは鹿目まどかで間違い無いよ?」
「うん……分かってるよ……うん……」
彼女は本物のまどかだ。私の大切な、一番にして最高の、そして生涯を賭けて守りたいと思った『愛しい人』だ。
だから、隠していた感情が、必死に抑えていた想いが溢れてしまう。
これを言ったら、妄想癖か何かと思われるんじゃないか。そんな恐怖は無かった。まどかなら、全て受け止めてくれると信じる事が出来た。
「私、私ね。怖い……そう、とても怖い夢を見たの」
「夢?」
頷きつつ、まどかを一瞬でも見逃さない様に見つめる。
まどかもまた、私を見逃さない様に見つめ返してくれた。その眼力の前では、私なんか抵抗も出来ない。
「貴女が居ない世界で一人ぼっちになった私が、気づいたらみんなに囲まれていて、貴女と一緒に幸せになってて……」
円環の理が生まれた世界の私は、一人だった。まどかを知っているたった一人の人間。他の誰にも分かって貰えず、理解される事も無い。
それで良いと思っていた。私だけがまどかの事を覚えているなら、まどかの想いは私が守っていけば良いと。
けれど、現実は重かった。
例え気持ちも心も遠ざかっていても、まどかの存在がどれほど『暁美ほむら』の救いになっていたか。私は身を持って思い知らされた。
まどかの居ない世界には、私の存在意義が無かった。たった一つの守るべき物を失った私は、酷く脆い少女でしか無かった。
だから、この夢は縋りたくなるくらい幸せで、暖かくて。まどかの幸福そうな顔を、ずっと見ていたくなってしまう。
「本当に、本当に幸せだった……だけれど、そんな私は他の誰かが見てる夢の登場人物に過ぎなくて、目覚めたら、消えてしまうかもしれなくって……」
そして、そう感じた自分すら偽物だったんじゃないかと考えるのは、全身が恐怖で震える程だった。
普通なら笑い飛ばせる様な事だ。だけど、迫り来る様な真実味が私を狂わせる。
「もし、私が夢の登場人物じゃなかったとしても、目が覚めたら、貴女と離れ離れになって、会えなくなって……寂しくて、貴女の存在を信じられなくなって……怖いの。何もかもが、怖いの」
目が覚めるのが怖い。自分が偽物だったら、怖い。まどかが傍に居てくれる事を喜ぶ自分が嘘だったら? まどかが傍に居てくれる事が夢でしかなかったら? どちらにせよ、想像したくない。
まどかが、より優しく私を抱き締めてくれる。包み込まれる様な感触で慰めてくれているのが分かって、私の身体が感激に震えた。
この感触は死んでも忘れまい。何度同じ時を繰り返そうと忘却しない様に、心と記憶へ刻み込む。自分が偽物でも、これが夢でも、まどかの優しさは筆舌に尽くし難い物が有ったのだ。
私の心が凄まじい勢いで揺れている事を理解しているのか、まどかはそっと私の涙を拭ってくれて、もう一度抱き締めてくれる。
「ほむらちゃんはさ、どうしたいの?」
耳元に聞こえてくる声からは、途方も無い慈悲が感じられた。あの女神となったまどかですら、ここまでの慈悲深さは感じられなかった程だ。
余りにも素晴らしい声を受けた為か、返事をする力すら沸かない。背筋に雷が落ちたのかと思う程の衝撃が私の思考を止めさせている。
呼吸すら止まりそうになってしまい、私が何も返事をしなかったからか、まどかは私の後頭部を一撫でした後で、話を続けてくれた。
「もし、ほむらちゃんが、自分は暁美ほむらだって、そう思いたいなら……わたしが、一番に認めるよ。貴女が、ほむらちゃんだって」
「まど、ひぐっ……まどかっ……」
「ほむらちゃんが寂しいなら、わたしが傍に居るよ」
耳元で囁かれる、というのは本当に良い物で、ただの言葉だけで心を貫いてくる。私が作り上げていた心の壁なんか一瞬で突破していた。
「でも、まどか。貴女は、あなたは本当に、私の傍に、居てくれるの? あなたは、何処かへ行っちゃっうのに? 私には、まどかを覚えている事しか出来ないのに?」
自分で言いながらも、さぞ、意味不明な言葉だろうと思った。
目の前のまどかは、きっと何も知らないし、何も覚えていない。彼女にとっては、私の戯言にしか聞こえていないだろう。
それでもまどかは微笑んで、こんな私を気味悪がりもせず、何もかも理解した様子で頷いてくれた。
「ううん、大丈夫だよ……だって、わたしね、今、すっごく幸せなんだ。みんなが居て、わたしが居て。ほむらちゃんが二人も居る。こんな素敵な人生を送れる様になるなんて。これを守っていけるなら、頑張れると思うんだ」
話しながら、まどかは私の髪留めを解き、三つ編みになっていた髪を解いている。何時の間にか、眼鏡も外されていた。
髪をストレートロングに直されながら、私はぼんやりと考えた。
今、まどかが口にした内容と似た様な事を、あの『暁美ほむら』から聞いた。彼女もまた、まどかと同じ様に幸せそうだった。
「……彼女と同じね」
「え?」
「私じゃない方の暁美ほむらもね、似た事を言っていたの」
それを聞くと、まどかは心底嬉しそうな顔をした。
「……そうなんだ。ほむらちゃんは、今、幸せなんだね。良かったぁ」
安堵を口にして、まどかは少し別な場所へ視線を移す。きっと、私ではない方の暁美ほむらを見ているのだろう。
このまどかと、あの暁美ほむらは、きっと深く強い絆で結ばれている。羨ましくも有り、見習いたい気持ちも有った。
まどかを救う。それは私の使命であり、自分勝手なエゴであり、絶対的な決定事項だ。だけど、そんな風にまどかと深い仲になりたいというのも、本心だった。
「……まどかは、あの暁美ほむらが好きなんだね」
「うん。好きだよ……それに、あなたも大好きだよ」
彼女の瞳は、今は私だけを捉えていた。
今だけはまどかを独占出来ている気がして、狂喜を覚えてしまう。こんな醜い自分をまどかに知られたくないな、と思う一方で、知られたとしても受け入れてくれるよね、という確信も有った。
「好きだって言ってくれるのは、嬉しい……ね」
「えへへ、照れちゃってるんだ? ほむらちゃんはかわいいよねっ」
「な、何を急に言い出すの……」
急に誉められて、頬が熱くなる。罪悪感も恐怖心も、まどかの存在を感じる事さえ出来ていれば、何一つ辛い事じゃなかった。
まどかとの触れ合いが私の心を落ち着せ、理性的に物を考えられる様になる。
だから、だろうか。私はまどかの両肩を掴んで、その両目を見据え、深呼吸を一つした。
「ねえ、まどか。聞いても良い?」
「ん? 良いよ、何でも言って?」
何を聞いても答えてくれそうな様子だ。それこそ人類の知らない宇宙の秘密まで教えてくれそうな感じがする。
そこで、私は遠慮せずに問いかけた。
「あなたは……何か、覚えているの?」
まどかは、何も覚えていないだろうと思っていた。いや、『まどかを疑う事』を私という全存在が許さなかった。
しかし、目の前のまどかはどうだろう。明らかに何かを知っていて、それを隠している。流石に、見逃し続けるのは無理だった。
無理に聞き出そうとは思わないけど、まどかが相手なら、もしかすると答えてくれるかもしれない。
それに、気になる事はそれだけでは無かった。
「ううん、そもそも……私を、『メガほむ』、と呼ぶんじゃなかったの?」
「……あ」
一瞬だけ呆けた後、「しまった」、と言いたげな顔をする。
その表情こそが、何よりも雄弁に私の疑念を肯定していた。そういう抜けた所や隙の有る態度が、どれだけ私の心を暖かくしてくれるか。
隠し事の一つや二つ、気にしなくても良いかな、とすら思えた。まどかが本物である、それだけで十分じゃないか、なんて。
しかし、まどかは自分が『ボロ』を出した事に気づいたらしく、少しだけ俯く。
「っ……ま、まどか。き、気にしないで……?」
そんな風に落ち込んだ顔をされると、何だか悪い事をしてしまった気がする。
自分の中の疑念なんか全部放り捨てて、彼女を慰めようと思った。けれど、まどかは少しだけ顔を上げて、私の姿をじっと見つめてくる。
「……どこまで、分かったの?」
「どこまで、って……?」
「……どこまではどこまで、だよ?」
何処か暗い表情で、私を捉えている。
促されるままに、私は口を開けた。いや、まどかの視線に耐えきれず、開けさせられた。
「そう、ね……少なくとも、貴女のパートナーは、私じゃないんでしょうね」
私の真偽は置いておくとしても、目の前のまどかが『最も大事にしている暁美ほむら』は、あの暁美ほむらであって、私じゃない。少し悔しいけど、確信が有った。
それを口にすると、まどかは何処か賞賛する様な顔をして、口元に明るい微笑みを見せる。
「……良い勘だね」
「え、ええ」
「私達の気持ちはズレてるのに、ね」
「……そうね」
まどかが口にした内容を聞いて、妙な感覚を与えられる。
忘れる筈も無い、円環の理となる前のまどかに告げた言葉。我慢が限界に達した感情のままに、縋りついてしまった時の言葉だった。
何故、知っているのか。聞きたかったけれど、不思議な雰囲気を纏う彼女の姿を見ていると、声が出なくなってしまう。
「……ほむらちゃん。今日はさ、家に泊まりに来ない?」
何を思ったのか、まどかは急に私を誘ってきた。今までの会話を無視した提案だ。
「え? いきなり、何を……?」
「嫌、かな?」まどかは声の中へ仄かに悲しげな色を宿した。
「う、ううん、嫌じゃないけど。でも、何で急に……」
「それは、その。行けば分かるよ」
何処か歯切れの悪い言葉に不信感を覚えたけれど、どんなに疑わしくても、彼女に誘われるという事実は嬉しくて仕方が無い。
自然な動きで、頭が勝手に頷いていた。頭の中は『まどかの家でお泊まり……!』という喜びで一杯になっている。
「うん、分かったわ。今日は、まどかの家で過ごしましょう」
「やった。今日は一緒に寝ようね!」
腕を組むと、まどかは大喜びという態度を見せつける様に立ち上がり、私を軽く引っ張った。
もう、すっかり夜だ。まどかの就寝時間を考えると、後はもう寝るだけの筈だ。そんな中で私を探してくれた事に、誠心誠意、感謝したい。
「ほらほらっ、行くよっ」
「わ、わわっ。ま、待って」
私の身体と心がまどかに引っ張られていく。いっそ、このまま身を任せてしまいたい。
けれど、まどかの腕には今も包帯が巻かれていた。それを視界に入れるだけで、気持ちが重くなる。
「あの……傷はもう平気なの? 痛くないの、まどか?」
「……その、よく考えたらさ」
問いかけると、まどかは答え難そうに足を止めて、乾いた笑い声を漏らす。何やら困った風な顔をしているのが印象に残る。
まどかは、目を逸らしながら答えてくれた。
「わたし、魔法少女だから。これくらいの傷なら魔力で直せたよね、って」
……至極、当然の話だった。
気が動転していたから、全く気づいていなかったんだ。とても恥ずかしくなって、今までとは別の意味で涙が出そうになる。
「わ、私は。なんて馬鹿な間違いを……」
「あ、あはは……行こっか」
「そ、そうね。行きましょう」
二人で一緒に、誤魔化し笑いをしながら走っていく。
どう考えても、まどかは怪しい。けれど本物のまどかだ。それならば、私はこの子を問い詰める気持ちにはなれなかった。
『暁美ほむら』は、まどかの為なら鬼にだってなれる。だけど、自分の為にまどかを傷つけられる様な人間ではないんだ。
+----
戻ってきたまどかの部屋には、私ではない暁美ほむらの姿は無かった。彼女が居た場所には、可愛らしいぬいぐるみが置かれている。
改めて見ると、まどからしさの詰まった場所だ。息を吸い、視界を揺らせる毎にまどかの存在を感じられる、素晴らしいお部屋だと思う。
ああ、まどかの存在を感じられるだけで心が暖かくなって仕方が無い。
「ささ、座って!」
まどかのお部屋に連れ込まれた私は、されるがままにベッドの上に座らされる。押しの強さに負けてしまった。
シーツは抜群に良い物で、ふかふかとした感触が私を包む。これが毎日、まどかの使っているベッド。まどかが、この世界に存在している証。
「くつろいでね、ほむらちゃん。わたし、パジャマに着替えてくるから」
「ええ……」
「ふふ、先、ベッドに入ってて? わたしも後で入るから」
言われるがまま、ベッドに寝かせられる。お布団を被せられて、布団越しに身体を撫でられた。
安らいでしまい、瞬く間に眠気が喚起された。まどかの掌の上で踊らされている気分だけど、それすらも心地良い。
「へへ……ほむらちゃん、待っててね。一緒に寝よう?」
愛らしく、かつ艶やかな微笑みが私を見ている。とろりと溶けた様な顔をしていて、まるで『初夜』みたいだ。そう思ってしまい、変な想像に頬が熱くなる。
「あっ、ほむらちゃん赤くなったね」
「……う」
楽しそうに笑われて、またそれが恥ずかしい。自分は何て想像をしてしまったんだろう。
自分は何を考えているんだ。内心で首を思い切り振って、考えない様にする。そんな私の必死な態度を読み取られたらしく、まどかはニッコリという顔をする。
「ん、それじゃ!」
私から離れると、まどかは手を振りながら扉を開き、パジャマを持って外へ出ていった。
これから、一緒に寝るんだ。そう思うと、緊張やら照れやらで頭が吹き飛んでしまいそうになり、思わず布団の端を摘んでしまう。
「な、何よこれ……どういう事なの……?」
一体、まどかは何を私に伝えようとしているのか。よく分からないが、余りにも唐突なお泊まりのお誘いと、強引な中にも優しさの有る対応に、私はすっかり骨抜きにされている。
このままでは、何も分からないまま、自分の目的まで忘れてしまいそうだ。必死に頭を回して、考える。
何故、まどかは私をこの部屋に連れ込んだのか。何か理由が有る筈だと思い、上体を起こして部屋の全体を見る。
先程までと目立って異なる点が無いのは、部屋へ入った時に確認済みだ。なので、細かい違いが無いかを確認する。
ベッドの上、窓、ぬいぐるみ、扉、カーペットにカーテンの色。何も変わっていない。
最後に目を向けたのは、勉強机だ。最新の端末を内蔵していて、文章も打てる。その机に並べられた本のタイトルを見た。
教科書や、園芸の本、手芸の本。ぬいぐるみの本なんかも有って、『愛する人を親に認めさせる二十の方法』とか『女の子が女の子を好きで何が悪いっ!』とか『尽くしたい愛と受け入れたい愛』なんてタイトルの本も混じっていた。
まどかの部屋に有るには奇妙なタイトルだけど、前々から有った本だ。怖くて、何故持っているのかを聞く勇気は無かった。
だから、その本からは目を逸らしていく。一番端の本まで目を通して、
「……?」
一つ、異様な存在感を放つ物が有った。
革製の分厚いノートが、本の間に挟まっている。一瞬、ハードカバーの小説か何かだと思ったけど、古めかしいデザインがそれを否定する。
明らかに、まどかの部屋には不釣り合いだ。しかも、何処かの怪しげな魔導書の様な妖気を放っていた。
こんな物、さっきまでまどかの部屋には無かった筈だ。明らかにまどかの趣味からは外れているし、異質さが恐ろしい程に漂っている。
よろよろと、足の震えを抑えながらも近づいて、私はそのノートを手に取った。
表紙には、一枚の綺麗な窓と、それに寄り添う蜥蜴らしき生き物が描かれている。もの悲しく、寂しい絵だった。
だけど、その表紙絵を目にした瞬間から、嫌な感じがした。そのノートを視界に入れただけで、精神に恐るべき苦しみが訪れて、たった一文でも目に通してしまえば、避けられない精神崩壊を起こすんじゃないか、そんな恐ろしさが有る。
しかし、手がかりになり得る物はこれだけだった。読みたくないと思った筈なのに、妖気に促されるが如き手つきで、丁寧に開いてしまう。
『日誌 ほむ魔記……』
最初に目に飛び込んできたのは、その一文だ。
これは、ほむ魔と名乗った存在の日誌の様だ。間違いなく、これは読む意味が有る。文字を追う毎に精神に重圧を感じるが、それでも目を通すべきだ。
あの怪しげで恐ろしげな怪物が書いた物だけあって、そこにはまどかへの狂信にも近い感情の押しつけと、妄執、『まどかの幸福』を作り上げる為に戦い続ける者の気持ちが綴られている。
まどかへの極端過ぎる愛情のあり方は、明らかに異常で、明らかに怪物的で、何より共感が出来た。
独善的だという事も、自分が化け物である事も、ほむ魔は理解している。それでも戦いを止めないのは、彼女の絶対的な精神力による物だろう。
文中には、『この世界のまどか』。『この世界の暁美ほむら』についての記述が有った。
悪魔に成り果てた暁美ほむらへの賞賛、円環の理への深い愛。美樹さやかや佐倉杏子と友達になった喜び、巴マミが凶暴な愛情に目覚めた経緯なども、しっかりと書かれている。
それ以外にもブラックコーヒーが苦手な事や、まどか達の為に温泉を作ったり、美国織莉子と呉キリカに干渉した事なども有る。
特に衝撃的だったのは、私が悪魔になったという事だ。詳細と経緯は書かれていないが、まどかを想う気持ちによって、円環の理に大規模な干渉を仕掛けたらしい。
それに対して書かれていたのは、暁美ほむらへの賞賛と、悪魔という存在が持つ欠点の指摘。それに、『誰が救済者を救うのか』という文言だった。
「……成る程ね」
夢中で読み込んでしまい、魂を飲まれる気分になりつつも、私は色々な事を納得していた。
日誌から知れる情報は、この世界の正体を知るには十分過ぎた。あの暁美ほむらが奇妙な露出の多い格好をしている原因から、まどかが異様な程に私を構ってくれる理由まで。何もかもだ。
やっと、分かった。忌まわしき知識を得てしまったという感覚が有ったが、辛くは無かった。むしろ、慄然たる思いが有る事こそ、この世界が夢ではない証明に思えて、清々しい。
この世界は、幸福が約束された場所だ。まどかの幸せの為に回る世界だ。それは何て素晴らしいんだろう。
正直に言ってしまえば、私は日誌に書かれた内容に恐怖を抱いている。だが、この世界の在り方やほむ魔の妄想めいた価値観に対しては、一種の共感と感激を覚えていた。
私と同じ様に、まどかを想って戦い続ける存在が居るのだから、嬉しくて当然だ。
しかし、まだ私の正体に関しては言及が無く、分からないままだ。
そこで次のページをめくると、そこにはとある文が刻まれていた。
『インキュベーターの館にて、眠れるほむら夢見るままに待ちいたり』
どういう意味だろうか。それを理解するより早く、私はページをめくる。続いて、短い文章が書き込まれたページが広がった。
丁寧な書き方だけど、見覚えの有る筆跡だ。恐らくは、私自身の物と同じだろう。
そこには、こう書かれていた。
『なるほど、ここまで辿り着いたなら。真相を知りたいでしょう。おめでとう、バスで見滝原二丁目まで来なさい。そこで全てを教えてあげる』
『追伸
来るなら深夜にした方が良い。まどかの家に招待されたんだから、まどかが寝る前までは彼女と一緒に楽しむのが最低限の礼儀よ』
『ほむ魔より尊敬をこめて』
その先には何も書かれていなかった。
……どうやら、私がこれを読む事は予想されていたらしい。あるいは、まどかが私をお部屋に連れ込んだのも、これを読ませる為だったのかもしれない。
ノートを閉じて本の並びへ戻し、息を吐く。情報量の多さに頭がどうにかなりそうだ。布団を被りたくなる衝動に駆られて、私はベッドの中へ潜り込む。
「お待たせー……」
その瞬間、扉が開いてまどかが入ってきた。
服装は既に桃色のパジャマとなっていて、髪は解かれている。眠る準備は万全。後はお布団に入るだけ、といった格好だ。
「ほむらちゃーん……もう、寝ちゃったかな?」
そろそろと近寄ってきたので、私は少し身体を起こして、自分がまだ寝ていない事を見せる。
まどかの視線が一瞬だけ、自分の勉強机に置かれた日誌へ向けられた事を、私は見逃さなかった。が、その点について、尋ねるつもりも無かった。
「あ、起きてたんだ。入るね?」
「ええ、どうぞ」
布団を上げて、まどかが入れるスペースを作る。やはり、酷く緊張しているんだろう。胸がドキドキして、鼓動が高くなっていく。
どうしようもなく照れる気持ちは有ったけど、それでも彼女をお布団の中に迎え入れる。
「お邪魔しまーす……んっしょ……」
まどかはお布団の中へもぞもぞと入り込み、私と顔を合わせた。気づけば手を繋がれていて、互いの身体はほぼ密着する寸前にまで近づいている。
「二人だと、身体が近くって、何だか幸せな気分だね」
余りにも愛らしい表情で、私を見つめてくれる。この何もかもを受け入れてくれる微笑みを見るだけで、心が爆発してしまいそうだ。
日誌を読んだ私には分かる。
このまどかの優しさと暖かさは、全ての『暁美ほむら』へ向けられた物。何という、雄大で慈悲深い愛だろう。この子は私の大切な人で、だからこそ彼女を想って戦う価値が有ると思える。
「ねえ、まどか?」
「なあに?」
「……気持ちいいわね」
少しだけ日誌の事を聞こうかと思ったが、この笑顔を崩したくない気持ちが勝り、私は大人しくまどかのぬくもりに身を委ねた。
「うん、二人で寝るのって、とっても幸せで気持ちいいよね」
「ええ……そうだね」
まどかと二人っきりで眠る事が、私の感情を和やかにしてくれる。
まどかが欠伸をした。その吐息は私に伝わってきて、ああ、この香りは歯磨き粉、ミントか何かの物だろう。
「ふぁふ……何だか眠くなってきちゃった」
「……私も」
釣られて、私の眠気も強くなってきた。
寝過ごしてほむ魔の指定した時間に間に合わない可能性も考えたけど、彼女なら許してくれるだろう。
何せ、まどかの幸せの為に存在しているんだ。まどかと添い寝をして約束の時間に遅れたからって、怒る筈が無い。
寝付きが良い方なのか、まどかは既に寝息を立てている。
『悪魔』の存在を知ったからだろうか。彼女の寝顔は年齢よりも幼く見えて、こんな顔をする子が魔法少女救済の概念となる事が、今の私にはどうしようもなく理不尽で苦しい物に思えていた。
+-----
結局、まどかに釣られて暫く寝てしまった。
目を開き、時計を確認する。
時間はもう、零時前だ。そろそろ見滝原二丁目に行かないと。バスが走っているのかは疑問だったけど、あのほむ魔と呼ばれた存在なら、どうにかするだろう。
身体を起こそうとして、私はまどかに抱きつかれている事に気づいた。寝相が悪いのか、彼女は頬を擦り寄せて来て、私の全身を強く強く抱き締めている。
少し痛いけど、これが世に言う『幸せな痛み』かと思えた。苦痛が心地良くて、ずっとこうしていたい誘惑を覚えてしまうんだ。
「……まどか」
声を掛けたけど、腕の力は弱まらない。むしろ、私の足にまどかの両足が絡んで、逃げられない様に捕まえられている。
まるで蜘蛛の巣に捕まったみたいだ。でも、まどかに捕まるなら、それはそれで幸せな気持ちになる。
「ごめんね、私、行かなきゃいけないの」
しかし、私は此処から離れる決意を定めていた。
だって、この世界の『暁美ほむら』は彼女であって、私じゃないんだ。例え私が誰であって、どんな経緯でこの世界に現れたとしても、それは変わらない。
なら、このまどかが一番に大切にするべき『暁美ほむら』は私じゃない。添い寝をするべき相手も、私ではない方の『暁美ほむら』なんだから。
だからこそ、私は最小限の動きでまどかの拘束から身を逃れる。締め付けられた身体が痛むけど、それはそれは幸せな気分だ。
「もう行くね」
最後に、まどかの頭を出来る限り優しく撫でる。
もう、この優しい場所に戻って来る事は無いだろう。そういう直感が有った。
お別れの気持ちと限りない親愛を篭めて、まどかに微笑み掛ける。彼女は眠っていたけれど、それでも気持ちは伝わったと思いたい。
「ばいばい」
酷く名残惜しい気持ちを堪えつつ、手を振りながら部屋の窓を開く。そこから降りて、バス停まで向かうつもりだ。
窓枠に足をかけて、もう一度振り向いてまどかの顔を見る。安らいだ顔つきが、私の心を癒してくれた。
さあ、真実を知ろう。私は、窓の外へ足を踏み出した。
「いってらっしゃい」
「っ……!?」
聞こえてきた声に、思わず振り返る。だけど、まどかは相変わらず寝息を立てていて、私の目には寝たフリには全く見えない。
単なる寝言だろうか。そう思いつつ、喜びに身を浸す。『行ってらっしゃい』、なんて素敵な響きだろう。まるで、私がまどかの家族になった様だ。
内心で、『行ってきます』と返事をして、私はまどかの家から離れていく。もう恐怖は無い。勇気も、愛も、まどかがくれた物だから。
「ほむらちゃん。貴女なら、どんな真実だって受け止められるって、信じてるからね」
気のせいだろうか。少し離れた所で、まどかの声が聞こえた。
まどほむは自然と長くなりますね。
-解説-
正直、TV版前後編新編から台詞改変やら引用やら、シーンの再現やらやり過ぎて、私自身もよく分からなくなってます。
『まどかが、私の頬を叩いた』
鹿目まどかが原作中において全くしていない。そして、もしかしたらするかもしれない行動が、これ。彼女は良い子だけど、良い子過ぎて、『他人の為に怒る』というのが苦手なタイプに見えます。
『そうやって、ほむらちゃんは何時だって~』
まどか自身は無意識に口にしていますが、これはTV版及び後編で暁美ほむらが口にした『いつだって、貴女はそうやって自分を犠牲にして~』から来ています。
『あなたは、何処かへ行っちゃっうのに?~』
TV版及び後編の最終版、円環の理が誕生した時の暁美ほむらの台詞から。
『まどかの為なら鬼にだってなれる』
これまでも何度か地の文で出ていましたが、この『鬼の様な』とか、そういう描写は、叛逆の物語の予告に登場した、通称『鬼ほむ』から来ています。
『とろりと溶けた様な顔』
こういう描写は、まどペンのまどほむ絆最大イベントで披露されたまどっちのトロ顔から来ています。
『インキュベーターの館にて、眠れるほむら夢見るままに待ちいたり』
クトゥルー神話から。『ルルイエの館にて死せるクトゥルー夢見るままに待ちいたり』