使い魔少女HOMURA★ほむら ~だが、誰が救い手を救うのか?~(完結) 作:曇天紫苑
夕日が差す中、私となぎさは一緒に歩いている。
周囲には年配の人や、妊婦さんなんかが居た。公園の近くに有る道路だから、子供も結構多い。秘密の話をするには良くない気がする。
けれど、私はあえてこういう場所を選んだ。木を隠すなら、森の中だ。
「で、話とは何なのですか?」
隣を歩くなぎさが、首を傾げながら声をかけてきた。
夕日が顔に当たってほんのり赤く見せており、子供らしい感じが強まっている。そんな表情を見ていると、何だか言葉に詰まってしまう。
「ん。えっとね……」
慎重に、口にするべき言葉を考える。
今は放課後、マミさんの家で集合した帰り際で、なぎさと私は通学路を歩いていた。
杏子は居ない。あいつは用事が有るみたいで、一人で何かやりたい事が有るらしい。……多分、幻覚魔法を取り戻そうとしているんだろう。教会に居る姿が想像できる。
私は、信じて待っていよう。まあ、今は杏子の事は良い。それより、なぎさに話す内容を考えなきゃならない。
「まずは、さ。あのね、なぎさ。幾ら何でもチーズばっかり食べてたら、ちょっと身体に良くないって」
「大丈夫! なぎさは魔法少女、つまり身体の不調くらい簡単に直るのですっ!」
それは、どうなんだろう。
杏子と言い、なぎさと言い、魔法はカロリー調節が出来る便利な健康器具じゃないのに。
「一日中チーズを食べてもグリーフシードさえあれば健康に生活できる、これが魔法少女なのです。ああ、心から魔法少女になって良かったと思うのです」
「いや、そりゃ……違うでしょ、色々と」
「さやかは、こういうのを考えた事が無いのですか?」
はっきりとした指摘を受けて。言葉に詰まる。……いや、私も時々体重計が気になった時は、ちょっとだけ、ほんのちょっとだけ考えるけど。実行した事は無い。
マミさんも、多分まどかも実行していない、筈。ほむらは視力を矯正していたけど、あれは目的が有っての事だから別に良いだろう。
「私は、なぎさや杏子みたいな魔法の使い方はしてないよ……考えた事が無いとは言わないけどさ」
「さやかはお堅いのです。普段は不真面目な癖に」
「……あんた達の中の私はどんな駄目人間になってるんだか」
相当な間抜けか何かだと思われているのか。多分、思われてるんだろう。でも、なぎさ相手に必死で反論しても仕方が無い気がする。
「まあ、私は確かになぎさより魔法少女歴は短いけどさぁ? そこまで駄目な奴扱いされる覚えは無いっていうか」
「先輩の見る目を信じるのです」
「マミさんなら信じたいけど、なぎさじゃあね」
「むむむっ……」頬を膨らませて、抗議してきた。
頭一つ分くらい身長差が有るけど、これでもなぎさは魔法少女としては先輩。そう考えれば、この小さな身体の中に強い力が宿っている気がしてくるし、あんまり子供扱いするのも不味いかと思う。仕草も見た目も実年齢も年下だから、ちょっと難しいけど。
(うん、聞くなら今、だよね)
そう、この子は円環の理としても先輩なんだ。思い出して貰わないと、私一人じゃ作戦も立てられない。
思い出させてしまったら、もしかすると苦しめる事になるかもしれない。そんな不安は、有るけれど。
「……で、本題なんだけどさ」
(ああ、ベベの事なら覚えているのですよ)
続いてきたテレパシーを聞いて、一瞬だけ頭が止まった。
「……え」
(ですから、ベベ……お菓子の魔女の事なら、勿論覚えているのです。おっと、声に出さないで。誰に聞かれるかも分からないのです)
驚愕を言葉に出そうとして、口を閉ざす。なぎさの言う通りだ、反射的に会話をテレパシーへ移行して、改めて驚きを表す。
(なぎさ、思い出してるのっ!?)
(はい、勿論なのです。円環の理、私達は希望を運び、呪いを振りまいた者達、なのですよね?)
頭に響く声からは、なぎさらしい明るさと楽しさが聞こえる。だけど、そこに篭められた感情には暗い物が含まれていた。
なぎさは明るく微笑みかけてきて、ちょっと得意げに腰へ手を置いている。
どうやら、全てを思い出しているみたいだ。足下の影がお菓子の魔女に変わった気がして、瞳の奥には円環の理が感じ取れる。
(何時から!?)
(……多分、一月くらい前なのです)
なぎさは、私より遙かに早く記憶を取り戻したみたいだ。
どうしてまた、そんなにも早く思い出せたのか。自分が本当にバカじゃないかと疑われる。
(それって、私が間抜けだったって事かな)
(いえ、予想なのですけど、私はほむらの監視が緩めなのです。本来、私は何の関わりも無い魔法少女だから、さやかの方が記憶に関しては厳重に封印されていたのだと思うのです)
慰め、ではない。なぎさは自分なりに考えて、結論を出したみたいだ。そして、それは間違っていない気がした。
目の前の百江なぎさは、確かにまどかとの関係が薄い。この世界であっても、まどかとは知り合いですらないんだ。ほむらだって、私の方に注目するだろう。
しかし、一つ疑問が有る。なぎさは一月前に思い出している筈なのに、何か変わった言動を取っている素振りすら見せなかったんだ。
(でも、どうして私の記憶を戻さなかったの?)
(……それは、その)
言葉に詰まったなぎさが、ほんの僅かだけど目を泳がせる。何か、私には言えない理由が有るんだろう。
考え事をしながら歩いていたからか、周囲の空気が何時の間にか変わっていた。
見覚えの有る土手の下には、何処かで見た記憶の有る小さな男の子が居る。その側にお父さんと思わしき人……まどかのお父さんが立っていて、男の子、タツヤ君と遊んでいた。
「なぎさ、あれ」
「あれは、まどかのお父さんなのですか?」
「うん……」
なぎさが、少し羨ましそうに親子の姿を見ている。私だって、あんな風に無邪気な光景を見ていると、失ってしまった物がこみ上げてくる気がする。
そう思っていると、なぎさが私の方を見て、何だか言い難そうに声……テレパシーを向けてきた。
(……その、マミも、何となく思い出しかけているみたいなのです)
(……そうなの?)
意外だ。マミさんは確かに『あの場所』でほむらの力に巻き込まれたけど、その辺りの記憶は思い出さない、思い出したいと考えない類の人だと思っていた。
(はい。でも、マミには内緒にして欲しいのです。あの人はきっと、別れに耐えられない)
(……だよね)
家族同然の付き合いなんだ。両親を失った天涯孤独のマミさんが、妹分との別れを許容するのは難しい。
いや、自分も人の事は言えない。私にだって、杏子が居る。杏子は、別れに耐えてくれるだろうか。
無理だろうな、と思う。そもそも、私が耐えられるかどうかすら定かじゃないんだから。
(何かの拍子にマミが記憶を取り戻したら、きっと動けなくなるのですよ、わたしは)
(……なぎさ、今まで動かなかった理由ってさ)
(ご想像にお任せするのです。多分、合っているのです)
小さな吐息が聞こえる。どこか切なそうで、私まで悲しくなってきた。
(なぎさも、マミが大好きで、本当の家族みたいに思っているのです。だから、マミに抱き締められたら、きっと私はこの世界を受け入れてしまうのですよ)
(……私も、杏子が気になってしょうがないのは誤魔化せないね)
円環の理に導かれた二人。そうであっても、今の私達は単なる人間と変わらないみたいだ。マミさんと、杏子という家族同然の人達の存在が、私達の足を掴んでいる。
(ねえ、どうする、なぎさ?)
早く動かないと、身動きが取れなくなりそうだ。
なぎさの意見を求めると、彼女は考え込む仕草を見せて、すぐに答えた。
(とりあえず、早くまどかの記憶を戻そうとは思っているのです。マミが気づいてしまう前に……ただ……)
(ほむらの監視が有るから、迂闊には動けない、か)
(ええ、ほら、あれを見てください)
請われるまま、視線を移す。
ほむらの使い魔が、私達を見ていた。いや、あれはタツヤ君達を見ているのか。
まどかの周囲を、守っているんだろう。私達への警戒と守護、どちらもこなせる便利な使い魔だと思う。
先手必勝でまどかに記憶を返せなかったのが悔やまれた。
(隙を見て、計画を立てるのです。その時までは、さやかは杏子を見ていてください。私もマミを見るのです)
(ん、分かった)
心の中だけで頷いて、顔はタツヤ君達の方を向く。仲の良い親子だ。まどかがあんなに良い子なのは、あの人達が家族だったからだろう。
(……私達、さ)
(はい?)
(円環に、まどかに救われたんだよね)
あんな人達にさよならを告げてでも、まどかは私達を救ってくれたんだ。感謝すべきなのか、悲しむべきなのか。
なぎさには、きっと分からないだろう。この子は『鹿目まどか』を直接は知らない。
(それが、どうかしたのですか?)
(いや、何でもないよ)
全てを知ってしまえば、ほむらの行動を否定できない。
でも、だからってまどかをこのままにもしておけない。どうしたら、どうするのが皆にとって一番幸せなんだろう。
「さ、私はこの辺で帰るのです」
話すべき事は終わったと思ったのか、なぎさはランドセルを背負い直して、何処からかお菓子を取りだした。
それを美味しそうに口にすると、表情から今までの深さが無くなって、ただ子供らしい物だけが残る。
気持ちを切り替えたなぎさは、軽く駆け出した。十数歩くらい行った所で足を止めて振り返り、私に向かって手を振ってきた。
「ん、じゃね」
「はいっ、じゃあまた、明日!」
はしゃぎながら、鼻歌とスキップ混じりに去っていく。
通り過ぎる人達が振り返り、微笑ましそうにしていた。あんな小さい子がこの世界の外側と繋がった存在だとは、誰も思わないだろう。
そう、あの態度は半分くらい演技だ。ほむらの監視を誤魔化す為の、年齢相応の空気を演出しているだけ。私達は、既にこの世に居ない存在だから。
(ま、それは魔法少女も似た様な物かな)
特に気にする事でもない。そう思って、私もまた帰路に立つ為に土手を進む。
まどかのお父さんは、まだ居る。もう夕方だけど、家事は済ませてあるんだろう。この場にまどかが居ないという事は、自分の部屋に居るのか、それとも、ほむらの家に遊びに行ったのか。
(ほむらの家に居るとすれば、晩ご飯も食べさせて貰うのかな? ……まどかの好物ばっかりなんだろうなぁ)
きっと、ほむらなら喜んでまどかの為の夕食を作るだろう。繰り返しの中で、まどかの好きな料理は把握している筈だから。
「……ん?」
ほむらの事を考えていると、ふと、土手の先に見覚えのある後ろ姿が有る事に気づいた。
真ん中から分かれ気味の癖がついた黒髪で、羨ましいくらい肌が白くて細身の子が、タツヤ君の頭を撫でている。何時現れたのかも分からないけど、確かに存在していた。
撫でられたタツヤ君が喜んでいるのが、遠目にも見える。
「……ほむら?」
後ろ姿の身体的特徴は、明らかにほむらだった。それ以外に無いくらい、ほむらだった。見間違える筈も無い。見滝原の制服を着た暁美ほむらが、慈しむ様な手つきでタツヤ君に接している。
そんな優しさが伝わっているのか、タツヤ君は本当に嬉しそうだ。
何か思いついたのか、ほむらは何処からか紫のチューリップの花束を取り出して、丁寧に渡そうとしている。
(ん、魔法?)
何となくだけど、円環の理としての感覚が、魔法の存在を察知する。多分、時間操作だ。花束を持ってくる為に、魔法まで使ったのか。
タツヤ君は驚いた様だけど、すぐに笑顔になった。花束を受け取って……お礼を言ったんだろうか、小さく頭を下げているのが分かる。賢い子だ。
それを見たまどかのお父さんが近づいていって、しっかりとお礼を言う。
感謝に対して、ほむらは「気にしないでください」と言っているみたいだ。
「っ」
気づけば私は土手を降りて、お尻に着く土も構わず走っていた。此処を逃せば、あの『ほむら』には会えなくなる。不思議と、そういう確信が有った。
まどかのお父さんとタツヤ君の前に居る、黒髪の女の子。そこに辿り着くと、何より先に彼女へ声をかけていた。
「ほむら」
話しかけた途端、彼女……ほむらが振り返って微笑んだ。柔らかで、冷たさなんて一つも無い物、タツヤ君にも、きっとそんな顔を見せたんだろう。
「ああ、さやか。こんにちは? こんばんはかしら? 昨日は楽しかったわ」
その言葉だけで分かった。このほむらは、昨日、私と一緒に遊んだほむらだ。
いや、声なんか聞かなくても分かる。悪魔のほむらは、こんなに明るい表情を私へ向けたりはしない。
「ホムっ! バイバイ!」
「ふふっ……ばいばい、タツヤくん」
タツヤ君に手を振り返している。子供が好きなのか、まどかの弟だから好きなのか、よく分からない感じだった。
一頻り手を振って満足したのか、タツヤ君がそのまま去っていく。時折思い出した様に振り返って手を振ってきて、ほむらは何度もそれを返している。
それは、タツヤ君の背中が見えなくなるまで続いた。
やっと話しかけられる空気になったので、ほむらの肩を軽く叩いてみる。
「何、さやか」
私を見たほむらは、学校で見る『暁美ほむら』とは何だか違う。でも、どう見てもほむらだ。
「ちょっと、良い?」
聞いてみると、ほむらは少しだけ私の事を見つめた。吸い込まれる様な瞳に捕らえられる様な錯覚が有ったけど、不思議と危機感は無い。
ほむらが、一度私に背を向ける。隙だらけなのに、攻撃しても通るイメージが浮かばない。
「……ええ」
振り返ったほむら。その手の中に有るタンポポが、急激に開花する。
かと思えば、すぐに枯れて綿になり、私の目の前で散っていった。
+
土手に立ったさやかが見せる疑念の視線は、私の心を覗き込もうとしている様だった。
「ねえ、ほむら。昨日、まどかの家で一緒に勉強してたよね?」
「……そうね」
ああ、確かに『暁美ほむら』はまどかに勉強を教えていた。私も、遠くからそれを見ていたから、知っている。
帰国子女のまどかだけど、学力は昔のまま。本人も認める通り、日本語に至っては苦手になったくらいだ。代わりに英語が出来る様になったので、仕方が無いのかもしれないが。
ともあれ、『暁美ほむら』にとっては都合が良い。まどかと二人っきりのお勉強会なんて、それはもう幸せな事だろう。無論、私は関わらなかったが。
「じゃあ、昨日はまどかが何を着てたか、覚えてる?」
「前に可愛いプリントの有る白いシャツと、薄桃色のミニスカートよ」
遠目で見た限りでは、そういう服装だった筈だ。さやかの疑惑の視線は全く変わらなかったが、間違ってはいない。
「へー、まどかって家じゃ薄着なんだねー」
「そうよ、家自体が暖かいから、寒い時期でもそれほど厚着はしなくて良いと思うわ」
ホムリリーの記憶からまどかの家を思い出して、答える。
これでも、さやかの疑念は消えないみたいだ。いや、その疑い自体は正しいから、決して非難出来る物ではないけれど。
「……タツヤ君と、仲が良いんだね」
「そう見える? それなら、嬉しいわね」
私は、タツヤ君とさっき会ったばかりだ。悪魔の方の私とは面識が有ったみたいで、すぐに近づいてきてくれた。無邪気で、可愛い子だと思う。
ついつい魔法まで使って喜ばせようとしてしまった。まあ、上手く行って良かった。
「あはは、やっぱほむらってまどかの家の人達とも結構付き合い有るんだ」
「そうね、特にまどかのお母様なんて、とっても良い人よ。勿論、まどかのお父様もタツヤ君も素敵な人達だけど」
「ああ、分かる。まどかのお母さんって、頼りになる大人って感じだもんね」
「……羨ましいくらいよ」
あの優しい家だからこそ、まどかはまどかになれたんだ。その事実は、きっとさやかも分かっている。
しかし、こんな質問を続けた所で、さやかも求める答えを得られないだろうに、何時まで……
「で、あなたは、悪魔じゃないよね?」
と、思っていると直球で来た。質問じゃ引っかけられないと悟って、直接聞こうと決断したみたいだ。
ああ、この方が『美樹さやか』という感じがする。回りくどく聞いてくるより、こっちの方が似合う子だ。
(正解よ)
心の中でだけ、答える。現実では黙ったままだったのだが、そんな対応から何かを読み取ったのか、さやかは小さく理解の息を吐いていた。
「やっぱり」確信した、そう言いたげに言葉を繋ぐ。「ほむら、あんた本当に……あのほむらじゃないんだね?」
そう、私はさやかの言う所の『あのほむら』ではない。それとは全く異なる存在だ。
円環としての記憶を取り戻したさやかに、隠し事はしない。探りへの対応は、単なるお遊びだった。
「まあ、気づいているのは知っていたけれど、そんなにあからさまに聞いてくる?」
「そりゃ……ねぇ。分かりやすかったもん。私を見る目が全然違うっていうか……」
「適当ね、まったくもう。あまりに直球だったから、少し驚いたわ」
呆れ気味に言ってみる。するとさやかは困った様に顔を掻き、服が汚れるのも構わずに土手の雑草が生い茂る所へ腰掛けた。
どこか安堵にも似た息を吐くと、隣の雑草を軽く手で押さえ、私に向かって手招きをする。
「座りなよ、ほむら」
「じゃあ、遠慮無く」
隣に座ってみると、さやかは私の顔を嬉しそうに見つめてきた。何がそんなに楽しいのか、地面に投げ出した足が小刻みに揺れている。
「私、そんなにさやかへ変わった視線を向けていたのかしら」
「……んー、どうだろ。でも、分かりやすいくらい『友達』って感じだったよ? 嬉しかったな、ほむらに、そういう目で見られるのってさ……あいつには、もう一生そうは見られないだろうし」
「まあ、あの私と貴女は敵だもの。言うなれば悪魔と天使。どちらかが妥協しなきゃ、相入れるのは難しいでしょうね」
「やっぱ、そうかな。でも、ほむらは何か違うよね? 悪魔じゃないから、とか?」
「いえ、自分の在り方は関係無くて、私は別に敵でもなんでもないし……まどか一筋なのは否定しないけれど」
さやかの態度が一気に親しげな雰囲気を持った。けど、何だか寂しそうだ。頭に在るのは杏子か、それとも悪魔か。
「何て言うかさ、あいつ……私達と関わらない様にしてるみたいなんだよね」
「でしょうね」悪魔を頭に思い浮かべていたみたいだ。
「多分、私達と戦う時に、深い仲になってると躊躇っちゃいそうだから、とか、そういう理由だろうけど」
そして、考えを見抜かれている。
「随分、悪魔の肩を持つのね」
「まあ、この世界で生きてるとね。それに、あいつがどんな地獄を見てきたかは知ってるつもりだし、あれが裁かれるべき罪だなんて、思わないよ」
「でも、本人はそう思ってないわね。じゃなきゃ悪魔だなんて名乗らない」
あの暁美ほむらの感性は、殆ど筒抜けみたいだ。
当然か、目の前のさやかは、眼鏡の頃から暁美ほむらがどんなに苦しみながら戦ったかを知っている。冷徹ぶっている所も、悪魔ぶっている所も、大きく言えば単なる見栄で、要するにはったりだ。
染み着いた態度は嘘ではないし、滅多に剥がれないが、まどかの態度一つで一瞬で消し飛ぶ心の壁でしかない。
それにしたって、目の前のさやかはちょっと私の事を理解し過ぎている。私とは相性の悪い類の人だとばかり思っていたが、そうでもないみたいだ。
「……さやか。何て言うか、貴女ってそんなに賢かったのね。てっきり、その、考えの足りない子かと」
「人を馬鹿扱いすんなよ」
不満そうに口を尖らせているけど、怒っている風じゃない。
「でもまあね、あんたが友達になって、ほむらの事、よく分かってきた気がするからさ……何を考えているかは顔を見れば分かる、なんてね」
「それ、親友か家族、じゃなかったら悪質なストーカーみたいね」
「雰囲気が台無しーっ」
ケラケラと笑いながら、さやかは雑草の上に寝転がる。
息を吐きながら両手で伸びをすると、気分が良さそうに腕を広げた。
「あー、何だろーね。ほむらが草原で寝てた理由が分かるわ、これ」
「そう、良い事じゃない」
私が返事をしたが、さやかは何も言わなかった。ただ、黙って目を細めているだけ。息をしていなければ、死んでいるのと同じくらい力を抜いている。
こんなにも無防備で良いんだろうか。まどか以外にとやかく言う気は殆ど無いが、幾ら何でも私の事を信用し過ぎだ。私の正体すら、分かってない癖に。
でも、さやかは何も言わない。私も言葉を発しなかったから、周囲には風が草を鳴らす音や、ちょっとした水の音だけが残った。
「ね」
小さな声で、話しかけてくる。上体を起こして顔を私と並べると、瞳の奥で人魚の魔女が泳ぐのが見えた。
戦闘態勢ではない。それだけ分かれば良い、身構える必要は無いだろう。
「あたしは完全に戻ってるのに。なぎさだって、戻ってるのに……どうして、まどかは戻る気配すら無いんだろうね」
「暁美ほむらが何時も側に居るからでしょう?」
「でも、あんたの側にまどかは居ない」
それは当たり前だろう。私の側に居てどうするのか。舞台の上に機材係が立ってどうするのか。
「貴女の言う通り、私は悪魔じゃないもの」
「そっ、か」
それが全てだ。意志をしっかりと叩きつけたつもりだが、さやかの目は何一つ諦めていない。むしろ、余計に燃え上がっている気がする。
「じゃあ、暁美ほむらは、なんで二人も居るの?」
「……さあ」
「誤魔化さないで」
詳しい所を説明する気は無かったけど、そんな私を逃すまいとしている様だ。
これは、話を聞くまで帰らないだろう。
「逆に、聞くわ。どうして私の事をそんなに気にするの?」
「勘だけど、さ。あんたは、もっとこう、とんでもない存在と繋がってる気がするんだよね。私も、円環の理と繋がってるから分かるんだ」
「だからって、気にするのね」
「普通は気になると思うけど……それより、ほら、その、友達じゃん? あんたって凄く強そうだけど、何時居なくなっても変じゃない感じがする、って言えば良いのかな」
「だから、ちゃんと話を聞きたいと思ってさ」照れすら欠片も見せないまま、本当に真剣な表情で私を見つめてくる。
思わず、溜息が出た。
「鋭いと言うか、何というか」
「……」
しっかりと、私の言葉を聞き逃さない様にしていた。
それはもう、ホムリリーの記憶が知らない顔と言っても良い。暁美ほむらには決して向けられず、まどかには何時でも向けられる親友の情が最も近い。
そんな物が感じ取れて、嬉しくなる。
「さやか、貴女ってバカね。私の事より、今は貴女自身とまどかの事が優先でしょう?」
「けど、あんたの事を知れば、まどかの記憶を戻す隙が見つかるかもしれない」
「それだけ?」
「……ううん。本当は、私が勝手にほむらを心配してるだけ。悪魔の方も、あんたも、まどかが絡むと自分を簡単に犠牲にしそうで、見てて怖くなるんだ」
声の中に不安が見え隠れしている。円環の理と繋がったのに、さやかは変わらない。情が深くて単純で、その癖に妙に鋭く頭が回る。
今だって、私の顔をとても真剣に見つめて、何とか情報を得ようと必死になっている。
「ほむらの事を知ってたら、そういう時、力になってあげられるかもしれないし、その方がまどかも喜んでくれると思うからさ」
『まどかの為、まどかが喜ぶから』。それは、私にとって最大の殺し文句だ。そう言われると、私は何より優先すべきまどかの事ばかり考えてしまう。
「だから、ねえ……お願い、答えて」私の顔色が変わったのを確認したのか、さやかの懇願が聞こえてきた。
「あんたは何者? 本当に、暁美ほむらなの……?」
どこかで聞いた言葉だ。暁美ほむらが似た台詞を口にした時とは違って、何だか弱々しい口調だが。
さやからしくない元気の無さだ。きっと、彼女自身の心が揺れているんだろう。だから私に接触して、自分の意志を決めようと考えたのかもしれない。
「ふぅっ……」
大きく呼吸をして、これから行う事を決定する。
そこから立ち上がり、数歩だけ歩いた。土を払う必要は無い。世界の操作とは便利な物で、服の汚れは簡単に取れる。
振り返ってみると、さやかはまだ座っていた。やはり戦意は無い。それが分かれば、私も攻撃を考えずに済む。
「ご挨拶ね、私は貴女の知っている通りの私よ」
オ ク タ ヴ ィ ア ?
その瞬間、空が宇宙に染まり上がって、出しっぱなしの水道の蛇口、川、溝を流れる泥水、その全てから人魚の魔女が飛び出した。
さやかの目に、鋭さが宿る。それでも、こちらを害する気配は無かった。人魚の魔女にしても、じっと私を見つめるだけだ。
「……何で、その名前を?」
「さあ、どうしてかしらね?」
虚空に浮かぶ幾つかの文字、それを読めば、目の前に居るさやかの存在は誰でも分かる。まあ、誰にでも読める物ではないけれど。
「ああ、『さやか』であり『オクタヴィア』でもある、か」
文字を言葉に出して読んでみると、さやかの顔色が驚愕に変わった。
「まさか、読めるのっ……!」
「読めるわ」
大きく頷いて見せると、さやかの瞳に何事かを考え込む色が宿る。直情的な所は消えて、ただ円環の理として私の正体を推測しようとしているみたいだ。
しかし、この世界の円環に私を理解する術は無い。一生懸命に考える姿を微笑ましく思いながら、ちょっとした悪戯心を出す。
「貴女が何を考えているか、当ててあげましょうか?」
「えっ……」
「『この文字は私達円環に導かれた者や魔女に類する存在しか読めない筈なのに……』」
「っ……!?」
当たっていたのか、さやかが息を呑む。だけど、これで終わりじゃない。読心能力なんて持っていないけど、まだ続きが有るのは分かる。
「『じゃあ、それが読めるほむらは、一体何なの……!?』かしら?」
「どうしてっ……」
「『分かったの?』なんて、簡単じゃない。普通に考えれば、そう思うに決まっているわ」
反応を見る限り、これも当たりだ。
いや、『暁美ほむらがあの文字を読めた』場合、そう考えて当たり前だ。だから心を読んだ訳じゃないんだけど、さやかは驚いてくれるから面白い。
「あんた、まさかっ」
私の対応で何かに思い至ったのか、さやかが目を見開いて、確信を口にする。
「平行世界でまどかに導かれた暁美ほむら、ではないわよ? むしろ私は暁美ほむらではないのだから」言われる前に予測して、潰しておいた。
「えっ……ち、違う?」
「ええ、違うわ」
目を丸くして、口を開きっぱなしにしている。思わず笑ってしまいそうになるのを、必死で堪えた。
私が『あの文字を読める』のは、当然の事だ。私は、曲がりなりにも使い魔。確かに魔女という小さな存在とは異なるが、似た物である以上、あの文字が読めない筈が無い。
しかし、そんな事は知らないさやかには、私はさぞ奇妙な存在に写っただろう。平行世界のほむらでないとすれば、一体何者なのか、とでも思っているに違いない。
「私の正体、教えて欲しい?」
「……教えて、ほむら」
聞いてみると、さやかは覚悟を決める様に答えてきた。
強い意志は健在みたいだ。やはり、まどかの友達として素晴らしい人だと思える。彼女もまた、今のまどかを作り上げた人間なんだ。
そう思うと、余計に自分の正体を見せる気になった。
「じゃあ、見せてあげる」
小さく手を叩いて空間を切り取り、さやかと私だけの世界に移動する。他の誰にも、見せる訳にはいかない。
何も無い場所に移動したからか、さやかが戸惑っている。
その間に、準備を済ませてしまおう。私の側には魔法陣の様な物が現れて、小さなナイトメアのぬいぐるみや、着せ替え人形達が踊り、私の服装は瞬く間に喪服にも似た黒い衣装へ変わっていた。
『独りぼっちにお似合い』の服らしい。まあ、それはどうでも良い事だ。
あの文字が、何も無い場所で踊りながら並ぶ。
文字を目で追ったさやかが、困惑混じりに呟いた。
「『AKEMI HOMURA』……え、『あけみ ほむら』……?」
やはり、読めたか。
愉快な気分が沸いてくる。その名前こそ、私が本当に名乗るべきもの。使い魔として与えられた名前。そうだ、私は『暁美ほむら』ではなく……
「改めて、挨拶をさせて貰いましょう。私は『AKEMI HOMURA』。時空間の怪物ホムリリーの使い魔にして、暁美ほむらのコピー。その役目は、まどかの幸せ」
+
「あっ……」
「ふふ」
「ほむらちゃん」
「今、助けに行くね」
+
本当の意味で名乗った為に、私の姿が変わっていく。AKEMI HOMURAにふさわしい形へと、戻るのだ。
それは、さやかも知っている、彼岸の魔女、くるみ割りの魔女、つまりホムリリィの姿。しかし、様々な部分が異なっていた。
骨になっていた身体は紫の歯車の塊となっていて、顔は暁美ほむらの物だ。そして何より、背中から生えた翼はおぞましき玉虫色に輝いていた。
歪み、壊れかけて液体になる寸前の私の姿。直視したくはないだろう。
……今、何か。まどかの声みたいな物が聞こえた気がした。この世界の外側から、内側に何かとてつもない物が流入した気がする。
けど、そんな感覚は表面に出さず、さやかに自分の姿を見せつけた。
「くっ……」
「分かった? 私は……分かりやすく言いましょう。『彼岸あるいは胡桃割り、あるいは時空間の魔女』の使い魔よ……あらっ……」
自分の存在を明かすと、何とか整っていた形が崩れだした。
ホムリリーの力が完全に行き届いていない中では、仕方が無い。大人しく、さやかの目の前で形を崩していく。恐怖を煽ってしまったかもしれない。
「あら、不完全だったわね」
暁美ほむらの頭部と、玉虫色の翼が残り、後は人型という以外には形容出来ない残骸となっていった。
そして、最終的には左右対称かつ、不定形のロールシャッハテストの様な形になる。顔だけはほむらのままだけど、それ以外は何一つ共通する点が無い。
……私には、自分の姿が『みんなに囲まれて幸せなまどか』に見えた。
これはもう、恐ろしいのを通り越しておぞましい存在だ。顔が人間でなければ、世界の全てを狂わせるかもしれない程に。
「く、うぅ……」
だが、さやかは耐えていた。
顔は蒼白になり、足は震えているが、それだけだ。円環の理の一部だから、だろう。でなければ、姿を捉えるだけで命を失ってしまいかねない。
良かった。ある程度加減をしていたが、彼女の心が壊れないかと心配はしていた。
「凄いわね、この姿を見られるなんて」
「あ、ったりまえ、じゃない……ほむら、なんでしょ? 友達の、姿に、耐えられない、なんて……!」
必死で我慢し、嘔吐も気絶にも耐えるさやか。その気持ちは、痛いくらい伝わってくる。
そんな姿を見ていると、一人の友達として敬意抱きたくなるし、私の中のちょっとした悪い心が、彼女を愛おしい生物の様に認識してしまいそうになる。
あらゆる事に耐えているけど、足はガクガクと震え、涙が止まらずに溢れている。ああ、緩んだ口元から涎がだらしなく垂れてすらいた。
思わず、頬を撫でてしまった。
「ひっ……」
「さやか、私の形は、何に見える?」
それだけで小さな悲鳴と怯えがさやかの口から漏れる。
ちょっと、やりすぎてしまった。謝りたい所だが、この姿に関しては仕方が無いと割り切る。ある意味では私を象徴する形だ。
「ねえ、聞いて、さやか」
さやかを引き寄せて、耳元で囁きかける。黒いタール状の物体と化した自分の身を無理矢理人型に成形し、異常極まり無い空気を部分的に耐えられなくもない次元まで引き下げておく。
これで、ちゃんと言葉を聞ける程度の余裕が生まれる筈だ。上手く行ったのか、さやかは青い顔をしながらも、止まりかけていた呼吸を再開した。そう、それで良いのだ。
「良しも悪しきも、私はまどかの為に生きているの。例え、それをまどかが望まなくたってね。見返りなんて要らない。振り向いて貰えなくたって構わない。あの子が幸せになってくれるなら、私は喜んで地獄に落ちる」
耳元がくすぐったいのか、少し身じろぎしている。逃がすつもりは無い。時間操作によって、さやかの動きを封じ込めておいた。
口にするのは、今までで一番に真剣な言葉だ。内心に仕舞込んでいた感情の塊を、生まれて初めて叩きつけている事になる。
まどかにこの気持ちを向ける日が来る事も考えて、ちゃんと加減をしなければならない。
「私を、暁美ほむらの偽物だと思っているのかもしれないわね。おぞましい、化け物だって……確かに、私は暁美ほむらではないし、この思いも記憶も与えられた物でしかない」
自らの存在が嘘である事を、私は知っている。しかし、今はさやかの反応を窺う方が先だ。
裂けんばかりに口元を笑わせ、私の目には友好を宿す。しかし、私の形は人型から崩れていき、また別の物へ変わっていった。
「はっきり言いましょう。どうでもいいのよ、そんな程度で折れるなら、私は最初から此処に居ないのだから」
きっと、今の私の声は凄まじい意志を含んでいるだろう。ただの一言で、さやかの視線は私の顔へ集中していた。
おぞましい姿よりも、顔に向いているのだ。鬼の様な形相でもしているのか、私は。
「ほむ、ら。あんた……は……」
「そう……それが、私よ。そんな意志を、貴女は挫ける?」
恐るべき覚悟と、狂気にも似た力の塊がさやかを貫いた。
さやかの瞳が揺れて、多量の冷や汗が流れている。声にならない悲鳴が何度も漏れ出して、恐怖に対する悲痛な訴えに聞こえた。流石に、少し意地の悪い事をし過ぎた。
反省して、彼女から一歩だけ距離を取る。ただし、両肩は掴んだままで、離してやる気は無い。
「私を止めたければ、殺すしか無いわ。私を哀れなマリオネットだと思うなら、糸ごと人形を焼くしか無いわ」
私の背後で着せ替え人形が燃え上がって、何処かに落ちた。しかし、人形は何処かから這い上がり、焼けた身体のまま薄桃色のリボンを抱き締めて、そのまま灰になっていく。
残されたリボンを拾い上げると、紫色に染まる。それを指の中で弄びながら、さやかの前髪に巻いてあげた。
「似合わないわね」
「お、おおき、な、お世話っ……」
唇に指を置いて、無理矢理に言葉を止めさせた。苦しそうな声を聞くのは、良くない。
恐怖で乾いた唇を指先でなぞり、薄い肌色のクリームを塗ってやる。さやかの身から感じられる恐怖が、若干薄れた。
「ほ、ほむらぁ……ぁ」
「貴女は優しくて、強くて、でも凄く弱い子。私も、貴女みたいな人は好きだし、とても素敵だと思うわ。だけど、貴女は私を殺せるの?」
馬鹿は死ななきゃ直らない。私は死んでも自分を変えるつもりは無いが、止めたいのなら、殺せば良いんだ。
さやかには、その力が有る。それに、資格も有るのだから。
「さて、やれる物なら、やってみなさい。全力で相手をするわ」
また数歩分くらい距離を作って、今の私が出せるだけの力を放つ。世界が歪み、時間が傷つき、宇宙が揺れた。私の意志一つで、この星が簡単に消し飛ぶ程の力だった。
さやかは、もう震えなかった。ひたすら意志の力で恐怖や苦痛と戦いながら、喉の奥から掠れた声を口に出した。
「ころ、ころさない、よ……ともだち、だから……」
必死に語られる言葉に、敵意は無かった。
「わたし、を、こわがらせ、だから、たたかわなくて、いいように」
「買い被りね」
貴女と戦わない為に、貴女を傷つけない為にこの姿を見せた訳じゃない。ちょっとした悪戯心と、意地悪な気持ちが行わせたんだ。
しかし、さやかにそんな善意で溢れた視点を向けられていると思うと、何だか恥ずかしい。思わず彼女から背を向けて、逃げる様に去っていこうとしてしまう。
「さ、私はそろそろ……っ?」
歩き出そうとして、気づいた。
誰かが、この空間に無理矢理入り込もうとしている。強い想いが呪いを覆し、奇跡と希望を叩き込んでくる。魔法を全力で向け続け、何とかして中に居る誰か、きっと、さやかを助けようとしているのだ。
しかし、完全に隔絶された世界に外側からの干渉で入り込める筈が無い。……無い筈なのだが、強い意志と力が、不可能を可能に変えようと必死に立ち向かってくるのが感じ取れる。
その一点を見つめていると、外側に居る人間の姿が見えた。赤い髪で、赤い魔法少女。
赤い魔法少女を認識すると同時に、空間の端から強行突破してきた刃物が喉元に飛んできた。
やって来たのは一筋の光、いや、槍の一撃っ……!?
……杏子か! 姿を見られるのはまずい!!
書いていると、ほむさやの良さが何となく分かる。
◇元ねた◆◆久しぶり◇
『恐怖の対象形』
ウォッチメンからの孫引き。
『この文字は私達円環に導かれた者や魔女に類する存在しか読めない筈なのに』
パンフレットのインタビューや、劇中でベベが絵に魔女文字でMAMIと書き込んでいる事を考えて、そう判断しました。