バンドリカレンダー企画! ~みんなで繋ごう、ガルパの一年を~ 作:大里野上
作家ページ: https://syosetu.org/?mode=user&uid=268697
Twitter: @siotyansyousetu
代表作: https://syosetu.org/novel/204913/
作家コメント
こんにちは。しおまねき。(キャベツご飯)というものです。
前回に引き続き、縁あって大里野上さんの企画小説に参加させていただきました。
前回と比べ、今回は私情により時間が無く、頑張って書きあげました。
焼き蛤のように、暖かい目で見守ってください。
それでは、どうぞ!
「ふぅ……」
夏服から冬服への衣替えを控えた9月上旬、だんだんと日没が近づいてくる中、白金 燐子は図書室の当番を務めている。
この時期は読書の秋ということもあり、花咲川学園内では「読書週間」というものが実施されていたりする。そのためか、昼休みの時間帯での人通りが普段よりも活発なのであり、図書委員としての仕事も増えている。
「白金さん、大丈夫ですか?」
突如燐子の元にやってきたのは、彼女の同級生であり同じバンドのメンバーである氷川 紗夜である。
「あっ、氷川さん……はい……今のところは……大丈夫です」
「そうですか。何かあったら、私のことを呼んでください」
「はい……その時は、よろしくお願いしますね……」
紗夜は相槌だけ打って、自分の本を探しに行った。
その後は特に何事もなく仕事を続け、昼休み終了のチャイムが鳴る頃。燐子は教室には戻らず、一度本棚の整理をすることに。
「うん……ちゃんと整ってるね……」
所々崩れているところはあったが、大きな崩れはなかったことに一安心した様子の燐子。
が、ここで一冊、気になる本を見つけてしまう。
「これは……?」
「お月見ライブ?」
「はい……そういえば今月、十五夜でもあるそうなので……その日に、circleを借りてライブしたいなと……思いまして……」
燐子が先ほど見つけたのは、今月の本として置いていた、十五夜に向けての特集本だった。これを見た燐子は、すぐさまライブがしたいと考えた。
早速話を持ち出してみたところ、真っ先に近づいてきたのはあことリサである。
「お月見ライブかー、結構斬新でいいんじゃない?アタシもちょっとやってみたいなー!」
「あこも賛成です!月夜に咲く5輪の花……えーと……」
「魂込めて……いざ……」
「「開花せんっ!(……)」」
「2人は相変わらず仲良いね〜」
賛成派の2人と共に談笑する燐子だが、まだまだ不安要素が抜けきれていない。
友希那と紗夜がどう思っているのか。2人は賛成してくれるのか。そこで話をしている2人が、どういう思いで話をしてくれているのか。
「……ええ、そうね。紗夜もそれでいいかしら?」
「ええ。」
どうやら紗夜と友希那で話がまとまったようだ。それに勘づいた燐子は、すぐさま2人の元へ向かった。
「あの……どうなりますか?」
「そうね……」
「折角の機会だし、やってみましょう、燐子」
「いよいよ来たね〜」
「うぅ〜、おねーちゃん来てくれたかな〜」
「巴さんの心配が先なのね……」
「〜♪」(調整中)
9月某日、今日は中秋の名月の日である。それに伴い、燐子が提案したお月見ライブの本番である。今回は燐子がセットリストを組み、衣装にもいつも以上にこだわりが入っている気がする。
「紗夜さん!このお月様かっこよくないですか!?」
「そうね……まるで私たちが中秋の名月みたいですね」
「上手いこと言うじゃん、紗夜♪」
「さすがね……燐子」
これには他のメンバーも大絶賛の様子。衣装を作った側としての意志も汲み取ってくれて、燐子もご満悦である。
「さて、そろそろライブの時間ね。
みんな、行くわよ?」
「「「「はい!!」」」」
いよいよ、その緞帳が上げられた。
「あこ大丈夫かな……」
一方、客席では巴を始めとした、Afterglowのメンバーが揃っていた。なお、他のバンドは都合が合わず来れなかったようだ。
「大丈夫だって〜あこちゃんもそうだけど、Roseliaの皆さんは本番強いんだから!」
「ともちん心配しすぎ〜」
「う、うるせぇ、モカ!あたしだって、姉としての心配があるから……」
「まあまあ、巴ちゃん落ち着いて……」
仲良く談笑する中、上演開始のブザーが開場中に鳴り響く。その音で一気に会場が静まり返り、ステージへと意識を向ける。
「……みんな、こんばんは」
『うぉぉおおおお!!』
一言の挨拶だけで、会場中に割れんばかりの声援がかかった。
「……さすが、湊さん……あたし達も」
「蘭がやっても、いつもこのぐらいだと思うよ〜?」
「いつもが遠いから少し大きいかもしれないけど、それでも負けられない……」
この量の歓声には、Afterglowとしても、蘭個人としても、対抗心を燃やす量である。
「今日は、私たちのために足を運んでくれてありがとう。早速だけど、みんなにはこの曲を届けるわ。聞いてください、
『Black shout』」
「ここまで聞いてくれてありがとう。今日のライブはどうだったかしら?」
ライブも終盤に差し掛かったとはいえ、観客の元気はまだまだ残っている。最初と大差ない声援がRoseliaに届く。
「や、やっぱりすげえ……」
「圧巻だよね……」
これにはAfterglowのみんなも飲み込まれ、つぐみの言う通り「圧巻」の一言しかない。
「今日、十五夜ライブという企画を開いてみて思ったことがあるの。少しだけ時間を頂戴」
友希那は、今日を締めくくる最後のMCに入ることにした。
「やっぱりこういう風物詩というのかしら、以前の私はこういう時だったとしても無関心のまま、ずっと音楽に打ち込み続けていたわ」
真剣に聞く観客を見て、メンバーの目線も友希那に寄せられる。
「でも、今回こういうライブを開いてみようと考えたのは、メンバーである燐子のおかげなのよ」
すると、友希那に向けての目線が燐子にも向けられる。燐子は予想にもしていなかったので、かなり驚いてしまう。
(し、視線が……)
「りんりん!がんばって!」
「白金さん、あなたは讃えられるべきなのですから」
「そうだよ〜、今だけだよ!」
燐子はメンバーからの声援をもらうも、まだ緊張は解けない。先ほどよりかはマシだが、今でも顔がこわばっている。
「最初は燐子に発案されて、そこから周りの意見もあったのだけれど……みんなが楽しそうにしてる姿を見て、私も少し、やってみたくなったのよ
特に、やろうって決めた時の燐子の表情が、私にはとても輝いていたように見えたわ」
周りからとても大きな歓声をもらい、燐子は嬉しすぎたのか涙を流した。
「みっ、みなさん……ありがとうございまずっ……!!」
「りんりん……」
「よく頑張ったね〜」
「3人とも、まだ終わってないですよ。ほら、最後にあの曲がありますよ」
紗夜のその一言で、あことリサは定位置に戻る。燐子も目は多少充血してるが、かなり落ち着いた様子だ。
「みんな、これが最後の曲よ。集中していくわよ?」
『うん!』
「聞いてください。」
『軌跡』
(満月よりも……綺麗な思い出に……なった気がするな……)
燐子にとって、最もいい秋の思い出となった。
ありがとうございました。
また次の機会がありましたら、よろしくお願いします。