バンドリカレンダー企画! ~みんなで繋ごう、ガルパの一年を~   作:大里野上

10 / 19
本日は、キャベツご飯さんです! いつもはオリジナル作品を書かけれている方なのですが今回も企画に参加してくださいました!

作家ページ: https://syosetu.org/?mode=user&uid=268697
Twitter: @siotyansyousetu
代表作: https://syosetu.org/novel/204913/

作家コメント
こんにちは。しおまねき。(キャベツご飯)というものです。
前回に引き続き、縁あって大里野上さんの企画小説に参加させていただきました。
前回と比べ、今回は私情により時間が無く、頑張って書きあげました。

焼き蛤のように、暖かい目で見守ってください。
それでは、どうぞ!


9月・十五夜の下の薔薇

「ふぅ……」

 

 夏服から冬服への衣替えを控えた9月上旬、だんだんと日没が近づいてくる中、白金 燐子は図書室の当番を務めている。

 

 この時期は読書の秋ということもあり、花咲川学園内では「読書週間」というものが実施されていたりする。そのためか、昼休みの時間帯での人通りが普段よりも活発なのであり、図書委員としての仕事も増えている。

 

「白金さん、大丈夫ですか?」

 

 突如燐子の元にやってきたのは、彼女の同級生であり同じバンドのメンバーである氷川 紗夜である。

 

「あっ、氷川さん……はい……今のところは……大丈夫です」

 

「そうですか。何かあったら、私のことを呼んでください」

 

「はい……その時は、よろしくお願いしますね……」

 

 紗夜は相槌だけ打って、自分の本を探しに行った。

 

 その後は特に何事もなく仕事を続け、昼休み終了のチャイムが鳴る頃。燐子は教室には戻らず、一度本棚の整理をすることに。

 

「うん……ちゃんと整ってるね……」

 

 所々崩れているところはあったが、大きな崩れはなかったことに一安心した様子の燐子。

 

 が、ここで一冊、気になる本を見つけてしまう。

 

「これは……?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

「お月見ライブ?」

 

「はい……そういえば今月、十五夜でもあるそうなので……その日に、circleを借りてライブしたいなと……思いまして……」

 

 燐子が先ほど見つけたのは、今月の本として置いていた、十五夜に向けての特集本だった。これを見た燐子は、すぐさまライブがしたいと考えた。

 

 早速話を持ち出してみたところ、真っ先に近づいてきたのはあことリサである。

 

「お月見ライブかー、結構斬新でいいんじゃない?アタシもちょっとやってみたいなー!」

 

「あこも賛成です!月夜に咲く5輪の花……えーと……」

 

「魂込めて……いざ……」

 

「「開花せんっ!(……)」」

 

「2人は相変わらず仲良いね〜」

 

 賛成派の2人と共に談笑する燐子だが、まだまだ不安要素が抜けきれていない。

 

 友希那と紗夜がどう思っているのか。2人は賛成してくれるのか。そこで話をしている2人が、どういう思いで話をしてくれているのか。

 

「……ええ、そうね。紗夜もそれでいいかしら?」

 

「ええ。」

 

 どうやら紗夜と友希那で話がまとまったようだ。それに勘づいた燐子は、すぐさま2人の元へ向かった。

 

「あの……どうなりますか?」

 

「そうね……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「折角の機会だし、やってみましょう、燐子」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

「いよいよ来たね〜」

 

「うぅ〜、おねーちゃん来てくれたかな〜」

 

「巴さんの心配が先なのね……」

 

「〜♪」(調整中)

 

 9月某日、今日は中秋の名月の日である。それに伴い、燐子が提案したお月見ライブの本番である。今回は燐子がセットリストを組み、衣装にもいつも以上にこだわりが入っている気がする。

 

「紗夜さん!このお月様かっこよくないですか!?」

 

「そうね……まるで私たちが中秋の名月みたいですね」

 

「上手いこと言うじゃん、紗夜♪」

 

「さすがね……燐子」

 

 これには他のメンバーも大絶賛の様子。衣装を作った側としての意志も汲み取ってくれて、燐子もご満悦である。

 

「さて、そろそろライブの時間ね。

 

 みんな、行くわよ?」

 

「「「「はい!!」」」」

 

 いよいよ、その緞帳が上げられた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

「あこ大丈夫かな……」

 

 一方、客席では巴を始めとした、Afterglowのメンバーが揃っていた。なお、他のバンドは都合が合わず来れなかったようだ。

 

「大丈夫だって〜あこちゃんもそうだけど、Roseliaの皆さんは本番強いんだから!」

 

「ともちん心配しすぎ〜」

 

「う、うるせぇ、モカ!あたしだって、姉としての心配があるから……」

 

「まあまあ、巴ちゃん落ち着いて……」

 

 仲良く談笑する中、上演開始のブザーが開場中に鳴り響く。その音で一気に会場が静まり返り、ステージへと意識を向ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

「……みんな、こんばんは」

 

 

 

 

 

 

 

 

『うぉぉおおおお!!』

 

 一言の挨拶だけで、会場中に割れんばかりの声援がかかった。

 

「……さすが、湊さん……あたし達も」

 

「蘭がやっても、いつもこのぐらいだと思うよ〜?」

 

「いつもが遠いから少し大きいかもしれないけど、それでも負けられない……」

 

 この量の歓声には、Afterglowとしても、蘭個人としても、対抗心を燃やす量である。

 

「今日は、私たちのために足を運んでくれてありがとう。早速だけど、みんなにはこの曲を届けるわ。聞いてください、

 

 

 

 

 

『Black shout』」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

「ここまで聞いてくれてありがとう。今日のライブはどうだったかしら?」

 

ライブも終盤に差し掛かったとはいえ、観客の元気はまだまだ残っている。最初と大差ない声援がRoseliaに届く。

 

「や、やっぱりすげえ……」

 

「圧巻だよね……」

 

 これにはAfterglowのみんなも飲み込まれ、つぐみの言う通り「圧巻」の一言しかない。

 

「今日、十五夜ライブという企画を開いてみて思ったことがあるの。少しだけ時間を頂戴」

 

 友希那は、今日を締めくくる最後のMCに入ることにした。

 

「やっぱりこういう風物詩というのかしら、以前の私はこういう時だったとしても無関心のまま、ずっと音楽に打ち込み続けていたわ」

 

 真剣に聞く観客を見て、メンバーの目線も友希那に寄せられる。

 

「でも、今回こういうライブを開いてみようと考えたのは、メンバーである燐子のおかげなのよ」

 

 すると、友希那に向けての目線が燐子にも向けられる。燐子は予想にもしていなかったので、かなり驚いてしまう。

 

(し、視線が……)

 

「りんりん!がんばって!」

 

「白金さん、あなたは讃えられるべきなのですから」

 

「そうだよ〜、今だけだよ!」

 

 燐子はメンバーからの声援をもらうも、まだ緊張は解けない。先ほどよりかはマシだが、今でも顔がこわばっている。

 

「最初は燐子に発案されて、そこから周りの意見もあったのだけれど……みんなが楽しそうにしてる姿を見て、私も少し、やってみたくなったのよ

 

 

特に、やろうって決めた時の燐子の表情が、私にはとても輝いていたように見えたわ」

 

 周りからとても大きな歓声をもらい、燐子は嬉しすぎたのか涙を流した。

 

「みっ、みなさん……ありがとうございまずっ……!!」

 

「りんりん……」

 

「よく頑張ったね〜」

 

「3人とも、まだ終わってないですよ。ほら、最後にあの曲がありますよ」

 

 紗夜のその一言で、あことリサは定位置に戻る。燐子も目は多少充血してるが、かなり落ち着いた様子だ。

 

「みんな、これが最後の曲よ。集中していくわよ?」

 

『うん!』

 

「聞いてください。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『軌跡』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(満月よりも……綺麗な思い出に……なった気がするな……)

 

 燐子にとって、最もいい秋の思い出となった。




ありがとうございました。
また次の機会がありましたら、よろしくお願いします。
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