バンドリカレンダー企画! ~みんなで繋ごう、ガルパの一年を~   作:大里野上

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本日は希望光様です! 前回からありがとうございます!

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作家様コメント
希望光と申します。
今回も参加させていただきました。
大里様、参加させていただきありがとうございます。
前置きはこれぐらいで、本編の方をどうぞ。


7月・熱色スターマイン

 本格的な暑さを迎えた7月の頭。

 頭上から振り注ぐ、日光を受けながら彼は1人の少女と共に歩いていた。

 

「あつ〜い……」

「確かに、今年の暑さは堪えるものね」

「本当だよ……。流石の俺も溶けちゃいそうだね……」

 

 彼は、少女に向けて冗談交じりでそう答えるのであった。

 そんな彼に対して、少女の方は呆れたようにため息をつくのだった。

 

「おーい、友希那、洸夜!」

 

 並んで歩いていた彼こと、『氷川洸夜』と少女こと『湊友希那』は、後方から自身らを呼び止めた『今井リサ』の方へと振り返る。

 

「……リサ?」

「やっと追いついた」

「お前、この炎天下の中走ってきたのかよ」

「うん。おかげで暑いよ……」

「だろうな……」

 

 リサに同情するかのように、洸夜がそう言葉を返すのであった。

 

「んで、何をそんなに急いでたんだ?」

「あ、うん。あのね———」

 

 満面の笑みを浮かべながら、リサは2人にこう告げるのだった。

 

「今度、海に行こ!」

「「え?」」

 

 洸夜と友希那は、同じ様に驚くのであった。

 

「なんでまた海なんだよ?」

「近々お祭りがあるんだよね」

 

 洸夜はふーん、と返した。

 

「で、それに行きたいと?」

「そういうこと☆」

「なるほど」

 

 洸夜はそう言って納得するのだった。

 

「私は別に構わないのだけれど、誰がいくのかしら?」

「Roseliaの他のメンバーも誘ってみたんだけど、みんな予定があるんだって」

「じゃあ、現状この場の3人だけって事?」

「そういうことになるね」

「そうか」

「なら、この3人でどういう風に行くとか決めないとね」

 

 友希那の言葉に2人は頷いた。

 

「取り敢えず———」

 

 洸夜は2人に向かってこう告げるのだった。

 

「暑いから……コンビニ寄らない?」

 

 額から出た汗を拭いながら———

 

 

 

 

 

 お祭り当日。

 洸夜は、自宅の最寄り駅で2人を待っていた。

 スマホを弄りながら待つ彼のもとに、2人が現れるのだった。

 

「お待たせー☆」

「ん」

 

 リサの言葉に短く返した洸夜は、顔を上げた、

 直後、彼は硬直するのだった。

 

「どう?」

「似合う……かしら?」

 

 そこに立っていたのは、浴衣に身を包んだリサと友希那であった。

 友希那は青と黒を基調とした薔薇をあしらった浴衣。

 リサは対照的に黄色やオレンジといった明るめの色を基調とした浴衣だった。

 そんな普段の2人とは違う姿に、洸夜は思わず見惚れるのだった。

 

「……洸夜?」

「え、あ、なに?」

 

 再びリサに呼びかけられ、洸夜は漸く我に帰るのだった。

 

「どうしたの、ボーッとして?」

「いや、なんでもない」

 

 そう否定して、彼は左手で首筋を抑えるのだった。

 

「で、感想の方は?」

「に、似合ってると思うぞ」

 

 そう言いながら、洸夜は顔を背ける。

 そんな彼の表情を、リサは見逃さなかった。

 

「あれ、もしかして照れてる〜?」

「な……?!」

「アタシと友希那が可愛すぎて見惚れちゃってたんでしょ〜?」

「……ッ!」

 

 内心を言い当てられた洸夜は、激しく動揺するのだった。

 

「も〜、そうならそうだって言ってくれればいいのに〜」

 

 そう言って、リサは洸夜を揶揄う。

 

「よかったね友希那、似合ってるってよ☆」

「……ッ?!」

 

 先程から少し恥ずかしそうにしていた友希那は、リサにそう言われ顔を紅潮させるのだった。

 

「そう……なの?」

「う、うん……」

 

 洸夜の返事を聞いた友希那はそう、と呟き嬉しそうに微笑むのだった。

 

「じゃあ、行こっか☆」

「そうね」

「あ、ああ」

 

 そう言葉を交わすと、3人は駅の中へと入っていくのだった———

 

 

 

 

 

 電車を乗り継いだ3人は、目的地の駅へと辿り着いた。

 

「長かったな……」

「そうだね」

「リサ、ここからどれくらいかかるの?」

「うーんとね」

 

 そう言ってリサは携帯を取り出す。

 

「数分ぐらい道沿いに歩けば会場だって〜」

「んじゃあ、早速向かいますか」

 

 洸夜の言葉に、2人は頷くと共に歩き始める。

 カツカツと下駄を鳴らしながら。

 

「足元気を付けろよ」

「うん☆」

「そうね」

 

 洸夜にそう告げられた2人は、各々の返事をするのだった。

 そんなこんなで歩く事数分、お祭りの会場へと到着した。

 

「……やっぱ混んでんなぁ」

 

 見渡す限りの人の群れ。

 それを見た洸夜は、溜息を零すのだった。

 

「アハハ……人混み嫌いだもんね」

「早く行きましょう」

「はいはい……」

 

 友希那に促され、3人は人混みの中へと入っていくのだった。

 人混みに紛れながら、3人は射的や金魚掬い、綿飴やたこ焼きと言った具合で屋台を回って行った。

 

「次はあそこに行きましょう」

「お前、片っ端から回る気かよ」

「ダメかしら?」

「ダメではないけど……」

 

 そう言ってリサは苦笑するのだった。

 

「まあ、今日は歌姫様の言う通りにしますか。あ、もちろんリサもね」

「じゃあ、アタシの言うことも聞いてくれるんだね?」

「まあ、そのつもり……です」

 

 そう言って洸夜は、目を逸らした。

 そして、彼は2人と共に再び屋台を巡ろうとした時だった。

 ———ポツリ、ポツリ。

 

「……雨だ」

「え、嘘?」

 

 リサの確認に応答せず、洸夜は友希那とリサの手を掴むと、早歩きで2人の手を引いていく。

 

「え、ちょっと?」

「急になんなの」

「雨を凌げそうなところに向かってるんだ」

 

 そして、彼等は会場から離れた所の少し高台にある神社の境内へと滑り込むのだった。

 

「うへぇ……だいぶ強くなってるよ……」

「もう少し遅かったらやばかったかもな……」

 

 リサの言葉に洸夜はそう返す。

 

「止むかしら……?」

「多分通り雨だな。幾分か弱くはなってきてる」

「そう……。なら良いのだけれど」

 

 静まりかえった3人の元には、あたりを包む雨音のみが届いていた。

 ただ雨足が絶えるのを待ち続ける3人。

 すると、洸夜が何かを鼻歌で歌い始める。

 

「———♪」

「洸夜?」

 

 リサが問い掛けると、洸夜は徐に立ち上がった。

 そして、歌詞を口ずさみ始める。

 

「———波音は陰を流して 暖かな両手を握るよ」

「We carry on……」

 

 洸夜に合わせて、リサも歌詞を口ずさむ。

 

「陽炎に映した 曇りなき希望は」

「———無限に華咲く」

 

 リサがそう歌ったところで、洸夜は友希那へと振る。

 

「Close to me……star mine Close to me……star mine」

 

 振られた友希那は、狂いなく歌へと入る。

 

「打ち上げるわ」

 

 直後、海の方角から大きな炸裂音が響く。

 

「「……?!」」

 

 その音に、リサと友希那は驚くのであった。

 

「あ、始まった」

「始まったって?」

 

 洸夜はニッ、と笑って答えた。

 

「この祭りの花火大会だよ」

 

 彼らの見つめる先には、新たに打ち上げられる花火の姿があった。

 

「綺麗……」

「こっちがメインらしいからな」

「もしかして調べた?」

「リサーチは必須事項だからな」

 

 そう言葉を返した洸夜は、頂点で咲き誇る花火を見つめる。

 すると友希那がこんなことを言った。

 

「———さっきの続き、いいかしら?」

 

 その言葉に、リサと洸夜は顔を見合わせた後頷いた。

 

「ありがとう。サビから行くわよ」

 

 再び、彼女達の歌が始まる。

 

【We carry on……】灼熱に期待が震え【We carry on……】至極美しくなる音

 

 花火を見つめながら、友希那は歌い続ける。

 

【We carry on……】独りでは知らない 旋律を与え

 ———心にヒカリが

 

 その歌詞の直後、友希那は2人の方へと振り向く。

 

 Close to me……star mine Close to me……star mine 弾けだした

 

 花火を背に歌いきる友希那。

 そんな彼女は普段とは違った意味で気高かった。

 

「流石Roseliaのボーカル、だな」

「うん! 今の友希那凄かったよ」

「ありがとう。2人がいてくれたからよ」

 

 そう言葉を交わす3人。

 そして先ほどまで降っていた雨のことなど忘れ、打ち上げられる無数の花火(スターマイン)を眺めるのであった。

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