五等分の花嫁 心の傷を持つ少年   作:瀧野瀬

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五つ子との林間学校

「おおっ、中々良い部屋だな!」

 

 寝泊りする部屋にやってきた俺達。

 部屋の大きさを見て、大きな声で言う上杉。此処まで色々なことに見舞われていたことなどすっかり忘れていそうだ。それにしても、旅館なんて中学時代以来だな……。

 

 懐かしさを思い出しつつも、俺は二乃がブツクサ言っているのを流し聞きしながら俺は荷物を端の方に置く。それにしても、この部屋の広さで七人寝れるんだろうか……。

 

「女子集合ー!」

 

 張り切っている上杉と色々考えている俺のことを気にせず、五つ子は何やら話し合っているようだ。どうせ、男と一緒の部屋だからどうのこうのって奴だろう。放っておこう。そして、その女子同士の会話に一気に入り込み、トランプをしようと言う上杉であった。

 

 

 

 

「おい、二乃。そっちババだろ」

 

「さ、さぁ、それはどうかしらね!」

 

 表情に出ていないと本人は思い込んでいるんだろうががっつりと表情に出ている。つまり、こっちがババだな。

 

「ちょっ!?あんた、そういうのは無しでしょ!」

 

 俺は一気に引くと、やはり俺が引かなかった方がババだったようだ。

 

「勝てればいいんだよ。勝てれば……」

 

 大人げないと思われるかも知れないがこれが現実なのだ。

 俺達は、飯の時間までトランプで遊ぶのであった……。

 

 

 

 

 

 

 ◆◆◆◆◆◆

 

「今日のあいつ絶対テンションおかしいわよ」

 

 二乃がフータローのことをおかいしと言っている。

 確かにいつものフータローと比べると、若干おかしい気もするけど……。

 

「そうかなぁ?フータロー君もこういうことには舞い上がっちゃうタイプなんじゃない?」

 

「それよ。それが危ないのよ!羽目を外した人間程ヤバい奴なのよ!」

 

「そして、なにより重要なのが誰があいつらの隣で寝るのか!」

 

 フータローやソラの隣で寝るか……。

 一度、ソラとは寝たことがあったけど、あのときは二人共同じタイミングで起きちゃったからビックリしたなぁ……。

 

「あいつらも男よ!ケダモノに違いないわ!」

 

「あ、あの二乃の考え過ぎでは?」

 

「ふーん?じゃあ、五月あんたがあいつらの隣で寝なさいよ」

 

 その言葉を言われた五月は、顔までゆっくりと湯舟に入れて顔を隠す。

 

「それなら、四葉!」

 

「い、いやぁ……私は……」

 

 四葉は恥ずかしそうにしながら、後ろを向く……。

 

「そういえば、三玖。あんたソラと寝た事あったわよね。なら、あいつの隣で寝れるわよね?」

 

「そ、それは……私が間違って寝ただけだから……そ、その故意的にやるのは……」

 

 その瞬間、私の中で一筋の考えが浮かぶ。

 

「平等、みんな平等にしよう!」

 

 そう考えて、私たちはそれぞれ準備を整える。

 

 

 

 

 

 

 ◆◆◆◆◆◆

 

「さてと、あいつらの為にも此処で寝てやるか……」

 

 どうせ、一人はこうなるのは確定していたも同然だしな……。

 

「空、本当にいいのか?」

 

「別に構いやしねえよ」

 

 それぞれ風呂を終えた俺達は寝る準備に入っていた。さてと、そろそろ押し入れで寝る準備を……。

 

 

 

「脇城さん!何処で寝ようとしているんですか!?」

 

 勢いよく戸を開けてきたのは、四葉。

 先にあがって来たのか、あいつ……。

 

「何処でって、そりゃあ押し入れだろ。この狭い部屋のスペースで七人は無理があるだろ。因みに言っておくが、上杉の隣で寝るのは嫌だぞ俺」

 

 なんだろう、上杉の隣で寝たら嫌な予感しかしない自分がいる。

 何か良くないことが起きそうな気がしていた。

 

「うっ、そ、そうですか……!で、ではおやすみなさいです!」

 

「ああ、おやすみー」

 

 四葉は俺が押し入れで寝ることを受け入れたのか、そのまま俺の安眠妨害をせずただ俺が押し入れに入って行く姿を見るのであった。その後、四つ子達が戻って来たのか、若干うるせえと思いながらも俺は睡眠に入る。

 

 

 

 

 

 

「最低……」

 

 そんな声が聞こえてくる。

 なんだこの声……。五つ子達の方からか……。と思って聞いていると、どうやら五つ子達の方ではなかった。そして、なによりそれに気づいたのは辺りを見渡したからだ。何処だ、此処……。全然見覚えねえぞ。俺はそんなことを思いながら、目の前にいる人物を見つめる。

 

「アンタのこと少しは見直したつもりだった……。でも、違った」

 

 目の前にいる女は俺に怒っているようだった。何故、俺に怒っているのか……。俺にはそれが分からなかった。そして、一気に場面は暗い場所となって行った。すると、後ろから誰か近づいて来る足音が聞こえてくる。

 

 

「お前は、最低だ。最低な人間だ、なぁそうだよなぁ?」

 

 

 

 

「俺」

 

 

 

 

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