五等分の花嫁 心の傷を持つ少年   作:瀧野瀬

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第6章 五つ子との三学期
次女の戸惑い


「おはよう、空。ご飯の準備はできてるよ」

 

 と言いながら、キッチンに立っている父さん。父さんはこっちに来てからあれから数日が経った。そう言えば、今日は父さんが朝食当番だったかと思いながら、俺は朝食を見る。朝食を見ると、卵焼きと鮭とみそ汁が置かれていた。朝飯らしい朝飯だなと思いながら俺は立って見ていた。

 

「ほら、空。早く食べないとみそ汁冷めちゃうよ」

 

 既に席に座っている楓姉がそう言ってくる。

 俺はその言葉を聞いてから、すぐに席に座る。父さんも席に座り、俺達は「いただきます」と言った後に食べ始める。まずは鮭を食べ始める。身をほぐし口の中に入れると美味しい鮭が口の中に広がって行った。それから、卵焼きを食べるとこれまた美味しく出来上がっており流石は爺ちゃんの和食屋で鍛えた料理人だと思いながら、俺は食べていた。

 

 それにしても、こうしてまた家族が揃って食べることが出来るなんて夢にも思わなかった。天国に居る母さんも喜んでいるかな。いや、きっと喜んでいるだろうと思いながら俺はご飯を食べていた。

 

 

 

 

 

 

 ご飯を食べ終えた後、俺は学校に行く準備を済ませ玄関で靴を履く準備をしていた。すると、父さんが玄関までやって来てこちらを見ていた。

 

「いってらっしゃい、空」

 

「ああ、行って来るよ父さん」

 

 普通の家庭では当たり前かもしれないこんな挨拶に俺は少し喜びを感じながら俺は学校に向かった。そして、家を出るとそこには……。

 

 

 

 

「遅いわよ、あんた」

 

「おはよう、空」

 

 二乃と三玖が立っていた。どうやら、俺と登校する為に待っていてくれたようである。

 

「おはよう、二乃と三玖。二人共、俺が来るのを待っていたのか……?」

 

 鞄を肩辺りに当てながら言いながら、俺は言う。

 

「そうよ、感謝しなさいよね」

 

 と何故か強気の二乃。二乃の発言を聞きながら、俺達は今日も登校するのであった。そう言えば、正月俺基本的に家に居たな……。やることなかったってのもあるし、父さんと過ごしたかったってのもあるから別にいいかと思っていた。

 

「おっはよう~三人共、空君はクリスマスイブ振りだね!」

 

 学校に登校すると、校門の前で一花達と上杉が待っていた。一花は俺達に手を振りながらこちらを見ていた。相変わらず元気そうな奴だなと思いながら、俺はあいつらに近寄る。それからあいつらと話しながら登校して行き、今日もまた何気ない日常を過ごすのであった。

 

 

 

 

 場所は変わり、教室に入ると雨が降り始めており何処か憂鬱な気分になりながらも俺は席に座る。

 

「お前らも知っていると思うが、冬休み開けだからといってのんびりとなんてしていられないからな。二年生最後の試験もあることだ。忘れないように」

 

 二年生最後の試験か……。確か、かなり近い日にちにあった覚えがある。今度こそ俺と上杉の力で一花達の赤点を回避して見せようと考えていた。そうすることで、俺達の実力を証明できるはずだと思いながら、俺はその話を聞いていた。

 

「試験……。また忙しくなりそうね……」

 

 朝のHRを終えた二乃が俺に言ってくる。確かにまた勉強の日々で忙しくなるだろう。そう考えるとこいつらからして見れば鬱々しいことこの上無いかも知れないな。いや、もうそんな風に考えている人間はいないか。ペン回しをして退屈しのぎをしながら、俺は授業を聞いていた。居眠り授業も良いが、あんまりやっていると成績に響くからな……。そこだけは頭に入れておかないと……。

 

「昼食食べに行くけど、アンタ来る?」

 

 昼食の時間となり、周りはお弁当やら持って食べたり学食に行ったりしている。そんな奴らの姿を見ていると、二乃は俺に聞いてくる。昔の二乃だったら、俺から聞いて凄い嫌そうにしていたのに今ではこんな感じになっているのを見ると、少し思うところはあるかもなと思いながら聞いていた。

 

「行くに決まってるだろ」

 

 と言い、俺と二乃は昼食を食べに行くのであったが……。行く途中、二乃の友達と出会いこんなことを聞かれる。

 

「二乃と空って付き合ってるの?」

 

「は!?つ、付き合ってないわよ!こんな奴と!」

 

 二乃は滅茶苦茶動揺しながら俺と付き合ってるということを否定してくる。最近少しだけ気にはなっていたが、俺と二乃が付き合っているという噂が立っているのは知っていた。まあこいつと絡んでいることが多いからそう思われても仕方ないだろう。だけど、そんな噂を立てた奴を俺は面倒なことをしてくれたなと思っている。

 

「ねぇ、ソラ……」

 

 珍しく弱気な声で話しかけてくる二乃。いったい、どうしたんだろうかと思ったがすぐに何故そうなっているのかを理解できた。

 

「わ、私達って付き合ってないわよね?」

 

 さっき自分で答えていたろと思っていたが、俺はその言葉を聞いてすぐにこう返す。

 

「付き合ってないだろ、後お前動揺し過ぎだ。少し落ち着け」

 

 と二乃に言う。二乃は落ち着きながら深呼吸をしていた。なんでそこまでになるのかは俺に考えられなかったが……。俺はすぐになんで二乃があそこまでなったのかを理解できた気がしていた。

 

 

 

 

 

 

 もしかして、二乃の奴……。

 いや、そんな訳ないよな……。だけど、あの感じ……。

 

 

 

 

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