肉体を作り変えられ、お風呂の時間を奪われるという苦行をされたが、よしとしよう。決して愛歌が怖いわけじゃない。そうだとも!
二人を起こして食事をしてもらってから口付けをして魔力を貰う。食事したばかりなので、歯磨きの代わりに歯とかをたっぷりと舐めて綺麗にしてやった。二人は真っ赤になって怒ってたけど知らぬな。全てはガチャのためだ。あ、俺の朝食は兎のローストだ。味は知らない。ただ、アストルフォが歓喜していたので何かがあったのかもしれない。
夕方になり、全員の魔力が回復したのでガチャを行う。これで聖遺物が手に入るらしいが、何が出てくるかはわからない。一応、罠も再配置して何時でも戦えるようにはしているのだが……どうなるんだこれ?
「わくわく」
「鈴、出てくるのはやばい物かもしれないわよ」
「それでもちょっと楽しみだよ!」
「うむ。では開始する。下でやるから待っていてくれ」
「は~い」
「期待してる」
「ああ」
二人を置いて大穴の底でガチャを開始する。血液を使って昼間の内に書いた巨大な魔法陣。そこに手に入れた兎達の魂を召喚の触媒へと変化させて結晶化。そいつを掴んで詠唱をしながら魔法陣の外側にある円に配置する。置くのは全部だ。そして愛歌によって強化された魔術回路のスイッチを入れて生命力を魔力へと変換し、流し込む。ついでに魔力結晶も愛歌の指示で叩き込んでおく。
「我が知り、知覚する世界より来たれ!」
「さて、何かな」
浮かんでいる光の中でまずは☆1の白から確認する。うまい棒コンポタージュ味。うん、外れだな! 美味しい駄菓子だが!
『あとで頂戴ね~』
「はいはい」
次は……触れるとモンスターに変化した。召喚されたのはゴブリンと呼ばれる小鬼で、こちらを見るなり襲ってくる。
「えい」
だが、あっさりとアストルフォに斬り殺されて消滅した。契約するには殺さずに説得する必要があると。ゴブリンスレイヤーの世界から来ていたら怖いな。まあ、あの世界なら神官ちゃんは欲しいが。
『次はこれ~!』
続いて白はトランプ。プラスチック加工されたトランプなので地味に嬉しい。暇つぶしにはなる。次はほかほかのカツ丼。これもありがたく食べさせてあげよう。最後の白は壊れないボロボロの釣竿。効果はコイキングを吊り上げる。以上。うん、ポケモンだ。
白はうまい棒、ゴブリン(抹殺)、プラスチックのトランプ、ほかほかのカツ丼、ボロボロの釣竿。まあ、ノーマルだから外れだとは思っていない。ジェイル当たり、来たらありがたいが。
「黒はどうなるかな」
『さあ~?』
黒は3個。アンコモンなのでそれなりの物が来てくれるはずだ。一つ目は……麻婆豆腐。真っ赤で刺激臭がする激辛だ。食べると疲労回復するようだが、無茶苦茶辛い。二つ目はお風呂セット。このお風呂セットは当たりだ。バスタオル、タオル、シャンプー、リンス、ボディーソープ、カミソリ、ハンドクリーム、ドライヤー、櫛が入っている。流石に着替えは入っていないが、女の子達からしたら凄く嬉しいだろう。ただし、効果は特にない。
最後の黒はスキルのようで魔力操作。魔力を直接扱えるようなスキルのようだ。まあ、使えるだろう。黒は麻婆豆腐、お風呂セット、スキル・魔力操作だ。まあまあ使える。流石にこのレベルで聖遺物はでてこない。
『次は銀だね』
レアだ。何が出るか楽しみだ。触れてみると、一際強い光を発する。現れたのはスキル・感覚共有。全ての感覚を共有するスキルで、使用条件としては肉体的接触などで一つにならないと使えないスキルのようだ。説明文にも夫婦で一体感を得ようなんて書かれている。ミレディと使った時は……ミレディって誰だよ!
「ラスト! 聖遺物来い!」
金色の光が柱となり、中から一つの道具が現れた。それは円盤の形をした古い石でできた銅鏡だ。鏡の裏面に何かが掘られているが、よくわからない。俺が知っている限りでは神の像と獣の像を組み合わせて掘られていたら、神仙の世界の理想郷をイメージした図文だと思われる。これが当たりなら神獣鏡と呼ばれる物のはずだ。
「ルサルカ先生!」
『あ~うん、聖遺物としては残念なレベルね。でも、これって違和感があるんだけど……なんでSRなのよ』
「そりゃ、もちろん……シンフォギアのだからじゃね?」
『シンフォギア?』
「歌って戦うアイドル変身ヒーロー?」
『なにそれ意味わかんない。まあ、最古の物なら、
『それはある物を邪馬台国で加工して神獣鏡にした物よ。間違いではないわね』
『実体は別か。どこで出たの? 私は詳しくないのよ』
『日本よ』
『日本の聖遺物で鏡って……』
これ、もしもアレなら本当に☆4か! どう考えてももっとやべー奴じゃないか! 魔を払う? 焼き尽くすの間違いじゃないか? 説明にはシンフォギアと同じ説明が書かれているが、二人の会話から嘘くさい。
『ま、いっか。封印されているし、解放まで頑張ればいいのよ。解放できなくても
「じゃあ、次だな」
『少し待ちなさい。後、五秒。4,3,2,1、今』
「出ろ!」
召喚用の結晶が消滅し、また光が10個現れる。その二つは虹だ。そう、虹だ。虹が二つなのだ。
『ほら、望み通り最高級の聖遺物を因果律を捻じ曲げて用意してやったわ。喜び勇んで歓喜しなさい』
「愛歌様ありがとう!」
『アリガトー』
『ありがとうって言いたいけれど、ガチでやばい奴な気がするのは気のせい?』
『私は知らないわ。じゃあ、しばらく寝るから頑張って生き残りなさい』
「『『え”』』」
それ以降、愛歌様は答えない。完全に眠ってしまったようでステータスプレートを確認すると愛歌様に取られていたキャパシティーが解放されていた。いや、10だけは取られているが、本当に休眠状態に入ったようだ。つまり、それだけやばい奴を引き寄せやがったって事だ。
『これ、死ぬんじゃない?』
「だ、大丈夫だと言ってくれ……」
『これが本当の爆死だね!』
「笑えねえよ!」
虹二つ以外には白、黒、黒、銀、白、銀、黒、銀。ガチャ運はいいな。破滅が待ってそうだが。とりあえず白二つからだ。女性専用ブーツ。サイズの自動調整つき。使えるか! いや、アストルフォなら使えるかも? もう一つは白い光が周りを満たして人型になる。そこには可愛らしいが少女がいた。
「え? ここ、どこ……? 確か声が聞こえて……呼び出しに応じるかどうかを聞かれて説明されたけど、助けて欲しいからなんでもいいから助けてって言ったら……え?」
その少女は中学生くらいの服装をしていて、服がボロボロにされていた。泥水をかけられ、服もどこか破られている。まるで今まさに襲われていたような少女だ。
「マジかよ」
彼女の言葉を聞く限り、どう考えても召喚事故じゃないか。これってひょっとしなくても愛歌が用意した試練の一つか。
『この子と戦うの?』
『たぶん違うよ』
『そう。じゃあ、殺して魂を回収する? 結構美味しそうな匂いをしているわよ』
「駄目だ」
「あ、あの、お姉さんは誰、ですか? コスプレイヤーの人ですか? ここはいったい……」
「ようこそトータスの奈落、いや、地獄へようこそ。そんな君には三つの選択肢がある」
「え? トータス? 奈落? 地獄? 選択肢?」
「一つ目は俺達と一緒に地上を目指してこのオルクス大迷宮から脱出する。二つ目は俺達と別れてオルクス大迷宮を彷徨い、運が良ければ助かる事にかける」
「し、死ぬ?」
「三つ目は送還されて元の場所に戻る事。ただし、これはあまりお勧めできない。後で話す。どちらにせよ、ここがどういうところか後で教えるよ。今は急いでここから離れるんだ。死ぬからね」
「え? え?」
彼女の手を掴んで横穴に入れる。彼女が俺を女だと勘違いしているから事は簡単だ。
「その奥に地上に出れるようにしてある。急いで逃げて女の子二人と合流するように。死にたくなけばね」
「ほ、本当にそんなやばいところなの?」
「そうだ。すくなくとも剣で殺し合いをするような場所だよ」
「そんな……」
「できる限り守るから、急いで逃げて。今から敵が出てくるから」
「わ、わかった……私の名前は……」
「朝田詩乃。よく知ってるよ」
「え?」
そう、朝田詩乃。SAO、ソード・アート・オンラインのキャラクター。つまり、仮想現実の技術が普及している世界だ。そんな世界から召喚された彼女はアバターじゃない。つまり、ただの一般人である。このガチャ、マジで闇鍋だな!
『足手纏いが追加か。まあ、二人は足手纏いじゃなくなってきてるけど……やっぱり生贄にしない?』
「いやいや、彼女を生贄にするなんてとんでもない。何せちゃんと育てれば彼女は優秀なスナイパーになるんだよ?」
『スナイパーか。なるほど……使えるわね。いいでしょう、認めてあげる』
『お、本命が来るかも?』
とりあえず、彼女の事は置いておいて召喚を進行させる。まずは黒の三つに触れてみる。鍋焼きうどん、鋼の盾、ポーション。
次に銀が三つ。女性用高性能軍服、不思議な寝袋、無くならないコンドーム。とりあえず、女性用高性能軍服はサイズ調整とステータスを上げる効果があるので誰かに着せよう。不思議な寝袋は中身が拡張されていて、見た目よりも沢山入れる寝袋のようだ。そして、最後の二つである虹に触れると、それは人型を取る。現れたのは悪趣味な服を着ていた──
「お招きに預かり推参仕りました。不肖ジル・ド・レェ、ジャンヌを探すために頑張らせていただきます。それでジャンヌはどこですか?」
──そう、出て来た相手はジル・ド・レェ。ジル・ド・レェ自身は生前、英霊と呼ばれるにふさわしい活躍をした騎士ではあるものの、今回呼ばれたのはジャンヌ・ダルクが処刑された後に乱心し、黒魔術に堕ち多くの子供を集めては殺していた晩年の彼だ。殺人に対し異常な美学や行動様式を持ち合わせており、原作ではマスターと共に多くの子供たちを虐殺。その贄を材料にして吐き気を催すような工芸品を創作している。
「ジャンヌはまだ召喚できていない」
「そうですか。ではジャンヌを召喚しましょう。今すぐに!」
「いや、無理だから。もう召喚用の結晶がない」
「なんですとぉっ! ならば今すぐ用意しましょう! そこにいる少女や上に居る少女を生贄にしてしまえばよろしい!」
「ちっ」
やっぱりこうなったかキャスターのジル・ド・レェなら、確実に鈴達を生贄にしてジャンヌを召喚しようとする。いや、それよりもそこにいる少女? 後ろに振り返ると、まだ穴の中でガタガタと震えている朝田詩乃の姿が見えた。おかしい。シノンなら移動しているはずだ。そういえば彼女の姿はどこか原作と違って幼い。まさか、GGOをする前か! それなら☆1のノーマルも納得できる! やってくれたな愛歌!
『うわ、ガチの足手纏いじゃない』
『でも、守るよ。なんせボクは騎士だからね!』
「さあ、ジャンヌを召還する儀式を始めましょう!」
令呪を持って命じる。殺せ、アストルフォ! 狙いは腕の本だ。相手はモンスターを召喚してくる!
『令呪なんてないけど了解!』
瞬時に加速したアストルフォが抜剣して鞭のようにしなる蛇腹剣が腕を狙う。
「おのれ! 何故邪魔をするのですか! ジャンヌを呼び出すだけだというのに!」
相手は後ろに下がるが、腕を斬り落とせた。その腕を掴んで奴の宝具である魔導書を掴んで確保する。これで海魔が召喚される事はないと思いたいが、やばい物を忘れていた。そう、それは召喚されている虹の聖遺物だ。
「おや? これは……おやおや?」
「やばいやばいやばいぃぃぃっ!」
虹の中に手を突っ込んだジル・ド・レェはそれを引き抜くと、身体をビクンッと痙攣させ、次の瞬間にはぎょろめをこちらに向けてニヤリと笑う。
「我が呼びかけに答えよ、ジャンヌよ。深淵の縁から現れ出でよ」
ジル・ド・レェが掲げたそれは本だった。複数の封印が施されているが、それらが解除されて無数のページが勝手に動き出す。その中から膨大な量の死霊が現れてくる。
「マスター! 召喚解除は!」
『できない!』
「ああもう! りんりん! 結界解除!」
アストルフォが急いで逃げて恐怖で座り込んで色々とやばくなっている彼女を抱えて横穴に飛び込む。蛇腹剣を高速回転させて掘り進み、すぐに脱出する。後ろでは沢山の岩が落ちているが、おそらくこれでは死なないだろう。
「ひっ!?」
「マスター! アレは何かわかる!」
『死霊召喚。虹、恵里に合う聖遺物だと思うと嫌な予感しかしないが……ネクロノミコンだと思う』
「最悪じゃん!」
鈴達がいる所に到着すると同時に詩乃を預けてルサルカを実体化させる。
「ルサルカ、物量戦になる創造を使ってくれ! 俺はコイツを使う! 二人は魔力をくれ!」
「わ、わかったけどなにがあったの?」
「えっと、もしかしなくてやばいのが出た?」
「出た! だから頼む」
「う、うん、わかったよ!」
呆然としている詩乃を置いてまずは奪った魔導書、
「ねえねえ、マスター! これ、私が全力を出していい案件よね!」
「ああ、もちろん!」
「そう! とっても、とっても嬉しいわ! さあさあ、宴を始めましょう! 久しぶりの楽しい、楽しい食事よ!」
「あっ」
そうか。なにも焦る必要はなかった。相手が死霊を使う? それがどうした。こっちには死霊に対するスペシャリストがいるじゃないか!
「アストルフォ! 私と変わりなさい!」
『え~!』
「死にたいのかしら?」
『ま、いっか。ボクが監視するからね』
「お好きになさいな。今はとっても気分がいいの。入れ食い状態なのよ!」
「アストルフォ、頼む」
『せっかくのマスターと共同作業だと思ったけど、仕方ないな』
「たまには譲りなさい」
『は~い』
アストルフォが
「あは♪ 本当に最高ね。召喚する触媒として極上品じゃない!」
『でしょ~!』
「これなら召喚機として使えるわ!」
ルサルカが軽く俺の身体を確認してから、くるりと回って踊り出す。同時に視界一面の地面に赤い深紅の魔法陣が展開され、無数の文字が空間を埋め尽くす。それだけじゃない。大量の死霊を
「『
彼女が詠うと同時に俺も強制的に詠わせられる。同時にルサルカの心や記憶が伝わってくる。彼女の一生。愛した男との楽しい想い出や死別。戦場を渡り歩いて殺していった者達の魂を吸収し、魔人として活動した記憶。そして腹を裂かれたり、仲間達に殺されたりといった様々な記憶が溢れてくる。
「『
無数の髑髏を彼女の後ろに幻視する。ルサルカが歩み、殺して吸収してきた数百、数千の人の魂。
「『
ルサルカの追いつけないなら先に行く者の足を引っ張りたいという彼女の渇望が心の底から沸き上がり、理解できてしまう。ルサルカの本質は愛する者が自分を置いて先に行ってしまうというものが、追いつけないならば止めてやろうという願いに転化したものだ。
「『
「ジャンヌぅうううううう! お待ちください! いますぐ外に出れるようにします!」
「必要ありません」
自力でジャンヌを、ジャンヌダルク・オルタを召喚しやがった。確かにネクロノミコンなら可能かもしれない。英霊も霊には変わりない。ましてやジャンヌダルク・オルタは聖杯の力によってジル・ド・レェが生み出した存在だ。つまり、聖杯の代わりにネクロノミコンを使って増幅して呼び出したと考えれられる。だが、こいつらは人の魔力をなんだと思ってやがる!
「『
「これは憎悪によって磨かれた我が魂の咆哮────
──が、竜の魔女として降臨したジャンヌ・オルタが持つ呪いの旗を振るうと同時に、煉獄の業火で焼き尽くし、追い打ちをかけるように地面から何本もの槍を召喚して串刺しにしていく。どう見ても地獄だ。流石は☆5だ。欲しい。とても欲しい。
「なめんな!」
即座に湧き出した海魔と
「不快ね。ジル」
「はっ」
ジル・ド・レェにジャンヌダルク・オルタが剣を渡した。それを持ったジル・ド・レェは海魔を斬り裂き、
「ふむ。あの影人が厄介ですな」
「私達ですら停止させるのか。それに……」
「はい。死霊が喰われていますな」
あっちも
「鈴達にも手伝えることはある?」
「ええ、あるわよ。鈴はこれを持ってお姉さんとキスよ」
「ふえっ!? んんんっ!」
ルサルカが鈴に口付けをして強制的に
「結界をはりなさい。その聖遺物は魔を祓うらしいわ。だから、あいつらの力を抑えるイメージでね」
「う、うん……こんな感じ?」
周りが聖なる光の結界に覆われ、明らかに霊の動きが鈍くなって浄化されていく。同時に鈴に彼等の魂が流れていっている。
「えっと、苦しいのかな? じゃあ、鈴が癒してあげる」
鈴に取り込まれた魂達はすぐに成仏していく。そのはずだが、明らかに魔力量が上昇している。魂を重ねるのではなく、成仏した者達の魔力を受け継いでいるようだ。その魔力は鈴の体内を回って器を広げていく。
「暗闇に落ちても光の中に戻る……これが鈴のやり方なのかな?」
「虫唾が走るわね。ジル、さっさと蹴散らすわよ」
「ならば狙うは大将首ですな」
二人が突っ込んでくるが、鈴の結界や障壁が展開されて邪魔をする。しかし、簡単にジャンヌダルク・オルタ達に破壊される。
「アストルフォ!」
「任せて!」
実体化したアストルフォがこちらに向かって飛び、旗を振り下ろしてくるジャンヌダルク・オルタと打ち合う。
「ボクの名前はアストルフォ! いざ尋常に勝負!」
「い・や・よ」
「おっと」
アストルフォが下がると、そこには地面から無数の槍が生えていた。それを掴んでジル・ド・レェが攻撃してくる。その前に海魔を召喚して爆発させる。汚物が巻き散らかされ、そこから海魔が生まれていく。その海魔の影から
「ネクロノミコンを止めなさい」
「それをすればジャンヌが消えてしまうではありませんか!」
「ちっ」
「あははは! ねえ、どんな気分なのかしら? 相手を強くする供給源を止めると自分達が消滅するって気分はどんな気分なのかしらね!」
「このっ!」
煉獄の業火でルサルカと俺を焼こうとするも、鈴の結界によって軽減され、海魔達が捨て身で防ぐ。海魔と
「逃がさないわよ、あんた達みたいな極上の獲物!」
「ファフニール! ブレスを放ちなさい!」
ジャンヌダルク・オルタが命令し、スケルトンドラゴンがブレスを吐く。しかし、その対象はジャンヌダルク・オルタとジル・ド・レェの方だ。
「ぬおっ!」
「なんでよ!」
スケルトンドラゴンの方を見ると、いつの間にかそこに恵里が乗っていた。彼女の身体は海魔の触手に絡まれてやばい事になっている。
「僕もいるんだよ」
「まさか、スケルトンドラゴンを支配された? でも、支配なら私の方が上です」
「うん、そうだね。でもね?」
「隙ができたね!」
「ジル!」
ジャンヌダルク・オルタが叫ぶも、その前にブレスを回避する事で隙ができ動揺したジル・ド・レェが持つネクロノミコンをアストルフォが腕を斬り落として蹴ることで奪い取った。そのネクロノミコンは恵里の手元に移動し、彼女はそれを持った。
「良い子ですからそれを返しなさい。貴女には過ぎた代物です」
「でしょうね。僕には扱いきれない。だから、別の方法を取る」
ネクロノミコンを胸に抱き、恵里はとんでもない事をしだした。
「これも召喚物には違いない。インストールだったかな。僕の身体を依代に一緒になろうか。僕は君を使うし、君も僕を受け入れる。互いにパートナーとなろう」
恵里が様々なスキルを使いながらネクロノミコンに語りかけると、ネクロノミコンは複数のページを捲った後は中から触手を呼び出してそれを恵里の身体に巻き付け、彼女の失った腕と足の部分を覆う。更にファフニールと呼ばれたスケルトンドラゴンにも伸びて恵里の身体へとその巨体を移していく。
「えりえり!」
「大丈夫」
次第にスケルトンドラゴンが小さくなり、恵里に真っ黒な腕と足が現われた。ネクロノミコンの力で構成された腕と足。それを軽く確かめるように軽く動かした後、彼女は二人の方をみる。
「お前達も僕の物になれ」
「ふざけんな!」
「そうよ! そいつらの魂は私がもらうの! というか、なんで教えてないのに使えるのよ!」
「術式は何度も見て覚えた。後は自分なりにスキルを使って再現するだけ」
「嘘でしょ……」
「本当。だから、こんな事もできる。ネクロノミコン」
恵里がそう呼ぶと、ネクロノミコンが開いて周りの死霊達を急速に吸い込みだす。まるでブラックホールのようにだ。ジャンヌダルク・オルタ達も引き寄せられていく。
「ジル! ジルっ!」
「ええい! ジャンヌだけは! 今度こそ守るのです!」
「はっ、私の獲物を横取りされてたまるか!」
ここに三つ巴の戦いが繰り広げられる。どうして身内で争ってるんだろうか?
「てい♪」
「「え?」」
「「ぬおっ! 嘘でしょ!」」
ジルとジャンヌダルク・オルタの胸を貫くのは
「ボクの大勝利~!」
ジャンヌダルク・オルタとジルが抱き合うように縛り上げ、そのまま締め付けていくアストルフォ。二人は驚いてすぐに吸収しようと動く。
「争いは駄目だよ。だからここは仲良く分けないと全部、りんりんにあげちゃうよ」
「……それは困るわね」
「うん。じゃあ、僕がそっちの聖女様をもらう。炎も得意だし、僕と相性がいいと思うから」
「なら私はこいつね。まあいいか」
「ま、待ちなさい! 私はジャンヌと一緒にいたいのです!」
「「却下」」
「これで勝ったと思わないでよ!」
「勝ちよ」
ジャンヌダルク・オルタは恵里が吸収し、ジル・ド・レはルサルカと俺が吸収した。
「足と腕、取り戻せてよかったね」
「確かに取り戻せて良かった」
「ありがとう」
鈴と俺が恵里を祝福すると、恵里も嬉しそうに答えたくれて、俺達は互いに笑い合う。
「これで楽になるな」
「あ~それなんだけど、普段はないままだよ」
「なんで!?」
「まだコントロールしきれないし、ましてやジャンヌダルクに抵抗されてるから、しばらくはこのままよろしく」
ネクロノミコンを通して制御する必要があるみたいで普段は使えないという事か。確かにネクロノミコンをすぐに使いこなす事なんて不可能だな。
「まあ、戦闘中に手足が戻るだけ大きいか」
「うん。戦闘には使える」
とりあえず、なんとかなった。恵里が自力で
「
「本当それね」
自分の口で喋って自分の口で返事をするという不思議問答になっている。それよりも女の身体になっているというのも問題だ。愛歌に乗っ取られたから分かりきっていたが。
「貴方の身体、召喚に適し過ぎているのよ。貴方の場合
これ、明らかに狙われているな。というわけでアストルフォに変わってもらおう。
「もうちょっと遊びたいんだけど……ねえ、お姉さんがいっぱいサービスしてあげるから、駄目?」
手袋を唇にあて、片手で髪の毛を弄りながら妖艶な表情と瞳で誘惑してくるが、はっきりと断る。
「駄目だ」
「ちっ。わかったわよ。大人しく戻るわ。今回得たジル・ド・レェの魂がとっても美味しいし。ふふ、お腹の中で元気に暴れているわ」
「大丈夫なのか?」
「対策はしっかりとしているから。彼はジャンヌが好きなんでしょ? だったらジャンヌと幸せになれる夢を見させてあげるわ。そして幸せな夢の中で溶けて私の力になってもらうの」
「ほどほどにしろよ」
「は~い」
身体からクスクスと楽しそうに笑うルサルカが抜け、アストルフォがすぐに入ってくる。おかげでまたうさ耳美少女少年に変わる事になった。
「さて、問題は彼女だな」
「ひっ!?」
俺がそちらを見ると彼女はとても怯えていた。まあ、当たり前だろう。目の前で人の姿が全くの別人に変わるのだ。ましてや途中、ボロボロの俺の姿を見たんだからな。
「真名、抱っこして運んで」
「ああ、わかった」
恵里を鈴と詩乃の近く。詩乃はとても怖がるが、仕方ないだろう。というか、少し臭うが気にしない方がいいだろう。俺は座り、膝の上に鈴と恵里を座らせて二人を抱きしめる。
「えっと、流石に恥ずかしいよ?」
「うん。知らない人がいるところなんだけど……」
「どうしようもないから諦めろ。説明してからだ。じゃあ、改めて自己紹介をしよう。俺は沙条真名」
「鈴は谷口鈴だよ。鈴って呼んでね」
「僕は中村恵里。よろしく」
「あ、朝田詩乃です……」
「さて、まず先程の事だが、君には三つの選択肢がある。だが、一応この場所についての説明と俺が君の存在を知っている事について説明する。それから身の振り方を決めた方がいいだろう」
「た、確かにその方が助かります……で、でもその前に……」
「ああ、お風呂が先だね」
「なら、少しお願いがある。二人を風呂に入れてくれ。見ての通り、ここで襲われて腕と足を食われた」
「っ!? わ、わかりました……」
三人を風呂場に連れていき、着替えの布を用意してお風呂セットを使う事にする。
「あ、あの……」
「そうだよね。しののんは見られる必要性もないし、一緒に入ることもないね」
「え? しののん? というより、一緒に入るんじゃないんですか?」
ここはどうするべきか。キリトみたいに下着姿の時に告白する? いや、ここは怒られるだろうから先に言っておこう。
「俺は男だからな」
「その姿で! あ、姿でですか?」
「敬語じゃなくていい。俺の召喚で迷惑をかけてしまったからな。ちなみにこの姿はアストルフォという英雄の霊を身体に憑依させているからだ。その英霊も男なんだが、女装少年といったところで……この恰好は仕方がないんだ」
「真名君はアストルフォ君が抜けると大変だからね」
「片腕と肺とか、色々とないの。それを英雄を憑依させて補っている感じね」
とりあえず、男である事を説明したが、信じていないようだ。
「なんなら触って確認してみるか?」
「え、遠慮しておきま……って、何しているの!」
「脱がしている」
「お、男なのよね?」
「そうだが、今更だしな」
二人の服を脱がせて湯船の中まで運ぶ。流石に詩乃じゃ支えられても運ぶのはとても大変だ。
「どんな生活をしていたのよ……」
「サバイバル?」
「そうそう、大変だったのよ」
ルサルカが実体化してそんな事をいいだした。
「ルサルカは……」
「私も入るわよ。今日は流石に疲れたしね」
「だったら二人と説明を頼む。俺は食料を取ってくる」
「はいはい、任されてあげるわ」
三人に言ってから、地底湖に潜って詩乃の食事を確保する。これからがようやく楽になる。いや、移動するから大変なのは変わらないが、戦力は格段に増えた。後少し、ここで力を蓄えたらハジメを探しに行ける。待っていろ、ハジメ。必ず助けに行ってやるからな。
「おい、待てユエ。何をしている」
「血を吸ってる」
◇
「はっ!? 南雲君が寝取られる気配が!」
「香織? 起きたの!」
こんな感じ起きて……いない。
愛歌が休眠モードになりました。何故なら、無茶したからね。愛歌さんが優しくしてくれる時は大抵試練もセットで与えられる。相手がネクロノミコンじゃなければ誰かが死ぬ難易度。詩乃は死亡。恵里も重傷。鈴は軽傷。真名はほぼ感情がなくなるぐらいの難易度を平気で与えてきます。
相手がサーヴァントで良かったね。これがガチのモンスターを召喚していたらもっと死亡率がたかい予定。
しかし、ガチャをダイスで決めたのですが、思ったよりもいいのがでました。おかしいな。もっと確率を絞ろう。
朝田詩乃:SAO(ソード・アート・オンライン)
年齢:14から16
性別 女
転職:スナイパー
身長 146cm
体重 45kg
地域 日本
属性 クールでボーイッシュ
レア度 N ☆1 白
CV 沢城みゆき
召喚キャパシティー:10
幼いころに強盗に出くわし、その犯人の持っていた銃(五四式・黒星)で犯人を銃殺したことがある。
以来、銃に拒否反応を示すようになり、小学校では人を殺した事を知られて避けられる。中学生の頃はそれを理由に虐められる。高校で遠くに移動したが、その学校に前の中学の生徒が居てそちらでも虐められる。
本来は苦手になった銃を克服するためにGGOをやるのだが、中学生で虐められている時に助けを求めて召喚された。つまり、微妙に幼いロリ詩乃。才能は開花していないため、Nランク。ハジメかユーリにヘカートを用意してもらおう! あと、魔物を食べるかバリアジャケットなどでアバターの姿を手に入れようね!
なんで詩乃のんか……普通の女の子を召喚したかった。どいつもこいつも特殊能力持ちじゃないって証明したかったんだ! しののんが普通の女子かと言われたら、普通の女子だ。いいね!
他の候補? ラビットチノちゃんココアちゃん。プリコネの心たんキャルのリアル、のんのんびよりのにゃんぱすーっこ。けいおんのあずにゃん。トラブルのみかん。うん、しののんがいいね。
ちなみに少し幼い理由は仕方がないんだ。アバターで召喚されるとランクが上がるし、少し成長しているしののんなら足手纏いにならないかもしれない。しののんが逃げていたら、特攻したアストルフォとルサルカで召喚前に殺されたから、仕方がない。
清水君ヒロインアンケート 人になるます
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波の鳥 フ
-
謳の鳥 コ
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空の鼠 ク
-
深海のナニカ レ