ありふれた職業の召喚(ガチャ)士で世界最弱   作:ヴィヴィオ

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にゃん。


第33話

 

 

 朝。ユーリ、シュテル、レヴィ、詩乃、ルサルカとキスをしてから風呂と食事を取り、恵里と鈴、ハジメが培養槽で眠っている場所に移動し、三人が無事かどうかを確認する。

 ディアーチェが寝ないで管理してくれているので、問題はなさそうだ。眠そうにしているディアーチェはシュテルと交代させ、風呂に連れていって身体を綺麗に洗ってやった後、シュテルが作った食事を食べさせてから一緒にベッドに入る。

 ディアーチェと少し話していると、彼女が眠っていくので、それをしっかりと確認してからベッドから出て、チビット達に世話を任せておく。

 正直、培養槽を管理運営し、緊急事態に対処できるのがユーリ、ディアーチェ、シュテルの三人だけだ。だが、ユーリはデバイスの作成などで忙しいし、ディアーチェとシュテルが開いている。全体的に手伝いのチビット達は居るが、オルクス大迷宮の管理運営も行わないといけないので、そちらにチビット達が割かれているのも痛い。

 ちなみにオルクス大迷宮はディアーチェが管理し、シュテルは地上で分体を色々と活動させているのも忙しい理由だ。レヴィとアストルフォ、ルサルカはオルクス大迷宮の方へと探検に出かけて必要な鉱石や素材を回収してきている。俺の魔力が格段に上がったことで顕現して自由に行動できるのが大きい。それに殺した魔物(モンスター)の魂を回収し、俺が貰って石へと変える作業もあるので彼女達には期待している。

 ルサルカは集めた魂が取られる事に文句を言うかと思ったら、彼女は気にせずに渡してくれた。その時の言葉が「私、好きな人には尽くす女だから♪」と言っていたが、ご機嫌取りなのかは正直、わからない。

 

「さて、今日はどうするか……いや、決まっているな」

 

 研究所から出て、召喚用のラインから目的の人物を探し出し、そちらに移動する。彼女は林の中で一人、次々と弓を構えて矢を射る。放たれた矢は狙われた鳥を外し、そのまま落ちていく。

 

「はぁ~」

 

 溜息が詩乃の口から出る。気を落としている感じが伝わってくる。彼女の耳と尻尾は垂れてしまっていて、可愛らしくもある。そんな詩乃は弓を消して頭を掻きむしる。

 

「詩乃」

「ふにゃぁっ!?」

 

 後ろから声をかけると、ビクッとして飛び上がってしまう。そして、即座に逃げようとする彼女の腕を掴んで胸元に引き寄せ、抱きしめる。

 

「や、やめて……あ、朝からなんて……」

「逃げないなら、それでいい。話がしたいだけだ。それに俺は詩乃が欲しい。だから、逃がさない」

「うん……わかった……」

 

 大人しく力を抜いた詩乃を抱き上げて、近くにある木の下へと移動し、木に背中を預けて座る。痛くないように詩乃は俺の足の上に座らせ、身体を支えてやる。

 

「それで、話って……その、本番をしろって催促に来たの……?」

「違う。まあ、俺としては詩乃ともしたいが、詩乃が嫌ならいいさ。今、一緒に寝ているのだって恵里とルサルカに連れてこられただけだろう?」

 

 詩乃はまだ俺の妻になると決心はしていない。ただ、二人に連れられて参加だけはしている感じだ。詩乃にとって、現状で一番恐ろしいのは消される事だろう。このまま行けば俺の興味が薄れて、召喚キャパシティーとかの関係で解除される可能性だってある。ハジメやユエ、アストルフォは除くとして、詩乃以外の女が俺の嫁になったのだから、会話も合わなくなるし、疎遠になって孤立する可能性だってある。オルクス大迷宮の時は状況が状況だから、俺達の世話をする事で居場所を確保できたが、それももう終わりだ。

 だから、詩乃には二つの選択肢が突き付けられている。このまま元の世界に戻るか、それとも俺の女になるか。元の世界は消える可能性もあるが。

 

「……そう、だけど……別に嫌じゃないの……それは本当だから」

「そうなのか?」

「嫌だったら絶対に参加しないわよ。その、真名には助けてもらったし、お世話もしていたから、その延長線で手とかでするのは許容できるから……耳や身体中を触られるのはちょっとアレだけど……」

 

 詩乃のお身体は本番以外で楽しませてもらっている。これはルサルカ達が詩乃を快楽攻めしている事もある。

 

「それじゃあ、キリトの事か?」

「キリト……ああ、未来の私が好きだった人の事は……関係ないよ」

「本当に?」

「うん。だって、会ったこともない人だし、映像だけ見てもね。芸能人と結婚したいとは思わないし。それよりもここで会って、触れ合って助けてくれた真名の方がいい。身体を失ってまで、私の事を守ってくれたから、大事にされてるって事はわかるもの」

「それは良かった」

 

 身体から力を抜いてもたれ掛かってくる詩乃の言葉は嬉しい。確かに彼女の言う通り、知らない相手より知っている相手の方がいいだろう。

 

「じゃあ、結婚の事か?」

「それもある。だって、他に七人……いや、候補が後一人居るんだっけ。八人居るから私の事をちゃんと見てくれるのか、他の子達と一緒にやっていけるのか、不安もあるの」

「まあ、それはあるだろうな。ただ、詩乃の事はちゃんと見るつもりだ。悪い所があれば言ってくれていい」

「女を作りすぎよ」

「すまない」

「まあ、鈴と恵里は仕方ないからいいけど、ルサルカの事はちょっと怖い。ユーリちゃん達は私の事もちゃんと見てくれて気にかけてくれる良い子だとわかる。でも、あの愛歌は……」

 

 確かに詩乃からしたら愛歌に騙されて利用された感じか。俺の妻となると、これからも愛歌とは絶対に関わる事になる。それがネックの一つか。

 

「愛歌の方はしっかりと対処する。いざとなれば詩乃達だけでも逃がす」

「それはそれで嫌なんだけど……」

「おいおい」

「それとお母さんやお祖母ちゃん達のことも気になるし、ここの世界にずっとは居られない」

「方法がないわけではない」

「本当?」

「ああ。アーサー・ペンドラゴンを召喚するよりも、詩乃の家族をこちらに召喚するぐらいなら、美遊の力を借りれば可能だろう。ただ、地上で生活する場所や、地球に帰ってからの方がいいと思う」

「そっか。確かにこっちに呼び出してしまえば、私の懸念は解消される。お母さんだって、治せるかも」

「全力で治してやる。これは約束する。詩乃が俺の妻になってくれるのなら、俺のお義母さんでもあるしな」

 

 おそらく、召喚しようと思えば今でもできるだろう。一般人の三人なんて制限に関わりもしない。だが、召喚した家族が安全に過ごせるかと言われれば話は別だ。ここなら問題ないかもしれないが、閉じ込める事になってしまう。それは駄目だ。

 

「ありがとう」

「それじゃあ……」

 

 詩乃の頬を指で撫でながら引き寄せようとしたが、彼女の手に捕まえられて押さえられた。

 

「もう一つ、お願いを聞いてくれたら、貴方の妻でも愛人でもなってあげる」

「なんだ?」

「トラウマを克服したいの。このままじゃ、足手纏いになる。それは私が嫌なの」

「だが、別に克服しなくても魔物(モンスター)を倒せるならそれでいいが……」

「駄目。話を聞いた。これから相手は魔物(モンスター)だけじゃなくて、人もなる。それにシュテルから聞いたけど、地上では獣人は皆、奴隷なんでしょう? 私は、他の人に身体を好き勝手させて許容できるほど変態じゃない」

「俺が必ず守るぞ?」

「絶対に、とは言えないし、守られるだけの女は嫌なの。私も鈴達のように強く成長したい。だから、克服する。私達の大切な物を傷つけようとするなら撃ち殺す!」

 

 一瞬、詩乃の顔がALOではなく、GGOのシノンに見えた。獰猛で獲物を狙う狩人の、生粋のスナイパーのような感じだ。しかし、詩乃にとっても、俺達が大切な存在になってくれているようで、何よりだ。

 

「私が欲しいなら、手伝って……その、ご、ごしゅ、じんさま……」

「おお、詩乃がデレた!」

「噛み千切るわよ!」

「何を!?」

 

 顔を真っ赤にしていってきた詩乃に思わず言ってしまったら、怒られた。そのままニヤリと笑って俺の股間に手を這わせながら、喉に甘噛みしてくる。

 

「へんじふぁ?」

「オーケー、お姫様。可愛い嫁の願いは極力聞くつもりだ。それが良い事ならな」

「わたしのは?」

「良い事だ。じゃあ、銃から訓練しようか。こんな事もあろうかと、作ってある」

「ず、随分と準備がいいのね……」

「詩乃がネックになっているのはそっちだと思ったからな」

 

 懐からデバイスとして作った銃を取り出す。これは1933年に旧ソ連が開発した軍用のトカレフT-33を元にして作られた黒星(ヘイシン)だ。こいつは1951年に中国でソ連の技術協力の下で製造され、採用されている。作中で実際に詩乃が使って殺した銃だ。

 

「あっ、あぁ……っ!?」

 

 詩乃が銃を見ると、口元を押さえて弾き飛ばした。彼女の身体はガタガタと震えていて、何度も謝り出して涙を流していく。本当に深い傷となっている。

 

「大丈夫だ。詩乃。怖い事はなにもない。詩乃がしたことは悪い事だけじゃない。人を守る良い事でもあるんだ」

 

 抱きしめて彼女の頭を胸元に埋めながら、背中と頭を優しく撫でていく。

 

「詩乃が犯人を殺したお蔭で女の人と、そのお腹の中に居た赤ちゃんは無事だった」

「でも、私は……これから人を、殺そうと……」

「俺達を守るためだ。それなら悪い事ではないし、俺達の命を狙ってくる連中、敵に容赦する必要はない。詩乃は間違っていない。日本でも正当防衛などが認められている。それにデバイスなら、非殺傷設定だってできる。この銃だって撃ったとしても気絶する程度で死にはしない」

 

 詩乃の説得を行う。実際に詩乃が殺した状況は仕方がない。あのような状況で母親を守るために勇気を振り絞った詩乃こそ、称えられるべきだと思う。

 

「こ、怖いから、い、一緒に……お願い……」

「ゆっくりとやっていこう」

「……うん……」

 

 デバイスを回収して、まずは俺が握った後でその上から触っていく。詩乃は何度も吐いて気絶したが、それでも諦めなかった。だから、俺も汚れるのを気にせずにずっと一緒に訓練をしていく。夜になれば一緒に風呂に入り、気持ち悪そうにしている詩乃の世話をして一緒に眠る。

 皆に事情を話して、付きっきりで手伝うと伝えれば皆も納得してくれた。三日ほど経つと次第に気絶したり、吐いたりしないようになってきた。身体の震えはまだ残るが、ある程度は大丈夫になったようだ。ただ、黒星(ヘイシン)はまだ怖いようなので、それ以外の銃を用意する。

 やはり、詩乃といえばシノンの愛銃であり、相棒のへカートⅡだ。といっても、魔改造はするのでヘカートⅢとか、後継機になる。弓と銃、両方使うか、それとも銃だけかはわからないが、両方に変更できるようにしておく。サブウエポンとしてMP7のサブマシンガンとグロック18Pというマシンピストルを用意しておく。

 

「その、はじめては二人っきりがいい。だから、ね?」

「夜はアレだから、昼からだな」

「それでいい。可愛がってね」

「もちろんだ」

 

 普通にベッドに連れていって、前からとお尻を上げてもらった状態の後ろから堪能させてもらった。もちろん、尻尾も思いっきり触った。とても最高の感触だったが、詩乃がやばい表情になってしまい、後で正座させられて無茶苦茶怒られ、尻尾を触るのを禁止されそうになったが、土下座してまでなんとか許してもらった。それほどまでに詩乃の尻尾と耳に価値がある。

 

 

 

 

オルクス大迷宮デート。サモンナイト風に言う夜会話

  • シュテルとレヴィの猫と戯れピクニック
  • 鈴と恵里の日向ぼっこデート
  • ルサルカの手料理
  • ディアーチェとお勉強
  • アストルフォと遊ぶ
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