ありふれた職業の召喚(ガチャ)士で世界最弱   作:ヴィヴィオ

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第36話

 

 

 

 優花を連れて無事にオルクス大迷宮への入口へと戻ってくる事ができ、宿も取れた。もちろん、あの後もガチャは回したのだが、ほとんどN(ノーマル)C(アンコモン)の武器や道具だったので、一緒になった商隊の人には要らないポーションなどを売ってあげた。大変喜んでくれて、色々と教えてくれた。例えばオルクス大迷宮に勇者達が居るとかな。

 

「さて、どうするか」

「する? 私も優花も大歓迎よ。ね~?」

「う、うん……ご、ご主人様がしたいなら、どうぞ……」

 

 そう言ってルサルカに後ろから抱き着かれた優花は服をたくし上げていく。正直、興奮するがやる事がある。

 

「まだしない」

「まだ、ね。よかったわね。ちゃんと可愛がってくれるって」

「うん……」

「というか、ご主人様呼びは確定なのか」

「そっちの方が、いい。だめ?」

「まだまだ傷が深いんだから、今は好きにさせてあげなさい」

「そういう事なら、好きにしたらいい。ご主人様呼びも嫌いじゃないしな」

「変態」

「変態だね~」

 

 レヴィが飛びついてきたので、抱き留めてからベッドに座る。レヴィはそのままズルズルと下がってきて、俺の膝の上に頭を置いてくる。だから、手を乗せて水色の髪の毛を撫でてサラサラの感触を楽しむ。

 

「この街に勇者達が居る。転移する所を見られるのはまずい。だから、彼等が去るまでここに滞在する。優花はここから出ないようにしてくれ。食事は不味いだろうが、魔物(モンスター)の肉を用意する」

「わかっ……わかりました」

「敬語じゃなくていいぞ」

「……うぅ……」

「馬鹿」

 

 ガタガタと震え出してきたので、慌ててルサルカが抱きしめていく。怒られてしまったが、もう本当に好きにさせよう。最低限の事だけ伝えればいいだろう。

 

「ルサルカは優花を頼む」

「任せて。ちゃんと真名の好きなように仕込んで……アイタっ!」

「真面目に教えておけ」

「はいはい」

「ボクは~?」

「レヴィは俺と一緒にお出掛けだ」

「本当に!」

「ああ」

「やった!」

「必要な物を買ってくる。留守番は任せた」

「情報収集もお願いね」

「ああ」

 

 レヴィと一緒に外へと出る。レヴィは嬉しそうに駆け回るので、その後ろをついていく。まずは必要な物資の確保だが、レヴィがいるのでそうもいかない。

 

「うわ~これも美味しそうだな~! こっちもいいかも!」

「お嬢ちゃん、元気だね~」

「お兄ちゃん、これかって~」

「はいはい」

「お兄ちゃん……? 女性に見えたが、男性か」

「ええ」

「綺麗な顔をしているから間違えたよ。はいよ。こっちはおまけだ」

「ありがと~。はい、お兄ちゃん」

「ああ」

 

 お金を払って買ったのはフランクフルトだ。ソースはないので、そのまま串を掴んで食べながらレヴィと歩く。屋台や露店のせいか、まるで縁日を歩いている感じすらする。周りが武装した冒険者だらけなのだが。

 

「お、これいいかも!」

「ボールか」

 

 露店に並べられている商品の中にあるボールをレヴィが気に入ったようだ。買ってやりたいが、お金はない。

 

「後で作ればいいだろう」

「え~買ってくれないの?」

「無駄遣いはできない」

「いっぱいしたから?」

 

 ガチャをいっぱいしたから、節約しないといけない。

 

「そうだ。すまない。後でボールを作ってやるから許してくれ」

「仕方ないなあ~」

 

 服屋に移動し、そこで下着やシュテル達の服、ハジメや俺達の物を買っていく。王都で買うより安いし、素材も売っているのでそっちを買っていく。レヴィにも何着か選んで買ってあげた。

 次に調味料や食材を購入。鉱石は買わなくていい。この辺りにあるのは全てオルクス大迷宮から取れる。取れないのは加工品だ。それもほとんどが錬成で作れる。ただ、そうなると生理用品などが問題になる。ハジメも作れないし、ユーリ達も厳密には生きている身体ではない。鈴と恵里、優花とユエ。詩乃とルサルカ達が使うのは購入して、解析したら後は増やせる。

 

「レヴィ、わかるか?」

「わかんない!」

「よし、聞いて買ってこい。おつかいミッションだ!」

「了解! レヴィ、いっきま~す!」

 

 お金を渡して走っていったレヴィが店員にお願いして用意してもらっている。その間、どうするかと考えながらガチャをして店の前で待つ。やはり碌なのが出ない。そう思っていたら、一枚だけRでも使えそうなのがあった。それは菊一文字則宗。Rなせいか、普通の武器で神秘も魔力もなにもない。ただし、名刀ではある。かの沖田総司が新選組一番隊の隊士、日野助次郎が陸援隊の隊士、戸沢鷲郎に斬り殺された時だ。待ち伏せした沖田総司が菊一文字則宗を抜いて、戸沢鷲郎を一刀のもとに斬り伏せた。その時に刃毀れ一つなかったらしい。

 

「ユーリちゃん?」

 

 菊一文字則宗を見ていると、声が聞こえて顔を上げる。するとそこには白崎が俺の顔を覗き込んでいた。周りを見渡せば八重樫もいる。八重樫は俺が持っている菊一文字則宗の方に視線が行っていた。

 

「人違いだ」

 

 男性の声で告げてやると、白崎は残念そうにしてこちらを見てきたが、そこでふと気付いた。

 

「名前は?」

 

 さて、なんて名乗るべきか。ばれたらややこしいな。

 

「マァナラインだ。ラインとでも呼べ」

「ハジメ君とユエちゃんは元気?」

「……知らないな……」

「お兄ちゃん、買えたよ~! あ、かおりんだ!」

「はい、残念でした」

「ちっ。レヴィめ……」

「あれ~? やらかしちゃった?」

 

 まあいい。ちょうど渡したい物もあったから、渡してしまおう。

 

「え? 知り合い?」

「八重樫雫。これをやる」

「わっ!」

 

 菊一文字則宗を八重樫に投げ渡し、ルシフェリオンの中から魔物(モンスター)の卵に清水のパートナーとして、彼の好きなモンスター娘になるように思いながら魔力を大量に注ぎこんで渡す。

 

『聖杯の力を少し使え』

『いいんですか?』

『ああ。清水は色々としてくれているからな。強い思いがあればその卵になるだろう。なにせ観測されるまでは決まっていないのだからな』

『わかりました』

「こっちは清水に渡してくれ」

「私にはないの?」

「ハジメから貰え」

「じゃあ、連れていって」

 

 ……ここで白崎を連れていけばハジメからの追及を防げるだろうか? いや、無理だな。

 

「なんだ。自力で来なくていいのか? それではユエに負けた事になるが……」

「むっ」

「支援はしてやるが……」

「沙条君はずるいね。そう言われたら、頼めないじゃない」

「沙条? え?」

「雫ちゃん、刀に夢中だったでしょ」

「う……だって菊一文字則宗だよ! 見ただけでわかるこの素晴らしさ!」

 

 うっとりと刀を見詰める彼女はちょっとやばい。

 

「まあシュテルちゃんから聞いているからね。鈴達は無事?」

「ああ、無事だ。それと二人に伝える事がある」

 

 優花の事を羊皮紙に日本語で書いて渡す。

 

「読み終わったら燃やせ。それと態度は気をつけろ。監視されている可能性が高い」

「……わかった。ますますいけなくなったね。皆にそれとなく警告しておくね」

「頼む。それと八重樫」

「無事で良かった。えっと……」

「ラインでいい。やるとは言ったが、やはり売ったとしたい。そうだな、八重樫の制服って持って来てるか?」

「え、宿にあるけど……どういうつもり?」

「詳しくは渡したのを読め。借りたいだけだ。後で返却するし、変な事には使わない事は約束する」

「……わかった。菊一文字則宗のためなら出しましょう」

 

 八重樫も読んだようで、真剣な表情で羊皮紙と菊一文字則宗を返してきた。これなら燃やす必要もないか。そのままポケットに戻し、八重樫が走っていく。

 それから少し話していると、八重樫が制服を持って戻ってきたので、それを受け取って菊一文字則宗を渡す。

 

「じゃあな」

「またね」

「気をつけなさいよ」

「お互いにな」

 

 白崎達がレヴィが買い物をしていた店に入っていった。なるほど、だから天之河達が居なかったのか。流石に生理用品を買いに行くのについてこさせるわけないか。

 納得できたのでレヴィを見ると、いつの間にか買ったお菓子をパクパクと食べていた。口元の食べかすを拭ってやり、宿に戻る。部屋に入ると、優花が顔を赤くしルサルカに後ろから抱き着かれながら迎え入れてくれた。

 

「えっと、お帰りなさいませ、ご主人様。ご飯にしますか、それともわ、私にしますか……?」

「どうよ! もちろん私でもいいわよ!」

「じゃあ、三人……と言いたいが、まだ駄目だ。ここで油断はできない。オルクス大迷宮に逃げ込むまで遠足は続いている」

「そっか~残念ね優花」

「う、うん……」

「ねえねえ、それよりも遊ぼうよ」

「そうだな」

 

 軽くトランプで遊びながら時間を潰す。

 

 

 

 次の日、白崎達が王都に出発したので、俺達も認識阻害を行いながらオルクス大迷宮に入る。これで俺達だとは気付かれない。適当に迷宮を進み、人が居なくなったところで隠し通路にある転移トラップへと触れる。この転移トラップはオスカー・オルクスが残した指輪によって識別できるようにしてあるので、他の連中が降れても10階層から50階層下にある階層にランダム転移させられるだけだ。

 

「ここが、オルクス大迷宮の最下層……」

「ようこそ優花。反逆者の楽園に」

 

 振り返って両手を広げて優花を歓迎したら、後ろから思いっきり重たい物で殴られた。涙目になりながら後ろを見ると、そこに鬼が居た。その鬼は俺の頭に普通の拳と鉄の拳で挟み、グリグリとしてくる。

 

「いだだだだっ! 痛いってハジメっ!」

「痛くしているからな」

「南雲、なの?」

「よぉ、園部。久しぶり」

「本当に生きて……」

「鈴達も居るよ!」

「ヤッホー」

 

 ハジメの後ろから鈴と恵里もでてきた。どうやら、皆は無事に身体の再生が終わったみたいで良かった。でも痛い。しかし、これは感覚共有で送られてきている痛みなので、実際にハジメにやられたわけじゃない。

 

「ユエ、もういいぞ」

「ん」

 

 痛みが終わり、ユエが連れてきたのはシュテルだった。どうやら、シュテルが同じようにされていたみたい。隣にはユーリとディアーチェが居て、頭を撫でている。レヴィがディアーチェに抱き着く。

 

「とりあえず、中で報告を聞こうか。お仕置きはそれからだ」

 

 ハジメの言葉で全員が移動し、食堂で俺とルサルカ、シュテルは正座させられた。優花は鈴や恵里と抱き合って互いの無事を喜んでいる。

 

「さて、言い訳を聞こうか」

「反省も後悔もしていない。ただ、お金をいっぱい使ったのはわるかったと思っている」

「そうです」

「まあね」

 

 キリッと答えると、溜息をつきながらドンナーで俺達を撃ってきた。優花が驚いたが、ちゃんと非殺傷の弾になっている。シュテルとルサルカに撃たれた弾丸は両手を広げて受け止めた。手は痛くもないし、額にあたったのも少し仰け反ったぐらいだ。

 

「この化け物銃でも仰け反る程度か」

「ふはは、ユーリが作ってくれたこの身体(聖餐杯)は砕けない!」

「よし、そうか。ドンナー、モード・ツヴァイ」

「あ、それはずるい」

 

 アンチマテリアルライフルを額に押し当てられ、撃たれると思ったら優花に押し倒された。そのまま覆われて抱きしめられる。

 

「な、南雲は私を助けに行ったことを怒ってるんでしょう? だったら、私を好きにしていいから、ご主人様達には手をださないで……」

「違う。いや、ご主人様って……」

「あ~それなんだが……」

 

 起き上がって泣いている優花を抱きしめて背中を撫でながら説明していく。するとハジメも色々と理解してくれたようだ。

 

「まあ、ご主人様呼びや奴隷に関しては本人が納得しているならいい。俺も園部が助かって良かったと思っているし、俺だったら説得されない限りは助けに行かない。その点、沙条が居てよかっただろう。それ自体はまあいい」

 

 ハジメはもう、クラスメイト達に興味を失くしている。八重樫や白崎、清水ぐらいは助けに行くだろうが、優花はあの状況ならいかないだろう。優花もその言葉を聞いてビクッとしたが、納得できなくても理解はしているようだ。

 

「俺が怒っているのはお前が、俺達になんの相談もなく行った事だ。危険な奴が居るって事はシュテルの情報からわかってただろうが!」

「だけど、ハジメ達は培養槽の中で治療中だったろ」

「緊急事態なんだから中断して起こしやがれ! 戦力の逐次投入でやられたらシャレにならんわ!」

「ふざけんな! 中途半端に大きさの違う手足とかどんな影響があるかわからんだろうが!」

「それなら俺だけを起こせばいいだろ! そうしたらユエと一緒に援護くらいはできんだよ!」

「片腕の奴を連れていってなんになるってんだよ! 危なすぎるわ!」

「なめんな! こっちとら、片腕でオルクス大迷宮の攻略してたんだぞ! 余裕だっての!」

「そこまでです! 二人共、冷静になってください!」

「そう。これ以上は駄目」

 

 俺がユーリに頭を抱きしめられ、ユエもハジメに背後から抱き着いて目を隠している。

 

「二人共、彼女を見てください」

「……ひっく……わ、わたしの……せいで……ご、ごめん、なさい……」

 

 優花が泣きながら何度も謝っていた。ちょっと頭に血が上って気付かなかった。

 

「お兄ちゃんも落ち着いてください。お兄ちゃんもハジメさんも互いの事を心配しているだけですからね」

「ん。仲良し。感情に任せた喧嘩は駄目」

「そうだな。まずは紅茶で落ち着いて建設的な話し合いをしようではないか。我等は獣ではないのだからな」

「まあ、溜め込むより吐き出すのはいいけれど、優花の居ないところでしなさいな」

「悪かった」

「俺もな。だが、やはり相談してくれ。気付いたら居なくなっていて、取り返しのつかない事態になっていたら嫌だ」

「わかった。だけど、それは俺からも言えるからな」

「互いに情報交換は密にしよう」

 

 互いに決めてから、しっかりと優花に謝る。

 

「私、ここに居て……いいの?」

「ああ、居てくれ。嫌だと言っても逃がさないからなあ」

「……うん……」

「俺も悪かった。本当に園部が助かった事は嬉しい。だから、こっちは気にせずに好きなだけ、沙条達に甘えて傷を癒すといい」

「わかった。ありがとう……」

 

 とりあえず、落ち着いたから改めて皆に紹介して、優花を案内してもらっている間に詳しい話をしていく。これからどうするかも話し合わないといけないからだ。

 

「ちっ、本当にやってくれるな。これが教会と王国のやり方か」

「ルサルカの提案で正規の手段で購入した。これなら穏便に優花を助けられると思ったから出向いたんだ。それがまさか、購入者ごと周りを巻き込んで消すつもりだったとは思わなかった」

「まあ、連中からしたら園部には生きてもらっていたら困るか。何かのタイミングで愛ちゃん先生達に伝われば離反物だしな」

「とりあえず、もう教会は完全に敵として、王国も敵と考えていいよな?」

「一般人はわからないが、基本的にそうだな。いや、一般人も怪しいか。とりあえず、街に行ったら結界を展開して浄化しちまうのがいいが……これをやると俺達の位置が確実にバレるな」

「流石に戦争するだけの戦力は整ってないな。普通の兵士ならどうとでもなるが、あのメイドみたいなのが他にいたらやばい。アレ、どう考えてもボス級だし」

「シュテルがやられた奴だよな。映像を見た限りだと、炎を平気で突き破って心臓を一突き……一掴みか。やはりオスカー・オルクスが言っていた通り、帰るためにも先に大迷宮を攻略するべきだな」

「賛成だ」

 

 話している間にディアーチェがカフェラテを入れてくれる。それを飲みながらオスカー・オルクスの事を考える。そこでふと思い出した。

 

「そういえば、オスカー・オルクスのピックアップガチャがあったな」

「それを早く言え!」

「引いていいのか?」

「むしろ、なんで引かないんだ。アイツを呼び出せば大迷宮の位置や内容は確実にわかるだろう」

「いやぁ、そっちのガチャは止められていたからな」

「お前がガチャを止める? ハッ」

「笑ったな……まあ、仕方なかった」

 

 スマホを取り出して確認するが、石は25個しかない。なので回せる数は25回。当たりが来るか微妙だが、下手なのが出たら死ぬ。

 

「戦力が不足している状態での召喚は自殺行為だ。出てくる存在が愛歌やもっとやばい奴の可能性もあるからな」

「じゃあ、戦闘準備が整ってからか」

「あくまでもピックアップだしな。というか、25連で出るとは思わない。今は適当に魔力ガチャでアイテムを集めていくさ」

「魔力ガチャか……あ~そういえばユーリを召喚したのもそれだったか」

「アイテムガチャを基本に回してる。それでMVPボスの召喚アイテムも出たがな」

「ヤバイ奴じゃないか」

 

 そう、やばい奴だ。

 

「まあ、ガチャで装備やアイテムを集めるのはいい。それよりも園部の事だ。ちゃんと責任は取れよ」

「ああ。一度、日本に戻れたらちゃんとご両親に挨拶して、娘さんを貰ってくる」

「そこまで考えているのならいい。好きにしろ。ただ、これからの事だ。確か、当初の計画では奴隷のまま連れていくんだったな」

「計画はおじゃんになったがな」

「異端者の証明である印か。園部はこのまま連れ出すわけにはいかないな」

「だから、成長させて別人にする。烙印がただの焼印なら良かったが、魔法的な産物だ。身体を成長させる程度じゃ戻せないかもしれない。魂に紐付けされていたら身体を移しても出るし、今は優花自体が奴隷という洗脳から抜け出せていない」

「しばらくは成長させてもそのままがいいか。必要なくなったらどうするんだ?」

「優花がどうしても嫌なら、離れる事も視野に入れるつもりだ。最悪、記憶とかを消してこの世界に来る前の状態まで戻す事も考えている。身体だって作れるしな」

「……そこまで覚悟しているのか。じゃあ、園部は完全に任せる。手伝える事があったら言ってくれ」

「了解。頼む」

 

 優花の事はこれでいいし、次に移動手段などの事を二人で相談していく。

 

「いや、ここはハヤブサだろう」

「トライクだって」

「……」

「……」

「デスモドゥス!」

「ブラック・トライク!」

「馬鹿か貴様等は……どちらも作ればいいだろう」

 

 テーブルの上にディアーチェが焼きたてのクッキーが乗ったお皿を置いてくれる。

 

「「それもそうか」」

「それとどうせならユーリに言ってデバイスとして作れ。そうすれば自動運転も可能だ」

「技術チートが居たんだったな」

「ハジメが言うなっての。とりあえず、移動手段としてバイクと装甲車ぐらいだな。流石に空を飛ばせるのはまずい。シュテル達なら単体で飛べるが……アレ、俺も飛べる?」

「可能だろう。それぐらいのカタログスペックはあるはずだ」

「今度試すか。空の散歩とか楽しそうだしな。それと移動手段以外にも泊まれる所が居る。女の子達を野宿させるのもアレだし、シャワーや風呂は入りたい」

「贅沢な旅だな。だが、この世界の住人が信用できないのだから、宿に泊まるのも不安はある。自分達で持ち歩けるコテージとかを作った方が効率的か」

「転移でこれるとはいえ、出来ない時もあるだろうから作っておけ。我はともかく、ユーリ達を些末な所で寝かせるなど、王たる我が許さん」

「王様の命令だ。作るとしよう」

「露天風呂とか欲しいな」

「警備ドローンをはじめとした銃火器と防御力を考えたら、要塞になりそうだ」

「自重しなくていいからやっちまえ。どうせ最終的には次元航行艦か、それに似た物を作るんだしな」

「……それもそうか」

 

 神代魔法でどうしようもなければ作るしかない。あ、それで思い付いた。切り札を作るように頼んでおくか。ちょっと地上にシャレにならん被害が出るかもしれんが、戦略級兵器は手札として持っておきたい。

 

「どうせなら全員の要望を聞いて、汎用型としてどこでもコテージを作る。家は俺とお前の所で別けて作るぞ」

「構わないが、広めにしておけよ。最低でも白崎はついてくるからな」

「ああ」

「そういえば白崎に会ったぞ」

「なに? まさか連れてきてないよな?」

「もちろんだ。上手く言い含めておいた」

「ナイスだ。流石にまだ決められていない」

「早くしろよ」

「ハーレム野郎は言う事が違うな」

「据え膳食わぬは男の恥っていうんだ。ユエも白崎も認めたらそれでいいじゃないか」

「その件は後だ。今は忙しい」

「了解だ」

 

 それから、様々な設計図を書き、食事の時間に皆の意見を聞いてコテージの設計図を書き直していく。アストルフォの意見で魔物(モンスター)が泊まれる広さになった。ピポグリフを召喚するつもりのようだ。セイバーからライダーに変われたら、それはそれで強い。まあ、どちらにしろ魔物(モンスター)は連れていくかもしれないし、問題ない。

 食事が終われば今回はアストルフォに誘われて、俺とハジメは一緒に風呂に入った。そこでアストルフォの背中を流したりもしてゆっくりと疲れを取った。

 

「やっぱ風呂はいいな」

「だね~」

「作るしかないだろうな」

 

 風呂からあがればアストルフォとハジメの二人と別れ、寝室に移動する。そこで待っていた嫁達と夜の運動会だ。今回は優花の参加と鈴、恵里の身体が治った事もあってこの三人をメインにしていいらしいので、そうする。どうせ体力はほぼ無尽蔵なので全員の相手は問題なくできる。それに優花はしっかりと相手をしないとネガティブになってしまう。今は自殺されないように必要とされている事と、居場所がある事をしっかりと教え込まないといけない。

身体中舐めて堪能したら、逆に浄化魔法をかけられた後に堪能された。というか、色々と肌に塗り込まれた。互いにマーキングしあった感じだ。俺は身体中にキスマークがつき、彼女達は首や胸とかだ。ただ大変気持ちが良かった。

 

 

 

 妻達との関係はどうにかなっているが、俺は、俺達はやばい奴を一人にしている事にこの時は気づかなかった。

 

 

 

 

 

「ふっふっふっ、ボクは諦めないよ! というわけで、協力してね!」

「今は止めておきなさい。チャンスは必ずあるから。それにこっちの子が先約よ。その次なら手伝ってあげる」

「ぶー。ま、いっか。というわけで、一緒に寝よう!」

「なんでかしら?」

「一人で寂しいから! 問答無用だよ!」

「ちょっ!? これは見え――」

 

 

 

 

 

 

 

 




次は優花さんの話を書いて、培養槽に入れてからアンケートの奴書いて、旅立ちかな。正直、オルクス大迷宮のピックアップ書いても出ない。石はもっと溜めないとね。

清水君の魔物アンケートとります。

清水君ヒロインアンケート 人になるます

  • 波の鳥 フ
  • 謳の鳥 コ
  • 空の鼠 ク
  • 深海のナニカ レ
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