方法が決まればすぐに実行する。といっても、優花は自分からは寝られない。だから、体力の限界まで責めて気絶するように眠ったところで、ユーリ達と憑依、融合して優花の中に入る。ルサルカと愛歌も協力してくれるので、スムーズに優花の中へと入れたが──
「なんだこれ?」
──目の前には優花に似ている大人の女性と小さな優花が幼稚園とかに通っているであろう視界が映った。その前には母親に抱きしめられているであろう、小さな優花のぼやけた視界まである。
「優花さんの記憶ですか?」
「……ユーリの力が大きすぎて座標が狂ったわね」
「まあ、問題ないでしょう」
俺の近くに居るユーリ、ルサルカ、愛歌の三人がそう言ってくるので問題ない。ここは本当に優花の記憶みたいで、無数の泡のようなものの一つには鏡に映った小さな優花の姿があった。
「これら一つ一つが園部優花を構成している記憶だから、触れたら彼女の全部が見れるわ。ただ、攻撃したら壊れるからお勧めはしないわ」
「ありがとう、愛歌」
「全部、アーサーと再会するためよ」
そう言って愛歌は進んでいく。ルサルカはやれやれと言った感じで進み、ユーリが手を差し出してくるのでそれを握り返して共に進んでいく。
「夢とは寝ている時に記憶を整理していると発生します。普通ならすぐに忘れるのですが、優花さんの場合は拷問された事により、鮮明に残ったイメージが悪夢という形で彼女を蝕んでいます」
「拷問されたのだから無理はない」
「魔術……魔法を使ってまで細工されているわ。的確に優花を追い詰めるようにね」
「うわぁ」
こういうのが得意なルサルカが言うのなら、事実なのだろう。しかし、あれだ。他人の記憶を見るというのは完全にプライバシー無視だな。優花の秘めたい物まで全部見ている。風呂やトイレはもちろん、着替えも含めて恥ずかしい失敗までなんでもだ。
学校で女子が赤裸々に語っている事や、優花は関わっていないが八重樫がやられていた陰湿な虐めなどなど、男が知ってはいけないような事だって多い。他には一生懸命に小さい頃から両親を手伝う可愛らしい優花の姿などもしっかりと見れた。
高校になったけれど、優花とは少し挨拶するぐらいだ。当然、俺の事をなんとも思っていないし、むしろ好きより嫌いぐらいだ。
「ここからが問題ね」
「そうだな」
「トータス召喚ですね」
俺達がトータスに召喚されてからはそこまで変わらない。そして、俺とハジメが奈落に落ちた時に助けてから、色々と気にしていてくれたようだ。天之河の事は色々とムカつく。しかし、それよりもイラついたのが檜山や貴族達だ。ユーリ達も声には出していないが、イラつきを感じている。
それから、優花がやり過ぎたのがわかった。愛ちゃん先生もやりすぎているが、彼女の場合は作農師というレアでチートな職業があるから大丈夫だったようだ。それに優花と違って愛ちゃん先生はちゃんと仕事をこなしている。これも見逃せられた理由の一つだろう。
そして、檜山と貴族が暗躍して優花が冤罪で捕まり、取り調べの後に拉致されたらしい記憶になった。優花が捕まったのは貴族の仕返しもあるのだろう。
映像の中で気になったのは檜山が優花に迫っている時のだ。その映像をしっかりと見ながら解析する。怒りが湧いてくるが、常に冷静に心がけて切り離す。
『解析が完了しました』
美遊と協力し、映像を解析すると……檜山が優花が動揺している間に服へコッソリと何かの欠片を入れていた。どうやら、迫っていたのはこういう役割もあったようだな。
「若いからしかたないわね」
「あはは」
そのまま進んでいくと、捕まった優花がメイドと貴族によって拷問されていく。ただの女子高生である優花が耐えられるはずもなく、すぐに落ちた。それからは調教されていくのだが、悲惨な事はかわらない。
「ぬるい。全然なってないわね」
「え、十分に酷いと思いますよ……?」
「常に希望と絶望を味合わせないといけないのに絶望ばかりじゃ、完全に心を壊せていないわ。だから、まだ治療できる。これじゃあ、ただのストレス発散じゃない。私なら──」
ルサルカが語っていく内容はおぞましいものだった。絶望の中に希望を与えて、それを目の前で壊したり、わざと助けだして、助けにきた奴を捕らえて目の前で拷問し、優花に殺させるなどなど……かなり引く内容をトリップして語っていくのだ。本当にやばい奴だ。
「優花や俺達で絶対にやるなよ」
「や~ね、わかってるわよ。裏切られない限りはしないっての」
「逆に言えば裏切ったらするんですね?」
「当たり前じゃない。裏切りは別にいいけれど、たっぷりと調教して戻してあげるの。真名が要らないっていうんなら、別にいいけれどね」
「まあ、それなら……」
「いいのか?」
ユーリの言葉に驚いているが、ユーリはなんでもないように答えてくれた。
「私達がお兄ちゃんを裏切る事はありませんよ。お兄ちゃんが道を踏み外したら、戻しますけれど」
「それは裏切りではないの?」
「違いますよ?」
「まあ、解釈次第よ。それよりも……」
愛歌の言葉で視線を記憶にやると場面が変わっていた。その画面では優花は地面に降ろされて出された皿に乗せられた汚物のような残飯を四つん這いになって口だけで食べていた。そんな優花の頭を誰かが踏みつけ、蹴りつける。
『おせぇっ!』
転がされて呻く優花は首の鎖を引っ張られ、首が締まって必死に蹴り飛ばした奴の場所に移動し、涙と苦痛で視界を歪めながら見上げる。そいつは貴族やメイドではなく、檜山だった。檜山は優花の背中に鞭を振るい、苦痛に泣き叫んで許しを請う優花を見て笑っている。
『大人しく俺の女になってればこんな思いをしなくてよかったのになぁ?』
『ご、ごめんなさい……いうこと、聞くから、ゆるして……あがぁっ!?』
『遅いんだよ! あの時に蹴られた痛みの分、たっぷりと虐めて誰が主人か教え込んでやる!』
『ひっ!? ごめんなさい、ごめんなさい、許してっ!』
『許して欲しければ舐めろ。お前のせいで汚れただろ。笑ってご主人様のを舐めろ。そうしたら許してやるかもな』
『……ぁ……はい、ご主人様……喜んで……舐めさせて、いただきます……』
口元に出された靴を舐めだす優花に、遅いとか汚いとか言って鞭を振るっていく檜山。その姿に我慢が出来なくなった俺とユーリは手を出そうと力を入れる。
「まだよ」
「だがっ!」
「これは記憶によって構成されたこの世界の現実。私達が入り込む事はできないわ」
「優花を壊さないように助けるのなら、彼女自身が悪夢に打ち勝つ為にやらなければいけない事があるの。感覚共有でもっと深い場所にいきなさい。そうすれば介入できるわ。ここに映っているのは所詮、記憶なの。優花は居ないわ」
愛歌とルサルカに言われ、感覚共有を全開にして優花と重ねていく。すると卑屈になった心や恐怖、苦痛などで染まり切っているのがわかる。
『もっと奥にいかないといけない。でも、それはご主人様も傷付いて戻れなくなるかもしれないです』
『気にしない。やってくれ』
『わかりました』
美遊の力も借りて、深度を更に深めて優花の全てを受け止めて受け入れる。何時の間にか、真っ暗な場所で無数の手に捕まれて押さえつけられるような感覚に襲われる。それを払いのけ、どんどん潜っていくと優花の姿が見えた。小さな幼い優花が必死に欠片のような物を拾い集めては隣に現れているメイドにバラバラにされている。
「優花っ!」
「あっ……ごしゅ、じん、さま……」
俺の言葉に手を伸ばしてくるが、その前にメイドが立ちふさがる。そのメイドは天使の翼を展開し、俺を見てニヤリと笑ってくる。
「こんなところまでようこそお越しくださいました。貴方はこの異端者を助けるつもりのようですね?」
「そうだ」
「ならば、貴方も異端者です。異端者は排除しなければなりません」
メイド天使が光の剣を作り出し、構える。それを見た優花が必死でメイド天使に抱き着いて止めようとするが、こちらに蹴り飛ばした。くの字になりがら吹き飛んでくる優花を抱き留める。その瞬間、首に背後から何かがあたった。
「断罪の剣を防いだ? ですが、無駄です」
振り返ると背後に剣を俺の首に振り下ろしている姿が見えた。俺と剣の間には障壁が展開されている。これは鈴から蒐集した結界の効力だ。だが、それもすぐに壊される。結界や障壁を次々に貫通してくるメイド天使の攻撃はすぐに止まる。
「ルシフェリオン・ブレイカー」
極大の赤い本流が俺の身体から瞬時に展開されて放たれる。ほぼゼロ距離から受けたそいつは転移して距離を取り、事無きを得る。
「甘いわ!」
だが、その直後に俺の身体からディアーチェのジャガーノートが放たれ、無数の黒い球体が生成。光線が放たれて対象に重力崩壊を起こさせる。相手は即座に転移を連続で行って、離れた後は空間に無数の剣を生み出して放ってくる。
「ユーリ、皆。天使は任せた」
「はい!」
身体からユーリ達が出て来た戦闘を開始する。その間に俺は優花の状態を確認する。小さな子供の優花は嬉しそうに俺に抱き着いて身体を擦りつけてくるが、大きくはならない。
「その子が拾い集めてた欠片を集めなさい。それがその子の心を助ける事になるわ」
「わかった。頑張れるか?」
「うん……だ、大丈夫です……」
優花と一緒に欠片を拾い集めるが、空では激しい戦いが繰り広げられている。ユーリ相手に相手は転移を繰り返してこちらを狙いつつ、ユーリの行動を制限する。それによってユーリは相手を倒す事ができていない。また、あまり全力を出すと優花が完全に壊れる危険性が多分にある。
「ルサルカ、アイツ……本当に優花の夢の存在か? 明らかに強すぎないか?」
夢とは優花が見て想像したものだが、記憶を見た限りでは転移能力を使えるはずもない。何せ、優花はそれを見ていない。俺達から聞いたとしても、それ以外に様々な能力を使っているし……なによりも奴からは魂を感じる。
「アレは優花の夢じゃないわよ。アイツはあのメイドその者ね。おそらく、優花に焼き入れた異端者の烙印に入れていたんでしょうね。優花の心を完全に破壊し、浸食して成り代わるために」
「最悪だな」
檜山も何か細工がされている可能性もあるが……どうでもいいな。アイツは殺す。それだけだ。そう思いながらも、子供の優花に欠片を渡していくと、だんだんと球体になってくる。所々欠けて罅もあるが、それでも優花は嬉しそうに胸に抱いてお礼を言ってくる。
「ありがとう、ご主人様……」
頭を撫でてやると、欠片の球体を胸に押し当てると子供だった優花が元の姿に戻っていく。元に戻った優花は俺に抱き着いてきた。
「大丈夫か?」
「大丈夫じゃないけれど、壊れた部分はご主人様たちで埋めるから大丈夫」
「まあ、これだけ激しい戦いをしていたら優花が持たないわね」
空はユーリが空間転移を力尽くで空間を握り潰して拘束し、エンシェントマトリクスを抜いて思いっきり振り下ろす。一刀両断された天使は身体を半分にされながらも再生し、メイド天使が二体になるが、即座にユーリの手が空間を超えて二体の心臓を握り取る。まるでシャマルの魔法みたいだ。闇の書に居たユーリが使えても不思議ではないか。
「紫天の書。蒐集してください」
「無駄だ。我等を殺したところで第二第三の我等が……」
「おかわりですか。構いません。全てを滅ぼしてあげます」
ユーリは激おこのようで、新たに現れた二体を瞬殺する。そのせいか、コントロールを間違えて世界がやばい。
「とりあえず、ここは任せて優花を連れて上にいくわよ」
「わかった」
優花をお姫様抱っこで抱えあげる。すると優花が暴れ出した。
「わ、私は自分で立てるから……」
「お姫様は大人しくしていろ」
「うぅ……馬鹿ぁ……」
恥ずかしがっている優花を連れて牢獄のような暗闇から抜け出す。暗闇からは逃がさないと無数の手がやってくるが、ルサルカが
「道先案内は愛歌、よろしく!」
「面倒だけれど……そこの天使の魂でアーサーのチャレンジをするのならいいわ」
「してやるから頼む」
「ならいいでしょう。こっちよ」
ルサルカの
「次の突き当りを右。そして、三つ目の燭台のある壁を叩き壊して地下に進みなさい」
「わかった」
曲がってから壁を蹴って粉砕すると地下への道があった。その先へ進んでいくと、地下牢のようで無数の手が牢屋から伸びてくる。これはルサルカが捕らえている魂なのかもしれない。
そのまま進むと、重厚な扉で守られた場所がある。その前には貴族の男が立っていて、こちらに剣を向けてくるが──
「邪魔よ」
──愛歌が顔面を蹴り、扉に埋め込んでその扉ごと破壊した。魔力放出と魔術による肉体を強化しての一撃か。
「な、なんだっ!?」
部屋の中はあの拷問部屋のようで、檜山の姿と踏みつけられている優花の姿があった。だから、思わず接近し、全身の魔術回路と炉心に火を入れて魔力で強化しまくった状態で愛歌を真似て魔力を放出しながら蹴る。檜山もろとも壁に足が埋め込まれて次々と壁が壊れた。
「加減をしなさい」
「つい……というか、優花が二人?」
「これは記憶の彼女よ」
記憶の優花という事だが、もしかしたらルサルカや愛歌が優花を助けるために細工してくれたのかもしれない。もしくは、あの欠片だけでは助けられないということだろう。
「ほら、さっさとその子を回収しなさい」
「ああ。いけるか?」
「……平気……これも私だから……」
優花を降ろすと、踏みつけにされていた優花は恐怖で頭を抱えてしゃがみ込み、謝り続けている。そんな彼女を俺が連れて来た優花が抱きしめ、支えると支えられていた方の優花がもう一人の優花の中へと消えていった。優花は堪えたようで泣きながら俺に抱き着いてきた。
「てめっ、よくもやってくれたなっ!」
壊れた壁の向こう側から檜山が走ってくる。その手には光り輝く細身の剣が握られている。負った傷も瞬時に再生されているようで、これは良い感じだ。
「殺したと思ったが……」
「あの武器ね。天使が用意したものよ」
「まあいい。こいつは偽物か?」
「本物じゃないわね」
「そうか。優花、どうする? 俺がやってもいいが、優花がやるか?」
「私が、やったら、克服できるの、よね……?」
「そうね。すくなくともコイツに恐怖はなくなるんじゃないかしら?」
「そっか……うん、やるよ。力を貸して」
「任せろ」
こちらに向かってくる檜山の前で優花を抱きしめ、軽くキスする。アイツは案の定、激怒した。
「そいつは俺のだ!」
「残念だったな。優花は俺の女だ。チェインバインド」
拘束魔法で生み出した無数の鎖。それで檜山を拘束してつんのめる檜山の頭を殴りつけて、鎖で引き寄せ、また殴る。しばらくして動けなくなった。これでどう足掻こうが、魔力の量が違うし引き千切れない。なにより檜山が持っていた剣も回収した。まあ、この世界でしか使えないだろうが。
「これで準備は完了だ。問題は優花だが……」
優花は拷問具の道具を触ろうとして、触れていなかった。短剣や剣も駄目みたいだ。散々斬りつけられてもいたから仕方ない。しかし、刃物が使えないのは致命的だ。料理人になるのなら尚更だ。
「優花」
「どうしよう……持てないよ……これじゃあ、私……」
「大丈夫だ」
「え?」
優花を抱き起こし、振るえる手に優花のだろう血に塗れている短剣を握らせる。そして、拘束してある檜山の近くに連れていく。
「俺としては優花が克服できなくても構わないが、それだと優花の夢が叶わない。それにずっと怯えて過ごすというわけにもいかない。だから、今からやる事を恨んでくれてもいい。俺が優花の身体を操って檜山を刺す」
「やめろっ! お前にそんな事できるはずない! それよりも俺を助けろ! さもないとまた酷い目に会うぞ!」
「っ!?」
「優花。大丈夫だ。優花はこれからずっと俺と一緒に居るんだ。俺も守るし、ユーリ達も守ってくれる。それに夢があるのなら協力だってする。だから……いや、ここは優花がどうしたいかだな。どうする?」
「わ、私は乗り越えたい! 夢も諦めたくない! だからっ!」
「わかった。やろうか」
「ん~っ!」
横から優花の手を包んで一緒に短剣を握り、優花と共に檜山の腹へと振り下ろす。短剣は少しの抵抗があった後、しっかりと肉を切り裂く感覚と共に刺さって途中で止まった。おそらく骨にあたったのだろう。
「っ~~!」
「ふぐぅぅぅぅっ!?」
優花と檜山が悲鳴を上げる。俺は檜山を無視して気持ち悪そうにしている優花を力強く抱きしめて背中を撫でる。
「そんなんじゃ駄目よ。まだ生きてるじゃない」
「愛歌……今は……」
「このままじゃ、その子は駄目になるわよ。私は別にどうでもいいけれど、貴女ももっと頑張りなさい。今度は自分でナイフを横にして振り下ろすの。貴女の夢は料理人なのよね? だったら、目の前のお肉をしっかりと調理しないと駄目よ。この世界では加工してくれる人はいないわよ。貴女がこれから担う役割から考えると、
クスクスと笑う愛歌の言葉に優花は顔を青ざめさせる。俺も顔を青ざめさせながら愛歌を睨み付け、止めようと手を伸ばすが、優花が震える手で俺の腕を掴んで止めてきた。
「だ、だいじょ、うぶ……わ、私は……やれる、から……」
無理しているのはわかるが、それでも優花の意思を尊重する。それが優花のためになるから。
「そうよ。それでいいの。そいつをしっかりと解体できたら、私がご褒美に力をあげましょう。その程度の奴に捕まったりしない力をね」
「代償があるのか?」
「もちろんよ。女としての尊厳はなくなるかもしれないわね」
「なら駄目だ」
「いい。力が貰えるなら、そんなものどう……でもいい……私には、もうそんなものはない……から……」
「そんなことはない。優花は──」
「ご主人様……が、ちゃんと扱ってくれるのなら……それだけでいいから……」
「──優花……なら、せめて俺も一緒にやる。それぐらいはいいだろう? それにこれは俺にとっても必要な事だ」
「まあ、いいでしょう。マスターはまだ人を殺したこともないものね。
俺が自分で人を殺すのは初めてだ。というか、
こちらを絶望した表情で涙を浮かべながら見詰めてくる檜山は助ける気が無い事がわかって必死に暴れ出す。俺と優花は気持ち悪くなりながらも一緒に短剣を握り、檜山の身体に突き刺す。今度は横向けにしたので骨にあたったが、そのまま角度を変えると奥へと入り込んで柄に触れるまで深く刺さった。当然、檜山が絶叫を上げていく。
「暴れないように両手と両足から……いえ、貴女がやられたようにやっていけばいいわ」
「……私は……復讐したいわけじゃない……こいつらとは同じになりたくない……」
そう言って、今度は優花自身の誘導で心臓を突き刺す。檜山は痙攣した後、動かなくなった。愛歌はつまらなそうに見ているかと思ったが、彼女を見るとそもそも興味がなかったようで、爪の手入れをしていた。そんな愛歌の後ろには召喚用の魔法陣が何時の間にか書かれている。Fateの奴のようだが、他にも混ざっているみたいだ。その魔法陣を見ただけでそんな内容が理解できてしまうので、天職とは本当に恐ろしい。
「うっ……」
優花が吐きそうになっているのが、感覚共有を通して伝わってくる。俺も同じく気持ち悪いが、我慢して解体する。幸い、これが夢だから汚物は出ない……と思ったら、普通に出た。それで更に気持ち悪くなった。
何度か吐きながらなんとかやっていると、ルサルカが悲鳴を上げて泣き叫びながらやってきた。俺をみつけるなり、抱き着いてくる。
「助けて、助けて真名ぁぁぁっ! 死にたくないっ、死にたくないのっ!」
「おい、どうしたんだ?」
「ユーリが、ユーリがぁっ」
「ユーリに何かあったのか!」
「ユーリに私が殺される!」
「本当に何があった?」
「私の聖遺物がどんどん壊されてるのよ!」
「あ~なるほど」
「解除していい! いいわよね!」
「解除したら、その子が壊れるわよ」
「どういうことだ?」
「どうもこうも、ルサルカが上書きした世界でユーリが戦っているから大丈夫なだけで、もとの夢に戻ればその子は夢の崩壊と同時に消滅して植物状態よ」
「助ける方法は?」
「これ以上は代価が要るわ」
「何が欲しい? アーサーはすぐに用意できない」
「あの天使の魂で手を打つわ。アーサーを呼び出したいからね」
「なるほど、
「ええ、そうよ。出た物で彼女を補強するわ。そうね、マスターの言葉でいうデミサーヴァントに近い存在にするの。それで彼女は崩壊する事はないでしょう」
デミサーヴァントとはアストルフォ達と融合させる事だ。常に憑依した状態になり、別れる事ができない。
「優花、いいか?」
「大丈夫。それが解体した……報酬なんだよね?」
「ええ。貴女に力をくれる良い子を選んであげるわ」
「なら、お願い。私はもう弱いままは嫌。拷問されたくない……人に、もどりたい……」
「愛歌、頼む」
「契約成立ね。じゃあ、ちょっと倒してくるわ」
愛歌が消える。次の瞬間にはまた現れ、手にはメイド天使を持っていた。そいつは無数の鎖で拘束されており、驚愕の表情をしていた。
そして、隣にユーリも現れる。俺達を見るとホッとした表情をしてこちらにやってきていた。
「ご苦労様。で、どうだった?」
「無限復活が厄介でした。倒しても倒しても復活してくるんです」
「それは……」
「魂を捕らえないからよ。ルサルカが居たらすぐだったでしょうね」
「魂に関するアプローチ方法が欲しいですね。私には
「ユーリその物が聖遺物と言えるからな」
「……それならお兄ちゃんと契約すればいけるかもしれませんね……」
ユーリと契約か。美遊との二重契約になるから、普通は無理だが……聖杯の願いを叶える力と、俺の身体がユーリの物を元にしているから不可能ではないかもしれない。聖餐杯だって聖槍を召喚しようとしていたし。
「さて、契約通りにコイツは貰って……」
「無駄な事をせずにここで死に絶えなさい。私は量産型の一つ。数十数百の私達が貴女達を必ず滅ぼすでしょう」
「あら、素敵ね。魂を取り放題じゃない」
「ああ、なんというボーナスステージなのかしら!」
「確かにガチャ石取り放題か」
想像しただけで涎が溢れてくる。ちなみに愛歌やルサルカ、俺の言葉に他の子達は引いていた。
「愚か者共めっ、神に反逆する異端者を助けるとは……後悔するがいい」
「はいはい。それより、ガチャして優花を助けようぜ」
「今回するのは私よ。マスターは引っ込んでなさい」
「なん、だと……?」
「あ、残ってる
「そんな!」
「あら、可愛い奴隷の為に使うのだからいいでしょ?」
「ご主人様、私は別に……」
「いや、いい。優花の為だからくれてやる! なんだったら、サクリファイスを使っても──」
そう言った瞬間、ユーリにハリセンで叩かれた。いや、これはディアーチェだな。雰囲気でわかる。絶対に戯けとか言われてるな。
「記憶の一部くらい……」
「お兄ちゃん? 少し、OHANASHIしましょうか」
「え? ユーリ? まっ──「待ちません」──あぁぁぁっ!」
ユーリに正座させられ、正座している場所にユーリが座ってくる。その状態でしっかりと説教を受けていく。その間にメイド天使は石に変換されて召喚魔法が発動する。
「アーサー来い、アーサー来い、アーサーアーサーアーサーアーサーアーサーアーサーアーサーアーサー」
愛歌が全力で力を行使しているせいか、魔法陣が光り輝いて三本の線と下の球体が虹色に光る。そして、出てきたカードはセイバー。セイバーのカードが光を放ち、実体化していく段階で愛歌が抱き着こうとする。その瞬間──
「セイバー、宝具の解放をお願い」
「わかった。
《承認》。これは、世界を救う戦いである──」
「綾香ァァァァァッ!!」
──魔法陣の方から
「あっ、ああぁぁぁぁぁっ!」
「頑張れ優花! 美遊、一時的でもいいから助けてやってくれ!」
『わかりました』
優花を抱きしめて励ます。とりあえず、すぐに崩壊はなくなった。魔力が馬鹿みたいに無くなっていってるから、そんなには持たない。聖杯を一人で運用するもんじゃないってのがわかる。
「あの泥棒猫っ!」
地団駄を踏む愛歌だったが、エクスカリバーまで放たれるのは──普通に納得する。確か、条件は下記の通り。
共に戦う者は勇者でなくてはならない ── 愛歌の妹である綾香は勇者だ。愛歌を止めて世界を救った。
心の善い者に振るってはならない ── 愛歌が心の善き者なわけがない。ビーストのマスターで多数の少女を生贄にするような奴だから仕方なし。
この戦いが誉れ高き戦いであること ── ビーストの相手。つまり、人類悪と戦う事が誉れ高くないはずがなし。
是は、生きるための戦いである ── 少なくとも綾香は殺される。アーサーも色んな意味で殺されるかもしれない。
是は、己より強大な者との戦いである事 ── 人類悪相手なので間違いない。
是は、一対一の戦いである事 ── あくまでも召喚は愛歌一人。
是は、人道に背かぬ戦いである ── 強制的な極悪犯罪者による拉致なので背かない。
是は、真実のための戦いである ── 間違っていないと思われる。愛歌の行動が色々とやばすぎる。
是は、精霊との戦いではない事 ── 精霊ではない。人類悪である。
是は、邪悪との戦いである事 ── 邪悪も邪悪。
是は、私欲なき戦いである事 ── 微妙。しかし、アーサーが召喚された場合、アーサーの為だと言って虐殺をする可能性もある。というか、実際にやったので私欲がなき戦いとも言える。
是は、世界を救う戦いである事 ── これ、アーサー本人の質問であるし、相手は人類悪なので世界を間違いなく救う戦いである。
以上。相手が沙条愛歌であるのならば、何もおかしくないな! というか、ここに居るのは大概、悪じゃないだろうか。ルサルカは言うに及ばす。ユーリ達は本人の性格はどうであれ、闇の書とくっついて大量虐殺を行っている。この場に居て、まともな善の存在って優花と美遊ぐらいじゃないだろうか? その優花も若干闇落ちしかけているが。俺もユーリの身体を使っているわけだから、悪判定だろう。やっぱり、エクスカリバーされてもおかしくないな!
「幼女の召喚に応じ、参上いたしましたぞ! さあ、デュフフフな事をしましょうぞ! 拙者が王子様になってさしあげますぞ。天国へ──」
「死ね」
「──ピギャァァァァッ!」
召喚が続いていた魔法陣から海賊の男が出たと思ったら、愛歌に速攻殺された。まあ、仕方ない。相手が悪かった。普通に召喚されたんだったら、趣味が合うかもしれないが、ここだとまずい。だって、優花との融合候補がFGOの黒ひげとかない。やっぱり女性でないとな。
次は概念礼装の優雅たれが出てきた。いらん。次に愛の霊薬。ぶちゃけ媚薬だな。続いてお馴染みの麻婆豆腐。次はFateじゃなくてリリアネスの冠。効果はMP+15、LUC+5、毒・マヒ無効。サモンナイトの装備だな。その次はケアルのスキルカード。回復魔法でファイナルファンタジーのだ。
「あ、次は良いのよ」
「お?」
優花とルサルカを抱きながら待っていると、虹回転で今度はアサシンだった。小さな女の子だ。
「アサシン。そこで待ってなさい」
「は~い」
大人しくとことこと移動していく子供。黒い外套に身を包んでいるが、俺の大好きな子だ。ただし、女性は近付かない方がいいかもしれない。彼女をデミサーヴァントの候補にするのなら、安心かも……いや、やばくないか?
次は天の晩餐。美味しい料理が食べられる使い捨て礼装みたいだ。その次は欲張りグラタンのレシピ。これは優花にとっては嬉しいだろう。そしてどんどん進んでいく。
しばらく時間が経ち、124連のガチャが終了した。ラスト1回だ。そいつは虹回転であり、剣だった。つまり、☆5セイバー確定だ。
「来なさい、アーサー!」
「召喚に応じ、参上しました。サーヴァント、セイバー。問おう、貴女が私のマスターか?」
「違う! なんで女なのよ! 私が呼んでいるのは男のセイバーよ!」
やってきたのはアーサーはアーサーでもアルトリア・ペンドラゴン。女版のアーサー・ペンドラゴンだ。つまり、青い騎士のFateヒロイン。
「そ、そう言われましても、あの人は召喚拒否されて私が押し……ごほん。貴女を監視するために来ました」
「……まあいいわ。性転換薬を飲ませればいいのだし」
「帰る!」
「逃がすか!」
「ええい離せ!」
「ちっ、なら聖剣と鞘を寄越しなさい。それを触媒にアーサーを呼び出すから」
「ふざけないでください」
「大真面目だけど?」
「お断りします!」
「なら、性転換……」
「帰ります!」
魔力爆発を起こし、瞬時にアヴァロンを展開して逃げ込んだセイバー。流石の愛歌も手が出せない。いや、彼女なら根源から情報を引き出していくかもしれない。だが、その前に逃げられるだろう。
「……私はどうすればいい?」
突然、声が聞こえてそちらに振り向くと、そこにはサモンナイト3や6、微妙に2でも成長した姿で出てくるメインヒロインの一人(断言)、ヘイゼルが立っていた。彼女は赤き手袋という暗殺集団の一員だ。彼女は幼少の頃より暗殺術を教え込まれ、唯一の楽しみは標的を上手く殺せた時にもらえるキャンディだけだった、という壮絶な環境で育った。また殺すタイミングを確実に狙うため、暗殺対象が男だった時は同じベッドに入ることもあったという。だが、主人公と戦って助けられた事をきっかけにして一般人(?)なメイドとなって2で活躍する。
「じゃあ、これからオーディションをはじめます。仕事内容はこの子と融合し、力を貸す事。以上よ」
急に愛歌が召喚されたキャラ達に言っていくが、慌てて制限を入れる。
「女性限定で優花の意思を尊重する事が条件だ」
「らしいわ。デミサーヴァントになるのを受け入れる奴だけ残りなさい。後は帰っていいわ」
俺と愛歌の言葉でゴッソリと消えた。それから話し合いを行い、優花の希望と条件を満たしたのは二人。というか、愛歌がほぼ決めていたので、その二人以外はボロボロだと言える。
「やはり千里眼を超えるのは中々無理ね」
「当たり前だ」
「そうね。普通はそうなのよね……」
「で、優花。この二人だが……」
「うん。えっと、私はご主人様に任せるけど……」
「自分で決めるといいぞ。これから一生、付き合うんだから」
「……じゃあ、両方」
「いいのか?」
「そっちの方が強いでしょう?」
「まあな」
「なるほど、なるほど」
愛歌も楽しそうにしているし、残ってくれた二人も……いや、一人は笑っている。とりあえず、そちらの子は置いておいて、比較的簡単な彼女からだろう。
「ヘイゼルさん、いいですか?」
「私は問題無い。どうせ融合している間は年も取らないらしいし、その、料理とか女らしいものを勉強したい。私は暗殺しかしてこなかったからな。それを学べるなら構わない。ソイツが死んだら、私達は別れて元の世界に戻れるんだよな?」
「おそらく」
「問題ないわ」
「なら、やはり私に損はない。本格的に料理などを学びつつ、暗殺技術を鍛える。それにはまたとない環境だ」
「ありがとうございます。よろしくお願いします」
優花とヘイゼルは容姿がどことなく似ているし、互いに欲している事を提供できるので、問題なさそうだ。ヘイゼルは力を提供し、優花は一般的な女の子がする事や家事などを教える。ヘイゼルも潜入調査の為に少しは学んでいるだろうが、未熟なはずだ。
「次はわたしたちだね。わたしたちが出した条件、わかってる?」
「うん。わかってる。貴女達? を生んだらいいんだよね?」
「そう。わたしたちを堕ろす事は駄目。ぜ~たいだよ」
「大丈夫。でも、私の中でしばらく我慢してもらうことになるけど、それは大丈夫?」
「戦わないといけないからだよね? 大丈夫だよ。わたしたち、おかーさんのお腹の中でゆっくりとしているから。でも、時間が経つといっぱい産まないと駄目だからね?」
「うん。覚悟してる」
愛歌が言っていた女の尊厳というのはこういう事だ。ジャックの要求は言ってしまえば優花の胎を貸せという事だ。彼女達がこの世界に生まれ落ちるために、幸せになるために身体を提供……苗床になれと言われている。それを優花はほぼ悩む事もなく頷いた。
「でも、貴女達は私の娘になるけど、それはいいの?」
「愛してくれればいいよ!」
「そっか。血の繋がった大事な娘だからちゃんと愛するよ。ご主人様との絆でもあるし……ただ、育てるのが大変だから良い子にしてくれる? 一人や二人なら、多分なんとかできると思うけれど……いっぱいいるんだよね?」
「いっぱいいるよ!」
「うん、ちゃんと怒るから、その私の言う事は聞いてね」
「いいよ。おかーさんが約束を守ってくれるのなら、わたしたちもおかーさんを愛するから!」
「約束だよ」
「?」
「指切りだよ。嘘ついたら針千本飲ますの」
「こ、こわいね」
「投擲が得意だから、千本、しっかりと飲ませてあげる」
「あわわわ、ちゃんと良い子にするから、怒らないで……?」
「うん。良い子良い子」
ジャックの頭を優しく撫でる優花。何故か高校生にして母性を感じる。いや、優花の事を考えたら納得はできるか。優花はただ、彼女達に共感しているんだろう。他人に弄ばれた事について。もしくは自暴自棄かもしれない。ただ、それでも必死に生きようとしてくれているので大丈夫だ。後は俺達が協力すればいい。
「しかし、父親になるのか?」
「ですね」
「ユーリは嫌じゃないか? 優花との子供を先に作る事になるが……」
「私は、私達は問題ないですよ。子供ができるかもわかりません。この躯体は人ではありませんから。お兄ちゃんとの間に子供は欲しいですが、それは優花さんの子供でも問題ありません。それにいざという時は色々方法があります。それとその、私とお兄ちゃんは子供を作らない方がいいかもしれません」
「なんでだ?」
「身体が一部共有ですから、近親相姦みたいなものに……」
「ああ、なるほど。まあ、問題ない。戸籍は別だしな」
ユーリを撫でながら話している間にあちらも話し合いが終わったようで、ヘイゼルと優花が融合してデミサーヴァントみたいな感じになる。そして、ジャックは優花の子宮に宿り、力を貸す。ついでにここで出たアイテムを全て優花に融合させるらしい。
まあ、基本的に当たりであるキャラ達は帰ったので良い物はない。ほとんどアーサーに合わせ、ヘイゼルとジャックを引き寄せるようにタイミングを見たらしい。そもそもこの世界で召喚すると、この世界から持ちだせない。俺が召喚しても駄目だ。全部、優花の中に置いていくしかない。本当に持ちだせたら最高だった。なにせここにはフィルターがかかっていないから、レア度が高いのもでやすい。
ただ、天の晩餐で考えると、優花が作れるようになっているのでよしとする。礼装だが、本当に料理として作れるらしいのだ。つまり、この時点で料理人として高レベルになってくれている。あと、ヘイゼルとジャックの暗殺技術はかなり高い。ヘイゼルの積み上げられてきた高レベルの暗殺技術にジャックのサーヴァントとしての気配遮断などの能力が合わさる。ジャックはそもそも素人だ。それが玄人の技術を持つということでもあり、結構恐ろしいことになる。ただ、ジャックに関してはスキルは使えても宝具は使えないと思われる。本人じゃないから仕方がないだろう。
夢から覚めると、優花にキスをするとしっかりと目覚めてお返しのキスをしてくれた。その後は早速、ジャックを仕込むために深く愛し合った。
それが終わったら、優花も培養槽に入って身体を調整してデミサーヴァントとして完成させる。正確にはヘイゼルがサーヴァントではないので、デミサーヴァントではない。ただ二人が溶けあって一人になっているだけだ。融合状態という奴だな。とりあえず、その状態で基本的に優花とヘイゼル、どちらの姿にでもなれるようにブレインコンピュータを入れて、調整できるようにする。
本拠地に居る時は優花の姿で、外に出る時はヘイゼルの姿と使い分ける。まあ、プライベートと仕事用という感じだな。俺としては役得として、ヘイゼルともしているようなものだ。暗殺されそうで少し怖いけど。
しかし、エヒト達は異端者の烙印に天使まで潜ませるとは、かなりこちらを警戒しているようだ。やはり、やらかしたシュテルにはもうちょっときつめのお仕置きをしておこう。後、ユーリもだな。危うくルサルカを殺しかけているし。お仕置きを実行したら、逆に俺もお仕置きされた。
鈴達にサクリファイスの事が伝わったせいだが。後、シュテルの報告で清水が深海棲艦を生み出したと教えられ、ハジメにも怒られる事になった。
「ところでハジメ君や」
「なんだ?」
「なんでティガーⅠとクルセイダーがあるのかな?」
「趣味だ」
「車作れよ!」
「いや、よく考えたら舗装されてないからキャタピラの方がよくないかと思ってな。山とかは特にな」
「車と戦車、両方つくれば解決だな」
「その通りだ。そもそも普段から戦車なんか使わんしな」
「むしろ、戦車より、直接戦った方が強いのが多いな」
「シャレになってねえ……」
シールサーティーンは適当なので信じないでください。こんなので許されるのか……たぶん許されないけど、相手が愛歌だから普通に撃てるのは仕方ない。アルトリアは性転換から逃れられました。一瞬、本当に聖剣をガチで奪おうかとも思ったが、止めました。可哀想だからね。
清水君ヒロインアンケート 人になるます
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波の鳥 フ
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謳の鳥 コ
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空の鼠 ク
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深海のナニカ レ