ありふれた職業の召喚(ガチャ)士で世界最弱   作:ヴィヴィオ

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保存を間違って4話の書きかけを1話に保存してしまいました。現在はバックアップから修正させていただきました。
お知らせいただきありがとうございます。
誠にありがとうございました。
また、申し訳ございませんでした。
以後気をつけます。


第4話

 

 

 

 暴走状態になった魔力を使って召喚……ガチャをしたらようやく待ち望んでキャラが現れた。誰でもいいとは思わないが、光が小さな形となって固定化される。続いて光が晴れるとゆるふウェーブの髪の毛をした金髪金眼の幼女、ユーリがいた。

 

「私はユーリ・エーベルヴァインです。召喚に応じてこちらに来ましたが、ごめんなさい。今の私ではあなたの力になれないかもしれません」

「いや、それでも召喚に答えてくれただけで十分だよ」

 

 しょんぼりと項垂れているユーリとしゃがんで視線を合わせて答える。

 

「本当ですか?」

「ああ、本当だ。だから、君の事を教えてくれるかな。ユーリはその、召喚される前の事は覚えているか?」

 

 ユーリ……ユーリ・エーベルヴァインが登場する作品はゲーム、映画、漫画の三つがある。どれをとっても彼女は強大な力を持っているのに力になれないとはどういう事だろうか? 

 

「ある程度、全部覚えています」

「全部?」

「はい。私はユーリ・エーベルヴァインであって、ユーリ・エーベルヴァインではないのかもしれません。自分が作られたキャラクターであることも知っています。魔法少女リリカルなのはINNOCENTのユーリ・エーベルヴァインです。それに加えてゲームや映画などの記憶も全て保持しています」

「それは……」

 

 記憶を保持しているという事は、システムU-Dについて知っているという事だろう。召喚した時にスマホが関係していたのかもしれない。

 タブレットやスマホには俺が魔法少女リリカルなのはINNOCENTの他に魔法少女リリカルなのは-THE GEARS OF DESTINY-も入っている。

 もちろん、映画も入っているし漫画のデータもある。これらのデータが基礎としてユーリ・エーベルヴァインを統合して召喚されたのかもしれない。

 ただ、そうなると暴走状態になればこの世界で誰が止められるというのだろうか? 勇者である天之河? 無理だ。ユーリがそのままゲーム通りのスペックなら瞬殺されるだけだ。

 

「あ、安心してください。私のメインはあくまでもINNOCENTのユーリ・エーベルヴァインです。あなたに色々とお世話をしてもらって仲良くなったユーリです。アミタとキリエを学校の前で待ってから、私の部屋に移動して一緒にぬいぐるみを抱きしめながらイベントを考えて作った事も覚えていますよ。だから、私はあなたのユーリです」

 

 凄いパワーワードだ。あなたのユーリですとか、やばい。まあ、落ち着こう。とりあえず、ユーリが言っているのはメモリアル☆パーティーのことだろう。他にも色々なイベントでユーリの限定コスチュームとかを集めに集めた。

 しかし、ゲームデータ通りのユーリとなると、確かに可愛がっていたユーリなのだろう。彼女とは常に一緒に戦っていた。基本的にユーリや紫天のマテリアル達でデッキを組んで使っていたからな。

 

「どうして召喚に答えてくれたんだ? 危険だぞ」

「毎日話しかけに来ててくれて嬉しかったんですよ? それに色々な所にも連れていってもらいましたし、別世界の私もいっぱい応援してもらいました。だから、今度は私が助ける番なのです」

 

 詳しく聞いてみると、プレイしたゲームはなのは達と一緒に助けたこととなっており、映画は応援してくれていたような感じだ。

 応援は物理的に考えると円盤を購入したとかだろう。他に考えられるのは映画を見ながら応援していた事か。そう考えるとある意味では間違いない。

 INNOCENTの方は本当に一緒にいろんな所を冒険したり、遊んだりしたのが嬉しかったようだ。イベントは皆勤賞でいっぱい課金したから最初から好感度はある程度はあるようだ。本当によかった。

 

「ですので、あなたの傍に居させてください。私が頑張って守ります! スピリットフレアはまだありませんが……きっと大丈夫です」

 

 拳を作って気合を入れるユーリの可愛らしさに思わず撫でそうになる。だが、今はやることがある。

 

「ありがとう。悪いけれど頼むよ。一応、この世界でのステータスを確認とかしたいから、少し待ってくれ」

「はい」

 

 メルド騎士団長からステータスプレートを持って来てもらうようにハジメへ頼む。ハジメはすぐに受け取ってこちらへとやってきてくれた。するとすぐにユーリは俺の後ろに隠れる。どうやら、人見知りという設定は残っているようだ。

 

「持ってきたよ。それで彼女はどういう感じになったの?」

「聞いて驚け。ゲームやアニメの中から召喚したようだ」

「本当! それって凄い事だよ! じゃあ、カーマを召喚なんて……」

 

 ハジメが聞いてきた奴は色々とやばい奴だ。カーマというのはビーストとしても存在している。ただのアサシンとして召喚されたのならいいが、人類悪のビーストなら世界が終わる。流石は季節で世界が滅びるような世界だ。

 

「可能かもしれないな」

「そっか。うん、しばらくガチャ禁止ね」

「何故だ!」

 

 ガチャを禁止とかふざけている。そんなのは断じて認められない! 

 

「彼女はまだ大丈夫かもしれないけれど、魔王とか殺人者とか召喚したらどうするの?」

「あ、あの、私が守りますが……」

「沙条君。君は自らの欲望を叶え、ユーリちゃんを危険にさらすのかな? ほとんど力の無い彼女を……」

 

 不安そうにこちらを見上げてくる。自分が守るとは言ってくれたが、今のユーリの力ではどうしようもないだろう。

 

「無理だな。ユーリの気持ちは嬉しいが、危険すぎる。俺にユーリを犠牲にするなどできない」

 

 そう答えるとユーリはどことなく嬉しそうな気配を発する。ユーリの賢さなら、どれだけ無茶な事かしっかりと理解できているだろう。

 

「うん。理解してくれてよかったよ。ガチャは彼女が強くなるまでは待った方が良い。ユーリなら、力を取り戻したら大抵の存在は制圧できるだろうしね」

「わかった。ユーリもそれでいいか?」

「あなたがそう言うなら構いません」

 

 ユーリも納得してくれたようなので、ステータスプレートを受け取って、ユーリに渡す。ユーリは不思議そうに見ながら使い方を聞いてくる。

 

「これはどのように使うのですか?」

「ステータスプレートにある魔法陣に血を垂らすと、ユーリのステータスが浮かび上がるんだ。やってみてくれ」

「はい」

 

 指を噛んで少し血を出して塗りつける。するとステータスが浮かび上がってきた。

 

 

 ──────────────────────────────―

 

 

 ユーリ・エーベルヴァイン ○○歳 女 レベル:1

 天職:砕け得ぬ闇(アンブレイカブル・ダーク)

 筋力:10

 体力:10

 耐性:10

 敏捷:10

 魔力:10

 耐魔:10

 技能:魔導師・天才・デバイス作成・言語理解

 

 

 ──────────────────────────────―

 

 

 永遠結晶エグザミアこそ持っていないが、魔導師のスキルは持っている。バリアジャケットを着込めば戦えるだろう……いや、デバイスがないから無理か。能力値が全体的に低いし、どうなるかわからないな。やはり、ユーリがデバイスを作るまで待つしかない。

 

「本当に本人みたいだね」

「もちろんです。私はユーリ・エーベルヴァインで間違いありません……よ?」

「いや、そこは疑っていない」

「本当、ですか?」

 

 涙目になったので抱き上げてクルクル回してやると、嬉しそうにしだした。しばらくユーリを可愛がり、地面に降ろす。

 

「問題は天職だよね」

砕け得ぬ闇(アンブレイカブル・ダーク)って、やばすぎだろ」

「レベルが上がったらエグザミアとか生えてきそうだね」

「エッヘン! 任せてください! エグザミアは欠片とはいえ、ちゃんと私の中にもありますから成長させれば大丈夫です。こちらの世界に来るのに力を使いすぎて小さくなっているだけですから」

 

 可愛く胸を張るユーリ。本当に可愛らしい。INNOCENTがメインだから、暗い部分はかなり少ないな。

 

「それは朗報だな」

「朗報なのかな?」

 

 ユーリの頭に手を置いて撫でながら、光っていたスマホを確認する。するとしっかりと動いた。相変わらず電波は立っていないが、新しいアプリが増えている。

 確認してみると召喚キャパシティーと書かれていて、現在は10/10になっているようだ。隣にはユーリのアイコンがあって、触れてみるとユーリのステータスが全て表示される。そう、全てだ。服装からなにからスリーサイズや健康状態などもありとあらゆるユーリに関する情報が全て表示された。

 試しに装備を変えてみよう。

 ジャケットを取って見ると、ユーリの服が光となって消えた。ユーリは赤いシャツだけとなって慌てて身体を隠す。すぐに戻してやると、こちらを見詰めてくる。

 

「あの、なにをしたんですか?」

「すまない実験をしていた。ユーリにとって悪いかもしれない事だが、どうやら俺はユーリの全てを掌握しているようだ」

 

 そう言いながら、スマホを見せると天才である彼女はすぐに理解したようでスマホを返してきた。

 

「えっと、今の私が着ている服や身体は魔力で作られているようです。早急にこちらでの服をお願いしますね」

「わかった。用意してもらおう」

 

 といっても、ユーリの服をユーリと一緒とはいえ、買いに行くのは無理だ。俺にセンスなんてないし、女性特有の必需品なんてわからない。だから、ここは女子を巻き込んだ方が良い。だが、俺の容姿的に普通に頼んでも駄目だ。だから、高確率で成功する手段を取らせてもらおう。なに、生贄はいる。

 

「なんだか凄く嫌な予感がする」

「大丈夫だ、問題ない」

「?」

 

 不思議そうに小首を傾げるユーリと、嫌そうな表情をしているハジメを置いて、メルド騎士団長の方へ視線を向ける。するとこちらにやってこようとして結界に阻まれているクラスメイト達の姿が見えた。

 天之河は結界を展開している谷口に詰めよっていて、谷口自身は両手を耳にあてて聞こえないふりをしている。近くにいる白崎は天之河を押さえようとしているようだ。

 

「もう無理矢理結界を破壊して彼女を助ける!」

 

 限界が来たのか、聖剣を抜き放ち、こちらへと振り上げている。まるで俺がユーリを襲っているみたいな言葉だな。

 

「谷口、白崎、ハジメ。明日街に素材調達しに行くぞ。ついでにこの子、ユーリの服とか日用品を買いにいくから。ユーリに似合う服を選んでくれ」

「任せて! こんな可愛い女の子なら大歓迎だよ!」

 

 こちらにダッシュして結界に入り、ユーリに突撃する谷口。だが、ユーリは即座に俺の後ろに隠れながら俺を盾にする。

 

「ぶふぁっ!?」

「ひぎゅっ!?」

 

 結果、谷口のタックルをもろに受けたが、後ろにユーリが居るので踏ん張って耐える。なんとか、谷口の肩を掴んで引き離す。彼女からいい匂いがしてドキドキしてしまうが、あのシャンプーとリンスを使っているせいだろう。

 

「ごめんごめん。大丈夫?」

「なんとかな。とりあえず、明日は頼む」

「了解。鈴は谷口鈴。よろしくね!」

「ユーリ、ユーリ・エーベルヴァインです……よろしく、お願いします……」

 

 顔だけ俺から出して挨拶をするユーリ。俺を守ってくれるらしいが、こういう事からは守ってくれないみたいで安心した。流石に日常からユーリのような幼い少女に守られるのは御免被りたいしな。

 

南雲君と街に買い物……? 鈴ちゃんに沙条君を任せればそれって……うん、私も一緒に行くから、必要な物を全部揃えよう」

 

 白崎が近付いてきて何かつぶやいたが、おそらく予想通りだろう。計画としては午前中にユーリの買い物をして、午後からはハジメと白崎の二人と、俺とユーリ、それに谷口の三人で別れて必要な物を集める予定でいこう。つまり、白崎とハジメのデート計画だ。こちらはこちらで楽しませてもらおう。ユーリを案内しないといけないからな。

 

「谷口、メルド騎士団長を結界の中に入れてくれ」

「は~い」

 

 天之河達が攻撃しだしたが、今の谷口は前の谷口とは違う。結界が一枚壊されても次の結界が存在する。二重にしか展開できないが、一枚が壊されたら次の結界を強化し、新しい結界を再展開する。これを繰り返す事で破壊される事を防ぐ。ただ、少しずつ接近されているし、魔力効率がよくない。その点はまだまだ直さないといけないだろう。

 

「メルド団長、もう結界に入れるのでこちらへ来てください。彼女について説明します」

「わかった。そちらに行こう。光煇達は攻撃を止めろ」

「しかし! 沙条は彼女を……」

「落ち着いて光煇。それに……」

「ああ、どうやら知り合いみたいのようだ。仲が良さそうだし、お前達が心配している事はないだろう。事情を聞いてくるから待っていろ」

「くっ……わかりました。皆、とりあえず様子をみよう。谷口、俺達も入れてくれ。話し合いに参加する」

 

 メルド団長や雫が説得してくれたようで良かった。メルド団長がこちらに来たらしっかりとユーリについて説明するが、さてどうしようか。それに谷口が天之河達を入れていいかと視線で聞いてくるので許可しておく。ただ、何かあったら守ってもらおう。

 

「それで彼女は誰なんだ」

「彼女の名前はユーリ・エーベルヴァイン。俺との関係は……」

「関係ですか? この人は私のマスターです」

「間違ってないけど言い方!」

「沙条貴様!」

「「「うわぁ……」」」

 

 額に手を当てて溜息をつく。言ったユーリはわかっていないみたいだ。召喚。つまり、彼女を呼び出しているのは俺なのだ。それも含めて使い魔やユーリ自身がある意味ではプログラムなので、彼女自身が俺のデバイスという扱いととらえていてもおかしくない。俺自身の手で召喚や送還ができるようだし、ユニゾンデバイスになってくれるかもしれない。

 

「ユーリ、そのマスターというのは止めてくれ」

「間違っていませんよ? 私はお兄さんの求めに応じて召喚されたんですから」

「正直、マスターよりお兄ちゃんの方がいい」

「お兄ちゃんですか? わかりました。お兄ちゃん……なんだとても不思議な感じです。お兄ちゃん……気に入りました」

「それはよかった」

「……な、なあ……彼女は本当にユーリ・エーベルヴァイン……なのか……?」

「そうだ清水」

「な、なら、他の奴を呼び出す事だってでき、できるのか?」

「可能かもしれないが、今はやらない。ユーリが力を取り戻してからだ」

「そうか……」

 

 清水に答えてから、改めてメルド団長に向き直る。

 

「彼女の扱いですが、俺の召喚獣だと思ってください。召喚用のキャパシティーが追加されて、使われているので間違いありません」

「キャパシティーを使っているのなら、確かに召喚獣なのだろう。流石は天職が召喚士か。人を使役できるなど、知らなかったな。大概、鳥や魔物と契約して使役するんだが……」

「今回の契約方法はある意味では邪道ですからね」

「そうだな。だが、君達が作っているバッテリーというのを解せば他の召喚士達でも強力な魔物を使役できるかもしれん。そうなれば数で劣る現状を押し返す事はできなくても、押しとどめる事はできるかもしれん。後で実験に協力してくれ」

「わかりました。それとユーリの扱いがどうなるか、ここで明言していただきたいのですが……」

「彼女が召喚獣であるのなら、扱いは召喚者に一任される。君達勇者の扱いが神エヒト様によって決められているようにな」

「なるほど」

「ただ、気をつけてくれ。召喚獣が起こした問題は全て召喚者が背負う事になる。例えば衣食住を用意するのも召喚者の役目だ」

「わかりました。肝に銘じておきます」

 

 とりあえず、ユーリは衣服は明日買いにいくとして、食事は俺のを別ければいい。寝る場所は同じ部屋で問題ない。最悪、召喚解除という手段もあるしな。

 

「よし、これでいいな。では、本日の訓練を開始する」

「待ってくれ! 沙条のような危険な奴からユーリちゃんを助けないといけない!」

「あの、お兄ちゃんは危険じゃありません」

「いや、危険だ!」

 

 うん、皆が頷いている。谷口もだ。ハジメと白崎だけは乾いた笑いをしている。

 

「だいたい沙条! 君は彼女をどうするつもりだ!」

「もちろん、戦争に協力してもらう。彼女の知識は有用だからな」

「ふざけるな! 子供だぞ!」

「あ、見た目通りの子供じゃないからな。下手したら俺達どころか、メルド団長よりも年上だからな」

「「「「え」」」」

 

 ユーリがこちらを睨んでくるが、軽く頭を下げておく。後でご機嫌取りをしよう。実際問題、PPSのゲームや映画の設定を考えると数百──ユーリに膝を抓られたので考えるのを止める。

 

「それに天之河には彼女を否定する権利やとやかくいう権利はない」

「なんだと!」

「俺は召喚士として魔人族との戦いに参加し、生き残るために召喚の儀式をして彼女を呼び出した。そして、彼女はそれに答えてくれた」

「あ、そういうことね」

 

八重樫は理解したようだ。他にも頷いている奴はいる。

 

「それがどうしたんだ? 俺に否定する権利がなくなるわけないじゃないか」

「いや、これって俺をこの世界の人にして、召喚されたのを俺達にしたらお前が認めたのと同じ行動になるじゃないか」

「違う!」

「それにお前が戦争に参加する事を選ばなければ彼女を呼ぶ事もなかった。つまり、お前が悪い」

 

 もちろん、俺がガチャを止めるはずないのだから、天之河がどうしようが呼び出しただろうけどな。

 

「俺達に力はあるが、彼女に力はないだろう!」

「まあ、今はこちらに来てくれた時に力の大半を使ってしまっているが、元に戻ったら勇者を軽く超える力くらいはあるはずだ」

「核兵器のような攻撃だってほぼ傷を負わずに耐えるような子だからね」

 

 ハジメが捕捉する。核兵器=スターライトブレイカーですね、わかります。本当に高町なのは、冥王は凄まじい。非殺傷だからってあんなのを人に撃つんじゃない! 普通に死ぬわ! いや、死ねないけれど! 

 

「それが本当ならかなりの戦力になるな。歓迎しよう」

「メルドさん! 彼女は子供なんですよ!」

「だが、見た目通りの年齢ではないのだろう?」

「ぶっちゃけ、俺達より賢い。彼女、設定通りなら大学を飛び級で卒業している」

「そんなはずないだろう清水! 妄想は大概にしろ!」

「その妄想が現実になった奴なんだ……けどな……」

 

 清水の言う通りなんだよな。ユーリ・エーベルヴァインというキャラクターが受肉して実体化したのが彼女だ。つまり、妄想によって生まれてきたといえる。

 

「まあ、どちらにせよ彼女を召喚したのは俺だ。故にこの問題は俺とユーリによって決められる。部外者は黙っていてもらおう。もちろん、ユーリが助けを求めたというのなら、話は別だがな。ユーリ、ユーリが望むなら召喚を解除するし、俺と一緒に居なくてもいい。どうする?」

「もちろん、私は──」

「沙条と別れるよな」

 

 天之河が断言した口調で告げてくるが、ユーリが天之河を見る目は冷たい。そもそもユーリにとってはまったく知らない奴で、友達もしくは親友である俺を貶めてくるような奴と認識しているかもしれない。いっぱいデュエルしたし、戦友の可能性が高い。どちらにせよ仲間には違いない。

 

「──誰か知りませんが、私の意思を勝手に決めないでください! 私はお兄ちゃんとわかれません! お兄ちゃんと一緒に居て私が守ってあげるんです! いっぱい恩返しをするんですから!」

「なっ!? もしかして脅されているのか! 見損なったぞ沙条!」

「え? なんでそうなるんですか? わかりません? えっと、えっと……」

 

 ユーリが混乱しだしたので、彼女の頭に手を置いて遮る。

 

「はいはい、最初から見損なっているくせに何言ってんだよ? まあ、それは俺も同じか。俺もお前に期待なんかも一切していない。だからもう関わらないでくれ。鬱陶しい」

「なんだと! 待て沙条!」

「待つのは光煇よ!」

「うん。彼女は沙条君といる事を自分で選んだんだから、私達がとやかく言う事はできないよ?」

「ん~これは……」

 

八重樫と白崎の二人が止めてくれている。谷口は何か考え込んでいるようだが、今は放置しよう。

 

「行くぞユーリ。魔力を溜めるバッテリーについて、魔導師としての意見を聞きたい。ハジメ、すぐに改造に取りかかれるように準備してくれ」

「任せて」

「南雲君、大丈夫なの?」

「彼女はある意味ではこの道のスペシャリストだから、大丈夫だと思うよ」

 

 喚く天之河を無視して、魔力暴走させたバッテリーをユーリに見てもらう。すると出まくる改造点のオンパレード。一度見分してから数分で式を書き上げ、こちらの魔法を見せてからまた数分で式を書き直す。そしてすぐに設計図を用意してくれる。容姿と合わさってまるでお絵かきみたいだが、内容が高度すぎる。

 

「とりあえず、これで容量は70%上昇し、保存できる期間は100%上昇したはずです。もっと研究したら小型化と更なる出力アップもできると思います」

「こうなるとはわかっていたが……」

「僕達の苦労っていったい……」

「鈴はかなしくなったよ……よよよ」

「あははは、どんまい」

「えっと、ごめんなさい」

 

 俺と谷口は謝ってくるユーリを抱きしめて撫でまわして傷ついた心を癒す。仮想現実を作り出した科学者が認めただけあって、幼いながらもユーリの技術力は普通にやばい。技能に天才とあるだけはある。

 ああ、ここはこれだな。

 

 

 

 

 技術チートが仲間になった!

 

 

 

 

 

 




C吸引力が衰えない魔法の掃除機:どんなに吸っても吸引力が衰えない掃除機だゾ! サイクロンの力で粒子に分解して放出しているから、手を入れると危険なんだゾ!
C石:普通の石。当たれば痛い。当たり所が悪ければ死ぬゾ!
C絵日記:保存効果が取り付けられた魔法の絵日記。普通に書いて保存しておくだけだゾ!
Cショートソード:ただの鉄の剣。売れるゾ!
SR疾風の槍:移動速度上昇10%。魔力を消費して風を自由に扱える。規模は使う魔力しだいだゾ! アーティファクトという奴だゾ! 一度攻撃したり、風を操ったら全ての魔力を使うまで止まらない、止められない疾風の槍。
C麻婆豆腐:激辛で食べたら止まらなくなり、大量の汗をかいて口から火を噴くゾ! 炎のブレスを30分間の間、1分だけ使用可能。汚物は麻婆豆腐で消毒だゾ!
Cプレートメイル:鉄でつくられた鎧。売れる。
Rフレイムソード:炎の剣。魔力を消費して炎を剣に纏わせたり、炎を放ったりできる。
Nユーリ・エーベルヴァイン:魔法少女リリカルなのはに出てくるキャラクター。進化するととっても強くなる。その力はラスボス級。でも、可愛らしい金髪幼女。
C小石:ただその辺にある小石……だと思ったら、大間違い。いっぱい集めるといい事がある……かもしれない。使用方法は投げるなど。

重課金スマホ:魔力いっぱいでようやく起動。召喚関連のアプリが生えた。運営が金貨を232枚もらったから、32枚分の仕事だけはしたゾ! でてくるキャラクターの忠誠心は今までのデッキやキャラの使用頻度やプレイ時間によるゾ!
 インダストリー側なので、基本的に紫天一家は好感度が高い。なのは達はそれなり。FGOでいう絆が15ならユーリみたいな感じ。10で親友。5で仲間。0で普通。

 ちなみにユーリがNで出たのは沙条君の力が低いから。もっと高くなれば高いレアも出やすくなる。そう、今やっているのは上限ありのガチャだ!ほぼコモンとレアしかでません。キャラはNのみ。装備は運がよければSRも出る。ただし呪い付き。
 
 

 クラスメイトの清水が現れた!  仲間になりたそうにこちらをみている。  仲間にしますか?  Yse/Np

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