フェアベルゲンにあるハウリア族が住んでいた場所。そこで恵里が主催になってある儀式を行っていた。
「お母さん! お母さん! 」
その儀式は死者の魂を降霊し、彼等と会わせることだ。これからフェアベルゲンには入れなくなるのだから、最後のお話しをしてもらう。それにここでもやる事はいっぱいある。その一つがフェアベルゲンの近郊に居るハウリア族の魂を集め、鈴に浄化してもらって昇天させるためだ。これからこの大迷宮全てから死んだ人、
まあ、こんな事が起こっているのだが、俺達には余り関係ないから俺とハジメ達は基本的に大きな建物を一つ占拠し、そこで座って食事やお茶をしている。この食事などは森人族達から提供された物で、ほとんどが野菜や木の実、果物だ。
「肉が食いたいな」
「歓迎してくれているのはエルフだから、食生活がこうなるのもわかるだろう。むしろ、樹海で取れる肉って……」
「
木のテーブルに乗った食べ物を食べながら、反対側に座っているハジメ達と話す。ハジメの隣にはユエが居て、彼女はニコニコしながらハジメを見ている。俺の方は隣に詩乃とユーリが居る。鈴と恵里は儀式をしているし、ルサルカはいつの間にか消えている。
「調理場を借りたら作るけれど」
「そこまではいいかな。ありがとう、優花」
「まあそうだな」
「こういうのもいいもの」
優花はヘイゼルの姿から本来の自分の姿へと変わってユーリの隣に座って彼女のせわをしている。こうしてみるとユーリが妹で優花が姉のようだ。
「あの、少しいいでしょうか」
「カムか。どうした? 嫁と会うのはこれで最後だが、いいのか?」
シアの父親で、ハウリア族の族長であるカムが俺達のところに決意をした表情でやってきた。後ろにはハウリア族の男達が数人だけ居る。
「はい。十分に堪能させていただきました。それよりも、図々しい事は承知しておりますが、お二人にお願いがあるんです」
「お願い?」
「私達を鍛えていただきたいんです」
「必要ないだろう。沙条はお前達を守ると言ったんだ。なら、こいつの戦力からしたら、フェアベルゲンの連中が来たとしても簡単に守れる。時間の無駄だ」
「いえ、皆様に頼ってばかりではいけないんです。シアが妻のモナと泣き合っているところを見たら、父親としてなんとしても娘を、同胞を守らなければならないと思ったんです。モナからもシアをしっかりと守るように言われました。ですからどうか、どうか、お願いします」
「だ、そうだが?」
確かに父親として自分の手で娘を守りたいというのは……よくわからないが、そうなのだと思う。
「鍛えるのは構わないが……いや、待てよ?」
魂を蒐集する装備を用意すれば、そこから魂を補給する事はできないだろうか?
『美遊、魂を殺した武器に宿らせる事は可能か?』
『
『頼む』
「わかった。こちらとしても戦える戦力は多い方がいい。方法は……」
「手っ取り早く戦力を強化するなら、改造だが……」
「改造ね。しかし、それは無理だろう。培養槽がないし、奈落まで戻らないといけない。まあ、戻る事は簡単だが……」
「ユエ、何か方法はあるか?」
「ある」
「「あるのか」」
思わず二人で声をハモらせてしまった。あっさりと返事したユエを俺達が見ると、彼女は頷きながら答えてくれた。
「ユーリ、真名の体液は神水と同じだよね?」
「はい。同じですね。濃度が違いますから、普通の人にとっては毒かもしれませんが……」
「だったら、
「確かにそれなら可能ですね。それとディアーチェとシュテルが量産しているデバイスを使えば武器も問題ありません」
「あ、あの、
「シアと同じになるだけだ。いっその事、お前達全員、シアと同じになればシアが寂しくなる事もないんじゃないか?」
「確かにシアにとってはその方がいいだろう」
俺の言葉にハジメも同意してくれた。
「っ!? わかりました。食べます。ですが、希望者だけにしてください」
「わかった。希望者はシアと同じ存在にしてやるし、戦えるようにしてやる。だから、今日は家族としっかりと話し合え」
「「「はい!」」」
カム達が出ていったので食事を続ける。しかし、ハウリア族のデバイスか。何が良いかな。ハウリア族は戦闘に特化した一族ではない。むしろ弱い種族だ。反面、隠れる事は得意で、隠密行動に適正がある。俺達ほどではないが、気配遮断はそれなりに使える。つまり、暗殺者や密偵として使える。
「カム達の特性を考えると園部に任せるのがいいんじゃないか?」
「私?」
「確かに暗殺者としての技術なら、優花というか、ヘイゼルとジャックの力を持っている優花が一番だ」
「確かに少しは教えられるかもしれないけれど、私は使いこなせていないよ?」
「じゃあ、こんなのはどうだ?」
ハジメの言葉を聞くと、かなり面白かった。簡単に言えばハウリア族に狙撃銃を装備させ、ハイベリアに乗せて上空から狙撃や砲撃させるのだ。彼女達は耳がいいので着弾したかどうかも観測できる。まあ、これはハイベリアの方も隠密行動ができればだが。
「……高い射撃技術がないと無理よ。ハイベリアの滞空時間は短いし、風など諸々の影響を受ける。素人じゃ無理」
詩乃の声でそちらの方を見ると、彼女は食事を終えてヘカートを取りだして整備していた。アンチマテリアルライフルを分解し、作り上げた弾丸に魔法を込めて装填していく。
「確かに上空からの狙撃は難しいか」
「でも、狙撃や射撃を教える事はできる」
「私も多分、暗殺の技術を教える事はできる……かな?」
「ならそれでいいか。ユーリ、スナイパーライフルとアサルトライフルを用意するようにシュテル達に伝えてくれるか?」
「わかりました。どんな物か希望はありますか?」
「なら、アサルトライフルはHK416*1にしてくれ」
「なら、狙撃銃はドラグノフ*2かな」
「射程は短くないか?」
「初心者にはいいだろう」
「とりあえず、伝えておきますね」
ハウリア族にはとりあえず、奈落産の蹴りウサギとバジリスク、二尾狼を食べさせよう。蹴りウサギは空中を飛べるし、バジリスクは姿を消せて石化もさせられる。二尾狼はレールガンの為だ。
「たっだいま~」
ハウリア族に何を食べさせようかと、考えていると……居なくなっていたルサルカが戻ってきた。それも後ろに
「お帰り。その人達は?」
「それなんだけど、見てもらった方がはやいかもね」
ルサルカが指を鳴らすと、森人族の人達が片足をついてしゃがみ込む。すると彼等が囲んでいたのか、中心部から妖精のような綺麗な少女が現れた。年齢は17歳ぐらいで、地面に届くほどの長い金髪を持っている。額に綺麗な宝石がついた冠をしていてローブを身に纏っている。
「私はアルテナ・ハイピストと申します。皆様のお世話と夜伽をしに参りました」
そう言いながら、ローブを脱ぐ。彼女がローブの下に着ていた服はスケスケな布で構成された薄着で、切れ目が沢山入っている。また綺麗な刺繍がいくつか取り付けられているが、ほぼ大事な部分は隠せていない。だからか、腕で胸を隠している。流石に下は隠せてはいる。
「「えい」」
そこまで見た瞬間。俺とハジメはそれぞれの隣に居たユーリとユエによって目を覆い隠された。それも頭をそれぞれの胸に押し付ける感じで完全に視界を封じられた。
「「おい」」
「「見ちゃ駄目(です)」」
「わかってる。とりあえず、ルサルカ。説明しろ」
「アルテナ・ハイピストだったか。エロフは服を着てくれ」
「エロフじゃありません!? わ、私だって……」
とりあえず、すぐにローブを着てくれたので助かった。ただ、俺の膝の上にユーリが座って対面することになる。
「で、説明してくれ」
「夜伽なんて望んでいない」
「ハジメが悪いのよ?」
「俺?」
ハジメが原因なんて思いつかないが、どういうことだ?
「あんな脅しだけで、フェアベルゲンにメリットを提示せずにハウリア族を貰ったでしょ」
「それは……」
「私も譲れない事だってのはわかってるわ。どちらにせよ、アイツ等は考えたの。本当に森を焼き払えるような力を持っているのなら、供物を捧げてフェアベルゲンに被害が及ばないようにしようってね。普通は信じられないけれど、真名が解放したデバイスと本人から発せられる尋常じゃない魔力がそれを可能とさせるだけの信憑性を与えた。そこでフェアベルゲンは私達をここに連れてきた森人族に生贄を出すように要求したのよ。案内役と監視役、それにハニートラップ要員としてね。そうでしょう?」
「はい。長老会議で決まった事は私達、森人族で主様達を誘惑して互いに争わせるか、奴隷とされた者達を助けるようにと……」
伝えられた事を聞いて思った事は、どうしてくれようかという事だ。
「あ、報復は駄目よ。これはちゃんと相手側にメリットを提示しないだけで脅しばかりをかけた貴方達が悪いんだから。相手からしたら、私達は勝手にやってきた歩く核爆弾のような物だからね」
「「ちっ」」
「……メリットを提示していたら大丈夫だった?」
「ユエの言う通り、相手にも付き合っていて得があると教えれば多少はマシだったわね。例えば解決策としては死刑の決定を奴隷としての販売に変更させ、キッチリと代価を支払って購入すれば彼等にとっても言い訳はたつの」
「ああくそ、わかったよ。相手にもちゃんとメリットを渡せってことか。というか、わかってたんなら教えろよ」
「そうそう。良い練習台になったでしょ?」
ルサルカの言葉にハジメはなんとも言えない表情になっている。確かに考えればこいつらほど練習に使って問題ない連中はいない。なんせ孤立した国家で、他国からは国とすら認められず、人権すらないような者達だ。俺達が失敗したとしても力でどうとでもできるし、それを行ったところで発生する問題は皆無だ。ああ、確かに練習台としては十分な存在だ。
「降参だ。で、その森人族が送られてきた事はわかった。だが、それは長老会議と森人族での思惑は違うってことだな。そうじゃないと本人がばらさないだろう」
「はい。私達としましては私、アルフレリック・ハイピストの孫娘、アルテナ・ハイピストの生殺与奪も含めて全てを差し上げ、奴隷として誠心誠意お仕えさせて頂き、どんな事であろうとも従います。ですので、どうか、どうか……我等をお守りください」
頭を下げてお願いしてくる彼女。彼女の長い髪の毛が床についても気にしていない。
「嫌だな。俺にはユエが居るし、要らない。そういうのは沙条に任せる」
「俺もユーリ達が居るんだが……」
「知らん。任せた」
そう言ってハジメはそそくさとユエを連れて壁際に移動した。ユエはどことなく嬉しそうに頷いている。
「お願いします! なんでもいたしますから!」
そうなると、森人族達の視線は俺の方にやってくる。確かにエルフにとても興味がある。だが、彼女を助けると色々と面倒な事をしょい込む事になるのは確実だ。
「悪いな。俺は見ての通り、小さい子が好きなんだ。優花や恵里、詩乃も居るから君みたいに成長した子はもう必要ないな」
「むっ」
詩乃達からの視線が凄く痛いが、こればかりは仕方が無い。
「わかりました。でしたら、小さい子なら問題ないのですね?」
「そうだな。まあ、できないと思うが……」
「フラグじゃないか?」
「言質は取りました」
ハジメの言葉に嫌な予感がしてきた。彼女はニコリと笑って何かの薬を取り出して、それを飲み込んだ。すると彼女の身体が光りに包まれて身体が小さくなっていく。髪の毛の長さの比率は変わらず、容姿は確かに幼くなっている。ただ、ズレ落ちそうな服を顔を赤らめながら必死に押さえていた。
「どういうことだ?」
「私達、森人族は長い年月をかけてある程度、姿を好きに変える事ができる薬を開発しました」
詳しく聞いていくと、同じ姿で居ると性行為に飽きもきて子供が産まれない。ただでさえ、子供の生まれにくい森人族にとって、それは致命的だった。また、老いた姿で長い年月で過ごすのを嫌がった者達である程度の姿を変える薬を長年の研鑽で生み出したそうだ。それこそ数百年以上、樹海で手に入る薬草などを使って。
「アルフレリックさんはかなり年老いていたが……」
「威厳を出すためです。他の種族からしたら若い見た目では侮られるからです。逆に小さい子達はこの薬の使い方を覚えたら自分用に調整した物を作ってある程度成長させてます。幼いままだと危ないからです」
一応、この薬はある程度しか変えられないらしい。身長と体重、一部を多少弄って容姿を整えるぐらいらしい。ただ、あくまでも自分の姿しかできないとのこと。つまり、薬の作り方を覚えた若い年齢の身体から年老いた年齢の身体までは可能らしい。実際に年老いた姿になるまで、そちらの姿はなれないみたいだが……ずるい薬である。
「まあ、長命になったら欲しいものよね~私も使えるし」
「だろうな!」
「私は必要ない。吸血鬼だし」
「私も大丈夫ですね。身体はプログラムですから……」
人である鈴達が聞いたら激怒する言葉である。
「怒られる前にルサルカのでいいから覚えさせておいてくれ」
「は、はい、わかりました」
「で、アルテナ・ハイピストはどうするんだ? まさか約束を反故にはしないよな?」
「……お願いします。本当にどのように扱ってくださっても構いません。それこそ、他の殿方に夜伽をしろと言われればしますし、肉の盾となれと言われればなります」
「姫様っ」
「構いません。私はどうなってもいいので、同胞達の事だけはお助けください」
彼女の覚悟は本物か。ただ、必死に顔を赤らめながら服を押さえているので、少しあれだ。
「ユーリ達次第だ。どう思う?」
「私は賛成です。亜人さん達が酷い目に会っていますし、助けてあげたいですから……それにルサルカさんが連れてきたのなら、考えがあるんですよね?」
「ええ、もちろんよ。ここ、ハルツィナ樹海の大迷宮を攻略し、ハッキング? クラッキング? するのに時間がかかるし、拠点を作成するわ。その拠点を守ってもらう兵力が欲しいの。人間や魔族が攻めてくるでしょうしね」
「人間はともかく、魔族がくるのか?」
「可能性が高いでしょうね。考えてもみなさいよ。魔族は
「神代魔法か」
「ええ、その通りよ。外れているかもしれないけれど、警戒するに値するわ。ハルツィナ樹海は大迷宮として有名なのだし、私が魔族なら確実に襲うわね」
「なるほどな。それと人手確保か。それなら森人族を迎え入れるのは確かにベストだな。さっきの言い方からして部族のほとんどをこっちに送ってきてもいいと思っているみたいだしな」
俺達の会話にハジメも入ってきた。確かに二人の言う通り、森人族を率いれるのは手っ取り早く数を増やせる。ハウリア族と一緒に鍛えれば戦力になるだろう。おそらく、ルサルカがアルテナ・ハイピストを連れてきたのは、ハニートラップというよりも森人族のお姫様を娶らせる事で裏切りを防止する狙いもあるのだろう。
「とりあえず、着替えさせましょうよ。その恰好はないわ」
「そうだな。そちらの要求はある程度受け入れる。だから着替えてくるといい。姿は好きにしてくれ」
「あ、ありがとうございます」
さて、お姫様が女性の森人族と少し離れた場所に移動し、着替えを行っていく。その間に男性の森人族がこちらにやってくる。
「我等九名は姫様の護衛ですが、我等も奴隷として扱ってください」
「いいのか?」
「もとよりフェアベルゲンではそのような扱いを受けます。また、姫様をフェアベルゲンに返す事だけはお止めください。他の長老達によって始末される可能性があります」
「死ぬことも覚悟してきているのね……すごいかも」
優花の言う通り、彼女達は背水の陣できている。代価は自分達の命と森人族の運命。それにフェアベルゲンか。
「そちらに建国の意思があると、こちらのあ……女性からお聞きしました。是非とも、我等もその末席に加えていただきたいのです。我々も何時までも閉じこもっていては全滅させられます」
「まあ、こんなところに籠っていられないか」
「はい。それに個人的にではありますが、解放者であるリューティリス・ハルツィナ様のご意思を継ぐ皆様方に従うのは我等、ハルツィナ樹海に住む森人族としては当然の事と考えます」
「リューティリス・ハルツィナってこの樹海を作った奴か」
「はい。故に我等はハルツィナ樹海の守護者として身命を賭す覚悟はできております」
「その通りです」
どうやら、着替え終わったようでアルテナ・ハイピストが幼い姿のままで戻ってきた。ただ、服装はフリルがあしらわれた純白のドレスに青いリボンが施された姿に変わっており、髪の毛も青いシュシュのような物でツインテールにされ、幼さが強調されている。スカートの部分は複数の白い薄い生地を重ねて作られており、ふわふわと浮いている。
「それは……」
「嫁入り衣装ですか?」
「嫁入り衣装にも使われる物です。この姿ではあの衣装は似合わないと皆が言うので……」
うんうんと頷く女性の森人族達。
「綺麗ね……」
「私達も着てみたいかも」
「それなら、ご用意いたしますよ。ただ、非常に高価な品物になりますので……すぐには御用意できません。この衣装は森人族が総出で成長してお嫁にいく子供の為に幼い頃から長い時間をかけて少しずつ用意していくものなので……」
オルクス大迷宮の奈落では鉱石系が多かったが、こちらは獣や虫、植物などが多いようだ。
「長命種ならではのものか」
「交易品として十分に使えるから、この布を仕入れて外で売れば結構な額になるんじゃないかしら?」
「量産は可能なのか?」
「難しいです。この樹海に住むフェルトと呼ばれる
「なら、大量生産は可能ですね」
「では、それを交易品とするのはいいとして、こちらから要求がある」
「なんでしょうか? 主様の言う事でしたら、同胞に被害が及ばない限りでしたらなんでもききます」
「お前達にはハウリア族と同じく、
「それは……死ねとおっしゃるのでしょうか?」
「違う。死ぬほど苦しいが、死ぬ事はない。俺が実際に証明している」
「まあ、簡単に言ってしまうと、
こうすればフェアベルゲンに住む森人族のところには確実に帰れない。だが、その代わりに力を手に入れられる。
「なるほど、私達に忠誠を示せということですか……」
「戻れる場所がなくなるが、それでもいいのなら俺が建国する国に高待遇で迎え入れる事を約束するし、出来る限り守ろう」
「その国が私達亜人も虐げられることなく、普通に過ごせるのならこの身を惜しむ理由にはなりません。喜んで食べさせていただきます。ですが、皆は……」
「私達は姫様についていくだけです。姫様が食べるといわれるのなら、我等も食べます」
「はい。アルテナ様だけに辛い思いはさせません」
「いえ、辛くはありませんよ。だって、主様と一緒にいけば偉大なるリューティリス・ハルツィナ様の軌跡を辿れるのですから」
ああ、ファンなのか。まあ、彼女達からしたら英雄であり、偉人なのだろう。
「優花や詩乃も、アルテナを迎え入れることでいいよな?」
「私はどちらでもいいです。ご主人様の好きになさってください」
「私も別にいいよ。必死に強がって頑張ってる子は応援してあげたいし。それに女の子が増えるのは今更だしね」
「ごめん」
「ちゃんと愛してくれたらいいから。ただ、平等に愛してくれないと……」
「と?」
「バッキューン」
「はい。わかりました」
詩乃と優花の許可も貰えたので大丈夫だ。アストルフォ達はわからないが、まあ大丈夫だろう。しかし、森人族の装備も考えないといけないな。森人族だから、やはり弓か?
いや、
「よし、アルテナ。早速だが、こちらに来てくれ」
「は、はい」
てくてくと寄ってくると、可愛らしいお嫁さんの姿が見える。ユーリとだいたい同じくらいか。金色の髪の毛をツインテールかゆるふわのウェーブかの違いだ。後はやはり耳。悔しいが、俺の趣味をしっかりとついてきている。
「本当に好きにしていいんだな?」
「はい。同胞の事をよろしくしてくださるのなら、なんでも受け入れます」
「わかった。じゃあ、早速だが、耳を触らせてくれ」
「はい? え、えっと、耳をですか?」
「ああ、駄目か?」
「いえ、大丈夫です。ただ、初めてなので……その、優しくしてください……」
「ああ、もちろんだ」
彼女、アルテナを膝の上に乗せて耳を触っていく。すると喘ぎ声をもらしだすのだが、ユーリも一緒になって触っていく。やはり、彼女も知的好奇心には勝てなかったか。ハジメも触りたそうにしていたが、すかさずユエがブロックしているのでできなかった。とりあえず、ハジメを除く全員でエルフ耳を堪能させてもらった。アルテナはふにゃふにゃになってしまったが、これも通過儀礼だと諦めてもらおう。ただ、詩乃が若干ほっとしたあと、少し羨ましいそうにしていたのでたっぷりと彼女もモフってやった。
エルフの変身薬:数十年、数百年かけて作り上げられた森人族専用の薬。若くて綺麗な身体を手に入れられる。ただし、寿命は変わらず。一度変更したらしばらくはそのままになる。期間を置かないと骨格などに異常をきたす場合があるからだ。
エルフの結婚衣装:ラフィーの結婚衣装をイメージ。やっと実装されましたね(おそ
ハウリア族とエルフの一部は
アルテナ・ハイピストの行き先
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ハジメルート
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真名ルート