ネコネとリムリの二人と愛し合った次の日、ラピュタの探索を行うことにした。ラピュタは天空の城と呼ばれるだけあって、外に出て呼び出した。
巨大な魔法陣が展開されて馬鹿みたいな魔力と召喚キャパシティを消費した。300も使うとか、愛歌の半分以下だが普通の者達と比べると数倍だ。
魔法陣から浮き上がるように召喚されたラピュタは自動で空へと移動し、途中で停止する。すると周りを確認すると中央に大樹が存在したので、そちらに移動してみた。
ラピュタの中を探検をしようとすると、目の前にロボット兵が現れてピコピコと音と点滅させながら手を出してくる。その手にはペンダント状の飛行石が存在している上になんて言っているのかがわかってしまった。
そう、俺達には言語理解というチートスキルが存在したので、ロボット兵の言葉もわかったし、制御端末の操作方法もわかってしまった。
後はもう拍子抜けするほど簡単だ。我等が誇る科学者連中。ユーリやハク達があっさりとシステムを解析したのだ。後は操作と改造をハクが行う事になったが、そちらは時間がかかるのでハクに任せる。
とりあえず、ラピュタは自前でエネルギーを生成できるのでそれを持って維持コストにあてる。だが、戦闘や生産をすると飛行石のエネルギーはかなり無くなってしまうので魔導炉はおいおい設置し、とりあえずの突貫作業としてはソーラーパネルを複数設置して電力供給を行わせることにした。
まあ、ラピュタの件はこんな感じで終わり、俺は次の日に鈴達と共に馬車に乗って旅に出た。馬車にはラピュタから手に入れた金銀財宝やハルツィナ樹海から得た薬草など、金になりそうな物を積み込んでいる。武具に関しては売り物としてユーリ達が片手間で作り出した粗悪品だ。
一緒に居るのは鈴、恵里、優花、美遊の人間組と詩乃、アルテラ、ネコネ、リムリの亜人組。詩乃に関しては微妙に違うが、アバターがケットシータイプなので亜人側だ。総勢、八人と一人の旅というわけだ。
用意したのは全長五メートル、横幅二メートルの箱馬車を二つ用意した。一つは俺と嫁達で使う箱馬車で、もう一つは牢屋がついている箱馬車だ。この二つは連結させてあるが、切り離せるようにできている。それに途中でラプトルモドキを追加で二匹を繋げるようにできているのでこの馬車自体で逃げる事も可能だ。
前方の居住空間の馬車は天井にソーラーパネルを設置してあるし、魔力の代わりに電気で灯りを確保できる。それにキッチンとシャワー、トイレも設置してあるので、生活は可能だ。もちろん、大きなベッドやソファー、テーブルなども設置した。
そんな馬車をラプトルモドキ四匹に引かせている。一応、これ以外にも護衛用の
そんな感じでフューレンの町へ目指して出発した。ブルックの町でないのは俺達が色々とやっている間にハジメ達が移動したからだ。
それ以外の問題は移動中が凄く暇になる事だ。なので必然的に嫁達の談笑と快楽を伴う接触が増えていく。
「むう、これは結構難しいですね」
「確かにそうなのですが、覚えるしかないのですよ。あの、詩乃さん、ここはどうしたらいいのです?」
「ここはここをクリックすればいいの」
といっても、同時に全員の相手はできない。なので馬車の壁際に設置されたパソコンの前にある椅子にネコネと
ネコネとイヌイはこれから手書きで木簡などを使う内容から、パソコンによる電子システムへと移行させる。やはりパソコンを使う方が作業効率が全然違うからだ。なので覚えるしかない。
「頑張ってる。でも、やっぱり慣れるまで時間はかかりそうかな」
「うんうん。鈴もよくわかってないところもあるしね~」
「それなら今度教えてやろうか?」
御者台に座って隣に居る恵里と鈴がそれぞれ左右から俺に頭を預けて来ているので、こちらも肩に手を回して二人の肩を抱いている。当然、二人の体温と匂い、柔らかさも堪能できる。
「それはそれで嬉しいけれど、もうブレインコンピュータがあるから思考で操作できるからね~」
「そうよね。データは送信すればいいだけだし、そう考えるとキーボードとか、必要ないのよね」
「あった方が使い易いかもしれないけどな」
二人が顔を擦りつけてきたり、臭いをかいで来たりもしている中、ゆっくりする。朝と夜、二回の運動が色々とあるからだ。
基本的にローテーションを組んで夜と朝組に別れ、当番の子達が満足するまで相手をしている。全力で気絶までするのは流石に外だと安全面が確保できないからだ。
本気で満足するまでやる時は街中で護衛を四人残して、二日にかけて交代で相手をする事にした。それも俺が課題を達成したご褒美としてだ。課題は色々と用意されている。例えばユーリから出された科学的な問題やルサルカから出された魔術的な問題。リムリやネコネ、オシュトルから出された皇としての問題もある。それに加えて商売に関する情報などもあり、とても大変だ。
特に各街々に配置しているシュテルの分体や分身達に頼んで集めてもらった市場価格や需要と供給などのデータを収集させ、それらをビックデータとして貰って解析している。高性能なブレインコンピュータと美遊の手助けもあって大体の知識は得られているので、後は商売で生かすだけだ。
ちなみにここに居ないアルテナと優花だが、二人は現在ベッドで眠っている。彼女達は夜の護衛をお願いするので仕方がない。
といっても、重力魔法によって馬車の車輪が微かに地面から浮かび上がっているので、重量はほぼ感じないように軽減されている。重量軽減とラプトルモドキ自体に施された強化魔術によってかなり速度を出せていた。そのせいか、すでにフューレンの町が見えてきている。
「速度を落とさないとな」
「列にならぶんだよね?」
「ああ。それとステータスプレートの隠蔽はしっかりとしておいてくれよ」
「了解。とりあえず、ステータスは高いのが500でそれ以外は100にしておく?」
「それでも十分に高いと思うぞ」
「え”」
「鈴、いくつにしてるの?」
「オール1200だけど……」
「桁一つ下げておけ」
ちなみに俺達のステータスは既に万単位を超えている。というのも
「それと結界師というレア職業も変えておいた方がいいな」
「じゃあ、商人にしておく?」
「それでいいかも。面倒だしね」
「私もそうしておこ。まなまなはどうするの?」
「俺は奴隷商にでもしておく。これが奴隷を扱う上で一番いいしな」
「そっか。それじゃあ、鈴は普通の商人で、えりえりは……」
「武器商人かな。優花はどうする?」
「優花は暗殺者でいいとして、名前も念の為にヘイゼルに変えておくように伝えてくれ」
「了解」
恵里が席の横からから後ろに下がっていったので、鈴の頭を撫でてステータスを修正する。他の面々は亜人や召喚した存在なのでステータスプレートは所持していない。代わりにしっかりと首輪をつけておく必要があるのだが、昨日のうちに手づから嵌めておいたので大丈夫だ。ちらりと後ろに視線をやれば詩乃やネコネ達の首にはしっかりと首輪が存在している。
「ん~ここに南雲君達がいるんだよね?」
「そのはずだ。ここから更に移動していなければだけどな」
「ユエユエ達が元気ならいいけど~」
「厄介ごとに巻き込まれてないかも心配だな」
そんな話をしていると、優花達も起きてきた。彼女達もステータスプレートをしっかりと隠蔽しているのを確認してから、馬車用の所に並ぶ。だが、他の馬車よりも明らかに大きいのでかなり目立つ。だが、この街なら問題なく入れるだろう。
【中立商業都市フューレン】
高さ二十メートル、長さ二百キロメートルの外壁で囲まれた大陸一の商業都市らしい。あらゆる業種が、この都市で日々しのぎを削り合っており、夢を叶え成功を収める者もいれば、あっさり無一文となって悄然と出て行く者も多くいて奴隷落ちする者までいる。観光で訪れる者や取引に訪れる者など出入りの激しさでも大陸一と言えるだろう。
その巨大さからフューレンは四つのエリアに分かれている。この都市における様々な手続関係の施設が集まっている中央区、娯楽施設が集まった観光区、武器防具はもちろん家具類などを生産、直販している職人区、あらゆる業種の店が並ぶ商業区がそれだ。
東西南北にそれぞれ中央区に続くメインストリートがあり、中心部に近いほど信用のある店が多いというのが常識らしい。メインストリートからも中央区からも遠い場所は、かなりアコギでブラックな商売、言い換えれば闇市的な店が多い。その分、時々とんでもない掘り出し物が出たりするので、冒険者や傭兵のような荒事に慣れている者達が、よく出入りしているようだ。
つまり、命知らずな馬鹿共が多いという事に他ならない。商売する場所は闇市がいいのだが、そうすると普通の客が来るかはわからない。まあ、奴隷商売なんてしている奴は基本的に非合法だろうから問題ない。
「ん~ついたの?」
「ああ。優花達は眠そうだな」
「ん、まだね眠い……」
「ステータスプレートさえ偽造できていたらいいぞ」
「わたしたちは情報隠蔽は得意。任せて……」
「そういえばジャック・ザ・リッパーは情報抹消を持っていたな」
「ん」
半裸状態で眠そうにしている優花を後ろに戻し、順番を待つ。少しすると順番が着て兵士がこちらにやってきた。それから、不思議そうにしながらも警戒しつつこちらを見ているので扉を開けて外に出る。すると兵士達はかなりホッとしたような感じがする。何故だろうか?
「そこが扉だったのか……」
「そうだ。この馬車は我々が開発した新型でね。大型だが荷物を運ぶのにはいい」
「な、なるほど……だ、だが、この凶悪な
「ああ、こいつらか」
どうやら兵士達が怖がっていたのはラプトルモドキ達らしい。俺達にとっては雑魚だが、奈落産の
「ライセン大渓谷を知っているか?」
「あ、ああ……」
「あそこに生息している
「ま、魔族共の力か?」
「闇魔法をご存じないか?」
「詳しくは知らない」
「そうか。まあ、魔族共と同じかはわからないが、手に入れたアーティファクトで操っているのは変わりない」
ラプトルモドキの横に立ち、撫でてやると気持ちよさそう喉を鳴らす。同時に鈴と恵里も降りて来てラプトルモドキたちに餌の肉を与えていく。
「この通り、襲う相手は敵だけだと調教してある。街中に入れるのが問題なら外で待機させるが、商品を積んでいるので、代わりの馬車か馬を手配して頂きたい」
「それはなんとも言えないので確認してくる」
「頼む」
兵士達の一部が門へと走っていくので、残った者と話をする。
「この街に来た目的は商売でいいのでしょうか?」
「その通り。帝国の方から奴隷を購入してくるように依頼されている」
「……前線は大変らしいですからね」
「ああ、そうらしい。直接は見ていないが、色々と大変みたいだ。中立の商業都市なら質のいい奴隷が沢山手に入ると思ってきたのだが、問題ないだろうか?」
「こちらとしても問題ありません。ただ、ステータスプレートを確認してもよろしいでしょうか?」
「もちろんだ」
俺と鈴、恵里、
「え、男?」
「何か?」
「いえ、失礼しました。マーナ・ライン様ですね。天職は奴隷商で、ステータスはかなり高いですね」
「これでも危ない場所に色々と出向いて商品を手に入れているので」
「三名は確認できましたが、後一名は……」
「中に居る。それと奴隷が三人だ。奴隷の方は亜人だからステータスプレートは持っていない」
「荷物を検めさせてもらってもいいですか? これは税金に関わる事なので、全員にお願いしております」
「わかったが、少し待ってくれ。鈴、ヘイゼルが服を着ているか確認してきてくれ。寝ぼけてまだ半裸の可能性がある。それと奴隷達も出してくれ」
「了解~」
鈴が馬車の中に戻ってから、話し声が聞こえてくる。やっぱりまだ着替えていなかったようだ。少しすると眠そうな優花がちゃんとヘイゼルの恰好をしながら出てきた。腰には刀を差していて、口元には黒いマフラーを巻いている。肌色のセーターに赤い上着を着た彼女は兵士達を一瞥してから、すぐに背中を馬車に預ける。
「彼女は……」
「ヘイゼルだ」
「天職は暗殺者ですか……」
「護衛として重宝している。それに夜の警備も担当してもらっているので、あまり刺激しないでやってくれ。敵と間違えてバッサリやってしまうかもしれない。正直、ライセン大渓谷でこいつらを捕獲できたのは彼女のお陰でもあるんだ」
「わ、わかりました。指名手配などはされていないので問題ないです。奴隷の件ですが……凄いですね。森人族に虎人族、それに彼女達の種族はなんでしょうか?」
「わからない。だが、従業員としているので彼女達は非売品だ」
出てきたネコネとアルテナはそれぞれ怖がってイヌイと詩乃に抱き着いている。詩乃達は無遠慮に見られる視線に睨み付けていた。
「ネコネ、目録を頼む」
「は、はいなのです!」
すぐに俺の横にやってきて目録を渡すと、俺の後ろに隠れた。散々脅してあるから、ネコネ達にとっては怖い存在だろう。
「確認させていただきます……宝石類と薬草、武器ですか……」
「武器類は売れなければオルクス大迷宮の方へと運ぼうと思っている。何せ勇者様達が召喚されたと聞いたからな」
「なるほど……この財宝は……」
「途中で寄ったハルツィナ樹海から手に入れた物だ。この奴隷達も一部はそこで手に入れた。だから、調教も完全に済んではいない」
「わかりました。税金の計算をしますので、少々お待ちください」
兵士達と一緒に馬車の中身も確認してもらう。積み込んである箱を開けて中身の確認をしてもらい、隠している物がないか、キッチリと調べてもらう。
一時間ほどかかったが、問題なく税金を支払って通行の許可を得た。前にルサルカとデートした時に貨幣は確認しているし、一部はちゃんと取ってある。それを使えばいいだけだ。
「確かに受け取りました。これが受領書です」
「ああ、ついでにこの街で商売をするには商業ギルドに行けばいいのだろうか? 基本的にあちらの方で動いていたので、国が変われば細部が違うかもしれないので教えて欲しい」
「そうですね。商業ギルドの方で登録されれば問題ないかと思います」
「何処にあるかな?」
「場所は……」
無事に教えてもらえたので、お礼として一万ルタを渡して馬車を動かしていく。それとラプトルモドキはちゃんと口枷などをしておけば問題ないようだが、普通の馬小屋などでは預かれないだろうとも言われて、高い宿を教えてくれた。
「それでどうするの?」
「まずは商業ギルドに向かう。交渉に関する事だから、俺と……」
「私が行くのです。ヤマトでも経理とかの仕事はしていたので、問題ないのです。ただ、私が交渉できるかという問題があるのですが……」
「それなら、俺の中に入って交渉すれば大丈夫だ。護衛は優花、ヘイゼルについてきてもらおう。鈴と恵里は馬車を持っていって宿の確保を頼む」
美遊も居るから、二人で協力してもらえばきっと大丈夫だ。
「荷物はどうするの?」
「とりあえず、登録して宝石とかを一部売ってくる。オークションがあるのなら、そっちにする予定だから普通に持っていくさ。そうだな……悪いが、詩乃も荷物持ちとしてついてきてくれ」
「任せて」
本当は荷物なんて俺が持てばいいのだが、奴隷に持たせないで主人の方が持つと問題がある。普通の連中なら問題ないが、エヒトの狂信者共に見付かれば異端者扱いされる可能性もあるからな。
「アルテナとイヌイは鈴達について行ってくれ」
「わかりました主様」
「そうですね。確かに鈴さん達の方は戦力が少ないですし、了解しました」
商業ギルドに行くのが俺と美遊、ネコネと優花、詩乃の五人。宿を確保するのが鈴、恵里、アルテナ、イヌイの四人だ。
「落ち合うのは何処にする?」
「ハジメ達と合流したいから、冒険者ギルドか宿で合流だな。馬車に見張りを置いておきたいし、鈴か恵里のどちらかと、アルテナとイヌイのどちらかは馬車に残ってくれ。必ず二人一組で人と亜人のペアになるようにな」
「了解だよ。えりえり、どうする?」
「冒険者ギルドには興味があるから行ってみたいかな」
「それじゃあ、鈴がお留守番しておくね」
「でしたら、私が残りますね。鈴様は攻撃力がありませんが、恵里様の方は前衛が欲しいでしょうし……」
「確かにそうかも。僕も簡単に負けるつもりはないけど、前衛が居るのと居ないのとじゃ全然違うしね」
「鈴が守ってアルテナが攻撃すればそちらは問題ない。イヌイと恵里が互いに支援すればどうにかなるだろう。最悪、イヌイは時間を稼いで恵里が死霊術かネクロノミコンを行使すればそれで終わりだ。他に何か聞きたい事はあるか?」
皆を見渡すと、恵里が手を上げてきた。
「僕達に手を出そうとしてくる愚か者共の対処はどうする?」
「穏便に最初は話し合いで帰ってもらえ。それが無理なら、処理は任せる。どちらにせよ、どんな要求であろうと皆を売る事は断じて有り得ない」
「つまり、殺ってもいいんだね」
「ああ、構わない。だが、どうせなら絞り尽せ」
「了解。そういうのは得意だよ」
ニヤリと笑う恵里に俺も笑い返す。俺達を見て他の皆はなんとも言えない表情になっていたが、気にしない。俺と恵里、どちらに当たるのが不幸なのだろうか? おそらく恵里だろうな。何せ俺は簡単に殺してやるが、恵里は違う。そう考えると一番の当たりは鈴達だろうな。