ありふれた職業の召喚(ガチャ)士で世界最弱   作:ヴィヴィオ

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ちょこっと修正しました。愛ちゃん先生との会話部分です


第63話

 湖で遊び、夕食を食べてから宿に入る。流石は上級の宿とはいえ、風呂は無い。水浴びなどができる場所こそあれ、基本的に田舎なので仕方がないだろう。

 もちろん、俺達は自前の馬車にシャワールームがあるので、そこで済ませてから部屋に入る。騎士達は彼等がかりている一室に縛りつけて監禁し、騎士達の情報をクラスメイト達を除く全員から優花が消したので問題はない。一応、その部屋は見張りとして恵里が呼び出した死霊が彼等の中に入って行動を縛ると同時に監視をしているので逃げだす事は不可能だ。

 

「んっ……そこ、いい……もっとぉ、してぇ……」

「こっちもお願いするのです……ひゃぁっ!」

「ひぅっ! そこは……やめぇ……」

 

 俺が取っている大人数の部屋。ベッドの上には風呂上りで一糸まとわぬ姿となっている詩乃、ネコネ、イヌイの三人がうつ伏せになって寝転んでいる。その綺麗な身体を見ながら撫でまわしていく。同時に彼女達からは喘ぎ声が上がってくる。

 

「何をしているんですかぁっ!」

 

 扉がいきなり開かれ、顔を真っ赤にした愛ちゃん先生が入ってきたのですぐにシーツで三人の身体を隠す。愛ちゃん先生の後ろには同じように顔を赤くしたクラスメイト達の姿が見える。菅原や宮崎以外にも相川や仁村、玉井なども奥の方、廊下側に居て後ろを向いているが興味津々のようでチラチラ見ようとして他の女子に止められている。

 

「何ってブラッシングだけど」

「ブラッシング……?」

「そう。尻尾の根本は自分達できないし、風呂に入ったら拭いてやってからしっかりと毛並みを整えていくんだ」

「モフモフを維持するためには重要な事だよ~」

「だったらなんで裸なんですか! だいたい沙条君がしなくても同性の谷口さんとかに頼めばいいですよね!」

「三人はマナマナのお嫁さんで、こっちだと所有物だもん。ちゃんと世話は自分でしないとだめだよね~」

「三人は物じゃないですよ!」

「聖神教会は物として扱っているよ、先生」

 

 鈴と恵里が対応している間に用意した服を三人に渡してから、愛ちゃん先生の近くへ向かう。

 

「着替えさせるからちょっと待っててくれ」

 

 鈴達と一緒に愛ちゃん先生を外に出して扉を閉めてから、着替えを終えるまで準備をして待つ。テーブルを用意して全員が座れるように整えると、三人がちゃんと服を着て身だしなみを整えられたようだ。なので扉を開けて中に入ってもらう。

 

「ハジメ達はまだみたいだから寛いで待っていてくれ。アルテナ、頼む」

「かしこまりました主様」

「私も手伝う」

「ありがとうございますヘイゼル様」

「私達もやろうか」

「はいなのです」

 

 アルテナとヘイゼルを中心として、嫁達によってテーブルの上に焼菓子や飲物が用意されていく。これらは商業都市フューレンで買っておいた物だろう。

 

「さて、まずは自己紹介からしましょうか」

「そうですね。お話はそれからがいいですね」

「じゃあ、まずは詩乃からだ」

「わかった。私は朝田詩乃。基本的にスナイパーをしている。次はイヌイとネコネ」

「イヌイです。よろしくお願いします。剣士をしております」

「ネコネです。法術師と商会の会計をしているのです」

「次は私ですね。私はアルテナ・ハイピストと申します。主に主様や皆様のお世話を担当させていただいております」

「エルフ……なんだよ?」

「エルフという言葉はわかりませんが、私は森人族という種族でございます」

 

 詳しい質問タイムに入りそうなのを愛ちゃん先生がぶった切って止める。

 

「そちらの人は何方なのですか?」

「ヘイゼルは後で教える。それよりも、愛ちゃん先生は俺達に聞きたい事があるんだよな?」

「はい。まずその人達との関係は南雲君に少し聞いたので一旦、置いておくとして……これまでの事を詳しく話して欲しいです。そして、これからどうするかも教えてください」

 

 愛ちゃん先生は真剣な表情で言ってくるので、こちらもしっかりと答える。元から全てを話すつもりだったので問題ない。

 

「ではこれまでの事を伝えようと思うが……」

「その前に俺達から話した方が、まだましだろう」

 

 扉が開いてハジメ達が入ってくる。どうやら、タイミングを見計らっていたようだ。まあ、別に構わない。

 

「確かにそっちからの方がいいな。それじゃあ、ハジメ達から頼む」

「ああ。まず俺達は……」

 

 それからハジメが説明していく。奈落へと落ちて腕を熊に切り落とされて食われ、なんとか逃げ延びた先で見つけた神結晶の事。そして、罠を仕掛けて魔物(モンスター)を食べて死にかけて、神結晶から出る神水でなんとか命を繋ぎとめた事などを詳しくだ。もちろん、ユエと出会ってさらに奥へと進むと次はユーリが放ったレヴィと合流することになり、俺達の生存を知った事を伝えていく。

 

「まじかよ……」

「そんなわけで俺は義手になっている。こっちの片目もやられたから義眼だな」

「その、大丈夫なのですか?」

「ああ、大丈夫」

 

 本気で心配している愛ちゃん先生達にハジメがなんでもない風に答えているが、ぶっちゃけていうと効率と趣味を優先しているだけなんだよな。

 

「そこまで気にする必要はないって。だって、コイツは治せるのに治してないだけだからな」

「阿保か。俺は優先順位と効率を優先しただけだ」

「どういうことですか?」

 

 愛ちゃん先生がいい笑顔で詰問してくるので、詳しく教えてあげる。

 

「俺達は手足の再生が出来る施設を開発した。そのおかげで俺達も身体が修復できている」

「愛ちゃん先生には前に言ったが、俺達の中では沙条が一番重症だったからな。その次は谷口と中村だ。俺はまだましな方だ。それに技術者も少ないから順番待ちしていたしな」

「それじゃあ、何れは治すんですね?」

「もちろん、そのつもりだ」

「それなら良かったです」

「まあ、俺の方はそこから沙条と合流した。ただ、沙条や谷口と中村の方は心して聞けよ」

「じゃあ、鈴達から話すね~」

 

 愛ちゃん先生はある程度知っているだろうが、他の連中は知らないので話していく事は効果的だ。

 

「鈴達も南雲君と同じで奈落に落ちたんだけど、三人一緒だったんだ。それは鈴達三人が一緒に落ちたからでね~」

「まあ、そもそも僕が鈴を突き落としたから、それに怒った真名が僕を突き落として一緒に落ちたからだけど」

「「「えっ!?」」

 

 鈴が落ちた所から説明していたら、いきなり恵里が暴露して先生達が驚愕の表情になる。だが、これは無理はないだろう。

 

「それがあの時の真相なんだ……」

「なんで中村さんは谷口さんを突き落としたのですか?」

「鈴が僕の幸せに邪魔だったからかな。まあ、今はもう別の幸せを手に入れたからいいけどね。それに仲良しだし」

「だね~」

 

 鈴と恵里が互いに抱き合ってキャッキャウフフとしているのを宮崎達は呆然と見ている。まあ、自分を殺そうとした奴とこんな仲良くなっているとは思わないだろう。

 

「ほら、続きを教えてやれ」

「そうだね」

「あの後は……」

 

 そこから続く話に愛ちゃん先生達は顔色を悪くしていく。鈴と恵里は身体の一部がなくなり、俺はほぼ取り変えるような状況になった上、殺戮衝動が発生するスキルの事なども包み隠さずに教えた。

 

「召喚した英霊達(アストルフォとルサルカ)に協力してもらわなければ確実に俺達は死んでいた」

「だよね~。鈴は足が無かったし、えりえりも片手と片足だしね~」

「うん。アレは無理。真名が召喚してくれなかったら、今頃はお腹の中だったかも」

「まあ、それ以外も大変だったけどね。凄く恥ずかしかったし」

「僕はまあ、恥ずかしかったけど別に嫌じゃなかったかな」

 

 二人は楽しそうに思い出を語っていくが、どう考えても内容がやばい。

 

「これはストックホルム症候群*1みたいな感じですか? それとも吊橋効果? どちらでもいいですが……お二人は今の関係が問題ないと思っているんですよね?」

「そうだよ~」

「一人の男性を皆でシェアするのは色々と助かる部分もあるしね。まあ、赤裸々な事になるから言わないけど」

「今の魔改造されたマナマナを一人で相手するとか無理だしね~」

「こら」

「わ、わかりました。そちらの関係についてはとやかく言いません。続きをお願いします」

「ここからは俺が話そうか。50階層で合流してからは──」

 

 先生達に全部話す。最下層の拠点を手に入れた事。更にそこに知らされたエヒトと解放者達の真実。更にユーリが呼び出したシュテルが王都を監視して情報を得ていた事。それによって手に入れた情報についても知らせる。

 

「そんな、園部さんは自分から囮になって魔族の人と一緒に自爆したって……」

「檜山が優花にそんなことを……?」

「アイツ……」

 

 宮崎や菅原達は拳を強く握りながら、涙を流していく。

 

「檜山君が関わっているのは事実なのですか?」

「間違いない。何せ本人から聞いたからな」

「そうだよな、本人が言っているのなら間違いはないよな」

「だよね」

「うん。これは……って、本人?」

「情報を手に入れたので優花は助けた」

「ほ、本当に園部さんは生きているのですか?」

 

 先生がガチ泣きしながら聞いてくる。その背後からヘイゼルの姿のまま優花が愛ちゃん先生、宮崎、菅原の三人を纏めて抱きしめて姿を戻す。

 

「生きてちゃ悪い?」

「ゆ、優花ぁぁぁっ!」

「よかったぁぁ!」

「うぅぅ、園部さん……」

 

 女性陣で色々と泣きながら話している間に俺はアルテナが入れてくれた紅茶を飲みながら、ほっとしている男性陣と話す。当然、ハジメも一緒だ。

 

「まあ、こんな経緯があって俺達は戻らない事にしたんだ」

「確かにそれが正解だよな。南雲はともかく、沙条は裏切り者にされてるし」

「しかし、南雲が言っていたが、ダンジョンに出会いを求めた結果が嫁さんいっぱいか。そこは羨ましいが、正直言ってそんな極限状態はアレだな。素直に無理だわ」

「俺達だって狙ってやってるわけじゃないぞ」

「そうだな。そんな暇もない。まともに寝るのすら大変だから、日が経つにつれて慣れないとあっけなく餌行きだ」

「でも、羨ましいものは羨ましいよな。やろうとはおもわんけど」

「確かに」

 

 相川達が頷いているのは理解はできる。確かに俺があちらの立場だったら羨ましくは思う。だが、決してやることはないだろう。賭けに勝てる可能性なんてほぼゼロだ。こっちとら、愛歌様の援護があって因果を捻じ曲げた結果だからな。

 

「だが、ここに可愛いケモ耳やエルフ耳の可愛い彼女や綺麗な嫁が出来るチャンスがあると言ったらどうする?」

「「マジ?」」

「マジだ」

「今なら手軽に強くなれるチャンスもくれてやるぞ。安全だし、ちょっと注射を撃つだけの簡単な事だ。まあ、姿は俺みたいにちょっと変わるがな」

「南雲みたいにか……」

「それに加えて大型の軍用バイクなどがついてくるビックチャンス!」

「マジか! 欲しい!」

「相川……」

「だって、彼女とバイクで大自然の中をドライブとか夢じゃねえか!」

「まあ、いいよな」

「ああ、いい……」

「それ、本当に叶える気はないか? ちゃんと相手の事を考えて真摯に接していれば確実に落とせる。どちらにせよ、エルフ……森人族なら確実に紹介はできる。なにせアルテナは森人族の長の孫娘だ。シアもそうだから、うさ耳美少女もだな。つまりバニーガールの彼女やエルフの彼女ができるってわけだ」

 

 男子達がゴクリと喉を鳴らす。

 

「じょ、条件はなんだ?」

「そうだ。どうせお高いんだろ?」

「簡単な事だ。お前達が俺達の国に来て手伝ってくれるだけでいい。労働は八時間。嫁候補の子達と仲良く簡単な仕事をするだけだ。戦闘がいやならしなくていい。例えば相川なら、バイクの知識を生かして運転方法を教えたり、理想のバイクを作ったりしてもいい」

「それ、大丈夫なのか? 戦力って……」

「彼女達の中で力を求める者は戦場に出るかもしれないが、一応は防備はかなり高い。戦車や列車砲なんかも用意しているしな」

「マジかよ……」

「ファンタジー世界に持ってくるなよ。まあ、それだけの戦力があるなら安全か……」

「ちなみに映像はこんな感じだ」

 

 ドーラとグスタフや戦車、果てはヴライとの戦闘映像まで見せてこちらの戦力がとんでもないレベルだと教えておく。

 

「後、沙条の奴がラピュタを手に入れてやがるぞ」

「ラピュタだと!」

「ラピュタは本当にあったんだ!」

「そんな感じだな」

「今、調査して改修中だ。近代化した方が強いからな」

「あのロボットが近代化すんのか。でもレーザーは普通に撃ててたし、武装が増えるくらいか」

「ちなみに担当者は俺達よりもはるか未来の天才科学者さんだ」

「「よろしくお願いいたします!」」

 

 互いに顔を見た後、潔く頭を下げてきた。これによって愛ちゃん親衛隊の男子はこちらについた。まあ、彼等も聖神教会と一緒に居たくはないだろう。何時殺されるかわかったもんじゃないしな。

 

「あの、園部さんの事はわかりましたが……清水君の事は何か知りませんか?」

 

 愛ちゃん先生が優花達が話している中から抜け出してこちらの方へとやってきた。そろそろ頃合いなので、全員の注目を集めるように手を叩く。

 

「これから、清水の事を伝える。清水から魔族側に潜入するために寝返るふりをするって伝言が来た」

「そんな危険な事を清水君がするんですか!」

「まあ、正直言って解放者の言葉が本当かもわからない。聖神教会は真っ黒だが、魔族側がどうなっているかもわからないから調査は必要だ。そう思っていた時に清水に魔族側から接触があった。おそらく、清水が闇魔法で魔物(モンスター)を支配したりできる上にレ級や北方棲姫を所有しているからだろう。これはまだハジメにも伝えてないが、魔族側にスカウトされる時に出された条件は愛ちゃん先生の抹殺だ」

「「「っ!?」」」

「これを俺達は好機として、愛ちゃん先生には死んだことにしてもらい、俺達が国を作っている場所に居てもらおうと思う」

「待って、国?」

「そうだ。亜人達がメインになってはいるが、全種族が楽しく幸せに過ごせる国をハルツィナ樹海で作っている。国名自体はまだ決まっていないが、それでも戦力はかなり充実しているから安全は保証できる」

「英霊達も居るし、俺達が作った近代兵器どころか未来の兵器まである。この国や帝国を纏めて相手にしても圧勝するぐらいはできる。ただ、それはエヒトが居なければの話になるが……」

「ハジメの言う通り、エヒトを相手にするには戦力が足りない。こちらはどうにか倒す目途は立てているから気にしなくてもいい。最悪、皆だけでも地球に戻す方法を考えている」

 

 ユーリ達には悪いが、全兵器を暴走させて俺自身を代償として捧げれば地球への転送ぐらいは可能かもしれないからだ。やはり鈴達には生きていてほしいからな。

 

「駄目です。皆で帰るんです! せっかく南雲君や沙条君達も生きていてくれたんですから……」

「愛ちゃん先生、例え可能だとしてもそれは無理だ」

「ど、どうしてですか!」

「檜山は何があっても殺すからだ」

 

 優花も頷いているし、他の人達も納得した表情だ。こればかりは優花の気持ちを考えるとやるしかない。

 

「ひ、檜山君は無理矢理この世界に連れてこられてでおかしくなっただけで……」

「駄目だ先生。こればかりは絶対に譲れない。アイツは優花を拷問して自分の物にしようとした」

「でも、復讐は何も生みません。確かに一時は満足感を得られると思います。ですが、クラスメイトを自らの手で殺したという事実は後々、園部さんの負担になると思います……」

「だけど、少なくともケジメとして自分が納得できる。その後については優花の面倒はしっかりと見る。それに俺が優花の代わりに殺してもいい」

「駄目。アイツは私が殺す。これは決定事項。先生が何と言っても切り刻んて解体する。邪魔をするなら先生も殺すから」

 

 優花がヘイゼルの姿へと戻って殺気を放ちながらそう言うと、先生はガタガタと震えて失禁してしまう。それほどまでに生まれてから暗殺者として育てられてきたヘイゼルと英霊であるジャック・ザ・リッパーを合わせ、そこに竜の心臓など諸々も加えた優花の殺気は凄まじい事になっている。

 

「そ、それでも駄目です! 生徒を人殺しにしたくありません!」

「もう殺してる。だから今更問題ない。それに私達は戦争に参加しているんだよ? 殺し合いは日常なんだから」

「ち、違います! いえ、例えそうだとしても、檜山君は連れて帰って日本の法律で裁くべきです! それに檜山君からも話を聞かないのは公平じゃありません。私も同じ女性としては園部さんの味方をしたいですが、彼の言い分をしっかりと聞いてから判断すべきだと思います」

「……私が嘘をついているって言いたいんですか?」

「いいえ。状況証拠からしてもおそらく、園部さんの言う事が正しいと思います。ですが、一方の意見だけを信じて行動を起こす事はできません。先程、沙条君が言った通り、情報はいろんな角度から集めて精査しないといけません。先生は先生としてどちらの言い分も信じて調査し、真実を明らかにしてから判断すべきだと思います。今回の場合は国と教会、どちらも調べて問題が無ければ日本か、こちら、どちらかの司法に委ねるべきです。もちろん、沙条君達が言っていた通り、高確率で問題があるはずです。ですので、その場合は先生が先生の責任で檜山君を判断します。だから生きて私の前に連れてきてください」

「殺さず生きて捕らえろと?」

「はい。私達は獣ではありません。人なのですから、話し合いを行って判断すべきです」

「それじゃあ、無罪になるかもしれない」

「いいえ、どんな形にせよ絶対に先生が処罰します」

「私はアイツをこの手で殺したい」

「駄目です。それは絶対に認めません」

「っ!?」

「優花。とりあえず捕らえよう」

 

 二人の間に入り、優花の正面から抱きしめる。同時に優花が抜こうとしていたナイフに手を当てて止める。

 

「とりあえず、暴力はなしだ。檜山を殺す殺さないは置いておいて、愛ちゃん先生の暗殺についてだ。愛ちゃん先生、俺達のところに来るか、それともこの国に残って聖神教会につくか選んでくれ。言っておくが、優花を説得できる機会は俺達のところに来ないと無い。敵に回ればクラスメイトだろうが、俺達は容赦なく殺すからな」

「……わかりました。そちらへ行きます。ただし、条件があります! クラスメイト達を全員、生きて集める事です! どのような形であれ、先生には皆さんを無事に日本へと連れ帰り、親御さんに帰す義務があります。これを叶えてくれるのなら、私はなんだってお手伝いします!」

「……わかった。条件を飲もう。ただ、出来る限り頑張るが、どうしても無理な事は無理だ。檜山も日本へ帰すのには協力する」

 

 ああ、そうだとも。日本へは帰してやろう。生きているか死んでいるかはわからないが、出来る限りは生きて返してやる。日本でもおそらく力がそのままの可能性がある。なら、日本に帰ってから希望を得た檜山を殺しにいって絶望に落とすのはアリだろうしな。優花は最初、怒っていたが、こちらの考えを伝えると納得してくれた。先生との約束はあくまでも日本に帰す事だ。それが終わった後ならば問題はない。優花が認めれば社会的な抹殺程度で許してやるかもしれないが。

 

 

 

 

 

*1
誘拐事件や監禁事件などの犯罪被害者についての臨床において、被害者が生存戦略として犯人との間に心理的なつながりを築くこと

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