ありふれた職業の召喚(ガチャ)士で世界最弱   作:ヴィヴィオ

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すべてはガチャの結果。


第68話

 

 

 相川達は無事にこちらの狙い通りに動いてくれている。問題は愛ちゃん先生の方だ。彼女に関してはしばらく時間を置くしかない。一応、相川達が選ばなかった人達は愛ちゃん先生達にも相手をしてもらう。これでこの世界の現実を知る事になるだろう。

 

「ん~今日はどうする?」

 

 そんな事を思っていると、俺の身体の上に寝ていた詩乃が身体を擦りつけながらそう言ってきた。

 

「特に予定はないな」

 

 寝ぼけているのか、そう言うと俺の首に顔を埋めてそのまま耳を擦りつけてくる。隣で寝ているユーリと一緒に頭を撫でてやると、ユーリも起きてきたようだ。

 

「ユーリ、おはよう」

「おふぁようございますぅ……」

「今日からしばらく休みだったよな?」

「はい~急ぎの仕事は終えました~だから、一緒に居られます」

「それは嬉しいが、大丈夫なのか?」

「大丈夫です。愛子先生がきてくれましたから、食料の生産は任せて大丈夫だと思います。それに魔導炉の製造は自動化させるところまで作成しました。後は素材と起動用の魔力さえあれば作れます。神結晶を複製し、魔力を溜め込む性質を利用して作成する最新型です。魔力粒子同士を融合させて……」

「それって核融合……」

「地球の技術を魔法で再現しました。AMFを利用すれば安全に利用できますからね。問題は最初に起動するのに莫大な魔力が必要という事です。一度、起動してしまえば神結晶同士を経由して増幅させる事でメンテナンスの時を除いて永遠に稼働できます。ただし、生産性は高くありません」

 

 まあ、神結晶を使っているんだから難しいだろうな。ユーリ達ならすぐに作れるかもしれないが。

 

「ちなみに既に一号機から二号機は稼働させました。一号機はシュテルに持ってかれたのであるのは二号機だけですけど」

「そうなのか。どちらにしてもよく頑張ったな」

「えへへ~」

 

 ユーリのサラサラな髪の感触を楽しんでから皆を起して移動し、朝風呂を入ってから食事をして出かける用意をしていく。オシュトル達に任せる事になるが、人手は増えたので問題ない。まあ、怪我人は増えたが治療はチビット達ができるらしいし、治癒術師のネコネが居るのでゆっくりと治療すればいい。

 

 

 

 ◇◇◇

 

 

 

 馬車に乗ってフューレンに移動する。今回のメンバーはユーリと俺、鈴と恵里、優花、詩乃だ。ネコネとリムリの二人は残る事になった。ネコネは治療の仕事があるし、リムリは増えた人数を統治する関係で文官が必要になったからだ。そもそもリムリはお姫様でうたわれるものロストフラグでは国主にもなったので、本領はこっちなので任せる。

 そんな訳で俺はご機嫌なユーリを膝の上に乗せている。ユーリは膝の上にナハトを乗せている。隣に馬車を操る詩乃が居て窓から手を出してながら尻尾を揺らして風を感じていた。詩乃は手綱を握っているだけで何もしていない。馬の代わりに繋いでいるラプトルもどきが詩乃の意思を受けて移動しているからだ。

 

「フューレンでしたか、とっても楽しみです」

「そういえばユーリは王都ぐらいしかまともに探索していなかったな」

「です。だからワクワクしています」

「あんまり良い気はしないけどね」

「詩乃は亜人の姿をしているからな」

 

 話ながらスマホを取り出して各自のステータスを確認する。魔力の方は潤沢なので問題はない。召喚キャパシティーの方もレベルアップによってかなり高くなっているから、問題はない。流石に愛歌を顕現させると厳しい。愛歌を出す場合はユーリ達の召喚解除か、最低でもリミッターをかけて低コスト化をしないといけない。

 

「あっ、何かピックアップが出てますよ」

「ん~? 本当だ。深海電脳楽土 SE.RA.PH -Second Ballet-が来てるな。引くか」

「引いちゃうんですか?」

「出るのが問題ない奴ならいいけど……」

「ヤバイ連中ばっかだな」

 

 BBを筆頭にパッションリップ、メルトリリス、キアラ……ああ、やばい。でも引きたい。大丈夫。きっとでない。

 

「まあ、単発だけだ」

「止めておきなさいって」

「大丈夫、大丈夫……」

「アンタの運はあんまり信じられないのよ!」

「え~」

「あ」

「「ちょっ!?」」

 

 ユーリの上に居るナハトが召喚ボタンを押すと、光り輝く金色のアルターエゴのカードが現れた。

 

「メルトリリス来い、メルトリリス来い!」

 

 金色のカードの下に巨大な、それはもう巨大な魔法陣が展開されて、中から現れたのは──被害を巻き散らかす災厄であった。ぶっちゃけると馬車が完膚なきまで破壊された。戦闘自体は起きなかったが、ある意味でヤバイ奴を召喚してしまった。まあ、ビーストじゃないだけましだ。

 

 

 

 

 

 

 ◇◇◇

 

 

 

 

 

 

 

 フューレンでの仕事を終えてウィルを依頼主であるイルワに引き渡した後、イルワが取ってくれたVIPルームの宿を確保してもらえた。そこからシアと約束したデートに出て、海人族の子供であるミュウと出会った。彼女は衰弱していて、保護してから理由を聞くとフューレンにある裏組織が人身販売をしていて、ミュウをオークションの商品として集めていたそうだ。そこから脱出したミュウを気配探知で下水道に漂っているところを発見し、保安所へと届けた。そこまでは良かったのだが、その保安所が襲撃されてミュウが攫われた。そこにシアまで寄越せと書かれた書き置きを発見して俺とシアはその組織を潰す事にして、途中で合流したユエやティオにも協力してもらって敵の本拠地が判明したのでそこに乗り込んだ。

 商業区の中でも外壁に近く、観光区からも職人区からも離れた場所。公的機関の目が届かない完全な裏世界。大都市の闇。昼間だというのに何故か薄暗く、道行く人々もどこか陰気な雰囲気を放っている。

 そんな場所の一角にある七階建ての大きな建物、表向きは人材派遣を商いとしているが、裏では人身売買の総元締をしている裏組織〝フリートホーフ〟の本拠地である。いつもは、静かで不気味な雰囲気を放っているフリートホーフの本拠地だが、今は、騒然とした雰囲気で激しく人が出入りしていた。おそらく伝令などに使われている下っ端であろうチンピラ風の男達の表情は、訳のわからない事態に困惑と焦燥、そして恐怖に歪んでいた。そんな時に乗り込んで叩き潰そうとしたのだが──

 

「なんだコイツ……」

「強すぎません?」

 

 ──目の前に居るのはフリートホーフの頭、ハンセンではなく、その部下の一部がドンナーの一撃を回避し、俺を切ろうとしてきた。そこをシアがドリュッケンで吹き飛ばす。普通の相手なら確実に五体がバラバラになるはずなのだが、相手は普通に起き上がってきた。ソイツらは更に速度が速くなり、瞳孔が開いて涎を垂らしながら突撃してくる! 

 

「おにいちゃん!」

「大丈夫だ。援軍も呼んであるしな」

 

 ドンナーで撃つが、命中してもダメージにすらならん。血液は出るのだが、その血液すら弾丸として放ってくる。魔眼で観察する限り、血液も何らかの魔法がかかっていて、当たるとやばい感じがする。

 

「シア、どうにか対処できるか?」

「駄目です! どんどん数が増えてきています!」

「ちっ」

 

 舌打ちをしながら周りを観察すると、悲鳴がそこかしこから聞こえてくる。オークション会場に居た客も化け物に襲われているのだ。ボスすら例外じゃない。

 

「やめろ! 俺を誰だと思っているんだ! 命令に従え! ひっ、たっ、助けっ! ぎゃぁあああああああああああああぁぁっ!!」

 

 ボスであろう奴は首を噛みつかれて絶叫を上げると、少しして身体が痙攣すると動かなくなった。いや、数秒も経つと起き上がって化け物共と同じようになってしまった。

 

「あ、あの、ハジメさん……う、後ろ……」

「あ?」

 

 そこには客の姿をした化け物達が居た。どうやら感染する様でどんどん増えて襲ってくる。本格的にやばい。むしろ、こんなのが外に出たらパンデミックだ。

 

「まるでバイオハザードだな」

「バイオハザードですか? なんなんです?」

 

 シアがドリュッケンで化け物を叩き潰して平らにするが、その中から黒い血液が出てきて別の化け物に入るとソイツが強化されて襲い掛かってくるようだ。

 

「バイオハザードってのは俺達の世界であったゲーム……架空の物語でな。そこではあるウイルスに感染して殺されたらゾンビ、アンデットになって襲い掛かってくるんだ」

「確かにそれに似ていますね」

「まあ、これは吸血鬼も入ってそうだが……」

「ユエさんがですか?」

「いや、そうじゃな……待てよ?」

 

 まるでバイオハザードのような感染するゾンビとヴァンパイア。それを可能にする魔法を俺は知っている。その使い手もだ。そしてソイツ等は少し前にフューレンで商売していたら襲われたので返り討ちにして魂を頂いたたと楽しそうに話していた。

 

「シア、一つ聞きたいんだが、死霊術師はゾンビを作ったりできるか? 具体的にはこんな風にできたりするのだろうか?」

「えっと、私が知ってる限りでは無理だと思いますが、死霊術師はアンデットを操る事ができるので生前の強さ通りならできる使い手も伝説にはいました。死霊王と呼ばれた伝説の死霊術師です」

「中村ならやりかねんと……というか、絶対にそうだろ!」

 

 絶対に文句を言ってやる! そう思った瞬間。本人から連絡が来た。

 

『ハジメ、救援要請を受けてきたが、状況はどうなっている?』

「ヤバイ! ガチで死にそうだ! お前の嫁のせいでな!」

『どういう事?』

「中村の奴が仕込んだ死体とか死霊とかフューレンに存在していないか?」

『もちろんあるよ。僕が考案した新しい術式の実験体として手に入れた死体を使ってたからね』

「それって噛んだら増殖するか?」

『するよ。数で劣る僕達が数で勝る一番手っ取り早い方法が相手を味方に作り変える事だもん。だから、バイオハザードやヴァンパイアを参考にして血液感染する死霊をルサルカ姉さんの協力を得て作ってみた。完成形は死体にナパーム弾を生成するようにしてやられたら自爆するようにする。これで確実に殺せる』

「馬鹿じゃねえの! 馬鹿じゃねえか!」

 

 どう考えてもベルカにあったマリアージュじゃねえか! しかもかなりやばい状況だ。ここで止めないとこの世界が悲惨な事になる。いや、別にどうでもいいか。

 

『良い考えだと思うんだけど駄目かな?』

「駄目に決まってんだろ! 被害を考えろ!」

『確かに民間人に被害を出すのは頂けないな。それで倒す方法は?』

「止められるよな?」

『無理かな。今、暴走しているみたいで僕の言う事をきかないし。何かした? もしくは場所が悪いか……』

「場所だと?」

『恨みつらみが集まる所や、そういう連中が居たとか。死霊なんだから、そういう負の感情を集めている奴等は格好の餌になるんだよね。地縛霊とかの理論も使ってるし』

「ちっ、どっちも揃ってやがる! どうすればいいんだ! いや、地縛霊ってなら場所ごと破壊すればいいのか」

『正解』

『それなら丁度いいのがある。準備しておくから脱出してこい』

「わかった。こっちは一度撤退するぞ。保護対象が居るからな」

『了解。大人しくさせる程度はできるよ』

「シア! 撤退だ! 後始末は沙条達に任せる!」

「わかりました!」

 

 地震が起きたのか、一部が崩れだした。それもかなり連続しているのでやばい。すたこらと逃げる。やばい気配がプンプンする。実際に気配察知に信じられないほど有り得ないものを感知した。

 

「お兄ちゃん……」

「大丈夫だ」

 

 ミュウを連れてシアと共に急いで空気の壁を使って即座に離脱する。二人を抱えて外に出ると濃い霧が出ていた。おそらく、園部のジャック・ザ・リッパーの力だろう。

 

「お兄ちゃん、あそこにおっきな人が居るよ……」

「そんな巨大な……」

「ハジメさん、夢でも見てるんですかね?」

「いや、アレは……やべぇ!」

 

 巨大な、そう巨大な人影が霧の中を歩いていた。最低でも30メートルはあろう存在は足を俺達が先程まで居た場所にかかと落としを叩き込む。そして巨大なクレーターを作成し、何もかもを消し飛ばした。余波だけで複数の建物が粉砕されたが、幸い連中の息がかかった施設なので問題はないだろう。

 

「ハジメさん、アレってなんですか! あんなの聞いた事がない」

「あ~多分味方だ。大丈夫だ」

「そうなんですか?」

「ああ。待ってろ」

 

 沈んだ足が引き上げられる時に見えるのは緑の苔に覆われた足だ。元の位置に戻ると、今度は座ってくる。その衝撃は凄まじく、それだけで建物が揺れる。そして巨大な手がこちらにやってきた。掌の上には予想通り、ユエやティオと共にいた。上の方を見れば沙条が肩に乗りながら指示をだしている。

 

「おいてめぇ」

「マスターにおいたは駄目、です」

「……沙条。このお嬢さんは何かな?」

「CCCのピックアップが来たので、開いてみたら話している最中にナハトが召喚した」

「スキルとレベルは?」

「引き継いでるみたいだ」

「ちなみにどこまで上げた?」

「スキルマスター」

「うん、まあさもありなん。アルターエゴだもんな。聖杯は?」

「もち入れてある。レベル100の絆マックス。ただし宝具はレベル2だ。こればかりは運と財力で無理だった」

「絆は?」

「15だな。装備礼装は両手いっぱいのという絆礼装だ」

 

 つまり、本当にやばい巨人を引きやがった! こいつは周りのリソースを際限なく食い荒らしていく。ある意味でビーストとすらいえる神様の複合存在だ。

 

「制限はあるんだろうな?」

「もちろんある。大丈夫だ。ユーリがどうにかしてくれた」

「本当か?」

「本当。ユーリがちゃんと言ってた。封印用の装備を作ったから、それで変身魔法を使って小さな身体にするって言ってたよ、ハジメ」

「ユエが言うなら本当か。しかし、キングプロテアか……」

「引いたものは仕方がない。溺愛されるが、まあ頑張るさ。それにちょっと楽しいしな」

「文字通りの巨神兵なんだから、いいかもしれないな」

「まあ、そっちでちゃんと面倒を見るならいいか。それよりもゾンビの連中はどうしたんだ?」

「それなら……潰すと同時に食べちゃいました……」

「リソースに変換したのか。それならいいか。じゃあ、後始末は……」

「私がするから大丈夫」

「園部……ヘイゼルの情報抹消があるならどうとでもなるか」

 

 一応は考えられているようだな。ただし被害については放置している。いや、本当にそうか? コイツ等の事だから絶対に何かを狙ってやがる。

 

「さて、降りたらハジメにお願いしたい事がある。だが、その前にプロテア、降ろしてくれ」

「うん」

 

 キングプロテアに降ろしてもらい、地面に立つ。再臨の姿は一応、初期のようだ。それからユーリが拘束魔法と変身魔法を使って姿を変えさせる。するとキングプロテアはの身体はどんどん小さくなり、紫色の長い長髪に左目をはじめ身体中に包帯が巻かれている。彼女は薄いピンク色のフリル付きワンピースを着ていた。そして両手両足、首に無骨な枷が嵌められている。つまり、途中で切れている鎖つきの首輪と手枷足枷が取り付けられていた。そして彼女は八歳くらいの身長をしている。

 

「どう見ても事案じゃねえか」

「プロテアを変身させて彼女の無限に成長し続けるヒュージスケールを幼化現象を改変して抑えているのだが、どうしても五体から封じないといけない」

「マスター、マスター、頑張りました……褒めてください……」

「ああ、よくやってくれた。ありがとうプロテア」

「えへへ~」

 

 さて、流石に絆も15だけあって安全そうだ。だが、逆に言えばマスターに何か有れば完全に暴走すること請け合いだ。どちらにせよキングプロテアはユーリ達と楽しそうにしているからいいだろう。

 

「で、何をしろって?」

「この辺りを買い取って商売を行う。その為にこの壊れた土地を手に入れて作り直さないといけない。頼む」

「つまり、俺に修理しろと言うんだな?」

「その通り。頼めるか? 無理ならいいけど」

「面倒だからパスだな」

「じゃあ、ここはこのまま放置でいいか」

「駄目ですよ。ちゃんと直さないといけません」

「確かに情報抹消をするとはいえ、この場所の説明ができないから元に戻す方がいい」

「……わかった。直すのは手伝う。だが、この貸しは高いぞ」

「助けにきたのにこれ如何に……」

「中村が原因だから仕方がないな。そうだろう?」

「まあ、そうだな。でも貸しか。何かを考えておこう。頼む」

「了解だ」

 

 貸しといっても使い道が思いつかない。まあ、日本に戻った時に色々とユエの事で交渉しないといけない。その時にこっちで国を作って王になっている沙条に協力してもらえばかなり有利になるだろう。少なくともユエ達に戸籍を作ってやらないと生まれてくる子供に辛い思いをさせる事になるだろうしな。

 

 

 

 

 




二万円投入してキングプロテア二枚。オリオン、刑部姫。ピックアップが仕事してくれなかったです。メルトリリスが欲しかったのです。(四万、二万、二万)で敗北しました。でも、キングプロテアちゃんが来てくれたからいいのです。

そして五年前のスマホが壊れましたので、iPhone12が出るまで不便な生活です。
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