紫天の書と我のデバイスであるエルシニアクロイツを使いながら5つの魔法陣を展開。それぞれの魔法陣から屈折する暗黒のエネルギー弾を同時に飛ばし相手に降り注がせる。その後、巨大な爆発を起こし相手を押し潰すのだが……流石に殺すのは不味いので爆発まではさせないし、二つの魔法陣からしか攻撃はせん。
それでも相手は我のジャガーノートを荷電粒子砲のような物を尻尾から放って相殺してきた。同時に不気味な小さい飛行物体が複数飛んでくるので、我も誘導性のある高速の魔力弾、エルシニアダガーを撃ち出して迎撃する。
「レッ!」
ミサイルと砲弾が飛んでくるが、それらも連射したエルシニアダガーで迎撃すれば容易く対処できる。相手の動きは単調であり、力押しの部分がまだまだある。故に我の敵ではない。
牽制として直進的な軌道で放たれる砲撃魔法アロンダイトを放つ。相手は即座に回避するが、そこで足が闇の枷によって囚われる。
「レッ!?」
「もっと周りを警戒するのだな」
仕込ませて置いたバインドで動きを止め、八本の魔力刃を生成して相手を包囲。そこから杖を振るって指示を出し、四方八方から襲撃させる。動けないのだから突き刺さるしかあるまいて。
「レェッ!」
「なんとっ!」
強引にバインドを足ごと破壊し、その反動で逃れると同時に回転することで尻尾を振り回し、ドゥームブリンガーの魔力刃を粉砕した。
「レレッ!」
「なるほど、この程度では止められんか。面白い! 」
杖を掲げて複数の魔法陣を展開。そこからエルシニアダガーを放つと同時にアロンダイトも放つ。相手は浮ぶ小さな物体を放って迎撃してくるが、そこをアロンダイトで消し飛ばして本体を狙う。本体は回避し、後ろの壁がアロンダイトによって貫通し、大きな穴を作る。
「レェェェッ!」
相手の放ってくる荷電粒子砲をシールドを斜めに展開する事で受け流し、お返しとばかり濃密な弾幕を返してやる。捌ききれない数の攻撃に自分に命中するものだけを対処し、事無きを得る。だが、それは悪手でもある。
「ちょっ、ちょっとっ! 私に流れ弾が来てるわよぉ!」
「れぇ……」
「くはははっ! もっと踊らせてやるぞ!」
「王様っ! 楽しんでるのはわかるけれど! このままだと迷宮がやばいから手加減してよね! 後、こっちがピンチっ!」
「む?」
周りを確認すると、確かに我と相手の攻撃によって穴がそこら中に空いている。ほとんど我が開けた物ではあるのだが、問題はない。後で直せばよい。それよりも、ヨーキのところだ。
ヨーキが相手をしているのはオルクス大迷宮に侵入してきた一行だ。本来なら放置し、奈落へと入ってきたら対処するはずであった。だが、メンバーの中に南雲ハジメの女である白崎香織とその親友である八重樫雫が居るのでは話は別だ。二人は兄様や鈴、恵里、優花の友人でもあるのだから助けるのは当然のことだ。
故に監視をしていたら、魔人族の女も侵入してきていた。こちらでさっさと処分してもいいのだが、それでは面白くない。奴等についてはユーリから情報を貰っていた。だから、少しばかり現実を知ってもらうためにあえてぶつけてみたのだが──
「この土壇場で覚醒か?」
──本来ならヨーキ達に勝てるはずがない。だというのに現状はヨーキの方が押されている。あやつには全力で殺さないように戦えとは伝えているのだが、それでも普通なら勝負にすらならない。
しかし、現状では天之河光輝が光る聖剣に風を纏わせながら、魔力を放出して加速して本来なら斬れないはずの蔦をまとめて斬り裂き、ヨーキの子供を左右に切断する。
「ああ、私の子が! コイツ、許さない!」
「許さないのはこちらだ! よくも、よくも香織や雫達に酷い事をしたな!」
無数の種を弾丸の様に放ちながら、牽制するヨーキと天之河光輝の戦いを見ながら、白崎達の方をみると服が破られて白い液体がぶっかけられている。本人達は身体を隠しながら頬を上気させておるようだ。
「うむ。ギルティ」
「何故に! ひゃわっ! 掠ったっ! 今掠ったからぁぁぁっ!」
「やれやれ……」
このままではヨーキが殺されるので、我が飛び込んで天之河光輝の聖剣をエルシニアクロイツで受け止める。同時にアロンダイトを近距離から放つと、即座にまるで予測していたかのように地面を魔力で爆発させて下がりおった。
「しかし、避けて良かったのか?」
「っ!? 貴様ぁあああああああああああぁぁぁぁっ!」
天之河光輝が避けた先には動けない白崎香織達が居る。アロンダイトの砲撃を受けて全滅するだろう。もちろん、相手には知られていないが、ちゃんと非殺傷モード故に魔力ダメージしか与えられんように設定を変更した。
「レッ!」
魔物娘が荷電粒子砲を放ち、アロンダイトを相殺して白崎達を守ったかと思うと、天之河光輝にミサイルをぶっ放しおった。
「甘いっ!」
瞬時にミサイルを切断し、魔力放出を使って魔物娘に接近し、その首を刎ねる為に聖剣を閃かせる。魔物娘が尻尾の口で聖剣を喰わえて防ぎ、激しい金属音が響く。
「ドゥームブリンガー」
当然、我を無視する愚か者共に攻撃を加える。天之河光輝は背後からの攻撃に対応しようとするが、聖剣を掴まれたままであるためにそのまま背中に突き刺さった。
「背後からとは卑怯だぞ!」
「馬鹿か貴様。戦いの最中に背中を見せるのが悪いに決まっておろう」
「ふざけ……」
「レっ!」
「がぁっ!」
魔物娘が話している最中に拳を天之河光輝の顔面に叩き込む。天之河光輝はどうにか避けたが、同時に腹へと放たれた二発目の攻撃には避けらずに体勢が崩れる。そこを尻尾で振り回し、何度も何度も地面へと叩きつける。天之河光輝は地面に足をつき、改めて力を入れる。
「レレッ!」
尻尾の口の中に光が集まり、荷電粒子砲がゼロ距離から放たれようとする。我もアロンダイトを準備して纏めて貫く用意をして放つ。
「
聖剣が光り輝いて光の剣撃を放つ。荷電粒子砲と互いに爆発して両者が弾き飛ばされてこちらへと飛んで来るのでアロンダイトの砲撃を受けて終わる。そのはずだった。
「
身体を反転させながら、聖剣を一振りして我のアロンダイトを切断し、そのままこちらへと斬撃が飛んで来るので、ヨーキを掴んでから飛んで回避する。
「限界突破の重ね掛けか……」
「えっと、限界突破って身体能力が三倍になるんだっけ? つまり六倍?」
「たわけが。三倍されたのが三倍されるのだから元から計算して九倍だ」
「反則じゃない! チート反対!」
「うむ。しかし、代償は支払われる」
天之河光輝の身体中から血管が破裂して血液が噴き出すが、身体の方が光って瞬時に治療されていく。本人は顔を血塗れにしながらも笑いながらこちらへと突撃してくる。
「安心しろ。俺が君をしっかりと更生させてみせる! だから、大人しくするんだ!」
「王たる我を愚弄するか……」
「あの、王様? 殺したら駄目だからね?」
「知らん。良かろう。塵芥が、身の程を教えてくれる! ヨルムンガンド! 」
蛇のようにうねる暗黒砲撃を複数放ち、蛇の群れによる一斉攻撃を行う。ヨーキと我等以外の全てを対象に放ち、纏めて蹴散らしてくれる!
「まだだ! まだ先へ行ける!」
「いくらなんでも無理よ!」
「駄目ぇぇぇぇっ!」
「うぉおおおおおおおおおぉぉぉぉっ! 限界突破!! 万象切り裂く光、吹き荒ぶ断絶の風、舞い散る百合の如く渦巻き、光嵐となりて敵を刻め! 天翔裂破! 」
「レェェェッ!」
光の刃を無数に展開させてヨルムンガンドを撃ち落とす天之河光輝と砲撃により撃ち落としながら魔人族の女を連れて逃げる魔物娘。だが、どちらも想定通りである。
「貴様等が強ければ強いほど、我には勝てぬ。ダークドレイン」
敵陣を闇のオーラで襲い、攻撃と吸収を同時に行う。無数の手に捕まれてエネルギーを吸い取られて全員が膝をつく。これにより、この場に居る全員から力を奪い取ることができた。
「みなぎるぞパワァー! あふれるぞ魔力ッ! ふるえるほど暗黒ゥゥッッ!!」
「うわぁぁ、テンションマックスじゃない、王様……」
「さぁ、絶望に足掻け塵芥! エクス、カリバァァァァァッ!」
三本の極大砲撃を放ち、通路を、迷宮の一部ごと完全に破壊して殲滅する。ついでに残しておいたジャガーノートも使って火力の倍率を叩きあげてやるわ!
「死にさらせ、塵芥よ!」
「女神様! 俺に力を!
天之河光輝以外から別次元の力が注ぎ込まれて結界が展開され、我の攻撃が全て弾かれた。弾かれた攻撃は周りに散弾のように降り注ぎ、土埃を発生させる。そこで我は我が開けた穴から新たなる乱入者が入ってきたのを確認した。
「っ!? 檜山伏せろ!」
「ひっ!?」
土埃で影が浮かび上がった存在が居た。そやつは檜山に手に持った大型のナイフを振り下ろす。天之河光輝の指示で伏せたおかげか、一撃を回避できた。しかし、もう片方の手から軌道を修正して振るわれる大型ナイフは間に合わない。このままでは首が切断されると思われたが、そこに地面にクレーターを作りながら突撃してきた天之河光輝が聖剣を潜り込ませたことによって火花を散らせながら防いだ。
「ちっ」
バックステップで下がる彼女に天之河光輝が剣を振るう。振るわれた聖剣を空中で大型ナイフをクロスさせて受け止めた彼女はそのまま下がり、濃霧を発生させる。
「ふふふ、任せておかあさん」
「わたしたちが解体してあげる」
「だから、安心してね?」
濃霧の中で無数の子供達の声が聞こえてくる。同時に空間が歪み、いつの間にか石畳で出来た町の中に我等は居た。
「此よりは地獄。 “わたしたち” は炎、雨、力──殺戮を此処に……」
「子供が相手だと! おのれ卑怯な……」
天之河光輝が無数の子供達に攻撃されている中、奴は子供を斬れないようで防ぐだけだ。その間に侵入者は腰を抜かせている男の背後に音も無く立ち、腰に差している鞘から抜刀する。
「だめっ!」
「くっ!」
白崎香織が男を突き飛ばし、八重樫雫が滑り込んで同じく抜刀して刀を弾く。
「邪魔を、するなっ!」
「駄目だよ! やらせない!」
「誰かわからないけれど、もう誰も殺させはしない!」
八重樫雫と彼女が戦いだしたが、彼女の方は流石に手加減して怪我をさせないようにしているので時間が掛かっている。
「ねえ、どうするの?」
「どうもこうもあるまい。遊びはデウスエクスマキナによって強制終了される。それだけだ」
「え?」
我が上を向くと、ヨーキも一緒に分厚い霧に覆われた空を見上げる。すると空が割れて巨大な、巨大な顔が覗き込んでいた。次の瞬間、拳が降って来て
アヴァロンは偽物です。女神様が疑似再現してくれただけです。なお、対価は限界突破と同じく貰われるもよう。
雫と香織が邪魔をしたのはヘイゼル、優花だと気付いていないからです。なので殺されないように防ぎました。
オルクス大迷宮地上部分「もうやめて! 私のライフはあと60%よ!」