本拠地に戻ってから、数日。俺は爛れた日々を過ごした。休日という事にして嫁達に新しく仲間になったアビゲイル・ウィリアムズ、アビーを紹介した。彼女は第一再臨な悪い子なので、紹介した日に寝所へと侵入してきて襲い掛かってきた。大歓迎ではあったので、逆にキッチリと彼女を撃退させて泣き叫んでも止めずに気絶まで追い込んでやった。悪い子アビーにはこちらがマウントを取らないと本当にやばいので、たっぷりと浄化して第三再臨まで戻ってもらった。
アビー以外にも実体化できるようになった美遊を紹介し、奴隷として確保したリリアーナも紹介した。八重樫についてはどうするか、まだ考えていないし、そもそも彼女は友人なので彼女から望まない限りはそういう事はしない。リリアーナに関しては嫁とはするが、こちらも本人が望まない限りは手を出さない。なので、彼女以外に並んでもらい、順番に徹底的に満足させ、気絶するまで愛したのを真っ赤になって見ているだけだった。
とりあえず、嫁同士は裸の付き合いという事で仲良くしてもらう。自分達の恥ずかしい部分を隅々まで知り合っていたら互いのダメージを考えて酷い事にはならないだろう。俺からも仲良くするようにはしっかりと伝えてあるので大丈夫だと思いたい。それに喧嘩とかがあまりに酷かったら強制的に百合百合にさせて仲良くなってもらう。ルサルカと鈴が盛大にやってくれる事だろうしな。
「旦那様、見てくださいなのです。どうですか?」
「似合っているよ」
「良かったです」
全員が満足したので、休暇を終えて仕事に復帰する。そのタイミングでネコネとリムリが新しい衣装に身を包んでやってきた。彼女達は巫女服のような服で、肩と脇をむき出しにした物を着ている。
「式神のきりぽんを使って私も戦えるようになったのです」
「私は無理ですけど、衣装は一緒にしました」
ネコネは杖を持ち、イヌイことリムリは刀を持っている。二人は一部を除いてそっくりだが、前衛と後衛に別れて戦える。
「今、何処を見比べたのか、話を聞くのです!」
「胸?」
「うがぁぁぁっ!」
正直に答えると杖でボコスカ全力で殴ってくる。しかし、ネコネの非力な力では痛くも痒くもない。
「遊ばれているだけですよ」
「知ってるのです。昨日、散々吸ってか、身体中に刻み込まれたのですし……」
「ただの照れ隠しで殴るのは止めてくれ」
「効かないのだからいいのです。これは正当なお仕置きなのです」
「違うと思います」
「くっ、リムリにはわからないのです!」
二人と話ながら移動していると、前方の空間が歪んでアビーが現れて抱き着いてくる。彼女は水着姿でくびれるところはくびれているが、どちらかというと痩せすぎている。瑞々しい綺麗な肌にはキスマークがしっかりとついていて、そこだけが赤くなっている。
「マスター、何処にいくのかしら?」
「これから仕事をするつもりだ」
「横についていてもいいかしら? 一緒にいたいの」
「構わないが、その服装はどうにかしようか」
白いビキニタイプの水着は色々とやばい。それに俺以外の男にアビーの肌を曝すのはやはり嫌だ。だから、宝物庫からジャケットを取り出して彼女に着せる。そのジャケットは何故か宝物庫に入っていたアビーが着ていた物だ
「ありがとう、マスター。でも、したくなったら何時でも言ってね?」
「ああ、ありがとう」
嬉しそうなアビーに着せていくと、ネコネとリムリがなんとも言えない表情になっていた。
「アレ、絶対に着せてもらいたかっただけなのです」
「ですね」
「そんな事、知らないわ。き、気のせいよ」
目を逸らす顔を赤らめたアビー。どうやら図星のようだ。まあ、可愛いから許そう。そう思っていたら、アビーの足元に黒猫と灰猫が何時の間にか現れていた。その子達をネコネとリムリが抱き上げて撫でだす。すると二匹も嬉しそうにゴロゴロと鳴いて……鳴かずに牙を向こうとする。
「あら、駄目よ。その子達はお友達……いえ、私の妹なのだもの」
「私が姉なのです!」
「いえ、私よ」
「どちらでもいいじゃないですか」
「むぅ……」
「マスターはどう思うの?」
「どっちでもいいな。二人は可愛い大切な嫁に違いはない」
「ずるい解答ね」
「なのです」
とりあえず、猫達は危害を加えないようにしっかりと言い聞かせておいてもらおう。やばい生物だからな。
三人の嫁達と共に評定を行う為に会議室代わりとなる謁見の間へと移動する。謁見の間に入り、一団高くなっている上座にある席へと座る。一緒にやってきたネコネとリムリが隣に座り、予定のなかったアビーは俺の股の間にちょこんと座ってきた。参加予定の無い嫁達以外の皆はすでに集まっているようだ。
「主上。全員揃いました。これより評定を開始いたしとうございますが、構いませぬか?」
「頼む」
「はっ。では、まず某から報告致します」
ひじ掛けに肘を置きながらオシュトルを促す。すると彼が報告を開始する。アビーの事は完全に無視したようだ。まあ、あくまでも身内だけなのでなんの問題もない。
「街の開発は完了いたしました。現在、問題なく生活でき者達に住居を提供し、店を始めてもらっております。またユーリ様と畑山愛子殿のお陰で食料生産は順調に進んでおります」
「街の方は問題無いということか」
「はっ。早いタイミングで税収も見込めるようになるかと」
オシュトルが送信してきた資料を見る限り、確かに問題はないようだ。まだしばらくこちらの持ちだしになるだろうが、問題はない。
「ご苦労だった。軍備の方はどうだ?」
「そちらも問題ありません。主だった者達に軍事調練を施し、一つの塊として集団行動ができるようになりました。新たな武装の習熟も問題ありません。現在は班分けをして交代で警備に当たらせております」
「防衛は任せられるか? こちらから攻めに向かうのは可能か?」
「どちらも可能です。ですが、統治には数が足りません」
「ふむ」
現状、俺達が支配しているのはハルツィナ樹海の半分とライセン大峡谷の二つ。これ以上の開発と支配はどう考えても人が足りない。魔物と機械で補うにしても限度がある。
「了解した。次の報告を聞こう」
「ハク」
「自分からは一つ。ラピュタの解析が終了した」
「マジで?」
「マジだ。もっとも、まだ動かすには時間がかかる。色々と改造しないと使えないからな」
「なら改造は任せる」
「了解。ただ、アマテラスをパーツとして使いたいが、いいか?」
「どうせ使っていないもんだし構わない。全て任せる。いざという時の戦力にするから、壊さないでくれたら構わない」
「自分一人だけじゃ無理だから人を寄越してくれ」
「わかった。後で人を選ぶ。次の報告を頼む」
とりあえず、拠点についてはこれでいい。膝の上に居るアビーを撫でてやりながら、次の話を聞く。次はフェアベルゲンの情勢についてアルテナが報告してくれる。フェアベルゲンでは森人族の価値が俺達との交易で高まり、内部でギスギスした感情は生まれているらしい。だが、たいした問題ではないらしいのでスルー。内政干渉はしない。あくまでも別の国だ。
「フェアベルゲンは問題ありません。お爺様は順調に権力を掌握なさっております」
「支援だけは惜しまないようにする」
「ありがとうございます」
「義理とはいえ俺の祖父でもあるからな。他に何かあるか?」
「帝国と魔国、王国なのです」
ネコネがそう言いながら、全員の中央に立体的な地図を展開する。王国は詳細な地図が作られているが、帝国と魔国に関してはそこまで詳しくはない。
「王国についてなのですが、ユーリから聞いた話では旦那様達が暴れたので騎士団と神官戦士団に被害が多数でて、道も破壊されたのでこちらに進軍してくる確率はかなり減ったのです」
「一応、シュテルの分身達が監視していますので、動く時にはわかります。魔国については街ぐらいの情報しか入ってきていません。両国の前線はこちらになりますが、帝国がかなり押されています」
ネコネとユーリが話しながら表示された地図にそれぞれの勢力図を書き込んでくれる。それを見る限りでは帝国は本当に押されているようだ。
「策としてこのまま帝国と魔国で戦わせ、その間に王国を打倒して併合し、魔国が勝利した時に我等が攻め滅ぼすのが上々ですが……」
「王国は面倒ね。それよりも魂の収集を考えるなら、こちらが攻めるべきは帝国ね」
「王国は現状放置し帝国を攻める又は我が国を認めさせるべきでしょう」
「エヒトの教えに染まってるコイツ等が私達の建国を認めるとは思えないから、攻め滅ぼすのがベストよ」
オシュトルとルサルカが意見を言い合うが、どちらも帝国を攻める方が利益が出ると考えているようだ。聖神教会の総本山がある王国よりも帝国の方が与しやすいだろう。だが、そうなると魔国と王国。この二つの国を同時に相手しないといけない。
「勝てるけど、どちらの被害が少ないかだよね。それに占領後の政策もどうするか考えないといけないし」
「うむ。その為にも無益な殺生は禁じるべきだ」
恵里の意見にオシュトルも賛成する。確かに統治は大変だ。いっそ完全に殲滅した方がいいかもしれないぐらいだろう。改めて地図を見ると帝国は内部にも敵が居るみたいだ。
「ユーリ、この領域はなんだ?」
「これは……その……」
「ん?」
「マスター、私、そこを知ってるわ」
「アビー?」
「そこにはオークさん達が居るの。こんな感じよ」
アビーが空間に繋げて一部の光景を見せてくれた。そこには悲惨な光景が映し出されていた。オークが帝国の兵士や住民と激しい戦闘をしているのだ。
『断じて許すな! 男を守れ!』
『アンタ達は隠れてなさい!』
『だ、だが……』
『これは女の戦いなのっ!』
女性達が武器を取り、男性を家に隠してオーク達と死に物狂いで戦っている。オーク達は「男を寄越せぇぇぇっ!」と襲い掛かっている。女性達は罠などの防衛施設を使いながらオークを殺し、オークは女性をころ……さずに気絶させたり、動けなくしたりして放置する。
『くそっ! 返せっ、返してよぉぉぉっ!』
『あなたぁぁぁっ!』
地面を何度も叩き、悔しがる女性達。彼女達は病んでるようで、色々とヤバイ雰囲気を醸し出している。
「「「うわぁ……」」」
男性である俺達はドン引きしながらそれを見ていると、ある事を思いだした。一番関わりがある子を探すのだが、何処にもいない。
「ユーリ。レヴィは何処に行った?」
「あ、遊びに行くって……」
「逃げましたね」
王様がユーリに聞き、ユーリが答えるとシュテルが断定した。三人は俺の方へ向いてくるので手をかざして魔法を発動する。
「ふにゃっ!?」
魔法陣の中に手を突っ込んで首根っこを掴んで引き寄せると、レヴィが現れた。レヴィは汗をダラダラ流しながら、口に両手をあてる。
「レヴィ。お前、奈落から連れ出したオーク達はどうした? ちゃんと統制しているよな?」
「あはは、ボク、なんのことかわからないな~」
統制もせずに自由にさせていたのだろう。殺していないところを見るに無益な殺生はしていないようだが……男達がどうなってるかだな。
「とりあえずレヴィはお仕置きだな。して、どうする?」
「王様! 助けてよ!」
「たわけが。しっかりとお仕置きを受けてこい」
「レヴィの事は置いておいて、早急に対処しないといけない」
「だったら、オーク達を滅ぼすのが一番でしょうね」
「それなら一度命令してから従わないなら滅ぼしましょう。現状、帝国は内部と外部から攻められているわけですし、簡単に落とせます。ですが、できる限り戦力の消耗を避けるためにゆっくりと侵略するべきです。ですので、まずは戦場に少数精鋭を送り込んで蹂躙しましょう」
シュテルの意見にルサルカと恵里が賛成し、第三勢力として最前線に乱入して暴れるだけ暴れる。その間にオーク達をどうにかする事を理由に王国との国境や辺境などに我々の支配力を増やす事になった。
続いてシュテルの報告だが、地下の改造は八割がた終わり、ライセン大峡谷は大量生産拠点へと生まれ変わった。地下では列車を引いて輸送網も構築されているらしい。
「それとこちらからも彼女を紹介させていただきます。どうぞ」
「呼ばれて飛び出たのは謎の金髪美少女! その正体はミレディちゃんだよ! 今ここに華麗にふっかーつ!」
光と共に現れたのはミレディ・ライセン。どうやら、身体を手に入れたようで本人の言う通りかなりの美少女である事は間違いない。しかし、無駄に背後に光の爆発を起こしている。幼い子達は大喜びではある。
「身体の具合はいいのか?」
「問題ないよ。力が湧き上がってるし、これなら連中をぶっ殺せるね。でも、その前にオー君を蘇らせてね」
「もちろんだ。評定が終わったら早速行こうか。ああ、そうだな。オスカー・オルクスにはハクさんの手伝いをしてもらうのもいいだろう」
「じゃあ、よろしくね!」
「任せろ」
ミレディ・ライセンが蘇ったのなら、これからどんどん作業は進むだろう。
「ちなみに私とシュテるんで開発したゴーレムも量産してるから楽しみにしてね♪」
「それ言っちゃ駄目な奴です」
「シュテル。貴様、何を作っている?」
「教えてください。シュテル……」
「仕方ありませんね……」
シュテルが開発していたのはアレだった。映画に出て来た奴。火力こそ正義だと二人は思っているみたいで、最低でも戦術。最高で戦略級兵器を作っていた。なんて物を作って量産しているんだ。とりあえず、防衛兵器として使わせてもらう事にした。
「では、以上の事を持って評定を終わります。主上。最後に一言、お願いいたします」
「なら、これだな。国の名前を決めた。国名はこれよりアマツとする。俺達の神話にある高天原から天降った神々の総称が天津だ。故にこの国の国名をアマツとする。なんせ女神様も居るわけだしな」
「かしこまりました」
「天津。ヤマトもまずいからそっちがいいかも」
色々と候補があったが、とりあえずこれでいいだろう。崇める神々はキングプロテアはもちろん、アビーの背後に居る神々も崇めておこう。そうしないとアビーが居るとはいえ何かあれば困るからだ。アビーは今のところは俺の安全だけを確保するつもりのようだしな。
「国名は決まったのだから、これから本格的に行動を起こす。移動はアビー、手伝ってくれるか?」
「任せて。マスターの為に頑張るわ!」
とりあえず、ミレディ・ライセンと共にオスカー・オルクスを蘇らせてから帝国の戦場に出て虐殺してくるか。メンバーはルサルカと恵里だな。
村の女性達はアマゾネスに進化した(ぇ