ありふれた職業の召喚(ガチャ)士で世界最弱   作:ヴィヴィオ

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第84話

 

 雫が嫁になり、初夜も無事に終わった。二大女神と呼ばれた高嶺の花である雫が俺だけのものとなったわけだ。その証に身体中にキスマークもつけるほど彼女の大きな胸を含めて綺麗な身体を全て好きなだけ堪能させてもらった。もちろん、雫を気持ち良くするために彼女の身体を開発もした。まだまだだけれど、リリアーナと一緒に俺好みになるよう開発を続けよう。

 

「んん……」

 

 腕の中で汗をかきながら眠っている雫の胸をついつい揉んでしまっていたようで、彼女が目覚めた。昨日は結構、無理をさせたのでまだ完全には覚醒していないようだ。

 

「おはよう」

「おは……よう? っ!?」

 

 俺の上で仰向けになって寝ていた雫が、方向転換してこちらに気付き、挨拶をするとすぐに挨拶を返してくれた。だが、次の瞬間には自分がどういう状況なのかを理解したのか、悲鳴をあげようとしたので口付けをして黙らせる。

 

「んんっ」

 

 そのまま雫とおはようのキスを楽しんでいると、彼女も次第に冷静になってきたのか、身体から力を抜いて身を任せてくる。

 キスを終えて口を離すと、唾液の橋がかかって落ちる。雫は頬を赤らめながら布団を引き寄せて身体を隠す。

 

「それじゃあ、風呂に入ってから食事にしようか。今日は色々とあるからな」

「うん……わかった」

 

 雫をお姫様抱っこでお風呂に連れていき、二人で身体を洗い合う。隅々まで雫に洗ってもらうのは気持ちが良く、朝からしたくなってしまうが、今日は忙しいので残念ながら無理だ。雫にとっても今日は大切な日になるからなおさらだ。

 風呂で汗などの汚れを落としたら、皆と合流して食事を取る。本日の食事は川魚の塩焼きとサラダ。そして、白いお米。そう、お米だ。ユーリが頑張って種籾を作り、それを愛ちゃん先生が育ててくれた。故に俺は嫁達と共にお米をまた食べることができるようになった。

 

「醤油がないから塩だけ。おにぎりにするから」

「お手伝いしますね~」

「鈴も~」

 

 優花がエプロンをしながらテーブルの上におひつに入れられたお米を水をつけ、塩をつけた手で握っていく。それを見たユーリや鈴達もお手伝いしていく。

 

「私もいいかな?」

「うん。お願い」

 

 雫達も作っていく。その作られたおにぎりは並べられていく。その間にルサルカ達、日本人の者達以外はパンを大皿から取り分けていく。こちらも優花が作ったもので、フレンチトーストなどだ。テーブルの上にはそれ以外に色々な食べ物が置かれているので、それぞれが好きな物を取る形式となっている。

 

「お兄ちゃん、どうぞ」

「ありがとう」

 

 ユーリが優花に教えてもらって握ったおにぎりを差し出してくる。受け取ってしっかりと味わって小さな少しいびつなおにぎりを食べる。

 

「どうですか?」

「美味しいよ。ありがとう」

「えへへ~」

「良かったね」

「はい!」

 

 優花がお姉さんのようにユーリを可愛がっているのを見ながら、隣を見ると雫や鈴達も作ってもってきていた。そんなに入りはしないが、無理に食べるしかないようだ。

 

 

 

 

 嫁達のお料理でお腹いっぱいになったが、まあ食後の運動をすればいい。と、いうわけでやってきましたクレーターだらけの戦場跡地。俺達が居る場所はルサルカと恵理と一緒に帝国軍と魔族軍を殺しまくった場所だ。現在、こちらは魔族に率いられた魔物が沢山いるので運動には丁度いい。

 メンバーは戦闘が可能な嫁達とディアーチェ、シュテル、雫を除く全員とアストルフォ、オシュトルとハクだ。ハクはぶつくさ言っているが、無理矢理連れてきた。これからやることにはハクの力が必要だしな。まあ、仮面が無いから必要ないのかもしれない。それでも持ってきた魔導炉の護衛はしてくれるだろう。

 ちなみにディアーチェとシュテルは雫を見ている。彼女に竜の心臓と肉体の強化を行っているので不参加だ。

 どちらにせよ、帝国に向けて進行中の魔族軍を俺達は少し離れた崖の上から見詰めている。そんな俺の横に軍服姿のルサルカとオシュトル、ハクが近づいてくる。

 

「これからどするの?」

「行軍中の相手を奇襲するのは当然だよな」

「ええ、その通りね」

『さっさと排除して』

 

 美遊が容赦ない事を言っているが、これは仕方がないだろう。何せ待ちに待った日だ。

 

「はい。こちらから攻めるのであればその方がよろしいかと」

「お前達なら余裕だろう。さっさと滅ぼして本番と行こうぜ」

「それもそうだな。鈴、頼む」

「まかせて~!」

 

 鈴が神獣鏡(シェンショウジン)Yetzirah(形成)し、大規模な結界を展開する。これで誰も逃げられないし、天使達からみられることもない。

 

「じゃあ、行くか」

「はいはい! ボクが先に行くからね!」

「ボクも負けないぞ!」

「わかった。先陣を頼む」

「任せてちょうだい」

 

 アストルフォがバイクに乗り、レヴィが空を駆けて魔族と魔族が操る魔物の軍団に突撃していく。

 

「ユーリとプロテアは俺の側に居てくれ」

「わかりました。お兄ちゃんは私が守りますね」

「ん」

「頼む。恵理。アビーとリリアーナを連れて二人を援護してやってくれ。他は好きなようにしてくれ」

「では、某は……」

「オシュトルは俺とここで待機だ。お前はまだ身体が治ってないだろ」

「そうです。兄様はここで待機してください」

「それがいいかと思います。兄様」

「リムリ……イヌイ殿は某の妹ではないが……」

「いえ、リムリも妹ですよ。一緒の夫なんですから」

「それもそうだな」

「てなわけで、自分達と一緒にここで待機だ。余裕だろうが、一応何かあれば対応出来るしな」

「……今は戦力に余裕があるか」

 

 オシュトルとハクの二人には軍師とまではいかないが、将軍なのでそういう判断ができる。まあ、残っている戦力である俺に憑依したユーリと美遊がいるので問題ない。

 

「私はここから狙撃しようかな」

「じゃあ、スポッターをしてあげるわ」

「別にいらないんだけど……」

「まあまあ、そう言わないで」

 

 詩乃が弓ではなく、アンチマテリアルライフルのヘカートⅡに似せて作られたデバイスを取り出し、崖の上で寝そべって狙撃体勢を取った。その横に立ち、双眼鏡で相手を見るルサルカ。詩乃が猫耳で尻尾を揺らしながら風を計測している姿がなければルサルカの軍服姿からして軍人二人に見えてしまう。いや、間違ってはいないのか。

 詩乃の狙撃によって指揮官である魔族が瞬殺され、そのタイミングに合わせて空からレヴィとアストルフォが強襲をかける。混乱したところに青白い光が煌めいて瞬時に地上に居た魔物達を地表ごと氷漬けにしてしまった。

 

「出鱈目だよな。戦術兵器どころか下手したら戦略兵器だぞ」

「神子の力とは誠に恐ろしいな」

 

 ハクとオシュトルの言う通り、リリアーナは既に実力が一般人や王族から……いや、人から逸脱している。

 

「主様。あったかいお茶でございます。冷えた身体には良いと教えていただいた生姜を混ぜておりますので、温まります」

「ありがとう、アルテナ」

 

 お茶を飲みながらゆっくりと見学する。オシュトル達もアルテナが配るお茶を飲みながら皆で戦場を確認していると、氷が砕けていく。レヴィが落雷で粉砕したのだ。それによって得られる魂達を回収する。

 

「マスター、迎えに来たわよ」

「ありがとう、アビー」

「さあ、行きましょう。楽しい楽しい時間の始まりよ」

「そうだな。全員、移動するぞ」

 

 指示を出してアビーが開いた門を潜る。一応、SANチェックなどが起こらないように配慮してくれているので、問題なく移動できた。

 クレーターだらけの戦場の方へと移動し、恵理達と合流する。恵理は降霊術を使って死霊を憑依させ、死体を操って場所をどけていく。

 

「さて、やりましょうか、ダーリン」

「ああ、そうだな。美遊、アビー。手伝ってくれ」

「任せてください」

「やりましょう! とっても楽しい遊びの始まりだわ!」

 

 次にやることは魔法陣を描いていく。皆で協力して魔族と魔物の血を使って描き、召喚用の魔法陣は完成した。この魔法陣は聖杯としての美遊の力に加え、ユーリとルサルカの知識、それらを利用して俺の召喚士としての才能を使って完成させた物だ。

 

「さぁ……ガチャの時間だ!」

 

 召喚項目を確認すると、武器ガチャなどもあるが、まず一番はFate関連のガチャだ。それ以外は完全に無視だ、無視。

 

「美遊。愛歌の奴が終わったら、兄を召喚しよう」

「いいの?」

「約束だからな。先に全力で召喚していい」

「でも、ルサルカさんも欲しいのがあるんだよね?」

「私は雫の聖遺物が欲しいだけだから、別に後でもいいわよ。それに家族は一緒に居た方がいいでしょうしね」

「ありがとう。それじゃあ……やります!」

「鈴、結界を多重に頼む」

「任せて! 鈴がやってあげる!」

 

 美遊が俺の中に入り、神獣鏡(シェンショウジン)に囲まれながら一緒に身体を操って詠唱を行っていく。今回は聖杯としての力をフルに使って願いを叶える。今回使うのは天使の魂なので、その魂は本来捧げられるべきサーヴァントの魂と同質かそれ以上である。故に七騎を捧げることによって願いは叶う。ましてや、今回捧げるのは三倍の二十一騎だ。

 

「持ってけ!」

「お願い、お兄ちゃんッ!」

 

 複数の同時召喚を行って、アビーが生み出した魔法陣の上にある門が開く。そこから虹色の光がほとばしり、出てきたのは剣を持つイケメン男子。

 

「僕はセイバー。君を守り、世界を守る──―サーヴァント……」

「セイバーッ!!」

「なっ!?」

 

 別の門の向こうから愛歌が神獣鏡(シェンショウジン)に囲まれた中に入ってアーサーに抱き着き、頬すりしだす。そう、愛歌神獣鏡(シェンショウジン)によって邪悪なものは一切合切浄化され、清浄なる状態で召喚を行い、複数の聖杯を融合させた召喚特化型複合聖杯の力によってアーサー・ペンドラゴンを確定召喚した。それも愛歌を知っているアーサーだ。

 

「マスタァァァァッ!」

 

 抵抗しようとするが、既に準備万端で待機していた愛歌によってアーサーは瞬く間に鎖によって捕獲された。あの鎖、どう見ても神具なんだが気のせいか? 

 

「あの愛歌って子、永劫破壊(エイヴィヒカイト)を普通に使ってやがるんだけど、なんで?」

「親切な方に教えてもらったの。この鎖はアーサーのために用意したのよ?」

「くっ、エクスカリバーで……」

「無駄よ。この鎖がある限り、聖剣の力は発揮できないの。だって、星の(精霊)を封印するものだもの。もう逃がさないわ、私だけの王子様♪」

「マスター! 令呪を!」

「すまない。本当にすまない。だけど、しっかりと責任を果たしてくれ、イケメン」

 

 生きているような鎖によって雁字搦めにされたアーサーは口すら封じられてしまった。その状態で更にアイアンメイデンが召喚され、その中へと入れられる。その上から更に鎖でぐるぐる巻きにされた。これでもう逃げられないだろう。

 

「あ、あの、あまり酷いことは……」

「しないわよ。しっかりと話し合う予定なの。でも、逃げられたら困るからね」

「本当ですか?」

「本当よ」

「それならよかったです」

 

 ユーリはすぐに納得したようだ。騙されている可能性があるし、話し合うだけでその後の事は一切保証されていない。それでも愛歌を敵に回す方が危険なのでこれでいい。ユーリも気付いているだろうが、現状ではどうしようもない。エヒトとの戦いもあるので、ここで俺を危険にさらすわけにはいかないだろうしな。一応、愛歌には色々と注意もしていたようなので大丈夫だとは思いたい。

 

「アーサーを捕まえてくれたお礼に美遊のお兄ちゃんには色々とサービスしておいてあげるわ」

「ありがとう。それでお兄ちゃんは?」

「少し待ってちょうだい。はい、これでよし」

 

 魔法陣が愛歌によって操作され、俺と美遊の力が勝手に使われていく。美遊にバックドアでも仕掛けられていたのだろう。門の中からまた光が溢れ、その中から右手首の布、体の傷、射籠手の意匠が刻まれて装備を身に着けた一人の少年が……否。男性が歩いてくる。

 

「セイバー、衛宮士郎。召喚に応じ参上した。ただの美遊の兄なんだが、何の因果か、千子村正と無名の力を取り込んだ、疑似サーヴァントってことでサーヴァントの真似事や鍛冶師もできるようだ。ん? 相変わらず泣き虫のようだな」

「お兄ちゃんっ!!」

 

 美遊が俺の中から出て泣きながら士郎に抱き着いていく。彼の言葉が本当なら、それが愛歌からの美遊へ対するお礼も兼ねたプレゼントなのだろう。

 

「よしよし。それで……お前がマスターで、美遊の使()()()か」

「夫だ。妹さんをください」

「既に貰っているだろうが、筋は通さないとな」

「ああ。だから、美遊は笑って友達と遊べる世界にする」

「そうか。なら、後はコイツで語り合うとするか」

 

 そうして引き抜いたの刀である。

 

「駄目」

「美遊?」

「ご主人様に手を出しちゃ駄目」

「これは男同士の話でな?」

「駄目。駄目ったら駄目。それにこれからまだ忙しい。そういう戦いは後にして」

「……」

「すまない。できれば後で戦おう。俺も刀術を習う事になったから、それを覚えてから正式に挑みたい」

「あ~そういうことならいいか。で、何をすればいい?」

「とりあえず、戦力になってくれたらいい」

「了解っと。それで美遊。ちゃんと食べてるか?」

「食べてる。大丈夫。それにいっぱい友達もできたよ。姉妹かもしれないけど」

 

 美遊が士郎の手を引いてこちらに移動してくるので、俺達は愛歌の方を見る。しかし、彼女は既にアーサーと共に居なかった。スマホに目をやると、メッセージがあった。そこには俺にもプレゼントを用意したと書かれているので、誰かを確定でくれるのだろう。

 

「次はこれだな」

 

 美遊は楽しそうに話しているので、そっとしておいて召喚を開始する。別の門が現れてそこから虹色の光が溢れてきた。

 

「万華鏡のように私が支援します」

 

 傘を持ち、美しい晴れ着に身を包んだ雅な姿をした幼い姿のピンク色の長い髪の毛をした大人の女性。

 

「異世界。大変興味深いです。色々と教えて差し上げますから、私を楽しませてください」

 

 愛歌が用意したのは、まさかの五億円のママだった。そう、彼女は研究者でありながら、ヤバイ変身能力と分身能力を合わせ持つ天才で、一つの世界で最強の一角として君臨する女性だ。子供扱いしたら店や街ごと吹き飛ばされる可能性すらあるので、注意も必要だ。

 

 

 

 

 

 

 

 




なお、アーサー君はとある有志によって救出されて安全に助け出されたもよう。話し合いは決裂である。

ママだよ。コッコロたんと違って普通に大人の女性のロリママだよ。あれ、誰かが来たようだ……
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