織田3大軍師と恐れられた男〜女性ばっかの戦国時代で種子島で成り上がる 作:焼肉定食
あれから三週間がたったある日。
それで俺はというと
「爺ちゃんこれくらいでいいか?」
「おぉ。いつもありがとうね。」
「別にいいって。それで」
「浩介さん。お茶入りましたよ。すこし休憩にしましょう。」
と鍬を握り近くの村で俺は汗を流していた。
というのも仕事を任されてはいるんだが十兵衛と生徒会で鍛えた書類仕事能力が役に立ち午前中で仕事を終えることが多く軍略の仕事は丹波さんから教わっているのだが昼間が空いている時間に俺は村で農作業に明け暮れていた
「そういえば知っておるかのう。最近織田家に来た武将のこと。」
「ん?」
「本当にありがたいみゃあ。わたみゃも自分の妹が人柱になって死んだもんだから。これからこんな犠牲はないにゃ。」
「商人たちも税率が下がって商売がしやすくなったって大喜びだみゃあ。」
「そうなんですか?」
と俺の最初の仕事は織田家構内における人柱の禁止だ。多くの反対意見がでると思っていたのだが案外受け入れられることが多かった。
そして二つ目はというと
「こっちは終わりましたで。」
「ん。お疲れ様。お前らも休め。」
「お兄ちゃんこっちも終わったよ。」
と俺の配下に元々山賊だった頭を中心に20〜30人程度の山賊や現在でいうところのスラム街の子供を俺がやとっていったのである。その数およそ300。
これは信奈に協力のもと昔から問題になっていた山賊とスラム街にいた捨て子を拾い育成かつ尾張の農民の手伝いを当てている。
軍事に当たっては勝家こと六に午前中稽古をつけられているらしい。
ついでに文官志望の人は俺と十兵衛が夜間に計算と簡単な軍略について教えている
なので実質的な兵はおよそ150人程度の少数部隊だが、俺はこれまでの功績を全て種子島を譲ってもらうことになっていた
その数およそ100丁。
元々軍師的扱いで武勇はそんなに優れているわけではないので専門的な知識と、戦略で自分でも扱える武器を使うことをきめたのだ
なお十兵衛がささっと俺が100丁の火縄銃を褒美にもらったというと悲鳴により良晴や犬千代、浅野の爺ちゃんにねねが何事だと俺たちの部屋に駆けつけたのは別の話
てか十兵衛。お前も部屋があるのに自分の部屋で泊れよと思ったのはいうまでもないのだが。
「また、村にでていたんですか?」
すると馬に乗った見知った女の人が現れる
「…に、丹羽様。」
「なんで私たちの村に何故にゃあ。」
と村人に驚かれるが
「万千代さん。どうした?」
俺が聞くと全員が絶句する
「緊急の軍議を行いますのですぐに城に来てもらえますか。浩介さん。」
「…今川か?斎藤か?」
「いえ。信勝様です。」
「……すぐ行く。」
俺はすぐに馬宿を向かい馬にのる
「……てめぇら。一応準備しとけ。」
「「「はっ。」」」
そして馬を走らせ万千代さんと並ぶ
「すいません。どういうことですか?」
「良晴さんに任していた兵糧買に信勝様の妨害が入って犬千代様が出奔されました。」
「…ごめん。訳がわからない。一から説明してくれ。」
「これは私としたことが。零点です。」
と聞いた話によりますとと聞くと
どうやら米が多すぎて少しばかり遅れてきた良晴は犬千代たちに頼んで米を運んで来たらしい。それを妨害しようとした信勝の部下を派遣。それを問答無用で斬りかかった犬千代ってことらしい
「……それ信奈大丈夫なのか?」
俺がポツリと呟くと万千代さんは首を振る
「姫様は実の妹のように扱っている犬千代様を失ったのはかなりの痛手になっています。10点。」
「……」
俺は歴史について結構知っている方だが多分利家は一年ばかり追放された出来事と関連付いているのであろうけど
タイミングが悪すぎるだろ
「やめだな。信勝攻めはいつかやらないといけないけど。」
「はい?」
「さすがに今の織田の家内争いは今川戦に響く。さすがに二正面でやりあえるほど尾張の兵は強くないしな。」
「……どういうことですか?」
「近いうちに分かるだろうな。まぁ信奈に壊れてしまったら織田家は逆に壊れるだろう。多くの民が死に。多くの将は不幸になる。」
「……」
俺は馬を走らせている。その後は終始無言だった
結局この騒動は大きく広がることになる
「で、何の用なの?」
「ええと……その、犬千代の件で参りました!」
「……犬千代なら、出奔してしまったわ。居場所はわたしにも分からないのよ」
むすっと頬を膨らませながら、信奈は窓の外に視線を逸らした
「の、信勝さまは、犬千代を引き渡せと……さもなくば再びご謀反申し上げる、と……」
「あいつはバカだから、取り巻きの連中に煽られてそんなこと言ってるだけでしょ? 六、あんたには信勝を抑えられないの?」
「も、も、申し訳ありません! この勝家、戦の場では誰にも後れを取らないと自負していますが、その、こういう話には実に疎く、怒鳴って脅すか、いっそ斬り捨てる以外に解決する方法を思いつかず……」
「……」
六は天は二物を与えずの典型例だろうな
「はぁ。まったく、六らしいわね。どうせ信勝を抑えられないのなら、次の合戦でいっそわたしの首を討てばいいじゃない」
「そ、そんなことできるワケがありません! 姫さまに反旗を翻さねばならぬのなら、切腹したほうがマシです!」
「ん?どういうことだ?」
「信勝が謀反するたびに負けてるのは、六がわたしと戦わずに適当に引き上げてくれるからなのよ。」
俺が聞くと信奈が答える。
「てか、信奈に忠誠誓っているんだな?六。」
「あぁ。そうだけど。」
「……なんとなくお前の立ち位置が見えてきた。結構苦労人だなお前。」
お茶飲むか?と聞くと六は少し考え頷く
そしてお茶をたてていく
そして万千代さんにもいれると茶道の心得があるのか可憐にお茶を飲む
「そういえば、お前お茶立てれたんだな。」
「俺の同居人に叩き込まれたんだよ。」
「あぁ。十兵衛ちゃんか。」
「あいつに礼儀作法を一から学んでいるからな。堅っ苦しいことありゃしない。」
「そういえば十兵衛ちゃんは?最近見てないけど」
あぁそういえば内密にしていたな
「三日前に京に向かわせた。元々京出身であるし、三ヶ月くらいの休暇を取らせた。俺は西日本の情勢はかなり疎いからな。ついでに朝廷の調略を仕掛けている。」
「……あれだけ報告をすませるようにと。40点です」
万千代さんは呆れたようにしている
「東は今川討伐したら松平に岡崎を取らせようと思っている。」
「松平?確か。」
「竹千代のこと?」
すると俺は頷く。
「元々岡崎は松平家のもの。俺たちは今川、武田、北条。東方には数ある大大名がいる天下を狙う武将がするならば東方は無視して西方に勢力を伸ばすのが一番。二週間前から服部、本多正信に調略を仕掛けていて駿府城を松平家に取らせることを条件に松平軍を離す調略が成功した。」
「「「「っ!!」」」」
「元々あそこは武将の強さだ。そのうち元松平家の武将だけは群を抜けて強い。軍師の本多正信も軍一の武将本多忠勝も全員松平家。相手にするのは得策ではない。その上味方につければ大きな力になる。後は奇襲を仕掛ける。タイミングや仕掛けを間違えなければ勝てる可能性が高いんだよ。土地の有利はこっちにある。今度の今川の上洛で落とせるかが一番重要なんだよ。」
俺がそういうと全員が絶句したようにしている
「今川に勝てるの?」
「勝たせるのが俺の仕事だぞ。……負ける戦を起こさせるかよ。」
俺は内密になとこの場にいる万千代さん、六、信奈に良晴は頷く
「……今川が上洛の準備を進めていることあってすぐにお家騒動を収める。」
「そうね。これ以上わたしを挑発するのであれば、受けて立つわ。勝家、信勝に伝えなさい」
「な、なんと?」
「次にわたしに謀反すれば、母上がいくら助命を嘆願しようがあんたを殺す、と」
まぁ当たり前だよなぁ。
「そ、それは」
「駿河の今川義元が本格的に上洛の準備を進めているのよ。義元が動けば真っ先に攻め込まれるこの尾張国内で揉めている余裕は、もうどこにもないわけ」
事実もはや時間の問題だ。隙を見せた途端やられる可能性が高いのはこっちだろう
「それに、あのバカ弟の面倒を見るのはもうこりごりなの! 誰のせいで犬千代が出奔したのよ、あいつが先に犬千代にちょっかいを出したんでしょう?」
「しかし、信勝さまは姫さまにとって、血を分けたただ一人の弟君」
「もういいのよ。戦国の世に、厄介ばかりかける弟なんて要らないわ」
ぶっきらぼうに呟く信奈の白い頬が、ひどく張り詰めていた
「なあ、ほんとに信勝を見捨てんのか? あいつは確かにバカだが、悪い奴じゃない。お前もそう言ってたろ」
「わたしのような姫大名はね」
「ん?」
「たとえ戦に敗れても、髪を下ろして出家すれば命は許されるワケ。そういう習わしなの。でも男は別。降伏しても許されなかった場合、首をはねられちゃうのよ。その上あいつは、人材豊富な今川方にしてみればわざわざ家臣団に組み入れたくなるほどの武将じゃないわ。謀反常習犯だしね」
「……なるほどな。」
だから死ぬくらいなら自分の手でか
「だからどのみち、あの程度の器じゃ戦国の世を生きられないわ」
「もう一度だけあたしが命を賭して説得してみます」
と勝家が名乗り出る
しかし信奈は首を振った
「六がいないと、わたしの天下盗りの計画は頓挫するわ。あんたより強い武将なんて、弱兵揃いの尾張にはいないもの。どちらかの首を選ぶとなれば、信勝よ」
「しかし、姫さま!」
「六。今、尾張国内で戦を起こせばたちどころに両者とも今川に蹂躙されるのよ。あんたがもしもこの信奈こそ尾張の主であると認めてくれるのであれば、ただちに信勝をおびき寄せて捕らえなさい。それが尾張のため、民のため、そして天下のためよ」
「……ぎょ、御意」
毅然とした口調、覚悟を秘めた眼差し
勝家は思わず頭をたれた
断じて、うつけなどではない。やはりこの人こそが尾張の主なんだ、と体が理解したのだろう
それに俺は数回ため息を吐き空を見上げた