ツイン・フューチャー   作:キズカナ

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思いがけない休日

 

「……どーしてこーなったの?」

 

 皆さんこんにちは。奥沢美咲です。

 あたしは現在、友人(まあ色々と考えた結果こう言った方が当たり障り無さそうだと思った)である、沙島健くんと一緒にショッピングモールに来ています。

 

 どうしてこうなったのか。

 メタい話、前回の話を読んでくれてる人なら分かると思うけど、沙島くんは街に出た場合、少しでも目を離すと人助けをしちゃう訳で。その結果倒れた事があるということで、お家のお手伝いで手が離せない美琴ちゃんにお願いされて、あたしが行動を共にすることになった……って感じかな?

 

「・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・」

 

 ま、一緒に行動する事になったとはいえ、特に話すことも無く、暫くの間時間だけが経っていた。

 

「えーと……、何か予定があるなら帰って貰っても大丈夫ですよ? 美琴には僕の方から上手く伝えておくので……」

「いや、大丈夫だよ。予定は無かったし。」

「……でも……退屈じゃないですか? ただその辺、散歩するだけですし……」

「……はあ……。沙島くんは逆に退屈なの?」

「え? いや!! 別にそういう意味では……!!」

 

 なんか遠回しに拒否されたような言い回しと受け取ってしまった為か、あたしは思わず意地悪をしてしまった。

 ……一応、自分でも大人気ないかなとは思っています。

 

「じゃあさ、沙島くんが行ってみたいところって無いの?」

「え?僕が行きたいところですか……?」

 

 あたしがそう聞くと、沙島くんは言葉通り腕を組んで考えていた。

 

「……どこですかね?」

「え?」

「あ、いえ……その……今まで自分がどうしたいとかあまり考えて無かったので……」

 

 なるほど……。もしかしたら沙島くんは意外と自己主張が苦手というか、そんな感じなのかな?

 なんか色々と話を聞いてみたいという自分がいたけど、『好奇心は猫を殺す』ということわざもあるくらいだし、ここはとりあえず野暮な質問はしない方がいいのかもしれない。

 

「うーん……じゃあさ、ショッピングモール行ってみる?あそこなら色々あるし、もしかしたら沙島くんが気になるものも出てくるかも。」

「そうですか……?じゃあ、お願いします。」

 

 と、いうわけであたし達はショッピングモールに向かって移動を始めた。

 

 

    ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

 

 

 さて、時は過ぎてあたし達はショッピングモール内に来た。

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

 沙島くんはまるで珍しいものを見るかのように辺りを見渡していた。

 

「……沙島くんってあんまりこういうところ来ないの?」

「はい、妹となら時々来てたんですが……。最近は友達と行くようになったので、僕自身はあんまりですね。

 それに……買い物は基本的にスーパーマーケットで済ませてますので……」

 

 成程。じゃあ、沙島くんはあんまりこういった所には詳しく無さそうか……。

 

 と、なると……

 

「あたしがエスコートしなきゃいけないってことか……」

 

 誰にも聞こえない程度の声量であたしは呟いた。

 

「えっと……奥沢さんは気になってるところとかあるんですか?」

「いや、無いけど……まあとりあえずちょっとの間、ショッピングモール内を散歩してよっか。その中で気になるお店とかあれば入ってみればいいしね。」

「は……はい。」

 

 とまあ……そんな感じで、あたし達は特に目的もなくお店の中を散策している。

 あたしにとっては、よく花音さんとかと一緒に来てるから特に珍しいと感じるものは無かった。誰かの言葉を借りるとするなら……「いつも通り」って感じ?

 

 そしてある程度歩いた所で、あたし達はゲームセンターについた。

 あたしは沙島くんを誘い、少しだけ中を見ていく事にした。

 

「……凄いですね……。」

「……そんなに?」

「いえ……、こういった賑やかな場所はあまり来ないので、ちょっとびっくりしてしまいました。」

「あー……。まあ気持ちは分からなくもないけどね。」

 

 そう言いながら、沙島くんは珍しいものを眺めるかのように辺りをキョロキョロしていた。

 適当に足を進めていると、あたしは1つのゲーム台に目が止まった。

 

「(あ……これって……)」

 

 それは……かつて、あたしがとある人物と共に来ていた時に、その人物がプレゼントしてくれたクマのぬいぐるみだった。

 

「……?奥沢さん?」

「・・・・・・・・・」

「奥沢さん?聞こえてますか?」

「えっ?……あ、ごめん。なんだっけ?」

 

 沙島くんに呼びかけられて、我に戻った。

 

「……このぬいぐるみ、気になるんですか?」

「へ?いや……気になるっていうか……ちょっと、記憶に新しいというか……」

 

 あたしがそう言うと、沙島くんは財布を取り出し、100円を入れようとしていた。

 

「いや、ちょっと待って?」

 

 そして、あたしは思わずその手を止めた。

 

「え?」

「いや……なんかあたしの顔みて入れようとしてるからさ……。勘違いならゴメンなんだけど……。」

「……バレました?」

 

 どうやらあたしの予感は的中していたらしい。彼は、あたしがこのぬいぐるみに興味を示していると思って、取ろうとしていたのだ。

 

「もしかして迷惑……でした?」

「いや、迷惑っていうか……。なんて言うか、もうちょい考えてからお金使いなよ……。

 ほら、自分が欲しいものとかにさ。」

 

 あたしがそう促すと、沙島くんは少し考えていた。

 

「うーん……別に特に欲しいものとかは……」

「じゃあ、もうちょっと見て回ろっか。そうしたら沙島くんが興味を持つものも見つかるかもだし。」

 

 あたしが足を進めると、沙島くんも後をついてきた。

 なんだろうこの……雛鳥を連れた母鳥のような気分は……。

 

 そんなことを考えながらあたし達は色んな物を見て回った。

 クレーンゲーム、リズムゲーム、プリクラにメダルゲームと色んなものを。あたし自身、ある程度知り尽くしていた筈だけど、久しぶりに見て回ったことで以外な新鮮さというか、なんか新しい感覚に襲われたような感じになった。

 

 

 

 

 ………とは言っても、特に何かゲームをしたとかそういうのはなく、ただぶらぶらとお店の中を見て回っていただけだった。

 

 

 

 時計を見ると、そろそろ5時を迎えようとしていたところだった。

 ぼちぼちこの場を後にして、お互い帰らないと……と思っていたところで、沙島くんがとあるものに興味を示していた。

 

「沙島くん?」

「あ、いえ………ちょっとこれなんですけど……」

 

 沙島くんが見ていたのは、小さなストラップタイプのぬいぐるみだった。

 見た目はまるでテディベアをそのまま小さくしたような見た目であり、赤、青、緑とカラーバリエーションも豊かだった。

 

「……ちょっとこれやってみます。」

 

 そう言いながら沙島くんは財布を取り出して、お金の投入口に100円を入れた。

 

 一回目の挑戦。景品が沢山集まっている場所にアームを動かし、一気に掴んだ。恐らく、下手な鉄砲数打ちゃ当たるという感じの作戦だろう。

 

 しかし、現実は思っている程甘くないということだろう。掴んだ景品はことごとく抜け落ちていき、何とかすがりついてた物もアームが動いた振動によって残りの景品も台の中へと消えていった。

 

「あちゃ〜……」

 

 あたしは思わず、声を零した。

 前に聞いたことはあるけど、こういったクレーンゲームは元々、アームの力を弱くしてあるということを聞いたことがある。まあ、そうしないと商売にならないということもあるんだろうが。

 

 それからというもの、彼の挑戦は長きに渡った。

 最初に初めてから沙島くんは何枚100円玉を投入しただろうか。多分その動作を7回は見た気がする。

 そして今、新たに100円玉が投入された。今度は景品出口の近くにアームを動かしていた。そっちの方が移動距離も少ないし、運良く出口の方に景品がこぼれるかもしれないという算段だろう。

 

 アームが完全に降りると、一気に閉まる。

 そして、ゆっくりと上に登って言った。

 

 

 

 

 

 

 するとどうだろうか。

 先程の景品のうち2つは、溢れ出た影響により出口の方へと転がり落ちた。

 そして、アームの方にも運良く紐が引っかかっていてマスコットが宙ずり状態になっている。

 

 そしてそのままクレーンは動き、揺れと振動によって見事、出口に落ちていった。

 

「……やった……。やりました!」

 

 沙島くんはとても喜んでいた。

 その時、あたしは初めて彼の笑顔を見たのかもしれない。そう思えるくらい、他の人から見ても彼は嬉しそうだった。

 それにもうひとつ、あたしは……真剣にクレーンゲームをしている沙島くんを見てると、あの時の光景が重なってしまっていた。。……まるであの人(・・・)のよう……

 

「・・・・・・・・・・・・・」

「……奥沢さん?」

「あ、いや。なんでもないよ。」

「そうですか?………あ、そうだ。」

 

 そう言って、沙島くんはあたしにとあるものを渡してきた。

 

「これって……さっきの?」

 

 彼があたしに渡したのは、先程の景品のひとつのピンクのクマのストラップだった。

 

「はい。奥沢さんには色々とお世話になったので。」

「いや、そんなやったつもりないんだけど……。それに、いいの?沙島くん、それ欲しかったんじゃ……。」

「それなんですけど……実はこういうの美琴が好きで……、お土産にと思いまして。」

「……美琴ちゃんのためだったのか。」

 

 あたしは苦笑いしながらもそう呟いた。

 結局あたしは、そのストラップを受け取った。沙島くんは青色のクマのストラップと赤色のクマを持って帰った。

 

 それからというもの、特にこれといった事は無く、あたし達はショッピングモールを後にし、帰路に着いた。

 今日1日、彼と一緒にいたけど……なんだか不思議な感じだった。

 

 でも……初めて彼の笑顔を見れた気がしたのは……あたしの気のせいじゃない気がする。

 

 そんなことを考えながら、日が暮れようとしている空を背景にあたし達は歩いていった。

 

 





最近ハマった虹ヶ咲のアニメ面白すぎて執筆思わず止まっちゃってたわね……。多分ラブライブ作品で1番ハマっちゃってるかも。まあ私、これまでのシリーズのラブライブアニメ全部は見て無いんですけどね(殴

ああ〜、創作意欲は湧くのになぜ筆が進まないんだ〜。



それでは、次回もゆっくりしていってね!!
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