32番目の騎士   作:ミアキス

12 / 13
 お久しぶりです。ミアキスです。気づいたら夏も終わりに向かってました、、。
当作品については、今後の展開に行き詰まっておりました。ですので本来ならば12話「修剣学院」を執筆する予定でしたが、代わりに番外編「整合騎士の休日」をお送りいたします。ご了承ください。
もうしばらくほのぼの回が続くかもです。
そして皆様、現時点で、お気に入り登録者様384人、評価バー赤を達成しました!本当にありがとうございます!! 

それでは番外話「整合騎士の休日」どうぞ!!


番外編「整合騎士の休日」

 

 

〜〜アンダーワールドセントラル・カセドラル自室〜〜

 

 

 

「ねぇ、皆で湖いこうよ!」

 

 

 夏といえば何を思い浮かべるだろうか、海? プール? バーベキュー? 花火? 縁日? 炎天下でのスポーツも良いかもしれない。

アンダーワールドに来てから二年近く経つが、ようやく四季がしっかりと存在する事を知った。現実とは若干の違いはあるのだが。しかし、今の季節は、暖かいといっても春半ばである。夏ではない。繰り返す、夏ではない。海もプールもはっきり言って季節外れである。

温暖地域ならば3月あたりから海開きもするだろうが、日本人からすれば季節外れもいいとこである筈だ。無論、アンダーワールドは日本と似た気候であり冬が過ぎたからといって少し暖かくなっただけであり、肌寒さが残る。

 

 

「ねぇ、ねぇセイヤ聞いてる? 」

 

 

聴いてるとも。その言葉を未だに理解できないだけで。

彼女、イーディス先輩は湖に行きたがっているのだ。まだ春なのに、だ。いやまてよ?まだ泳ぐと言っているわけではない。これは先輩にも申し訳無かった。はやとちりが過ぎたようだ。反省して…

 

 

「新しい水着買わなきゃね〜あ、そうだセイヤ!水着選んでよ! 」

 

 

前言撤回、この人やっぱりアホだ。

 

 

「…先輩、アホですか? 」

 

 

「え!? 酷い!アホじゃないよ!! 」

 

 

先輩はいきなりの事に驚いたのか頬をぷくっと膨らませている。

 

 

「いや、だって今春ですよ? 絶対寒いですって」

 

 

「むぅ。いいじゃん! 折角の休みだよ? 」

 

 

何やら先輩が拗ねている、やっぱり可愛いなこの人。でもそういう問題じゃないんだよなぁ。湖以外にも行くとこなら沢山あるでしょうに。

 

「そんな寒い中で泳いでもいい事ありませんよ? 」

 

 

「でも、滅多にない休みなんだよ?次はいつになるか、、」

 

 

確かにその通りである。アリスが任地から帰ってきたことでアリスも含め俺達3人に5日間の休暇が与えられた。セントラル・カセドラルの整合騎士は激務であり、休みも滅多にない。5日間の休暇はとてもありがたいものだった。次がいつになるか分からないと言うのも納得だ。

そして先輩が何故これほど湖に行きたがっているか、その答えは単純である。彼女は泳ぐのが好きだからだ。休暇が与えられる度に飛竜に乗り湖まで行き、泳いでいるそうだ。なぜ泳ぐのが好きなのか本人にも理由は分からないそうだ。何故か懐かしい感じがするらしい。

まぁつまり今まで一人で泳いでいたから仲間が欲しいと言うわけだろう。彼女自身実は寂しがり屋である。

 

 

「はぁ、分かりました。アリスも誘うんですよね? 納得するかは分かりませんが、聞いてみますか」

 

 

 

「え! やった! じゃあ水着買う準備もしないとね! 早速明日でいい? 」

 

 

「はぁ、構いませんけど、アリスは誘える前提なんですか? 」

 

 

「うん、大丈夫。こっちで誘っとくから」

 

不味い、誘えるビジョンが見えない。どうせ反対されるに決まってる、、ましてや整合騎士の中でも常識人な彼女だ。俺と同じ理由で反対してくるだろう。ここは…

 

 

「先輩、アリスは俺に任せてください」

 

 

「え? でも…」

 

 

「ほら、もう9時ですよ?明日のためにも今日は早く寝てください」 

 

 

「え、うんそうだね! じゃあ先寝るね、おやすみ」

 

先輩がちょろくて助かった。少し酒で酔っているのもあるだろう。普段ならこうはいかない。

彼女はなんとなく納得したようで俺のベッドに横たわる…

 

 

「自分の部屋で寝ろ」

 

「ぎゃん!! 」

 

先輩の脳天に軽くチョップをかまし、自室に戻るよう促してから俺も腰を上げアリスの部屋へ向かった。

 

アリスの部屋の目の前まで来てから一度大きく深呼吸をし、ドアを3回コンコンッと叩く。

 

「はい、開いていますよ」

 

アリスからの短い返事を聞きそのままゆっくりとドアを開ける。

ほんのり香る甘い匂い。部屋は女の子らしく綺麗に整理整頓されている。

 

「…誰か確認しないんだな」

 

「こんな夜中に訪ねてくるのはお前かイーディス殿しか居ないではありませんか」

 

 

「そうだよな、、改めてこんな遅くにごめん、話があってさ」

 

「話、ですか」

 

「そ、話、アリスって休暇中暇? 」

 

「まぁ今のところこれといった予定はありませんが…」

 

「よし、じゃあ俺とイーディス先輩と湖行って泳がないか? 」

 

「はい? 」

 

「だから湖行って泳がないかって、、」

 

「…一旦落ち着きなさい、そこの椅子に腰掛けて構いませんから」

 

アリスに促されるまま木製の丸椅子に腰掛ける。

うーんやはりこの誘い方じゃダメだよな、方法を変えてもう一度トライしてみるか

 

 

「まぁ気持ちは分かるよ、でもこれは先輩の願いでさ、ほらなんやかんや普段お世話になってるしここは一つ、寒いのは承知で」

 

 

「アホなのですか!? 凍え死んでしまいますよ? 」

 

アリスの顔が青ざめている。え、何言ってんの!?って顔だ。

うん、全く同じ気持ち。でも先輩のためにもここで引くわけにはいかない。

 

 

「まぁ、なんかあればサーマル・エレメント(火の神聖術)で…」

 

 

「なんとかなりませんよ! 」

 

 

くそっ、、まるで駄目だ。こうなったら最終奥義を使うしかない。

 

 

「…アップルパイ」

 

 

「な、なんですか? 」

 

 

「一緒に湖行ってくれたらアップルパイを3個、いや10個焼いてやる!これでどうだ!! 」

 

アリス・シンセシス・サーティ、彼女は甘いものに目がない。特にアップルパイは大好物である。彼女の好物だと知ってからは食べたいと言った日には必ず彼女のためアップルパイを作っている。俺が作るアップルパイは美味しいらしくイーディス先輩に妬まれる程だ。リアルではほぼ一人暮らしの為部活や、バイトがない日に自分で楽しめるようにと始めたお菓子作りが功を奏したようだ。

アリスはずっと任地にいたしそろそろアップルパイが欲しいはずだ。

さぁ!どうするアリス!

 

 

「くっ…卑怯です、、、」

 

 

セイヤ・シンセシス・サーティツー、勝利を確信した瞬間であった。

 

 

「20個、、20個日にちを開けて作りなさい、、、」

 

 

彼女は見た目の割によく食べる。全く食べたものはどこに消えるのだろう。まぁいい手間と費用はかかるが条件をのもう。費用は、、先輩に払ってもらえばいい。

 

 

「ふっ、よかろう」

 

 

「不本意ですが、契約成立です。」

 

 

 

アリス・シンセシス・サーティ堕ちる。

いや、まじでアリスがちょろくて助かった。正直こんなあっさり行くとは思わなかった。余程任地で糖分が取れなかったんだな。かわいそうに。

 

 

翌日、央都セントリアサザークロイス帝城にてアリス、イーディス先輩と合流し、衛士庁舎付近にある服屋に向かった。目的は水着である。

整合騎士は休暇といえど決して自由ではなく行動範囲は限られている。

なので、完全にお忍び状態であり、武装も解除している。勿論鎧など目立つので装備しておらず完全に私服だ。

2人の私服姿は新鮮だ。アリスは寒いのかしっかりと青のカーディガンを着込んでいるが、先輩はというと灰色の薄い羽織物を半袖の上に羽織っているだけだ。まるで正反対。

そんなこんな考えているうちに服屋に到着した。丸い木製の看板に服のマークが描かれている。建物はレンガ式。

 

 

「いらっしゃいませー」

 

 

気さくそうな店員が自分達の姿を見るやいなや駆け寄ってきた。

 

 

「本日は何をお探しですか? 」

 

 

「水着の調整をしたいんですけど…」

 

 

「水着ですか、、少々お待ち下さい」

 

 

明らかに店員が驚いていた。そりゃ季節外れだもんな。年中水着を置いてるにしても。

あるだけの水着を揃えてくれた店員に促され、各自試着室で試着をする事にした。

鏡を見ながら丁寧に試着していく、水着を着るのなんて中学生ぶりだ、、お、これなんていいんじゃないか? 

手に取ったのは赤いハイビスカスのような花が描かれたものだった。

よし、これで決まりだ。上は、いらないか。

 

 

満を辞して試着室のカーテンを開ける。見るとアリスも先輩も選び終わったようだった。

 

 

「ね、ね、どう? セイヤ似合ってる? 」

 

 

主に赤と灰色を基調とした三角型ビキニである。いや、これはまずいでしょう。絶対に人様には見せられないな。イーディス先輩に似合いすぎている。、、だから目立ちすぎでしょう。何とは言わんが。

 

 

「はい、似合ってますよ、怖いほどに」

 

 

「そ、そっか、ありがと、じゃあこれにする!」

 

 

先輩はご機嫌なようでそのままレジに向かった。

 

 

背後からの視線に気づき後ろを振り返るとアリスが何やらたじろいでいた。

 

「あ、あの似合っていますか? 」

 

こちらも三角型ビキニ。青を基調としたとても綺麗な水着だ。その上に白の羽織物を着ている。こちらも似合いすぎている。何?今日は悩殺デーなの?

 

 

「あぁ、すごい似合ってる」

 

 

「本当ですか? その言葉信じますよ? 」

 

先程まで強張っていたアリスの表情はすっかり解けたようだ。口元は微笑んでいるようで安心した。

 

 

「ちなみに俺の水着は? 」

 

 

「「うわぁ」」

 

 

この時、俺は服のセンスがないのを悟ったのだった。

 

 

〜tobe continued〜

 

 

 




ここまでお読み頂きありがとうございました!!
今回は、完全におふざけ回というか日常編でした。これがずっと続けばいいのになぁ、、(遠い目)
それではまた次回お会いしましょう!



次回「整合騎士の休日2」
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。