32番目の騎士   作:ミアキス

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 皆様、お久しぶりです。ミアキスです。大変長らくお待たせ致しました。前回投稿から半年近く経ってしまいました。大変申し訳ありません。これだけの時間が経ちましたので覚えておられる方は少ないとは思いますが、ようやくリアルも落ち着き、執筆の目処が立ちましたので続きを執筆しようと思います。まだ少し忙しいため、相変わらずの亀更新ですが、これからも32番目の騎士をよろしくお願いします!
本編10話「金木犀と彼女」の続きからになります。時系列はおまけ話「整合騎士の休日」の前

それでは! 本編 第二章 11話 始まります!


          
【挿絵表示】
   挿絵を描いて頂きました!




第二章  本編アリシゼーション《人界編2》
11話「束の間の平穏」


 この世界、アンダーワールドにやってきて2年が経った。こちらでの生活はとても充実したもので何一つ不満を感じた事がない(それは大嘘)しかし充実しているというのは本当で、なんならリアルの生活より楽しいかもしれないぐらいだ。それぐらい退屈しない毎日を過ごしている。

今日も今日とて、昼下がりの雲上庭園を俺は満喫するのだっ_

 

 

「聞いているのですか!? 」

 

 

なにやら横で聞き覚えのある声がするのだが、気のせいだろう、何故ならアリスは任地に発って半年以上帰って来ないとかなんとか騎士長が言ってたし

 

 

   「き・い・て・い・る・の・で・す・か?」

 

 

   「痛い痛い痛い、耳ちぎれるって! 」

 

痺れを切らしたアリスが俺の右耳を全力で引っ張ってきた。(アリスは整合騎士で普通の女の子と比べ物にならない力を持っているので割と本気で耳がもっていかれるんだよ!)

 

 

 

   「こちらを見なさい? 」

 

    

 

   「ヒィッ!? 」

 

 

横にギギギっと恐る恐る首を捻るとそこには顔は笑っているのに目は一切笑っていない激おこぷんぷんアリスがいた。

 

なぜかアリスからゴゴゴッといういかつい擬音が発せられているが気のせいという事にしておこうか。

 

にしても任地に出発する前はこの雲上庭園で肩を貸して睡眠不足なアリスを1時間程寝かしてやったのだが、その時の可愛い寝顔のアリスはどこへ行ったんだろう、任地で何かあったのか、、?

 

 

「今何か失礼な事を考えていませんでしたか? 」

 

 

 

  「考えてませんです!」

 

 

俺は首をブンブンッと横に振る。何故こんなにご機嫌斜めかよく分からないが、これ以上怒らすと俺自身の身が本気で危ないのでどうにか対策を考えることにした。

 

   「えと、アリス、いやアリスさんはどうしてそんなに怒ってらっしゃるんですか? 」

 

 

   

   「本当に思い当たる節がありませんか? 」

 

 

お前は俺の親か!こういう時って返答に困るんだよ!いや父さんはあんまりそういうのなかったけど!

 

  

  「私が任地へ発つ前約束した事があった筈です」

 

 

約束、約束って、、「自分が居ない間皆を宜しく頼むってやつか? 」

 

 

 「そうです、確かに約束した筈です…ですが」

 

 

 

そこでアリスの背後の昇降盤がガコンッという音と共に止まり、昇降盤に乗っていた2人の人物が降りてきた。

 

何故か昼間から酔っ払っているイーディス先輩と、目のハイライトが失われ、なにやらぶつくさと1人呟やきながら歩いているグロッキー状態のエルドリエであった。

 

 

  「これは一体どういう状況ですか!? 」

 

 

  「……俺が聞きてぇよ」

 

 

 

ひとまず2人を一旦落ち着かせる事にした。エルドリエは木陰に横たわらせ、アリスの神聖術で眠ってもらい、イーディス先輩の背中をさすりながら、話を聞く事にした。まだイーディス先輩の方が今は話が通じそうだからである。

 

 

  「飲まなきゃやってらんないよ、もぅ、、」

 

 

  「何があったの(ん)ですか? 」

 

 

イーディス先輩の話を聞く限り、普段日中は真面目に仕事をこなす彼女だが、夜は気が抜けている場合が多く(俺の部屋に無断侵入し、酒やおつまみを勝手に消費するなど)それがファナティオ副騎士長にばれてこっ酷く叱られたらしい。でもそれって、、

 

 

  「それイーディス先輩が悪くないですか? 」

 

  「そうですね」

 

  「ガーン! 2人とも酷いよ! あたしの味方はいないの!? 」

 

  「いませんよ、というか大体イーディス先輩の生活習慣には問題があるんです、それに最近少し太りましたよね? 」

 

 

  「あーっ!!セイヤがいけない事言った!! というかあたし太ってないんだけど!? 」

 

 

イーディス先輩はリスのように頬を膨らまし、抗議の目をこちらに向けている。いやそりゃ普通なら女性に対して「太った」なんていうワードを使った際には死は免れないし、常識としてあり得ないし、言いたくはないが、はっきり言わないとこの人わからないんだもん。

後輩からの愛の鞭だと思って欲しい。

 

 

「ぐす…アリスもなんとか言ってよ! 」

 

 

「…少々言い過ぎですがイーディス殿の生活態度に問題があるのは同意します」

 

 

「うわぁぁぁぁん!!2人とも酷ぃぃぃいい!!」

 

 

あらら、完全に酔っ払って幼児みたいになってらっしゃる。今起きてることも明日の朝には忘れてるんだろうなぁ。

限界が来たのかイーディス先輩はその場で寝てしまったので、続いてエルドリエに話を聞くとする、、しようと思ったがあまりに眠りが深く、疲労困憊していて起こすのも可哀想なので、左肩にイーディス先輩、右肩にエルドリエを背負い、自室まで連れて行く事にした。

 

 

 

 

         「あの、、」

 

 

2人を自室に送り届ける最中にアリスがなにやら申し訳無さそうに話しかけてきた。

 

 

「先程も言いましたが、本当に2人を任してしまって大丈夫なのですか? 」

 

 

「ん、あぁ別に大丈夫だよ、これくらい、アリスも帰ってきたばっかで疲れてるだろ? 」

 

 

 

まぁここに来て毎日かなり鍛えているし実際これくらいわけないのだが。

 

 

「あと、、先程お前を疑ってしまいました。ごめんなさい、お前はしっかり私との約束を守ってくれていたのですね」

 

 

「いやまぁ、完璧には守れていないさ、イーディス先輩もあんなだし」

 

 

アリスはさっきのことを思い出したのかくすっと笑っている。

 

 

 「ですが誰も怪我をしていませんし、私が任地に発つ前と何も変わっていません」

 

 

 

「だから……その、ありがとうございます、セイヤ」

 

 

 

「え、、今なんて?初めて名前で呼んで…」

 

 

「っでは、私はここで失礼します、お休みなさい! 」

 

 

アリスは少し照れたのか急いで突き当たりの部屋へ向かう。

 

 

「ちょい待って、アリス! 」

 

 

俺の言葉にアリスは少し驚いた表情をみせ、その場に止まり、こちらを振り向いた。せっかくアリスが久しぶりに帰ってきたというのにこの言葉を言っていなかった。

 

 

     「おかえり、アリス」

 

 

 アリスは一瞬戸惑ったがすぐに口を小さく開く。

 

 

     「ただいま帰りました、セイヤ」

 

 

 

 

 

アリスと別れ2人を背負いながら廊下を歩いていると見覚えのある深紅の鎧に身を包む大柄な整合騎士デュソルバート・シンセシス・セブンに鉢合わせた。炎の弓の神器『熾焔弓』を操る堅物なイメージの武人である。リネルとフィゼルのお守りもしているしとても面倒見がいい人だ。俺も親戚の叔父さんのように親しくしてもらっている。

 

その面とは裏腹に弓の技量は超一流で、剣の扱いにも長けた凄い人である。

 

 

  「これはどういった状況なのだ? 」

 

 

   うわぁ、何これ?デジャヴってやつかな、、

 

デュソルバートさんに事情を説明すると、何やらエルドリエがこうなった理由について知っているようなので話を聞くことにした。

 

 

「アリス殿が居ない間、彼はお前と修練に励んでいたそうだな? 」

 

 

   「はい、それは確かにそうですが、、」

 

 

  「その間お前は彼を負かし続けていただろう」

 

 

  「いや、それは確かにそうですが、彼手強いんですよ? 模擬戦って言ってるのに何故か神聖術まで使ってくるし、、こちらも手加減したら怪我してしまいますから」

 

 

  「むぅ…ならば一概にお前が悪いとは言えないな、何はともあれそれが悔しかったのか、彼はベルクーリ閣下にまで稽古を頼み続けたそうだ、それがあまりにしつこいのでファナティオ殿に一蹴されたと聞いている」

 

 

うーん、そこまでしてエルドリエが俺に勝ちたい理由はなんだろう?別にそんな気に触るような事をした覚えはないのだが。

それでも今回はアリスに世話を任されていたのにエルドリエには少し悪い事をしたな。今度何か奢ってやる事にしよう。

 

 

「お前は今からイーディス殿を部屋へ送るのだろう、我とエルドリエは部屋が近い、我が送っていこう」

 

 

「恩にきます、デュソルバート殿」

 

 

ありがたくエルドリエをデュソルバート殿に預け、再び足を進める。

 

 

____

 

 

ようやく着いた、といってもここは俺の自室だ。イーディス先輩の部屋ではない(しかし実質先輩の部屋と言っても過言ではない)

流石に泥酔中の先輩を1人にする訳にもいかず、まだ夕方であるため、先輩の目が覚めるまで部屋のベッドで寝かしておく事にした。

 

 

午後7時を回った時、先輩は気だるそうに身体を起こした。

 

 

「うぅ、頭痛い、、」

 

 

「先輩、水どうぞ」

 

 

先輩は眠そうに目を擦りながら、こちらの顔を覗きこんだ。

 

 

「あ、セイヤおはよ、、ありがと、運んでくれたんだね」

 

 

先輩はゆっくりと水を手に取り一気に飲み干した。どうやら完全に酔いは覚めているようだ。

 

先輩は少し黙ってから重たそうに口を開いた。

 

 

「あたしさ、やっぱり迷惑かな、こういうの」

 

 

「変なところ覚えてるんですね」

 

 

イーディス先輩は見てわかるようにしゅんとしてしまっている。どうやら先程の言葉がショックで俺が本気で迷惑していると思っているらしい。

 

 

 「確かに先輩の生活習慣は良くないかもですが、別に迷惑だなんて思ってはいませんよ、先輩が普段どれだけ頑張っているかも知っていますし、それはきっとアリスも同じように思っています」

 

 

「それ…ほんと? 」

 

 

 

「ほんとですよ。それと…太ってもないです、さっきは本当にすみませんでした。我ながら最低でした」

 

 

「えと、太ったって誰の事? それは良くわかんないけど」

 

 

あ、それは覚えてないんだな、、とんだご都合主義だ。

 

 

 

「まぁとにかく先輩は先輩のままでいてください、俺は今の元気すぎる先輩の方が好きですから」

 

 

「好き!? …フフ、先輩をからかうとはやるね、セイヤ! 」

 

 

うわ、余裕ぶってるけどイーディス先輩めっちゃ顔赤い。

 

まぁでもきっと今の俺の顔も負けじと赤い、。

やっぱりキリトの真似とかするもんじゃないな、自分は鈍感ではないし。

 

 

まぁなにはともあれ先輩に元気が戻ってよかった。

 

 

 

「それじゃ! 明日からの5連休なにしよっか! 」

 

 

 

「え、なんですかそれ、聞いてないですよ? 」

 

 

 

「え? 元老長から聞いてないの? 明日からの休暇の話」

 

※おまけ話「整合騎士の休日」参考

 

 

あのくそ元老長、、、絶対あの人俺の事嫌いだよな、まぁそりゃあんだけやったら嫌われるの当たり前だけど!

 

しかしまぁこういった平穏の日々が続くのは良い事だ。しかしその日々はいつまでは続かない、この世界に来て2年間ようやく、キリトの居場所を掴んだんだ。

 

 

 

      彼に会いに行かなければならない。

 

 

 

  〜to be continued〜

 

 

 

 




 久しぶりの投稿でした、、。キャラの口調とか合ってますかね? 後書きで触れさせていただきますが、自分が執筆していない間も、本当に沢山のご感想、お気に入り登録ありがとうございます! 
これからも是非、どしどしよろしくお願いします!


次回「修剣学院」
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