さて、UAが3000を突破しました。ありがとうございます!
マサヒロ様、rai322様、ニータ様、青眼の悪魔様、Anfang様、
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皆様、多大なる評価本当にありがとうございます!励みになります!
引き続き宜しくお願い致します!
今回からアリシゼーションブレイディングのストーリー要素を入れたいと思います!
タグにアリシゼーションブレイディング、イーディスを追加致しました。
それでは、どうぞ!
------アインクラッド74層迷宮区 ボス部屋------
「団長! このままでは隊が壊滅してしまいます! 」
「団長! 撤退の御命令を!」
「ひぃぃっなんで、こんな奴が!?攻略情報には無かったぞ!? 」
両手用の大剣を見境なく振り翳す羊頭の青い悪魔はバラバラに逃げ惑う隊員の背中を追撃する。辺を見渡すと一緒になって戦っていた
『軍』の奴らも混乱状態にあるようだ。
隊が壊滅する、、、俺が率いる少数精鋭ギルド『赤鬼団』が、
それだけは、、、絶対にさせない。
「全員撤退! 直ちに転移結晶を使え! どこでも良い、早く飛べ!」
その言葉を残し、ボスについて詳しく知識がないままボス部屋に飛び込んだ自らを責めながら、74層のボスである『ザ・グリーム・アイズ』
へと愛剣である片手直剣を振り翳し、特攻する。
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
絶叫しながら、奴が俺に向けて繰り出した大剣を身体を右に大きく捻り交わし、一瞬の隙を突いて奴の懐に潜り込む。
再び振り翳した剣は弧を描き、青いエフェクトを輝かせる。
「 水の呼吸、拾ノ型_ 」
シャリィィィィィィという甲高い音を剣先から発生させながら
最後の望みをかけ、自分が持つ最大限のソードスキルを発動させる。
「___ 生生流転」
うねる龍の如く、剣を回転させる。
初撃が奴の懐を抉る、真っ青に輝く剣は鈴の音のような澄んだサウンドを響かせながら、そのまま刀身の根本まで深く、深く貫いた。
流石に効いたのだろうか、奴は呻き声を上げながら、二歩程巨体を仰け反らせる。
まだ、まだだ、もっと速く、もっと速く、もっと強く、、、
まるで不可視の翅を羽ばたかせたかのように凄まじいスピードで二連撃目を初撃より強く斬り込む、続いて、三連撃目、青いエフェクトフラッシュは部屋中を眩く照らし出した。
四連撃目を繰り出そうと身体を大きく捻った瞬間刀身にズンっと重みを感じた。奴の左手に刀身を掴まれたのだった。
見上げると、奴は右手に持つ大剣を俺に向けて振り翳していた。
ありったけの力を込めて四連撃目を奴が握る手に放つ
奴は刀身を握った手を離したが、右手の大剣は俺の目と鼻の先に来ていた。
身体に重く、鈍い衝撃が走る。咄嗟に剣の腹で受け、攻撃を半減したものの、かなり後方まで吹き飛ばされ、壁に打ち付けられてしまった。
左上のHPゲージを見つめると、レッドに突入していた。
薄れゆく意識の中で奴がゆっくりと此方へ来るのが見えた。
そして、此方へ近づいて来る仲間の姿も。
「なん、で、、転移結晶を使えと、、、」
「この部屋では転移結晶が使えませんでした、、、それに、隊長を置いていくなど私達には出来ません、生憎、回復ポーションは残っていませんが、最後までやらせてもらいます。」
そうして、数十名の隊員は奴へと向き変える。
ここで終わるのだろうか、俺も、俺について来てくれた隊員達も
薄れゆく意識の中、最後に見えたのはやや大振りの直剣を両手に握った
黒のロングコートを着た少年だった。
------アンダーワールド------
「き、リト」
__ 懐かしい夢を見ていた、あのデスゲーム、SAOの夢。
忌々しくもあり、好きでもあったあの場所の記憶。
俺はもたれていた大きな木から身体を起こし、傍に置いていた愛剣を
そっと撫でる。
「さて、と」
セルカから作って貰った特製パイをリュックの様な入れ物から取り出して
口一杯に頬張る。口内に広がる丁度良い甘さがなんとも言えない。
そこで、左手に地図を持ち、広げた。
ルーリッド村から出て、約3時間程経っただろうか。
・
南門からザッカリアを目指し、現在北の森まで来た。
そう、ザッカリアとは全くの逆方向である。
ザッカリアに行くまでに一つ確かめなければならないことがある。
いや、行かなければならない場所なのかもしれない、
『果ての山脈』 魔物が住むダークテリトリーに続く場所。
かつてアリスが禁忌目録を破った場所、破った目録は、「闇の国への侵入」だとセルカは言っていた。
実はセルカ曰く少し前に『果ての山脈』洞窟内に魔物である
ゴブリンが群れで現れたという。そいつらは果ての山脈に向かったセルカを追ってきたキリトとユージオに討伐されたようだが。
なら、今この瞬間にも再びゴブリン共が洞窟内にいても決しておかしくないのだ。実際人が南門周辺で襲われたという情報も入っている。
なら、いつ村を襲うか分からないという訳だ。そんなことだけはさせない。 どうせ剣闘大会が始まっているなら寄り道しても構わない。
いや、始まっていなくても此方を優先しただろう。
休憩を終え、地図をしまい再び果ての山脈へと足を進める。
------果ての山脈 洞窟前------
果ての山脈洞窟前に来ると、中から異臭がする事に気がついた。
獣の匂い、酷く腐った様な匂いがした。
しかし、洞窟内は暗く、とてもこの身のままでは入れない。
そこで、セルカから習ったとても簡単な神聖術を使う。
この簡単な神聖術でも村から出るまで1時間程練習してやっとできたのだが。
途中で採取した猫じゃらしの様な植物をポケットから右手で取り出す。
「システムコール。ジェネレートルミナスエレメント。アドヒア。」
すると猫じゃらしが明るく発光した。成功だ。
剣の鞘を左手でがっしりと掴み、警戒しながらゆっくりと洞窟内に入る。
洞窟内は、リアルワールドと変わらない様な感じではあったが、奥の方から異臭がするのは変わらなかった。
天井からポトリと水滴が落ちて来る。その水滴は地面の窪みにある小さな水溜りに落ち、ポチャンと言う澄み切った短い音が洞窟内に響く。
ふと、奥の方に明るみを見つけ、少し早足で近付く。
俺は絶句した。
「もう、、来てるじゃないか!? 」
洞窟の奥に位置する大きく開いた空間は氷の様な、水晶の様なもので満たされていた。その美しい光景に見惚れている暇は無かった。
そこに居たのは全身緑色の人間と変わらない程の大きさの肉体を持つ魔物。ゴブリン達であった。ざっと確認したところ、20体はいる。
すると、親玉であろう、周りより少し大柄なゴブリンがこちらに気づいたようだ。
「あ? おいおい白イウムのガキじゃねぇか、なんだぁ? 、男でねぇか、男は売れねぇ、殺れ」
はっとしているうちにゴブリンが持っていた松明を剣や、木の棍棒に持ち替え数匹がこちらに向かってきた。
俺は瞬く間に抜刀し、ゴブリンより速く動き出す。
こうなってはやる事は一つである。
「お前等、、、村に行く気だろう」
全集中 呼吸を落ち着かせ、ゴブリンを睨みつける。
「 水の呼吸、壱ノ型_ 」
ゴブリンが4匹程集まった焦点を狙い、高く跳躍する
ゴブリンがこちらを間抜けた顔で見ている。
空中で腕をクロスさせ、勢い良く水平に剣を振り下ろす。
「水面斬り」
4匹のゴブリンは赤い鮮血を撒き散らし、エフェクトと共に爆散する。
続いて呼吸を維持したまま他のゴブリンへと斬りかかる。
「ぎゃぁぁぁぁぁああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
洞窟内にゴブリンの断末魔が響き渡る。
「陸ノ型、ねじれ渦」
上半身と下半身を思い切り捻り、その勢いのまま、斬撃を繰り出す、繰り出した斬撃は、水の刃となり、ゴブリンの上半身と下半身を一刀に両断していく。
「ぎゃぁぁぁがぁぁぁぁぁぁッッ」
見たところもうゴブリンはもう数匹しか残っていない、その残りの数匹もこの空間のさらに奥に続く洞窟、おそらくダークテリトリー内へと続くであろう場所へ逃げ帰っていく。アリスはあそこを、あの境界線を超えたのだろう。
「ヂョウジニィノルナァァァァァァアァアァァァ」
_ッしまった油断した 周りよりも一回り大きいゴブリンの隊長であろう奴が残っていた。
俺は咄嗟に横から俺の腹をなぎ払おうとする斬撃を剣の腹で受ける。
「ぐッがぁぁぁぁぁぁ」
俺の身体は桁違いの力に吹き飛ばされ、洞窟の硬く、岩肌が飛び出た地面に叩きつけられてしまった。
背中に伝わるあまりの痛さに息ができない。
まるで背中から体の髄まで焼けるように痛い。
痛い、痛すぎる、仮想世界でこんなの有り得ないだろ
しかし、痛がっている暇はない。敵は待ってくれないからだ。
「これは、ゲームであっても遊びではない」
ある男の言葉が脳裏によぎる、その言葉は何故か俺に力を与えた。
「ここは、、ゲームじゃないけどな」
俺はなんとか剣を拾い、立ち上がる。
そうだ、あの世界の剣は、こんな物よりもっと重かった
もっと痛かった
剣を握り直し、隊長のゴブリンへと突撃する。
地面を蹴る度に身体が痛む、
「がぁぁぁぁぁあああ」
ゴブリンの重い鉄剣とラ・ヴィーナが衝突する。
手に重い衝撃が伝わり、そのまま全身を駆け巡る。
背中が悲鳴を上げている。
俺はぐっと歯軋りを立て、そのまま鍔迫り合いに持ち込む。
勿論、力の強いゴブリン相手に力勝負をする気はない。
手首を返し、左足を思い切り引き、身体を後ろへ下げると、力を込めていたゴブリンは前へとバランスを崩した。
いわゆる『引き面』 の構え
しかし、予測外の事が起こる。
ゴブリンが足を地面が抉る程に踏ん張り 面 の弱点である突きを放ってきた。
再び剣の腹で突きを受けるが威力を半分に流したため、後方に少し飛ばされるだけで済んだ。
済ん、、、、、、、…だ?
受け身を取った筈の俺の両足はダークテリトリーの境界へと
踏み込んでいた。
俺はさっと足を戻す、
アリスと同じ形の『禁忌目録』違反?完全に境界線の事を頭に入れてなかった。しかし気にしている暇がない。今は目の前の事に集中しなければ、、死ぬ。
俺はゴブリンに向き直り、剣先を平行に保つ
背中の痛みは麻痺したのだろうか、もう感じなくなっていた。視界も正常に安定してはいない。
それでも再び肺の中に空気を入れる。
全集中
「水の呼吸、壱ノ型、水面斬り」
まるで水流のような流れる足取りでゴブリンの間合いに入る
そして、そのままゴブリンの脳天、ではなく大剣を振り挙げた右手首を狙う、
厚い肉を断つ感覚と共にゴブリンの右手が切り落とされた。
右手はボトッと言う鈍い音を立てて地面に落ちる。
「がぁぁぁぁぁぁ俺様の右手がぁぁぁぁぁぁ、、、ユルザン、許さんぞぉぉぉぉぉおお」
大量に出血し、錯乱したのかゴブリンは左手で大剣を掴み、めちゃくちゃに振り回してくる。
俺はその場から後方へステップし、上段の構えを取る。
「水の呼吸、捌ノ型、滝壺」
ゴブリンの脳天から真っ直ぐに上段から振り下ろす。
先程よりも更に深く鈍い感覚が腕から身体全体に伝わる。
ゴブリンは血飛沫を上げ、右半身、左半身に分かれ、そのまま地面に崩れ動かなくなった。
フッーと息を吐きながら、剣を鞘に納める。
禁忌目録の事は見られてはいないだろうか、今からザッカリアに向かううえで、追われる身となるのは困る。
ふと、後ろに気配がし、振り向くと、銀髪の髪を纏めた整った顔立ちで、白銀の鎧に身を包んだ少女がこちらを見ていた。
「任務で来ただけだったんだけど、とんでもないものを見ちゃったわね〜」
「あ、貴方は? 」
銀髪の少女にそう問う。
「あぁ、私はセントリア地域統括公理教会整合騎士イーディス・シンセシス・テンよ、貴方を連行します。」
〜to be continued〜
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