9/01
現実世界なら二学期突入といった頃だろう。もし今、大学にいるのなら少し長い夏休みを満喫していただろうが生存競争の真っ只中である。大学に入ると決まってから調べると夏休みが長い事を知って大学ってスゲーと思ったのも懐かしい。
九月突入という事で全員集合した。前から家に居座ってるのが多いが外にいる者はウチに遊びに来てる。久し振りに見る顔もいたが元気そうで生きているのは何よりである。
自然な流れでリーダーが俺であるのは少し驚いたが年上だから当たり前か。後ろで指示を出す事もあるので指導者の資質はあるよ、と皆から言われるが昔も今も学校のクラスの委員長や生徒会長とかやった経験はないのだが。
ギルドやコミュニティとかのトップになってくれとも前から言われているが秘密を知るキリトしか完全に心を許せないのが現状。ユウキやらには申し訳ないが。
ここでキリトの経過報告を記しておこう。サチのいた月夜の黒猫団が壊滅してからは快方に向かっている。陰りはあるものの、明るくなっている気はする。医者ではないがトラウマは少しずつ緩和されているだろう。
9/04
あー、疲れた。ダンジョン攻略をこなすと毎度疲れる。難易度が上がったり、理解が足りない敵だと神経を使う。現実の人間ならば、こうならばこう。ああならばああ。同じ人間であるからどう動くのかはわかるが、このSAOはモンスター、ファンタジーでしか有り得ない敵がいる。故にトリッキーな動きをされるので予測が難しい事がある。
しかもオワタ式の自分はその一撃すら許されない。一撃、二撃なら大丈夫なキリト達に情報を集めさせるのが多くなってきた。大丈夫だと判断して介入すれば攻略スピードは倍以上になるので他のメンバーからブーイングを受ける事も多くなった。キリトだけは渋い顔をしていたが、知らないからしょうがあるまい。笑って誤魔化すしかなかった。
以前に考察していた無傷ボーナスに話を移す。事情を知るキリトと情報屋のアルゴを引き連れ、下層の敵でレベルアップボーナスを調べてみた。仕様、所謂裏設定がこのSAOにあるのか調査をする隊を結成した。メンバーは三人だけだが。
結果はまだこれ、とは言えないが恐らく高確率で無傷ボーナスは存在している。多分、レベルを重ねる毎にボーナスステータスの上昇率は加算されているとも考えられる。でなきゃここまでステータスがチートになるか。
そもそもノーダメージってのは難しいんだよねぇ。レベルが上がりやすい低レベル期間はどうしても、という事があるのでどんなに頑張っても今の自分のステータスには届かぬという事か。まだ見ぬステータス底上げアイテムでもあれば話はまた変わるんだろうが。
9/06
継続、レベルアップボーナス調査。レベル差のあるキリトとアルゴではどう変化するのかを頑張ってみた。
レベルの高低差でボーナスは変化するのかと調査してみた。その傍らに某狩りゲーの如くアイテム収集をする俺。雄叫びが飛び交う戦場にのんびりアイテムを集める空気読まないプレイヤーのようだ。尻尾を戦闘中に剥ぎ取るクソプレイと同等だと思った。
働けーとアルゴの叫びが聞こえた気がしたが、ポーションをぶつける作業に忙しいので聞こえませんでした。
採取スキルに関連したものはコツコツと集めて上昇させるものなのでこれぐらいは許してくれ。採取する時にレアドロップの確率も上がるんだから後々に貢いでご機嫌が取れるんだから。
ハッ。そうか! このSAOとは、ギャルゲーでもあったのか!
9/10
投擲と採取系統スキルの熟練度が上がる日々。アルゴのパワーレベリングにアルゴが泣く日々。段々と自分に依存し始める弟系ヒロインキリトとの日々(意味深)
レベルは上がらないが、スキル熟練度は上がる。詳細効果を見てみればアイテム採取確率上昇やらレアドロップ率上昇と確率の数値が加算されていく。下層の迷宮なので価値、レア度の低いアイテムしか取れないが回復アイテムやレアの転移結晶は使い道があるのでスタックに放り投げておく。
アイテムストレージが満杯になりそうなのでそろそろ倉庫を整理する時間を設けようと思う。回復系は使わないから腐らせるほどストレージを埋まらせるわけだし、また誰かにプレゼントして役立たせよう。
うーむ。それにしてもアルゴは全身を隠すスタイルなんだな……よし、今度キリトを使って息抜きにアルゴへエロ装備をプレゼントしてみよう。キリトも楽しい気分になれるはずだ。
9/11
お、終わった。やっと落ち着いてくれた。皆からの労いが心に染み渡る。
まだ油断できないので今日はこれだけにしよう。
9/13
うむ。もう暴れないだろう。一安心と言えば一安心なのかわからんがまあ、よしとしよう。
暴れる時に建物の耐久度を減らすので押さえ付ける事もしたが、あんな悲痛な顔をして泣くもんだから思わず力を緩めてしまい、吹き飛ばされる事が起こりそうだった。嫌な予感がして体が先に動いて避けた時は自分の非常識ぶりにビックリした。
今はゆっくりと安らかに寝息を出しながら寝ている。疲れから寝ているんだろうが、こっちも疲労困憊で眠れない。徹夜には慣れているがこれはない。防衛本能から自分を守ろうとしているのはわかるが圏内殺人事件に発展しなくてよかったと心の底から思うよ。
あいつ等もそろそろ呼び戻してあげるか。トラウマ持ちに怯える同居人で悪い言い方をすれば役立たずばかりで避難させておいた。特にキリトはかなり堪えて暴れる様子に取り乱して怯えていたからカウセリングをしなければ。
カウセリングの時間だ(キリリッ
9/15
何か、依存されたその二。その一はキリト。依存レベルだけを考えるとキリトと同等なのは彼女はキリトと同じだ。
依存という言い方を変えれば、信頼。その信頼を寄せてくれる者はキリトと彼女以外には何人かいるが二人だけはメーターがぶっちぎってる気がしてならない。
や。キリトは弟みたいな可愛さがあるからいいんだけど。けど大人の女性にこう、依存されるとどう対応すればいいかわからん。性別が違うだけでこうも苦労するのは理解できているが思わずタジタジしてしまう。女性特有の柔らかさに。
経緯を記しておく。彼女こと、エクレールさん。彼女を見つけたのは全くの偶然だった。アルゴのレベルアップボーナス調査の終わり、帰還中に迷宮で発見した。様子がおかしく、裸装備(無装備)で震えていたから保護をした。
呼び掛けた途端にプレイヤーキルされそうになって肝が冷えたが直感が察知したので殺される事態にはならなかった。鋭い攻撃にマジ驚いた。あれはマジ殺してやる的な一撃だった。睡眠ナイフが無ければ即詰みだった。
まだ詳しい事は知らんが女性と裸装備で何が起きたのか大体予想はできる。できてしまうのが嫌だが、最近流行っているアレの被害者だろうな。通称、倫理コードに引っ掛かるVRMMOでできる性交渉の強要。どこかのサイトにそれが危惧している論文があったが、まさにそのままだ。
まあ、エクレールさんの名誉の為にもここには書かずにおく。取り敢えず同居人が増えたって事だ。
9/19
最近、同居人のユウキが激おこ状態だ。凄い不機嫌状態である。
原因はわかっている。エクレールさんだろう。暇さえあればピッタリとくっつくように来るのでユウキは気に食わないのは見ればわかる。だがどうしろと言うのだ。離れてくれと言えば世界が終わった感が凄まじい顔をして泣きそうになるんだぞ。メンヘラとかヤンデレのレベルだよあの反応。
クール美女なのにこの反応。寧ろ守られる方なのに依存されるとは世の中何が起きるかわからんな。デスゲームに巻き込まれるわ、オワタ式の地獄になるわ。神様は俺が嫌いなのだろうか。
嫌い、嫌い、大嫌い。ユウキみたいな可愛い子に言われると心が痛むよりもほっこりした気持ちになれる。ポンポンナデナデ。これで機嫌直る。マジチョロ可愛い。
エクレールさんの精神安定剤になっていたが、その間に他の精神安定剤が必要な子をそっちのけにしていたからそっちにも時間を割きますかねぇ。キリト、サチ。幼いユウキの心の支え。年上は辛いぜ。
9/23
家が狭く感じてきた。と言うものの、同居人が増えているせいなんだが。キリト、ユウキ、サチ、エクレールさん。アスナにアルゴはいないが遊びに来る事が多い場合は居候も当然。狭いと思うのもしょうがない。
替え時、なのだろうか。いや、まだ買って一年も経ってないから駄目だ。ここはアインクラッド、
仕方がない。贅沢に使っていた部屋を節約しよう。衣装替え部屋とか天窓見る用の意味不明部屋は無しにすれば更に広くなるはずだし。文句は言わさん。俺が家主で契約主なのだ。
そうと決まれば部屋割りを決めるか。改めてこの家の間取りを調べて適当に放ろう。SAOの醍醐味とも言える部屋を圧迫するタンスとか衣類、アイテム類はプレイヤーのストレージに入るから邪魔にならず、「何となくの雰囲気」で部屋の内装を決める子もいるのでその贅沢を許してしまうが故に狭く感じる。女の子だからと見逃した俺が甘かった。
部屋替えならぬ席替え。これは盛り上がるな。
9/24
甘かった。何だあの大戦争は。女の子って改めて怖いって思った。
部屋替えするよーと話題に出せば殺気立つリビングの完成。失言した、と後悔する前に持ち前のスピードを生かして逃げた。仕事中のアスナを誘拐し、無理矢理カフェに誘って鎮圧されるまで逃げた。年下のユウキがマジ泣きしていたのを考えるとかなりヤバイ感じになってたのだろう。
すまん。その間にアスナと間取りの事を和気藹々と話してたんだ。女性の意見を聞くのも貴重だったから勘弁してくれ。おかげさまでいい感じに決められたんだぞ。
と、報告したら勝手に色々決められていた。一番大きな部屋を俺に割り当ててくれたのはいいが何故壁をぶち抜いているのだ。誰だ、誰が破壊しおった。壁の耐久度だけを正確に削るなんて器用な真似をしおってからに。
一階にある大部屋が俺の部屋、そして何故か二階の大きな部屋にも俺の部屋。ただし二階は部屋というよりもフロア。他の住人が入れるようにしてある徹底ぶり。
聞けば満場一致でそれをする事になったそうだ。皆が皆……俺と関わりを持ちたい、会話をしたい、と意見を尊重する為にこんな事をしでかしたそうだ。俺が必死に考えた間取りは無視ですか、そうですか。
小さいユウキちゃんは、って事で同室。寧ろ年頃の少女は恥ずかしいんじゃないか? ユウキは満更でもないようなので何も言わんが。大人の女性のエクレールさんは断固拒否するがまだ子供のユウキなら譲歩できる。ただし、ロリコンにあらず。
今までのんびりしているがそろそろ本格的な攻略に乗り出した方がいいのかね。救援要請がないから切羽詰っているようではないのだが。血盟騎士団のヒースクリフがいればまだ大丈夫だろう。あいつ、知らぬ間にかなり有名になっているし。
今度、アスナを通じて攻略状況の情報を聞いておこう。それまでには攻略用に勘を取り戻さなければ。