生き残ったサバイバー   作:賢者神

3 / 12
2023 1

 

 

 

 

 

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 新年を仮想世界で迎える事になった。いつもならお年玉に喜ぶ時期だが仮想世界にいて親は現実世界にいる。親戚から貰える唯一の楽しみを今度は俺が少し早い施す側に回った。かつての父や母、親戚のように子供にお年玉を渡す事になった。

 

 アルゴ、キリト、アスナ。皆が俺よりも年下なので今年も頑張って生きようと厳を担ぐ意味でレベリングで稼いだアイテムを売却したコルを切り崩して三人にあげた。金だけだと意味はないと思ったので少しアイテムにも色を付けて渡せば皆喜んでくれた。アスナだけは最後まで渋っていたが結局は受け取ってくれた。優しい子だ。

 

 そのお返しなのか、アルゴからは新たなスキルが入手できるクエストの詳細の情報。キリトからはボスドロップの一部のアイテム。アスナからは疲労回復効果のある料理アイテムをくれた。優しい子達で不覚にも泣きそうになった。

 

 新年おめでとう。今年中に百層攻略を目標に生き抜こう。

 

 

 

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 不覚。一生の不覚。またもやポカをやらかしてしまった。

 

 正月限定イベントなるものが開催されていたらしい。しかもイベント達成報酬が殆どのプレイヤーが欲しがるようなアイテムだったそうだとキリトから聞かされた。効果はスキル熟練度上昇倍加、デメリットもあるが喉から手が出るほど欲しいものだ。

 

 デメリットはHPが四分の一になること。何よりもHPが大事なこのデスゲームでは自殺行為になるが元が超デメリットの俺には関係ないこと。何としても手に入れたい一品だった。だけどイベントは終わって品切れ状態。久し振りに落ち込んでしまった。

 

 あまりの落ち込みっぷりを憐れに思ったのか、予想と違うので必要ないプレイヤーが金銭取引で交換してくれた。アンタ、神様や。それも女性プレイヤーなので女神様と崇めよう。

 

 大衆の前で土下座したら女神様が真っ赤になっていた。甘酸っぱい恋の味を感じました。

 

 女神様とフレンドになった。スキル・女神の祝福は何処に。

 

 

 

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 フゥーハハハハと奇妙な高笑いをしてしまうほどテンションが昂ぶる。

 

 レベリングの苦節一ヶ月半(予想)でようやく片手直剣スキルをマスターした。女神様のアイテム、戦神の加護と呼ばれるスキル熟練ブーストの恩恵もあってか追い上げは凄まじいスピードでマスターする事ができた。

 

 直剣スキルマスターに伴って隠しボーナスステータスが出現した。本当にあるかどうかわからないがあくまでも感覚的にだ。攻撃力上昇、クリティカル率上昇、ソードスキル発動後のラグの緩和。感覚的にはこのイメージがある。詳しく調べなければわからないがアルゴにも報告しておいた。猫のように目を光らせて楽しそうにしていたのは気のせいではない。そんなアルゴにこの言葉を送ろう。

 

 アルゴが楽しそうで何よりです。

 

 追伸。スキルをマスターしたからといって隠しスキルが出現する事はなかった。茅場晶彦死ね。

 

 

 

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 アルゴからの限定クエストをようやく終えた。数日に渡って行われる珍しいクエストだったが無事に終わらせられてホッとした。新しいスキルゲットだ。

 

 体術スキル。ソードアート・オンラインという名に反するまさかの剣を使わないスキルである。ケンポーアチョーとかするのかと思いきや意外と本格的な無刀ソードスキルとも言うべきスキルだった。まだ習得直後だがレベリングの際に試してみようと思う。ソードスキルから無刀ソードスキルへ繋げられるのであれば無限コンボも夢ではない。

 

 スキル習得を報告すればキリトはとっくに習得していたらしい。三日でできたらしいが大概チートだよなキリトも。ついでに使い方も学んでおこう。

 

 

 

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 第二層では物足りなくたったのでキリトと共に第三層の迷宮区に潜る事にした。久々のパーティープレイ。レベリング以外のクエストは久し振りのように感じる。

 

 直剣スキルはマスターしたので次は何を極めようかと考えている。行き当たりばったりで近くにいたアスナの細剣をマスターしようと思い、少し難しい細剣で戦う事にした。直剣と比べると軽い、細い。ダメージは直剣が優秀だが手数は細剣が優秀とそれぞれが利点と欠点がある事に納得した。

 

 初めて使う系統の武器だから初めはキリトの足を引っ張った。申し訳なく思ったがキリトは何でもないと笑っていた。コミュ症だと言うが並の女の子ならきゅんとする気の配り方だ。もしかするとギャルゲやエロゲの主人公体質を持っているのだろうか、キリトは。自分を卑下する割には女の子にモテてハーレム形成し、性欲に塗れた毎日を過ごす事になるとすれば本当に非リア充の敵ではないか。

 

 心が狭い者は罵倒するだろうが、人には人の良さがある。嫉妬はすれどもそれが原因で仲違いする事はない。まだ幼いキリトも心細いだろう、嫉妬なんぞで追い詰める事は決してしないようにしたい。

 

 

 

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 第三層ボス攻略会議。キリトに誘われてボス討伐大規模パーティーに参加する事になった。第一層以来のボスクエストだ。

 

 アルゴにも参加する事は伝え、偵察戦を先駆けて行う事に決まって少数パーティーでボスフロアに突撃する事になったわけだが雑魚と比べると疲労感が段違いに違うな。オワタ式だと忘れそうになるが掠るだけでもダメージエフェクトのある衝撃波ですら致命傷になる。取り巻きの雑魚の相手もしなければならずいつも以上に気を張らねばならなかった。

 

 あー、疲れたわー。寝る必要がないからボスのイメージを頭に叩き込んでイメージ戦をする事にしよう。

 

 

 

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 第三層ボス、カブトムシに似たモンスターだった。二足歩行で使える腕が四本と厄介なことこの上なかった。一撃でも厄介なのに人間の倍の数の二擊に四擊といつも以上に避ける必要があった。ボスのAIも賢いのか、レベルが高いプレイヤーを優先的に狙う性質があって俺やキリトを重点的に狙ってくる。

 

 取り巻きのモンスターは虫の蟷螂に似たモンスターで、空をブンブン飛び回ってジャンプして避ければその隙を狙って鎌で斬り掛かってくるわで命を削られる思いを何度もした。余裕ぶってマスターした直剣ではなく発展途上の細剣を使っているのも原因の一つ、というか大きな原因だ。

 

 幸いにも戦死者はゼロでボス討伐は終わった。終わった……いかん、思い出すでない。あれはもう俺の黒歴史だ。キリトには尊敬されるまでの眼差しを向けられるせいで精神がゴリゴリと削られた。

 

 まあ、あれだけ言えば無意味な言いがかりをする者は少なくなるだろう。チートだのベータだの自分の怠惰を他人の責任にするアホはもういなくなると願いたい。あんな中学生くらいの子供が頑張っているのに大人の俺達が頑張らないとどうすんだってーの。

 

 取り敢えずあのトサカは死んだ方が世のためだと思う。バカオウ死ね。

 

 

 

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 第四層開放。カブトキング(勝手に命名)のラストアタックボーナスを得たキリトは段々とチート化している気がする。SAOには武器、防具、そして装飾品、アクセサリーがある。防具は第一層の中二病臭漂う真っ黒な格好良い服を使い続けている。武器もアニールブレードの最大強化を使っており、武器と防具は変わらずとも装飾品だけはコロコロと変化して強くなっている。

 

 力+15とか攻撃の一撃のダメージを上げる物を好み、スキルも重い一撃系を好んでいる。対して自分はどちらかといえば敏捷度を上げる装飾品を装備し、手数で圧倒する作戦が主なわけだが。だからこそ、なのだろうか。キリトとは噛み合って素晴らしいコンビネーションをできた。

 

 牽制役は俺、ギリギリまでダメージを与えてスイッチでキリトに切り替わって重い一撃でトドメを差す。そんな戦法が定番、俺とキリトのパーティープレイの戦法だ。

 

 ソロプレイを好む俺でもキリトとのパーティープレイは居心地良く感じる。キリト自身も俺と組むのは心が休まると照れながら言ってくれた。もし、弟がいるのならこんな感じかな? とお兄ちゃんっ子の妹にポコポコ殴られそうな事を考える。アイツ、意外と嫉妬深いからなぁ。

 

 仲良くなった証として少しキリトのリアル事情を危険を承知して教えてくれた。間違いなく俺より年下で中学生のようだ。しかも受験時期が重なる大事な時期の中学生。俺が言うのもだが遊んでいて大丈夫なのか? と問えば突発性難聴に陥った。その反応に全てを理解できた気がした。

 

 あー、今を生きてるせいで忘れてたけどリアル、どうなるんかな。大学の推薦合格を貰ってる身としてはちょっとな……。

 

 うん。それはクリア後に考えよう。今はクリアだけに集中しよう。

 

 ――キリトとの親密度が上がった気がした。キリト命名、ラピッドスイッチを習得した。

 

 

 

 1/21

 

 最近、寄生プレイが多いようだ。アルゴから聞けば攻略組、ボス討伐に参加したプレイヤーに戦うのを任せ、経験値だけを楽して得ている事があるらしい。共に戦うだけならまだしも攻略組には何の得にもならない見ているだけ、というのがあるらしく最近は賑わっている。

 

 寄生する側は強いんだから弱い自分達を強くするのは当然だろうと言っているらしく命懸けでモンスターを倒す者からしたら堪ったものじゃない。パーティープレイをすれば数が増える度に経験値の取得量は減少する。割に合わないのも当然だろう。これがデスゲームでなければ誰かが喜んでやるだろうが、今はまだ俺もキリトも勘弁だ。

 

 キリトは安定した、安全マージンの+10ならば攻略組の数を増やすために協力はするが今だけは無理だそう。代わりに俺と組んで安全マージンギリギリの迷宮区でレベリング、アイテム収集に勤しんでいる。エネミーMob集めてエネミーレポートを完成させてアルゴに送るのも忘れない。

 

 仕事の成果か、第一層から第三層までのエネミーレポートは完璧の仕上がりになっているらしい。他の協力者でドロップの検証をしている話も聞いているが頑張れと伝えておく。

 

 

 

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 いつぞやの女神様にクエストに誘われた。戦神の加護をくれた女性プレイヤーとパーティーを組んでレアモンスター討伐をする事になった。報酬も魅力的だった。

 

 女神様は外国の人なのか、珍しい髪の色をしていた。淫乱ピンクという単語が頭を過ぎったが悟られないようにした。まあ、フレンド登録をした時に名前は表示されるんだけどね。多分、これはエクレーンと呼ぶのかと思ったがエクレールらしい。間違えてごめんなさい。

 

 だけど許してくれた。マジ女神様。エクレール教を開きましょう……え、駄目ですか? それよりも真っ赤な顔もキュートですね。

 

 照れ隠しに振るわれたパンチを心臓バクバクさせながら避けた。彼女はツッコミのつもりでも殺人になるので勘弁してください。

 

 ……教訓。人をからかう事はもうしない。

 

 

 

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 あ、とふと思い出した。最近、正月の時からメールの会話だけでアスナとはあまり会っていないな、と。

 

 ちょうど、デイリークエストらしきものも発注されていたので久々にアスナと行く事にした。使う武器が細剣になった俺に驚いていたが細剣の使い手としてはアスナが先輩なので年下の彼女を先生と呼んでコツを教わった。というよりも互いに戦い方を教え合って高め合ったと言うべきか。特に刺突は参考になった。ガトチュも夢じゃない気がしてきた。

 

 理不尽理不尽理不尽。アスナにクエスト終了後にそんな事を言われた。ついポロッと教えてしまった細剣スキル熟練度の数値がアスナよりも上だったらしい。バカバカバカと可愛く八つ当たりをしてきたがこちらからしたら洒落にならなかった。パンチを受け流して止めるだけで疲労度が溜まった夕方だった。

 

 ついつい忘れていたので久し振りにステータスを載せる。前に載せた時と比べると化け物になっててパワ○ロのTASを思い出した俺は悪くない。

 

 レベル 28

 

 筋力 213

 敏捷度 342

 

 片手細剣スキル/523

 体術スキル/172

 索敵スキル/457

 ???スキル/完全習得

 ???スキル2nd/285

 

 片手直剣スキル/完全習得

 投擲スキル/301

 識別スキル/160

 料理スキル/78

 鍛冶スキル/7

 武器防御スキル/0

 

 何か増えた。2ndとか同じ系統のスキルなのだろうか。オワタ式の俺が生きていられるのも意外とこのスキルのおかげなのかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

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