生き残ったサバイバー   作:賢者神

6 / 12

 いきなりですが、この作品には転生者さんがいます。それも神様転生の。






2023 4

 

 

 

 

 4/01

 

 ア、アハハハ。本当ならこの日は新しい日常のピリオドになるはずだったのに。予定ならこの日に家から離れて寄宿舎に入居するはずだったのに。妹が行っちゃやだお兄ちゃんとか言ってもらうはずだったのに。

 

 最後は欲望ダダ漏れだったが、まあよしとしよう。四月は新しい日常の始まりを意味している。新学年、入学、就職、挙げれば色々あるが俺は大学入学という大きなイベントがあった。一応、推薦の身だが一流と二流の境目を漂う大学で少し特殊な大学に入る予定だった。

 

 父、父さんは医者を仕事としているが俺は別の道を、新世代次世代エンジンという名目の現代のスーパーコンピュータを作る仕事に就くために推薦を受けた特殊な大学へ行く事になっている。

 

 俺の夢は昔に大きな感動を受けた父さんのコレクション映画の一つにあるマイノリティレポートのあの技術を実現する事だ。流石に三人の人間を繋げて犯罪を予見するなんて事はしないが、3D技術は本当に感動したのだ。今も、SAOのナーヴギアで似たような事ができるが過去のSF映画のような物が作りたいのだ。父さんも嬉しそうにしていたので反対ではないのだろ。あの人、何だかんだで少年の心を持つ人だから自分もそれを作りたいという気持ちがあるのだろう。

 

 どうなんのかねぇ。俺達はこのSAOに好きでいるわけでもないし、攻略に時間を掛けすぎれば現実世界で肉体が衰えてリハビリも必要になるし、SAOにいる時間だけ世間知らずになるし。どうしたもんか。

 

 ……大学推薦取り消しになったりしないよね?

 

 

 

 4/04

 

 現実世界での生活に不安を感じる者は俺だけではなかったようだ。高校生、大学生、社会人。四月というピリオドにそれぞれが不安を抱えて攻略を一気に進めようと提案してきた。

 

 一気に第二十層まで進めようという事になり、明日本気で死ぬ気でやる気がある者だけでやる事になった。少数精鋭、とはいっても精鋭と呼べるのは数える程度なのでどうかと思った。キリトは凄く迷っていたが参加は強制じゃないので構わない。

 

 取り敢えず俺は参加する。大学推薦を取り消されては堪らない。早期攻略で帰還して大学生活を送るのだ。

 

 

 

 4/06

 

 

 

 

 

 4/08

 

 よし。立ち直った。六日の日記が空白なのは放心状態で放置していたら日を跨ぎ、空白のまま自動保存されて空白の四月六日になってしまったわけだ。

 

 一言で言えば地獄。地獄に片足を突っ込んだようなものだった。十七層と十八層はキリトも参加はしたものの、疲労があったのか無理矢理帰させた。十九層と二十層は殆ど俺一人でやったものだ。他にも参加した者はいたものの、疲労があるのに無謀に突っ込む奴がいたせいでサポートに回るのも大変だった。賢い者、前半は参加せずに後半だけを戦う者がいたので犠牲者は最小限に留められた。

 

 ボス連戦。経験値もガッポガッポでレベルもキリト以上になった。ドロップアイテムも豊富で地獄の連戦に何とか見合う成果とだろう。それ以上に体を休めたかった。現実世界だと頭、脳を休ませているだろうがSAOでこれほど疲れたのは初めてだ。現実世界の肉体が睡眠は取っているのでこっちでは大丈夫だろう。

 

 というか目が覚めたら美女の膝枕とかリア充か。感触もリアルだから何とも言えん感想を持ったな、と思った。エクレールさん、マジ女神様。

 

 

 レベル 43

 

 筋力 379

 敏捷度 483

 

 片手直剣スキル/完全習得

 体術スキル/267

 索敵スキル/654

 ???スキル/完全習得

 ???スキル2nd/977

 

 片手細剣スキル/完全習得

 投擲スキル/367

 識別スキル/168

 料理スキル/120

 鍛冶スキル/7

 武器防御スキル/0

 

 

 

 4/10

 

 何か変なスキル出た。一杯出た。小学生丸出しの文章だがこれしか言う事がない。

 

 スキル変化に近い取得。投擲スキルは投剣スキルへ。新しいものだと隠密行動スキル、軽業スキルが出た。これらを少し考えれば一つの答えが頭に浮かんだ。と、同時にツッコミを自分に入れた。

 

 俺 は ア サ シ ン か

 

 暗殺者(笑)の目立ちたがり屋のアサシン(突撃)ではないか。父さんも好きなあれができるスキルの皆さんではないか。もしかして茅場晶彦もファンなのか? 気持ち悪いので48のアイドルのファンをやめます。那珂ちゃんは近代改装の肥やしだ。

 

 新たに手に入れたスキル。レベルアップに伴ってスキル装備枠が増えているので楽々スキル装備できた。まさかとは思うがこの後に暗殺者とかいうスキル出ないよな? ユニークスキルであるとすればユニークすぎて笑う気にもならんぞ。

 

 今日からアサシンブレードを探そう。教団ローブも探してアルタイルさんになるんだ。

 

 

 

 4/13

 

 やはり日記は二十一時に書くようにしよう。真夜中のテンションだと何を書くかわからん。

 

 それはそうと、自称コミュ症のキリトがギルド入りをしたそうだ。「月夜の黒猫団」という攻略組ではないグループでキリトよりもレベルが低い所らしいが馴染めそうだと前に会った時は嬉しそうにしていた。ポリポリとするキリトが可愛すぎて少し怖く感じた。肉食系のお姉様方に食われるぞアイツ。

 

 ギルド、それにしてもギルドね。ソロプレイが合う俺としては作ろうとも入ろうとも思っていない。狙われる心配を減らす為にも群れる事はできるだけしないようにしているのでギルドは論外だ。ボス攻略で目立ちまくっているから殆ど意味が無いけどね。チート野郎とか掲示板に書かれてる事があった。努力しろJK。

 

 オワタ式じゃなければワイワイやれたのにな。ホント、茅場晶彦の考えは理解できない。こんなデスゲームに何の意味があるのだろうか。

 

 

 

 4/15

 

 へんなこをひろったjしるえksなf;おsdhf;

 

 

 

 4/15 No.2

 

 訂正版だ。変な子を拾った。見た目チビ、中二幼女。多分小学生。名前はユウキだと思う。ユキとも呼べるがユウキだろう。

 

 初対面、いきなり公然の場で大泣きして抱き着いてきた時は大いに慌てた。何の面識もない子にそんな事されてもエー、としか思わないと思う。仕方がなく同居人のキリトがいない家に招いてユウキ?ちゃんを慰めた。日記を書こうとすれば横から腹いせに邪魔されたので変な文になってしまった。今も今か今か、と邪魔しようと威嚇する猫のようにこちらを見て手を伸ばしている。女の子相手にはちょっとアレだが顔に足を押し付けて抑えている。餅のように変化するほっぺが可愛い。

 

 邪魔されるのは御免なので事情を聞こうと思う。四月十五日、終了。

 

 

 

 4/18

 

 おれのいもうとはなんてすばらしいんだ。

 

 だけど死と隣り合わせの世界に渡らせるのはいただけない。ログアウトはできないのにログインはできるとかどうなんだ。

 

 彼女、妹の同級生のユウキ。本名は紺野木綿季。妹が誕生日に俺がいない事に大泣きし、学校を休んでいる時にユウキが見舞いに行くと何故かこんな状況になったらしい。まさにポルナレフだよ。何があった一体。

 

 紺野木綿季はある病だ。HIV感染者という不治の病に罹った少女。投薬で生き存えているがいつ死ぬかわからない状態らしい。あくまでも推測だが。父がHIVの治療を研究しているが詳しくはわからない。だが、そんな彼女が自由に動けるこのSAOは夢のようなものだったそうだ。病気もない世界、仮想世界でもそこで生きたいと行きたいと願った上でこの世界に来たらしい。

 

 ここまで聞けば俺はついでか。妹に助けてと言われたから来たかと思えばそんなオチですか。

 

 そーですよ。どうせ俺は彼女を寝取られる馬鹿野郎ですよ。女の子をゲットできても誰かに取られるんですよ……チクショウ。

 

 キリトもいないので暫くは彼女を家に住まわせる事にした。早速レアアイテムで作った檜風呂に入ってるけどな。こういう体験も初めてらしいからそっとしておこう。

 

 

 

 4/20

 

 最近、アサシンになろうとしている時に思う事がある。モンスター相手にドロップには投げナイフがないのだろうかと。キルストリークの合間にピシュッがやりたかったのに自前で店で買えと。茅場晶彦死ね。

 

 キルストリーク云々は置いておいて。次に検証したいのは武器による防御はどこまで有効なのか、である。第一層であればノーダメージで受けられるがその前に条件反射でカウンター入れるから無意味だけど。自分でも恐ろしいほどの精密さだもんな、カウンター。クロスカウンターが優しく見えるぜ。

 

 留守番を命じていたユウキもいつの間にか隣にいたのでビックリしたが簡単に戦闘をさせてみた。本人もやりたいって言うし、邪魔するとザクッで逝ける自信がある。するとまあ、意外や意外。初めてにしては見事な動きをしていた。本人曰く、イメトレの成果らしいがただの妄想だよなそれ。そう言えば殴ろうとしてきたので猫のように首を持って吊り下げてスカスカパンチを間近で見た。萌える。

 

 思い通りに動くにはイメージと合わせる、か。今までは死にたくない、生きる為に本能のみで動いていたがそろそろユウキのようなイメージトレーニングをしてより洗練されたものに昇華させるべきか? 何か物語の主人公のパワーアップイベントに直面した気がするが気にしないでお転婆娘とどう暮らそうかというのが一番の問題だった。

 

 何せ、SAOの生活のイロハすら知らない小さな子供だ。何かせねば危険だろう。ロリコンはこのSAOにもいるからな。

 

 そろそろ上層の新しい家を買おうかしら、と主婦のように思った。

 

 

 

 4/22

 

 浮気がバレた旦那か俺は。

 

 キリトとユウキが邂逅してしまった。プチ修羅場になった。キリトは俺をロリコン、ユウキは俺をホモと言うので俺の体術が火を噴いた。そして何故か新しいスキルが覚醒した。家が壊れた。二重苦、三重苦である。

 

 新しい家を買う事になり、上層にキリトとユウキのメンバーで第三層から第二十層まで上がって物件を探した。キリトはもう住まないそうなので少し小さめの家にしようかと思ったがどれもこれもでかすぎる。奮発して一番高い家を購入した。成金の気分を味わえたので少し満足だ。キリトからブーイングを受けたが。

 

 いつぞやの「月夜の黒猫団」のメンバーと楽しくやっているそうで新居のリビング(仮)で茶を飲みながら雑談した。現実世界ではないのでアイテムを呼び出せばすぐにセッティングはできるので引越しのような労働は必要なかった。テレビでしか見る事のないシャンデリアが眩しい。三人でほわーと見上げたのは良い思い出だ。

 

 二人には説明した。キリトについて、ユウキについて。すると、またもやキリトに接点があった。妹がいる事である。従兄妹という結婚可能な関係で薄い本のネタを思い出した俺は穢れきっているのだろう。というかキリトお前、ハッキングすんなよ。

 

 今日はキリトは泊まるそうで、余っている部屋に余っているアイテムをジェネレートして客室を用意した。後日、少し部屋の内装を考えようかと考えつつ月が浮かぶ夜を眺める。早く、帰りたい。

 

 

 

 4/25

 

 修羅場再び。ロリコン疑惑再び。家倒壊セーフ。

 

 何故どいつもこいつも俺をロリコン呼ばわりするのだ。アスナ、エクレールさん、アルゴ。新居に押しかけてきた女性陣はユウキを見て震える手で俺を指し、ロリコン!? と叫ぶわけだ。ヌッ殺すと思った俺は悪くない。家が壊れそうになったがユウキの必死な静止が実を結んだ。グッジョブ。

 

 23、アルゴ。24、アスナ。25、エクレールさん。アルゴはアスナに言い触らし、面白がる。アスナは新居に移った事をいつの間にか仲が良くなっているエクレールさんに告げる。何というスパイラル。これが女子力か。やっぱりオンナノコは怖い。

 

 レベリングもアイテム狩りもせずに新居に移ってからはユウキの世話と料理スキルの底上げをしている。現実世界だと母が事故で亡くなってからは俺が家事担当をしているのでレシピは頭に入っている。後はスキルが上がるように作れば美味しい料理ができる。調味料はあれだけどな。

 

 新居は庭がある。もう一度言う。アメリカンな庭がある。広い庭なのでユウキの訓練にも使えるので妄想《イメトレ》が合うように第三者の立場で観察してみた。幼女が健気に戦う姿は何ともいいものか。見ていると負けていられないと思う。

 

 ユウキの動きを見ていると少し気になる部分があった。それはソードスキルであってソードスキルにはない動きをしている部分はシャープネイルに似ているがそれ以上に硬直が無い気がする。

 

 ――この子は天才だ。

 

 この日記を書いている時に気付いた。彼女は自分の思い描いた動きをソードスキルの補助無しで実現できるのだ。いわばオリジナルソードスキル。一ヶ月も経たない内にトッププレイヤーでも到達していない領域に足を踏み入れているのではないだろうか。

 

 ……妄想と馬鹿にしたのは悪かった、かな。

 

 

 

 

 

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