主人公は特オタ、シンフォギア知らない、大体20代前半くらいしか設定がありません。
ちっちゃいガイガンになってた
ガイガンになってた。
なにを言っているんだこいつと思ったそこのあなた。
本当に俺はガイガンになってたんです!
本当なんです!信じてください!
さっきまで交差点を歩いていた俺は気がついたらガイガンになっていた。
一体なにがどうなっているのか。
そもそもなぜガイガンなのか。
ガイガンとはゴジラシリーズに登場する悪役怪獣。
未来怪獣やらサイボーグ怪獣なんて別名もあり、宇宙怪獣が改造されたとかなんとかで両腕は肘から先が鉤爪で腹には回転ノコギリなんてものが備わっている。
目も単眼の赤いバイザーで未来チックな感じがする。
本当にガイガンになってしまったのである。
しかし…ちっちゃいのだ。
だいたい、2Lのペットボトルと同じくらい。
なんで分かるかって?
ご丁寧に隣に置いてあったからだよ!
鏡も置いてあったから自分がガイガンだと認識出来たし。
ここは…どこかの実験室かなにかだろうか?
危なそうな薬品がたくさん置かれた棚とか英語の分厚い本もある。
それにメスやらハサミやら。
…まさか、ショッ●ー的な組織に誘拐されてガイガンに改造されてしまった?
それにしたってペットボトルサイズにはならんだろ。
どうしたものか…
………
とりあえず部屋から出てみようか。
扉はあるな。
よしドアノブを回して…
回して…
ちくしょう…届かねぇよ…
ジャンプしても届かねぇよ…
それに腕が鉤爪だからドアノブ握れねえじゃん!
ちくしょう!どうすりゃいいんだ!
…腕が鉤爪?
そっかこれでドアを斬ればいいじゃん。
トムジェリのジェリーがノコギリで壁斬るみたいに。
ちょうどこのドアも木製だし斬るのは楽だろ。
そうと決まればよぅし…
貫け!
ベキッ!
い、いってぇ…
電流が走ったみたいな痛みが右腕を襲った。
こう、分かるだろうか、意図せず肘を強打してしまった時のような感覚。
え、ちょっと、この鉤爪…全然斬れねえじゃん!
なにこれ!?
てっきり怪獣スペックで何mの鉄板を容易く切り裂くとかあると思ってたよ!
…そういえば、この鉤爪で敵を斬るような描写ってあったっけ?
小さい時に見たきりだから記憶があやふやだけど斬るようなことはしてなかったと思う。
この鉤爪はジェリーのノコギリ以下の切れ味なのかよ!
斬るといえばこの腹の回転ノコギリだ。
映画の予告映像でも使われていたアンギラスの顔を今の子供向けでは出来ないような切りかたしてた。
よし、それじゃあまずは腹の回転ノコギリでドアを斬って…
お、回りはじめた。
で、これをドアに押し当てると…
おー。
楽。
こんな工具が体にくっついてたらDIYも楽だな。
いや、日常生活が大変だろう。
それに俺、DIYとかしないし。
一人ツッコミはさておき、ドアに切り込みを二ヶ所作って…鉤爪で思いっきり殴る。
さっきは斬れるつもりでやってたからあんなだったけど殴るつもりでやれば大丈夫。
どうにもこの鉤爪は切断武器ではなく鈍器のようだ。
セブンXのアイスラッガー的な。
ちなみにアイスラッガーは回転しない方が好きです。
それはさておき。
殴ってどうにか這って出られるくらいの穴が出来た。
よし、匍匐前進だ!
なんか匍匐前進するとドキドキしない?
もしかして俺だけ?
とにかく出るぞ!
ガンッ!
あ…
背中に羽があるの忘れてた。
穴を拡大してなんとか実験室?から脱出成功!
さて、どうしようか…
右に行こうか左に行こうか。
とりあえず右に行ってみようか。
ん?
なんだこの黒いの?
触るとポロポロ崩れた。
これは…炭か。
よく見たら廊下にたくさんの炭が落ちている。
なんだこれ。
炭火焼きパーティーでもして片付けようとしたら溢しちゃったとか?
それはさすがに…
こんな古びたところで炭火焼きパーティーなんてしそうにないし…
まあいいや進もう。
いやーそれにしても体が小さくなると移動も大変だ、歩幅が小さいから。
やっとの思いで突き当たりまでくると…なんか、変な生物がいる。
そもそも生物なのかこれは?
青い…なんだろう、強いて近い形の物をあげるとすれば蛙だろうか?
なんだろう、こいつを見てると胸騒ぎがする。
蛙はあまり動いていないようだったが、ふと、俺のことを見た。
その瞬間、ものすごい敵意を感じた。
蛙はなんとその体を紐状に伸ばして鞭のように俺に叩きつけてきた!
避けようと思ってもこの体はガイガン。
ついさっきガイガンになったばかりの俺が満足に動けるはずもなく直撃してしまう。
いってぇ…
この蛙やっぱり普通じゃねえ!
なんとかしてこいつを倒さないと。
…倒さないと?
普通、こういう場合は逃げることを第一に考えるはずなのに。
倒す、だと?
一体いつから俺はそんなに勇敢になった。
いや、だけどなんだこの内から沸き上がる闘志のようなものは。
変に興奮しているだけじゃないのか?
…まさか、本当に倒せるのか?
今の俺には自信があった。
こいつを倒せるという確たる自信が。
そして、力があった。
なぜなら今の俺は、ガイガンなのだから。
高い鳴き声を上げて、地面を蹴り飛び立つ。
皆さん、知らない人は驚きかもしれませんが、ガイガン、飛べるのです。
あれ、飛べるならさっきの部屋で飛べばよかったんじゃ…
そんなこと今はどうでもいい!
腹のノコギリを回転させて、通り過ぎながら謎の蛙を切り裂く!
着地して後ろを振り返ると蛙は炭になっていた。
ということはさっきの炭はこいつの仲間だったということだろうか?
ということはまだこいつらがいるかもしれないのか。
まあ簡単に倒せたからいいんだけど、大群で出てこられたら流石になぁ…
と、考えていると廊下の向こうから何かが走ってくる音が聞こえた。
音はどんどん大きくなっている。
ということはつまりこちらに近づいているということ。
ヤバイ、こんなへんちくりんな生物が見つかったら明日のスポーツ新聞を賑わせてしまう。
隠れないと…って、どこに隠れればいいんだ!
廊下には隠れられそうな物もないし、今から部屋に入るのも時間がかかる。
そうだ!飛んで逃げればいい!
やはり飛行能力があると便利でいいですね!
よし、飛べ!ガイガン!と意気揚々に飛び立とうとした瞬間、目の前の床に槍が突き刺さった。
ひ、ひえぇ…
あぶなく串刺し、いやこんな刃がすごい槍なら真っ二つにされていただろう。
誰だ!こんな危ないもの投げつけてきたのは!?
「ノイズの反応があるからって来てみれば、なんだこのペンギンみたいなやつ。こいつもノイズなのか?」
オレンジ色の髪をした、スタイル抜群の少女が現れた。
「ノイズの反応は消えただと?じゃあこのペンギンモドキは?りょーかい。なんかトゲトゲしてるけど大丈夫だろ」
誰かと通信しているようだ。
それにしたってペンギンはないだろペンギンは。
モチーフは鳥の雁だぞ。
あ、ペンギンも同じ鳥の仲間か…
「つーわけで、ちょっとお前を連れ帰るけどいいか?なあに悪いようにはしないさ。多分」
多分!?
連れ帰るってどこに連れていく気だ!
「あー鳴くな鳴くな。お前の鳴き声高いからちょっと耳にくる」
くそぅ…こうなったら飛んで逃げよう。
1、2の3で飛ぶぞ…
1、2の…
「はい捕まえたー!お、お前結構さわり心地いいな。すべすべしてて。もし飼っていいってなったらあたしのペットにしてやる」
ひょいと持ち上げられてさわさわと撫でられる。
あ、これ気持ちいい…
「あたしは天羽奏っていうんだ。お前は?」
ガイガンです。
言っても分からないと思うけど。
「そうかそうかピー助か!よしピー助、帰ったら魚食わせてやる!」
どこののび太の恐竜ですかこのヤロー。
あとガイガンって魚食うのかな?
ガイガンって普段なにしてんだろう…
て、あれ?気がついたらそのままお持ち帰りされてる…
まあこの子は悪い子ではなさそうだし、持ち帰られてみるか。
行くとこもないし。