ちっちゃいガイガンになってた   作:大ちゃんネオ

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もう10月だけどな!


怪獣島の決戦 ガイガンの弟子/小さき怪獣王
俺にも夏休みを!


 夏休み。

 なんて甘美な響きなのだろう。ここでいう夏休みとは小学生の夏休みを思い浮かべてほしい。模試だとか補講とかそういうのは抜きで考えるのだ。

 え? 今時の小学生も忙しい?

 そんなの例外だよ例外。あとそういう人の話が目立つだけで今の小学生も充分夏休みを謳歌している。

 

 いいなぁ~~~!!!!!

 俺も夏休み欲しいなぁ~~~っ!!!

 ずっと潜水艦の中なんてやだぁ!!!

 精神病むぅぅぅ!!!!!

 

「バイタルに乱れがありますね」

「うむ。まだこの間のダメージが残っているようだ。しばらく安静にする必要があるね。あと風鳴翼との接触は避けるように」

「しかし先生よろしいのでしょうか。それでは風鳴翼が暴徒化し潜水艦が叩き斬られかねません」

「かまわん。貴重な聖遺物であるピー助君の容態が第一だ」

 

 先生!

 ここに缶詰めとかそれこそ容態悪化するわ!

 お願いだから出してぇぇぇぇ!!!!!

 俺をここから出してくれよぉぉぉぉ!!!!

 出してぇぇぇぇ!!!!!

 

「こらこら暴れないのピー助君。ほら、お姉さんと遊びましょうねぇ」

 

 はーい。

 いや俺インドア派の怪獣だからさ、やっぱり潜水艦の中で看護師さんと一緒に遊ぶのがいいわ。

 看護師さんに抱えられ診察室というか研究室から出ようとすると研究室にやって来た人が。

 モナークからやってきた外様の山根博士チーッス。

 

「失礼します。ピー助君……あ、いたいた。ピー助君にお仕事よ」

 

 仕事ぉ?

 今から看護師のお姉さんと遊ぶんですけどぉ。

 

「おいおい待ちたまえ。まだピー助君の容態は」

 

 そうだそうだ!

 こちとら怪我人ならぬ怪我怪獣だぞ!

 労災もおりてないんだぞ!

 そんな怪我怪獣に仕事させようだなんてブラックにもほどがある!

 あなた達っていつもそうですよね!

 俺のことなんだと思ってるんですか!?

 

「そのピー助君の容態に関することです。今回の実験で上手くいけばここで安静にしてるよりも回復は早いかもしれません」

 

 うん?

 仕事って研究の仕事?

 俺に関する?

 

「今回はS.O.N.G.とモナークの合同任務よ。ピー助君、南の島に行きたくない?」

 

 南の島。

 看護師のお姉さん。

 俺は……俺は……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あそこで看護師のお姉さんを選んでたら鉄心ENDになっていた。

 俺は自分の正義を裏切ることにしたのだ。

 青い空、白い雲、ヤシの木、砂浜、綺麗な海。絶賛、南の島である。

 

「南国の無人島でバカンスだなんて」

「最高デース!」

 

 他の観光客とかいないので貸切ビーチどころか貸切り島である。

 

「二人とも任務で来てるってこと忘れないように」

「そういうマリアが一番楽しそうに準備してたデスよ」

「なッ!? 見てたの!?」

 

 一番楽しそうで笑う。

 マリアさんもなんやかんや楽しみだったんすねぇ。

 

「まあまあマリアさん。任務は明日からですし~楽しみましょうよ~」

「ま、バカの言うとおりだな」

「クリスも楽しみにしてたよね」

「んなッ!? あ、あたしは別に!」

「ピー助と海で……ふふふ……。しかしピー助。何故巨大化しているんだ?」

 

 え、ああいや、そういう指示だったので仕方ないのだ。

 今のみんなの会話は全て足下で繰り広げられていたもの。ガイガンイヤーは地獄耳なのだ。

 

「今回はモナークの任務でこのゾルゲル島が怪獣を保護するのに適した場所かどうかピー助君に試してもらおうと思って。まあ怪獣にも色々いるから必ずしもピー助君のデータが役に立つとも限らないんだけど……」

 

 設営されていたモナークのテントから山根博士がそう皆に教えるが……なんで、水着なんですかあなたも。

 え、モナークもそういう気分?

 あれか、夏という名の魔物に唆されたのか。いいぜ、夏怪獣◎のスキルを持つ俺が楽しませてやるよ!  

 それにしてもスタイルいいっすねぇ……。

 流石、石原さ○み似なだけある……。

 

「あとは自然下での状態観察ね。自然下ではピー助君にどんな影響があるのかとか動物行動学やいろんな分野の観点からピー助君を観察研究するの。分かりやすく言えば自然なピー助君の状態を見るって感じかな」

「自然なピー助の……」

「けどピー助はサイボーグなんデスよね?」

「自然って感じじゃ……」 

「……いや、二人ともあれを見ろ」

 

 いやっふー!!!!!

 海で泳ぐぜゴジラごっこだ!

 ゴジラごっことは翼を背鰭に見立てて背鰭だけ出して泳ぐ遊びである。別名ジョ○ズごっこ。

 

「ピー助君が泳いだあと波の出るプールみたいで楽しい~!」

「ひ、響~! 流されないでね~!」

「大丈夫~! 未来も泳ごうよ~!」

「もう響ったら~」

 

 海水浴楽しー!

 ゴジラが海から現れる理由が分かった気がする!

 

「……だいぶエンジョイしてる」

「泳ぎは出来るというか得意みたいね……。元となった怪獣は水棲もしくは水辺で生活していた怪獣って説が濃厚に……」

 

 

 

 

 

 さて次は陸だ。

 島を見て回ろう。

 うーん綺麗な島だ。

 手付かずの自然が残されていて空気も澄んでいる。いやー隠居するならここって感じですかね。とまあ冗談はさておき隠居まではいかずともまさしくバカンスで来たいって感じの場所だ。

 元々田舎者気質なので都会で暮らすよりも自然に囲まれて静かに暮らしたいタイプなのである。

 

「あんまり遠くに行っちゃ駄目だぞー!」

 

 はーい。

 よっしゃとりあえずあの岩山まで行くか(翼からしたら遠い距離)

 このあと怒られた。

 

 

 

 

 

 

 

 夜は小さくなってバーベキュー。BBQですよBBQ。

 あとこんな南の島の砂浜で料理してるとあのカレー作って腹壊したって言われてる三人のことを思い出す。

 あと夜まで待ちぼうけさせられた刹那。

 

「ちゃんと野菜も食べてて偉いわねピー助」

 

 そういうマリアさんはトマト残してて偉くないですね。

 

「そんなピー助にご褒美をあげるわ。トマトとトマトとトマトよ」

 

 やめっ……そんな、素敵な笑顔でトマトを押し付けないで! あ、ちょっと待って喉、喉に詰まるか、ら……。

 

 

 死ぬかと思った。

 いや多分一回死んだんじゃないだろうか。小1の時に亡くなったじいちゃんが見えたぞ……。

 三途の川の向こう側かぁ、逝くのはしばらく先でありたいものだ。

 

「ピー助」

 

 翼ちゃん。

 

「星を見てたの?」

 

 星。

 ああ、そういえばよく見える。

 やはり空気が澄んでいるからか、綺麗だ。

 

「ピー助、ここは楽しい?」

 

 楽しいかと聞かれれば、楽しい。

 イエスだ。

 こんな夏休みっぽいことなかなか出来ないし、みんなも楽しそうだし楽しいよ。

 

「……私はね、ピー助。私は……」

 

 翼ちゃん?

 

「やっぱり、なんでもない。それよりピー助、夜はいつもみたいに一緒に……」

「あ、いたいたピー助君。また()()()()()に戻ってもらえるかしら」

 

 あ、山根博士。

 分かりました~。

 

「あ、ピー助……」

 

 あらあら翼ちゃんいつの間にそんな小さくなっちゃって……。なんつって~怪獣ジョークでした~。 

 それじゃあ翼ちゃんまた明日~。

 

 バイバイと手を振り夜のデータを取る。

 いや夜のデータって決してそういう意味ではないからね変な意味じゃないからね。俺は基本的に健全だからね。

 単に寝るだけよ寝るだけ。

 とにかくちっちゃい時とデカイ時とで比較がしたいらしい。

 そんなわけで岩山を布団に寝ることにする。

 いやこんな硬いところで寝られませんよ。ぼかぁふかふかのベッドでないと眠れなZzz……。

 

 

 

「流石ピー助君。山をベッドにするなんてやっぱりスケールが大きいですな~」

 

 ピー助が就寝したところをみんなで眺める。

 ……。

 

「どうしたの翼? もしかして、ピー助と一緒に眠れなくて寂しいの?」

「……ああ、ピー助が一緒でないとよく眠れなくなってしまって。代わりを頼めるかマリア?」

「えぇっ!? そ、それは……まあ、別に、いいけど……」

 

 妙に顔を赤らめたマリアを伴いモナークが設営したテントへ。

 明日はピー助とギアの融合……通称ガイガンギアの実験があるのだからしっかり寝なければ……。

 

 

 

 

 

 

 

 夜の番を任されたモナークの職員は体型によく似合うスナック菓子を食べながら大きな欠伸をしていた。

 なにも起こるはずのない夜勤ということで気は緩みきっている。

 少しずつ彼を襲っていた睡魔の勢いが強くなり、うつらうつらと舟を漕ぎ……眠りに落ちると同時に計器が何かを感知した。その音に飛び起き慌てて飛び起きるが、その時にはもう計器はうんともすんとも言わず、なにもなかったですよーとすました顔をしていた。

 

 

 同じ頃……。

 うーんうみゃうみゃうみゃうみゃ……キュピィーン!

 ハッ!?

 いまニュータイプに覚醒した気がする!

 って、なんだ夢か……。

 もう一眠りしよう。

 ぐう。

 

 

 ゾルゲル島の地下、それは確かに動き出していたのだ────。

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