時系列とかは気にしない方向で
昨年のクリスマスは驚異の4話投稿なんてことしましたねぇ……
今年は、ないです(きっぱり)
世間はクリスマス気分に浸っている12月。
俺はというと絶賛リア充爆発しろという怨嗟を抱えて寒空を飛んでいた。
ちくせう……なんでクリスマスに仕事なんだ……。
ふんだ!別にいいもんねー!
お前らリア充が安心してクリスマスを楽しんでケーキ食ったりプレゼント渡したりピーしたり出来るのも全部俺のおかげだもんねー!
俺が人知れず平和守ってるからだもんねー!
感謝しろよマジリア充共!!!
くそ寒い日にくそ寒い場所でくそ寒いことで有名なゲゾラと戦ってきたんだぞこちとら。
知ってるかゲゾラ?
体温が0度なんだぞ。
周囲の海が凍っていくんだぞ。
触手で人間襲って食べるんだぞ。
そんな恐ろしい怪獣を倒してきたんだぞこちとら。
あっ、あいつ倒さずに一緒に東京に進撃すれば良かった。
そうすればリア充共のクリスマスも台無しよ。
って、いかんいかん。
思考がヒール怪獣のそれになっていた。
今はヒーロー怪獣として頑張っているんだから。
まあ妄想するだけならいいだろう。
というわけで脳内のリア充共を蹂躙する妄想しよう()
大東京(主に歌舞伎町)を火の海へと変えて休憩とかいう文字を掲げている施設を徹底的に破壊しよう。
なんだよ休憩って運動の間違いだろふざけんなまじで。
全然休めてないじゃろがい!
むしろ汗だくになって息も上がっとるやろ!
そんな奴等は回転カッターの餌食にしてやろ……。
妄想に集中していたのが悪かった。
もっと前方注意していればよかった。
気が付いた時にはもう遅く、なにかと衝突して重力に従い地面に叩きつけられた。
いてて……。
どこかの森に落ちたようだが……。
くそ、なにと衝突したんだ?
2mサイズだったとはいえあの高度を飛ぶ物体ってなんだよ……。
まさか未確認飛行物体!?
うひょー!未知との遭遇!
宇宙語の練習したろ!
キエテ・コシ・キレキレテ……ってそんな場合じゃないわ。
一応事故なんだから向こうが無事かどうか確認せんと。
って、待て。
宇宙人さんもファーストコンタクトが俺とかあれじゃない?色々誤解されそうじゃない?
だってガイガンだもん。
まあ、簡単な救助ぐらいは出来たらしよう。
というわけで宇宙人(仮)を探そう。
せめて友好的であってほしいな~なんて考えながら探しているとなにやら声が聞こえた気がしたのでその方向へ。
するとそこには……。
「あ~やっちゃったなこれどうすんのこれ。ソリ壊れちゃったんだけどどうしてくれんのこれ。まじでヤバいよこれ。プレゼント渡せないよこれどうすんのマジで」
「どうすんのってアタシに聞かないでくれるぅ?そもそも運転中に話しかけてきたおっさんが悪いじゃん。アタシ悪くありません~」
「はあ?テメーが話しかけて欲しそうにしてたから話しかけてやったんだろうがそれをなにお前は人に責任擦り付けるわけ?大体話しかけられても余所見すんなよなトナカイなんだから。お前が余所見しなきゃ回避出来たんだろうが。そんなんだから彼氏にも捨てられるんだろうが」
「はあ!?その話いま関係ないしぃ!おっさんもそういうとこあるからいい歳して独身なんだよ分かれよマジ!」
「んだとぅ!!!」
えっ、なにあれは……。
白い無精髭の赤い服のおっさんとなんか角生えた褐色ギャルがぶっ壊れたソリの前で喧嘩してんだけど……。
……。
触らぬ神に祟りなし。
というわけで帰りましょう帰りましょう。
「あっ!ぶつかってきたやつじゃん!!!」
げえ!見つかった!?
「おいこら逃げんなしぃ」
一瞬で捕まりギャルに連行されおっさんの前に正座させられた。
いや、違うんですほんと。
ちょっと保険会社に連絡しようとしてただけで決して逃げるつもりなんてなかったんですはい。
ぶつかったのもちょっと考え事してて……本当にすいませんでした。
あの、これ住所と電話番号なんでぜひ示談で……。
「示談つってもねぇ、こちとら絶賛困ってるのよ。どうすんのこれ?子供達にプレゼント配れないじゃんこれもう間に合わないよこれ絶対もうマジ無理だってこれどうすんのこれ」
い、いやーそればっかりは……。
「プレゼントは俺が命張って守ったよ。けどさ、肝心のソリがこれじゃん?運べないよこれ?このオモチャ来年に持ち越せないんだよこれ知ってる?」
いや、知りませんでした……。
というかあなた方はもしかしてサンタさん的なそういうサムシング……?
「サンタさん的なじゃなくてサンタさんだよこのやろー。子供達に夢と希望を届けるサンタさんですよこちとら。ええ?なんか文句あっか?ふぅ……」
いや、サンタさんタバコはちょっと……。
やめて!吹き掛けないで副流煙を!
つーか態度悪スギィ!
こんなんがサンタとか壊れるなぁ。
「おいお前ちょっとそこに四つん這いになれよ」
えっ?
「四つん這いだよあくしろよ」
ひえっ……。
とりあえず従っとこ……。
「なんだこの羽は邪魔だぞ」
いや、羽は大事なものなのでぇぇぇぇぇ!!!!
やめてぇ!むしろうとしないでぇ!!!
剥ぎ取れないからそれぇ!!!
未来怪獣の翼膜とかじゃないからぁ!
なんの装備も作れないからぁ!
「ちっ。しゃーねえな。お前このプレゼント持て」
えっ?
「だからプレゼントだよプレゼント!テメーが今夜のソリだ」
ファっ!?
なんで俺がソリ役なんか!
「お前のせいで困ってんだからな?言うこと聞けよ?ソリとして働いてくれればそれで今回の件はチャラにしてやらぁ」
ひえぇ……。
けどまあ俺が悪いのも事実だし……(向こうも悪いけどな!)
しゃーない引き受けよう。
ところでおっさ……サンタさんはなにに乗るん?
「仕方ねえからトナカイに乗るしかねえだろ」
「本当は嬉しいくせに~」
「うっせ」
……さいですか。
そんなこんなで、俺のソリとしての任務が始まった。
……案外、順調に進んでるなぁ。
遅れを取り戻すためにかなり急いだがなんとかなりそうだ。
それにこのサンタの担当区域が家の近くのおかげで土地勘があったのでこれもまた作業効率の向上に繋がった。
そして、余裕が出来たので雑談が始まった。
サンタがとある金持ちの家に忍びこ……ごほん。
プレゼントを置きに行っている間、ギャルトナカイと駄弁っていた。
「ところでさぁソリさんはなんなんだし?」
なんなんだしがなんなんだし?
「だからぁ、何者かって聞いてるんだし」
ガイガンだし。
「ガwwwイwwwガwwwンwww」
草を生やすな草を!
かっけえだろうガイガン!!!
「ちょっとマジ草w」
草に草生やすな(マジレス)
まあええや。
ギャルちゃんはあれなん?
ずっとあのおっさんサンタと組んでんの?
「いや、おっさんは今年サンタ免許取った新人サンタなんだし」
サンタ免許とは()
細かいことはいいや。
それにしても新人とは……。
もう40ぐらいじゃないのあのおっさん?
「いやーサンタ業界も高齢化が進むわ後継者が不足してるわで大変なんだよね~。それでおっさんのお父さん。グランドサンタが去年のクリスマス終わってすぐに倒れたからおっさんが仕事辞めて実家戻ってきて継いだってわけ」
グランドサンタ……まあこれも置いておこう。
なるほどなるほど。
よく聞くような話ですなぁ。
サンタの世界でもそんなことがあるとは思わなかったわ。
「あーまじ広い家はくそだわ。迷って時間かかっちまった。それになんだよ頼んでるプレゼントがパパとママと遊びたいって。もっとちゃんと子供に目を向けてやれよくそが」
愚痴りながらサンタのおっさんが戻ってきた。
少々このご家庭の闇が感じられたがこればっかりはどうしようもない。
次のご家庭に行きまっせ旦那。
「テメーが仕切んな。さて、次のお宅は……んだこれ。一緒に住んでんのか?暁さんと月読さん同じ住所と部屋番だ」
ん?
暁さんと月読さん?
それ間違いなく知り合いだわこれ。
十中八九というか十中十で知り合いだわ。
「んだペンギン知ってんのか。よし最短ルートを案内しろ」
あいあいさー。
よっしゃ行こうぜ~(某銀河風に)
なんとなく全員で侵入してみた。
ほら、二人がなに欲しいのかちょっと気になるし。
というか高校生でサンタにプレゼント頼むとか二人なんだ可愛いか?
それにしても気分は寝起きドッキリの気分。
「クワガタは準備してあるし~」
よっしゃ切歌ちゃんの鼻に……。
「ふざけてんじゃねぇ。さて、二人のリクエストは……」
あっこれじゃないですか?
つてがみ
「ん?どれどれ……なんだこれ意味分からん文章だ。なんだぴーかんの空って」
あっ違うやこれですわ。
ちゃんとサンタさんへって書いてある。
「えーと。なになに……なんだゲーム機か。二人でやりたいんだとよ」
意外と普通なリクエスト!
まあ可愛らしくていいね!
というわけでテーブルの上にプレゼント置いて完了と。
暁&月読家クリア!
「次は……また同じ住所だ。立花さんと小日向さんだとよ」
「あっそこも知ってます」
「よし、行け」
りょ。
「雑になってない大丈夫?」
というわけでまたみんなで侵入したぜ。
さてプレゼントのリクエストは……あった。
「立花の方が……なんだご飯&ご飯って。靴下に白米詰め込めばいいのか?」
「いや食えんし馬鹿じゃないのおっさん」
「うっせえ冗談に決まってるだろうが。で、小日向の方が……」
おっさんが黙り込んでしまった。
一体なんだというのだ。
「なんだしなんだし~?どんなプレゼントなんだし~」
ギャルトナカイと一緒にリクエストの書かれた紙を覗きこむ。
そこには……。
「響の……」
「笑顔……」
「……」
と、とりあえず響ちゃんのプレゼント置いておこう……。
朝ご飯が置いてあったら響ちゃんきっと笑顔になるから……。
そうすれば未来ちゃんにとってのプレゼントにもなるから……。
「そ、そうだな……」
しかしここで問題が。
当然だが炊飯器には既に朝に炊けるように米がセットされていたのだ。
「どうする?ご飯は既にあるんだぞ……そこに更に米を足すか……?」
おっさん、俺に妙案が。
「なんだ?」
これをプレゼントしましょう。
つご飯デスよ
「馬鹿かお前!これはご飯じゃないだろう!」
なに言ってるんですこれは
「ただの屁理屈じゃねえか!」
屁理屈チガウコレハご飯デスよ。
ご飯デスよと言っているということはこれは間違いなくご飯デスよ。
更にこれを二つ置いておくことで……。
ご飯&ご飯となるというわけデスよ!
「そっかぁじゃあそれでいいわ(洗脳済)」
立花&小日向家クリア!
続いて続いてなんとクリスちゃんのお家。
クリスちゃんが望んだものは……。
『仏壇掃除の道具』
クリスちゃん……。
本当にいい子やなぁ……。
サンタに頼まず自分で買うべきでは?と思わずにいられなかったけどしゃーない!
ガイガンサンタがたくさんお掃除セットをくれてやらぁ!
「てめーはサンタじゃねえだろ」
雪音家クリア!
装者が続いて今度はカデンツァヴナさん宅へ。
……カデンツァヴナさん?
えっ、あの人20代だよ大人だよ?
サンタさんなんて歳じゃないよスルーしようスルー。
「けどぉ、サブタイだとガングニールの少女ってあるし~」
その話はやめて差し上げろ()
初期設定の名残なんや許してやってくれ。
「まあ、見るだけ見てみるか……」
というわけでマリアさん宅へ侵入っと。
あ、靴下発見。
中にはリクエストの手紙が。
なになに……。
『休み』
マリアさん……。
疲れてるんやなぁ……。
疲れ過ぎて神頼みならぬサンタ頼みしちゃったかぁ……。
まあ、休みは我々にはどうしようもないのでお仕事頑張ってね!
カデンツァヴナさん宅クリア!
そんなこんなで……。
「いよいよ、最後か……。一時はどうなることかと思ったがなんとかなったな。ありがとな、付き合ってくれてよ」
やめてくれよデレるのは。
男のツンデレは嫌いなんだ。
「てめぇ……素直に感謝してやったのに……」
嘘です冗談ですこちらこそありがとうございました()
さて、最後は……。
なんとなく予想はつくけど違うことを願おう。
「さて、最後のお宅は……風鳴さん宅だ」
やっぱり()
こうなると思ったのよね()
そして最悪の場合というのは……プレゼントが……。
「リクエストは……ピー助の全て?ピー助?なんだこのふざけた名前は?」
「あ、こらガイガン逃げんなし。ここまで来て逃げるのはイミフだし。てかそんなちっさくなれんだね」
い、いやぁピー助ってなんやろなぁ?
あははぁ!
「……お前、名前は?」
ピー助です。
あっ。
「よし、じゃあお前はこのお宅に置いていこう」
待って!
俺達仲間じゃん!
ずっと一蓮托生でやってきたじゃん!
俺ずっとソリやるからお願いだから連れてってくれ!
「お前の帰る家はここなんだろう?だからよぉ!!!」
むごぉ!?
お、俺を掴んでなにする気だぁ!?
「大人しくこの靴下の中に入ってプレゼントになりやがれぇ!!!」
ピー!?
無理無理こんなの入ら……入ったぁ!?
「よしこれでOK。さっさと帰るぞ」
「じゃーねーガイガン。また来年があればよろしくぅ!」
ざっけんな!
誰がお前らとよろしくなんかするかこのやろう!
俺の叫びも虚しく二人は窓からとんずらしてしまった。
「んん……。こんな時間に目が覚めてしまっ……ピー助?」
ンピッ!?
「ふふふ……可愛いわねぇピー助……私のためにプレゼントになってくれたの?私に全てを捧げてくれるの?」
ぴっ……。
俺のそばに近寄るなぁ!!!!!!!!!
……はっ!?
い、今のは夢……?
というかいつの間に寝て……寒っ!
そういえば俺、ゲゾラと戦ってて……。
あ、あかんわこれ。
身体中カチンコチンですわ。
目の前のゲゾラはやったぜと言わんばかりに触手を振り回して喜んでいるような気がする。
そしてじわじわと俺に近付いてきて……。
やめろぉ!
俺なんかに触手プレイしてもなんも面白くないぞぉ!
身体の中央にあるさくらんぼのような真っ赤な瞳が妖しく光る。
くそ誰がチェリーだこのやろう!!!
うおおおお!!!
上げるぜ!体温!
はぁ!
ガイガァァァァァン!!!!!
起動ぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!
特に誰かとフュージョンライズしたわけではないがまあ気分というものである。
精神論は嫌いだが、根性ってやつは案外嫌いでない。
元気があればなんでも出来るをモットーにやれば……。
迫る灰色の触手。
俺の目前に来たところで……。
解凍、間に合った!
おらぁ!熱線だぁ!!
零度の触手が爆ぜて、飛び散る。
ゲゾラは痛みに悶えるがもうゲームセットだ。
悪いが、人間を狙って食うやつは容赦出来ないんでな。
悶え苦しむゲゾラを押し倒して鉤爪を突き刺す。
ぐちゃりと嫌な感触を覚える。
しばらくぴくぴくと痙攣し、そして瞳から光は消えて生命活動は停止した。
……ふいー。
さて、あとはモナークの人達が処理してくれるし俺は帰ろっと。
寒すぎィ!
やっぱり寒いと動きが悪くなる気がするなぁ。
ゲゾラ相手に苦戦してしまった。
……そういえば、気絶してた時の夢でサンタとぶつかったけどまさかね。
正夢にはなるわけがない。
だけど……。
プレゼント、かぁ……。
世間はクリスマス真っ盛り。
今日も皆とクリスマスパーティーをしたが私は気が気でなかった。
シベリアで怪獣出現。
それも最近頻発していた行方不明事件と関わりがあると目される怪獣である。
そんなものを相手にたった一人で……。
共に戦場に立てない自分が情けないと嘆くが楽しむ皆に水は差せないと振る舞ったが見抜かれてしまった。
私もまだまだ未熟ということである。
そして一人、我が家へと帰宅して……気配?
「ピー助?帰ってるの?」
ひんやりとした暗い室内を進んでいく。
リビングからなにかを擦るような音が聞こえたが……。
もしかしたら泥棒かもしれない。
ここは意を決して……!
「何奴ッ!」
勢いよくドアを開けると同時にドア横の照明のスイッチを入れる。
明るくなった室内にいたのは……。
「ピエッ!?」
「ピ、ピー助……」
ピー助が既に帰っていた。
しかしその格好は……。
サンタクロースの格好だ。
赤い装束に帽子。
白い大きな袋を引きずって歩いていて……。
「おかえりなさいピー助。ふふっ、随分可愛いサンタさんね」
「ピー!」
白い大きな袋を差し出すピー助。
これは……私へ?
うんうんと頷くピー助。
そんな、戦いから帰ってきたばかりだというのに……。
けれど。
「ありがとうピー助。ピー助からもらった物ならなんでも嬉しいわ」
「ピー!」
袋からプレゼントを取り出すとラッピングされたプレゼントが出てきた。
「開けていい?」
「ピ~」
深く頷くピー助。
どうやらプレゼントの品には自信があるようだ。
さっきも言ったが何をもらっても嬉し……。
『育乳ブラ』
「……ピー助」
「ピー?」
「ふんっ!!!」
「ピエッ!?」
育乳ブラをピー助に叩きつける。
まったくピー助は……!
もう知らん!
(そんな……なにもらっても嬉しいって……ガクッ)
みんなも、プレゼント選びは慎重に……。