ちっちゃいガイガンになってた   作:大ちゃんネオ

2 / 105
お気に入り、感想、評価ありがとうございます。
予想よりも反響大きくてびっくりです。




この世界のガイガンはどうもすごいらしい

 奏ちゃんにお持ち帰りされてから二週間。

 最初の数日は検査やら研究やら解剖するしないとかで忙しかったがなんとか解剖は免れ、無事に奏ちゃんのペットとして生活を送っている。

 

「ほらピー助。アジだぞ~」

 

 奏ちゃんの持つアジを咥えて、飲み込む。

 うん、うまい。

 最初は丸ごとって抵抗あったけど今ではすっかり慣れて美味しくいただいている。

 人間としてのプライド?

 そんなのこの体には邪魔だと悟った。

 とにかく生きていくことが最優先。

 今は奏ちゃんのペットとして生きていくと決めた!

 

「お前はかわいいな~」

 

 奏ちゃんに持ち上げられ、抱き抱えられる。

 羽とか邪魔だと思うけど奏ちゃんは気にせずに抱き抱える。

 どうにも俺ことガイガンはかわいいらしい。

 まあ確かにトゲトゲしているところはあるけどシルエットはペンギンみたいだし。

 それとやっぱり小さいのがいいらしい。

 人間は小さいものを愛でる。

 これは紛れもない事実…

 まさかこれを狙ってガイガン(俺)は小さくなったのでは!?

 それはないか。

 まあ可愛い女の子に飼われるなんて役得役得ゥ!

 働かなくていいし。

 

「奏、いる?」

 

 そう言いながら青い髪のこれまた美少女「風鳴翼」が奏ちゃんの部屋に入ってきた。

 奏ちゃんと翼ちゃんは二人で「ツヴァイウイング」というユニットとして活動している。

 それにアイドルとは別の顔…二課に所属するシンフォギア装者としてノイズと戦っているヒーローなのだ。

 すごい人達に拾われたなぁ。

 どんな確率だよ。

 

「ピー助、今日も元気だね」

 

 翼ちゃんからも撫でられる。

 ここの女性陣は大体落としたといっても過言ではないガイガン氏。

 翼ちゃんは古風な性格だけど、天然だ。

 たまに奏ちゃんがいないときにおもちゃを持ってやってきて遊んでくれるんだけど…

 おもちゃのレパートリーが古いのだ。

 メンコとかベーゴマとか。

 それに持ってきてもらっても俺遊べねえし。

 あとじゃんけんのチョキが古い方のチョキ。

 おばあちゃんがやってたなぁなんてノスタルジーに浸れたけど。

 

「ほらピー助、今日はけん玉を持ってきたよ」

 

「だからピー助は出来ないって」

 

「そんなぁ…」

 

 俺の両手は鉤爪だからね、手を使うような遊びは出来ないんだ。

 それに多分だけど、持ってくるおもちゃは単純に翼ちゃんが遊びたいものではないかと推測。

 

「ピー助はサッカーが好きなんだよ。ほらボールだぞ」

 

 奏ちゃんがボールを地面に転がす。

 それを追いかけて、蹴って、蹴って、蹴ろうとして…こける。

 

「ピー助は運動オンチだなぁ」

 

 奏ちゃんに笑われるが仕方ないのだ。

 まだこの体にあんまり慣れてないし…

 人知れず練習して目にもの見せてやる!

 ちなみにガイガンは知らないがこのサッカーをする姿は撮影され、二課の面々に送られている。

 

「そういえばピー助って、翼が三枚あるよな。アタシと翼の二人でツヴァイウイングだからピー助を加えてトリプルウイングだな!」

 

 確かに羽は三枚あるけど、ツヴァイはドイツ語だからドライウイングの方が正しいんじゃ?

 ドライウイングってなんか乾燥してそうだな。

 

「三枚の翼…いいかも」

 

 翼さんは気に入ったようで。

 こんな感じで毎日過ごせたらいいのにな~。

 二人はいつも命懸けで戦っているし。

 ノイズと人が遭遇する確率はすごい低いらしいけどその割りにはいっつも出動しているし。

 

「そういえば司令がピー助のことについて話があると言っていたな」

 

「そうだったな…ピー助行くぞ!」

 

 奏ちゃんに抱えられて、部屋を出た。

 俺について話?

 なんだろう?

 

 

 

 奏ちゃんと翼ちゃんと共に司令室にやって来た。

 そこにいる筋骨隆々なワインレッドのスーツを着こなす男、いや漢、風鳴弦十郎となんか怪しみのある櫻井了子というシンフォギアの開発者にして天ッ才考古学者!(自称)がいた。

 

「いいところに来たな。ちょうど二人を呼ぼうとしていたところだった」

 

 いいところに来たらしい。

 

「ピー助君についての調べが大体ついたから報告しようと思ってね。ピー助君は…ズバリ、生きた完全聖遺物と言ったところかしら」

 

 かんぜんせいいぶつ?

 なんじゃそりゃ?

 この二人は何か知っているんだろうか?

 って、二人固まってるし。

 

「驚くのも無理はないわ…ピー助君、正式名はガイガン。古代の人々が対ノイズ用に開発した生物兵器。北海道沖でどこかの組織が回収したものが目覚めたようね」

 

 はえー。

 この世界のガイガンは人類の味方だったのか。

 アニメゴジラの小説プロジェクトメカゴジラのガイガンみたいな。

 確かにノイズと出会った時、変な闘志を感じた。

 対ノイズ用ならノイズを見て反応してしまったのだろうか。

 ゴキブリを見たアシダカグモみたいな。

 それにしても古代の人ってすごいな、怪獣改造してサイボーグにしてしまうんだから。

 まあ特撮において古代といえば超技術が当然だからね、しょうがないね。

 しかし…

 

「ただ…何故かだいぶ、こう…小さくなってしまっているのが謎ね。元の姿はだいぶ大きかったとあの施設から回収した資料にはあるのだけど…」

 

 そう。

 こんな大きさではないのだ、ガイガンは。

 こんな2Lのペットボトルと同じなわけがないのだ。

 

「えっとピー助が対ノイズ用?だとしても!ピー助を戦わせたりさせないからな!」

 

「それは無論だ。完全聖遺物を戦場に出してみすみす失うなんて真似は出来ないからな」

 

 よかった…働かなくて済むのか。

 いや、それはどうなんだ。

 働かなくていいなんて思いはするけどこんな女の子を戦わせるなんてのも、どうかなぁ…

 

「ピー助君には今後、対ノイズ用兵器開発の参考として研究をさせてもらう」

 

 だ、大丈夫かな、とって食ったりしない?

 

「なあに悪いようにはしないさ。研究といってもデータ取りがメインだ。いつも通りに過ごしてくれればいい」

 

 俺の不安を感じ取ったのか、司令は優しい声音でそう言ってくれた。

 

「以上でガイガンことピー助君については報告終了だが、二人は少々残ってくれ。次の作戦について話がある」

 

「分かったよ…ピー助、悪いけど一人で部屋に戻れるか?」

 

 了解、ガイガン目標へ飛翔する!

 奏ちゃんの腕から飛び立ち、司令室を出ようとして…

 

 ガンッ!

 

 あ、頭からいった…

 なんで、自動ドアなのに反応しないの…

 小さいからか。

 小さいから反応しないのか!

 もう何度目か分からない後悔をしながら部屋に戻った。

 ちくしょう…絶対大きくなって見返してやる!

 

 

 

 部屋に戻って一人でボールを蹴っていると奏ちゃんが戻ってきた。

 

「お、サッカーの練習か?」

 

 まあ暇潰しに。

 

「ピー助、お前ガイガンなんていかつい名前してたんだな」

 

 ええ、東宝が誇る悪役怪獣ですよ。

 当時の子供達のハートをガッシリ掴んだネーミングとデザインの人気怪獣ですよ。

 

「まああたしのなかじゃピー助で固定だけどな。それより聞いてくれよピー助。あたし、今度大きな舞台で歌うんだ。たくさんの人の前で…」

 

 おー。

 ツヴァイウイングのライブかぁ。

 そういえばライブとか行ったことないな。

 この感じだと連れて行ってもらえる可能性が…!

 

「残念ながらピー助はお留守番だ。その分あとでたっぷり私の歌聴かせてやるから楽しみにしとけよ?」

 

 ライブに行けないのは残念だけど俺のために歌ってくれるなんて…

 ヤバイ、泣きそう。

 今からその日が楽しみだな~。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。