ちっちゃいガイガンになってた   作:大ちゃんネオ

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翼さんの口調、この頃はまだ乙女残ってますね。
頑張って寄せようとしてもSAKIMORI語が頭に…



運命の日まで、あと一日

 その日、私は朝から異常な光景を目にしていた。

 木の上にペンギンがいたのだ。

 いや、正直ペンギンかどうか怪しかったけど…シルエットがペンギンっぽかったからペンギンということにしておこう。

 その子が木から降りられないようだったので助けようとしたら木からジャンプして逃げてしまった。

 それで気がついたら授業がもう始まっていて遅刻して怒られてしまった。

 

「あ~疲れた…もう朝から異常現象に出会すし、私、呪われてる…」

 

 みんなからも木登りするペンギンなんているわけがないと言われてしまったし…

 本当に今日は呪われているに違いない。

 

「木の上にいたペンギンを助けようとしてたー、なんて信じられるわけないでしょ?で、本当のところなにしてたの?」

 

 幼馴染みで、寮でも同室、二段ベッドだけど一緒に寝るほどの仲良しの未来ですら信じてくれない。

 

「本当だよ~!いたんだって!あれは絶対ペンギンだって!」

 

「響がそこまで言うなら多分本当なんだろうけど…ペンギンじゃないと思うよ?大きいカラスと見間違えたとか…」

 

 うーん…やっぱりペンギンじゃなかったのかな…?

 いや、あれは絶対ペンギンだった。

 二足歩行でちゃんと羽もあったし。

 今度見つけたら証拠写真を撮ってみんなに見せて本当だってことを証明しよう! 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「かゆいとこありませんか~?」

 

 あ~気持ちいい~。

 現在、シャンプーしてもらってます。

 いやーやっぱりプロの方は違うわ。

 一流のペットトリマーさんに出張で来てもらうなんて、俺もすっかりセレブペットよ。

 翼ちゃんに洗ってもらうのより断然気持ちいい。

 ツボ、ツボが…

 あっ…

 

「それじゃあ流しますね~」

 

 ザーとシャワーで泡を流してもらう。

 シャワーは別にいつもと変わらないのにプロの方にやってもらうとシャワーまでいつもより気持ちいい気がする。

 この人には毎回来てもらってるけど本当いい人だわ。

 はじめてあった時から戸惑いとかなくシャンプー、マッサージしてもらってるし。

 

 ちなみにそのペットトリマーは。

 

(ねえ、この生き物なんなの?ペンギンって言い張ってるけど絶対ペンギンじゃないもの。金色の鱗とかあるもの。羽毛じゃないもの。なんかヤバイ書類とか書かされたし口外してはならないとかなんなの)

 

 何度ガイガンと会っても戸惑いはつきなかった。

 

 はえ~気持ちよかった。

 またお願いしますね~。

 ぺこりとお辞儀する。

 

「それでは、今日は終了となります。またお願いします」

 

(お願い、もう指名してこないで…というかお辞儀してるんだけど、え?知能があるの?高いの?もし、ヘマでもしたらあの鉤爪で…ひえぇ…もうやだ早く帰りたい)

 

 結局、この人は毎回指名されることとなる。

 哀れなり。

 

 

 

 

 

 

 さて、今日出会ったあの子…

 どうしたものか…

 いや、どうも出来ないんだけど。

 誰かに伝えようにも無理だし…

 まあ、顔は覚えたしまた様子でも見に行こう。

 その時、警報が鳴った。

 ノイズが現れたようだ。

 すぐに司令室に行こう!

 

 

 

 

 

 

 

 早速、出撃。

 今日は翼ちゃんと一緒。

 ノイズの出現現場に急ぐためヘリで移動中だ。

 既に自衛隊が応戦しているようだが…ノイズには通常兵器は通用しない。

 位相差障壁とかいうやつのせいで通常兵器はノイズの体をすり抜けてしまう。

 なので、シンフォギアか俺でないとノイズは倒せないのだ。

 

「よし、行こうピー助」

 

 了解!

 ヘリから飛び降りながら巨大化する。

 そして…

 

 ドゴンッ!

 

 土煙をあげて着地した。

 気分はさながらガイア。

 よしテンションは上がった!

 今日は翼ちゃんも一緒だから更にテンションアップ。

 あと翼ちゃんの歌も聞くことが出来るからもっとテンションアップ。

 戦いとはノリがいい方が勝つという名言があるが…

 今の俺は負ける気がしねぇ!

 翼ちゃんと一緒にノイズの群れに斬りこんでいく。

 おらぁっ!!!

 やっぱり二人だとノイズの数が減るのが早い。

 …ここに奏ちゃんもいれば…

 いや、そんなのは幻想だ。

 奏ちゃんは充分戦った。

 だから奏ちゃんがゆっくり眠れるように戦うと誓ったじゃないか。

 

「ピー助!!!」

 

 翼ちゃんが俺の名前を叫んだ。

 その瞬間─

 

(ごふっ…!)

 

 巨大なノイズに殴り潰された。

 ノイズの拳と地面でサンドイッチにされている。

 だけど…

 回転鋸を忘れていたな、仰向けに倒したのがお前の運の尽きだ。

 拳を回転鋸で切り裂き、ノイズの右腕は炭化した。

 

「今のうちに…はあぁぁぁっ!!!」

 

 空高くジャンプした翼ちゃんの持つ刀(アームドギアというらしい)が大剣へと変化し、巨大な青いエネルギーの刃を放った。

 

《蒼ノ一閃》

 

 翼ちゃんの十八番。

 これまでも何体ものノイズをこの技で両断してきた。

 大型のノイズも縦に真っ二つ。

 これで…全部片付いたか。

 

「ピー助、大丈夫?」

 

 大丈夫!

 この体頑丈だし!

 それより翼ちゃんこそ…うん、無事みたいだ。

 

「さあ、早く帰ろう。折角シャンプーしてもらったのに汚れてしまったな…帰ったらシャンプーしよう」

 

 え、いや、大丈夫です…

 翼ちゃんのは痛いだけだし…

 

「むう…なぜ私の時は嫌がるんだ…?」

 

 痛いからです。

 翼ちゃんはこう器用そうですごい不器用だから…

 そうだ、自分でシャンプーしよう。

 シャンプーくらいは自分で出来るだろう。

 




正直、番外編で日常ばっかり書いていたい…

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