ちっちゃいガイガンになってた   作:大ちゃんネオ

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 デュエマプレイス…もう18日だよ?
 何時から出来るの…?


この子すごくいい子だよッ!!!

「さて、こいつをどうするか」

 

 ひえぇ…

 ヤバイよどうしよう。

 ただいま縄で縛られて吊るされてます。

 なんかすっごい城みたいなとこに連行されて来たんだけど…

 うー…

 お腹空いた…

 力が出ない…

 これじゃ脱出は無理だ…

 回転ノコギリは動かないし…

 

「お前、あいつの仲間なんだろう?」

 

 あいつ?

 どこのどいつよ?

 

「あの時、あたしをこけにしたやつだ!あの化け物…今度会ったらぶっ殺してやる…!」

 

 この子…FWガイガンと昭和ガイガンを別人だと思っている?

 いや、原作だと別人なんだけどさ。

 友達もFWから入って昭和版のガイガン見たとき、えっこんなだっけ?ってなってたし…

 

「お前はちっこいからな…あいつのガキかなんかか?こいつをエサに奴を誘き出せば…」

 

 ごめんなさい、本人です。

 同一人物なんです。

 てか小さいのはアンタも…

 ぐ~~~

 あっお腹の音が…

 

「そういえばお前、腹空かせてたっけな」

 

 そうなんです。

 お腹と背中がくっつきそうで…

 

「…ほら、これやるから」

 

 そう言ってさっきのお好み焼きを小さく千切って手渡す小さい人。

 気づいてんだぞ、厚底の靴履いて誤魔化してるの。

 

「べ、別に優しくしようなんて考えてねえからな!折角の人質が餓死なんてしたら意味が無くなるからだ!全然そんな、餌付けとかそんなんじゃないからな!」

 

 あれ、この子…

 かわいい(確信)

 すごいぞ、さっきまで敵としか思えなかったのに、この子とはいい関係が気づけそうだ。

 とにかく今はこのご厚意に甘えよう。

 いただきます。

 

「あっ…」

 

 うん、うまい。

 久しぶり、人間だった時以来のお好み焼きだ。

 それにしてもこのお好み焼きうまいな…

 もっと!もっと!

 

「も、もっと欲しいのか…しょうがないな…」

 

 わーい!やっさしーい!

 いただきまーす!

 

「か、かわいい…」

 

 おかわり!

 

「もう…ほら、もう全部やるよ」

 

 イエーイ!

 丸々一枚ゲットだぜ!

 

「まったくどんだけ腹が減ってたんだ…」

 

 めっちゃ減ってました。

 300gのステーキだけではエネルギーが賄えなかったよ…

 

「まさかお前、あいつらからちゃんと飯もらってないのか?」

 

 いや、そんなことないけど…

 

(まさか、飯が欲しければ仕事しろ!みたいにひどい扱いを受けてるんじゃ…だからあいつも無理矢理戦わされて…)

 

「よし!あたしがあいつらぶっ倒してお前達を助けてやる!」

 

 え。

 えぇ?

 ヤバイこの子、とんでもない勘違いをしてそう。

 違うんや、むしろ普通以上の食生活を送って…

 お腹が空いてたのはたまたま目覚めたばかりだったから…

 くそ、伝えようにも言葉は通じないしジェスチャーしようにも縛られてるから無理…

 ああ、このままだと555のようなすれ違いドロドロストーリーに発展してしまう。

 

『ピー助を返しなさいッ!』

 

『お前らみたいな奴等にこいつを渡せるかよ!』

 

 やめて!私のために争わないで!

 なんてことが起こるかもしれない。

 それだけは勘弁だ。

 しかしどうしようもないのが現状。

 せめて体が自由でさえあれば…

 そんな願いが通じたのか女の子は俺をおろして、縄をほどいてくれた。

 

「拘束はやめるけど逃げたりすんじゃねえぞ」

 

 あら、お優しい。

 絶対君いい子だよね!

 

「一応言っとくけどあたしはクリス…雪音クリスだ」

 

 クリスちゃんか。

 見た目から日本人離れしてるなとは思ってたけどハーフかな?

 

「さて、風呂に入るとでもするか…」

 

 いってらっしゃーい。

 大丈夫ですよ、逃げたりしないんで。

 …どうしたんだろうクリスちゃん。

 早くお風呂に行けばいいのに、チラチラこっちを見て。

 大丈夫だって、逃げたりしないから。

 

「も、もしかしたら風呂入ってる隙に逃げられるかもしれないからなー(棒)。しょうがない、お前も来い(棒)!」

 

 な!?

 ちょっと!?

 逃げない!逃げないからぁ!!!

 翼ちゃんはともかく昨日今日初めて会った女の子とお風呂になんて入れるか!

 こんな格好だけど中身はバリバリの男だぞ!!!

 

「こら!暴れる、なっと…」

 

 むぎゅう!?

 な、なんだこの質量は!!!

 クリスちゃんに抱き抱えられた瞬間、圧死するかと思った。

 けど、これなら逝ってもいい…

 あぁ…これが…天国か…

 奏ちゃん以来だよこんな感覚…

 

「大人しくなったな…よし風呂だ風呂!」

 

 あぁ…もうここに埋もれてたい、ここに住みたい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「本当ですか緒川さん!?ピー助がいなくなったというのは!?」

 

 ピー助がお見舞いに来た翌日。

 病室にやって来た緒川さんがピー助が行方不明になったことを教えてくれた。

 

「はい…二課にも翼さんの家にも帰っていないようで…現在捜索中です…」

 

「そんな…まさか、あの時みたいに暴走して…」

 

「可能性はありますがノイズが出てこない以上、ピー助さんも現れないかと…」

 

 こんなところで寝てはいられない。

 ピー助を探さないと…!

 

「ぐっ…つぅ…」 

 

 ベッドから降りようと急に動いたら痛みが体を襲った。

 

「ダメですよ翼さん!まだケガも治っていないんです。ここは僕達に任せてください。絶対にピー助さんを連れて帰ってきますから」

 

「…すいません。よろしくお願いします」

 

 そして緒川さんは病室を去った。

 ピー助…どこに行ってしまったというの?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ふかふかの柔らかいものに包まれて寝るっていいなぁ。

 ずっとこうしてられる。

 あぁこのまま睡眠を貪りたい。

 

「すぅ…すぅ…」

 

 クリスちゃんもこの通り俺を抱き枕にしてまだ寝ているし、俺もこのまましばらく寝続けよう…

 おやすみなさい…


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