ちっちゃいガイガンになってた   作:大ちゃんネオ

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別に死んでないけどなッ!


ガイガン、復活

「くっ…バカに多いなこの数はっ!」

 

 ガトリングを撃ち、ノイズは炭へ変わる。

 しかし、その数が減ったとは思えない。

 むしろドンドン湧いて出てくる。

 これじゃジリ貧だ。

 このままじゃ…

 集中がかけた一瞬の内にノイズの攻撃があたしを襲った。

 

「がっ…」

 

 このままじゃ…本格的にヤバイかもな…

 くそっ…あたしは自分が守りたいと思ったものさえ守れないのか…

 

 

 

 

 

「はああああ…はあッ!」

 

 声が響いた。

 その瞬間、ノイズ達が勢いよく吹き飛んだ。

 今の声は…あの融合症例の声だ。

 前とは違う。

 アイツは…強くなっている。

 

「ピー助君ッ!どこにいるの!?あなたは…」

 

 ピー助?

 あいつのことか?

 ピー助なんて名前してたのか…確かにピーピー鳴くもんな。

 

「あの…もしかして、ネフシュタンの…?」

 

「…ああ、そうだよ。今は取られちまったけどな。そんなことより今はこいつらを倒すのが先だ」

 

 そういうと融合症例はあたしが手を掴んで…これは…握手?

 こんな時になにを…

 

「私は立花響!15才ッ!誕生日は九月の十三日で、血液型はO型ッ!身長はこないだの測定では157cm!体重は…もう少し仲良くなったら教えてあげる!趣味は人助けで好きなものはごはん&ごはんッ!あとはッ…!」

 

「なんの真似だ!こんな時に!」

 

「だって、一緒に戦うのに相手のこと知らないのは失礼かなぁって…」

 

 なんなんだこいつ…

 こんな戦場で…

 

「だから、名前を教えて?」

 

「雪音クリスだ…」

 

 この時のあたしはどうかしていたのだろう。

 素直に名前を教えてしまった。

 

「そっか、クリスちゃんっていうんだ…じゃあそっちの敵は任せた!」

 

「あ、あたしに命令すんじゃねぇ!」

 

 こいつと一緒にいると調子が狂う。

 あぁ…もう…

 

「やっさいもっさいぃ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 隠れていろと言われたので近くにあった空のゴミバケツに隠れていた。

 クリスちゃんの歌声がさっきまで響いていたのに止んでしまった。

 クリスちゃんが危ないんじゃ…

 ん?

 歌が聞こえる…

 この歌声は響ちゃんの歌声だ。

 響ちゃんがここにきているのか… 

 響ちゃんが来てくれたならきっとクリスちゃんも大丈夫だろう。

 なんか分からんけど司令のこと師匠って言ってたしとんでもなく強くなっているはずだ。

 それはともかくクリスちゃんとケンカになってなきゃいいけど…

 しばらくするとクリスちゃんの歌声も聞こえてきた。

 二人は…一緒に戦ってるのかな…

 心配だ…

 ゴミバケツの蓋をちょっとだけ開けて外の様子を見る。

 

「?」

 

「ピ?」

 

 目の前にノイズ。

 目と目があい…

 これが運命の出会い…

 

「ピーーーーッ!!!(なわけねえだろこんちくしょうッ!!!)」

 

 咄嗟にレーザー光線を撃ってノイズを撃滅させる。

 やっべぇ…超ビビったぁ…

 ホラゲかよ…

 って、うん?

 俺、今レーザー撃った?

 そういえば…体が軽くなった気がする。

 ゴミバケツから飛び出て、軽く体を動かす。

 おー。

 おー。

 動けるッ!

 さっきまでの体のだるさが嘘みたいに消えたぞ。

 さっきのノイズにビックリしてちょっとハイになってるとか?

 いや、それにしたって…

 けど、ノイズを食べれば回復出来るしこのまま加勢に行くぞ!

 

 

 

 

 

 

「チッ!ちっとも数が減りやしない!」

 

「一体どこからこんな…」

 

「こうなったら絶唱を…」

 

「ダメだよッ!絶唱は負担もすごいって…」

 

「じゃあどうしろっていうんだッ!」

 

 そう叫んだ瞬間、爆発が起こった。

 ノイズが何かを破壊したのかと思ったがノイズが次々と炭へと変わっていく。

 一体、なにが…?

 

「あれは…」

 

 立花響が爆発した場所を指差す。

 爆炎の中に特徴的なシルエットが見える。

 あれは…ペンギンッ!?

 ペンギンが肩にノイズを担ぎ、ノイズの触手のようなものを口に咥えている。

 あいつ…もう大丈夫なのか?

 万全だというなら心強い援軍だ。

 あいつは対ノイズ用ということをフィーネが話していた。

 ノイズ相手ならシンフォギアに並ぶ戦力だ。

 しかし…

 

 

 

 

 

 

 

「ちっちゃいね…」

 

「ああ…ちっちゃいな…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 襲いかかるノイズを千切っては投げ、千切っては投げ、ちょっと食べて、レーザー撃って、また食べて…

 あ~お腹が満たされるって幸せなことだなぁ。

 いただきますの精神も大切にしなければ。

 お、あれに見えるは響ちゃんにクリスちゃん。

 おーい。

 助太刀に来たぜぃ。

 

「ピー助君ッ!」

 

「ペンギンッ!」

 

「「なんで小さいまま(なんだ)ッ!?」」

 

 おわっ…

 ビックリしたぁ。

 二人共息ピッタリの仲良しさんでよかったよかった。

 お兄さん安心したよ。

 てっ、うぇ!?

 クリスちゃん急に持ち上げないでよ、ちょっと胃の中のものが…

 

「お前でかくなれんだろッ!なんで小さいままで来たッ!?」

 

 え、あぁ…いや、まだ大きくなれなくて…

 もう少しノイズ食べたら大丈夫かなぁって。

 

「まあまあ、ちっちゃいままでもノイズ倒してたし大丈夫じゃない?」

 

「ふざけんな!動物はもっと優しく扱え!」

 

 優しく扱うならもっと丁寧に抱き上げてくれると助かるかなって…

 

「そもそもお前らがこいつらを虐待してるからだなぁ!」

 

「ぎゃ、虐待!?なんのことッ!?」

 

「しらばっくれんじゃ…!」

 

 二人共そこまでに…

 ノイズの皆さんも空気読んで止まってくれてるから…

 ん?

 止まってる?

 今がチャンスやんけ(愉悦)

 クリスちゃんから降りて…

 おらくらえエメリウム…じゃない、レーザー光線ッ!

 レーザー光線を横薙ぎにしてノイズを大量に倒す。

 この感じ…内閣総辞職ビームだ…

 これ…結構気持ちいい…

 テトリスで大量に消した時みたいな…

 シン・ゴジラさんもこの快感を味わっていたのだろうか。

 それは誰にも分からないことだけど。

 ノイズの皆さんも今ので空気を読むのをやめたらしく一気に迫ってくる。

 おら、近づくやつは食ってやるぞぉ…

 逃げるやつも食ってやるぞぉ!

 ひゃっはー!!!!!

 

「なんか…ピー助君、テンション高いね…」

 

「エサが大量にいるからな…お前で例えるなら白米が向こうからやって来てるようなもんだろ」

 

「えー!それはテンション上がるッ!テンションフォルテッシモだよ~って…」

 

「な、なんだよ急に黙って…」

 

「いや、私の好きなもの覚えててくれたんだな~って思って」

 

「なっ!いや、嘘だ!今の無し!そう例えるなら…」

 

「もう、いいから私達もいくよ!クリスちゃん!」

 

「~ッ!こいつら全員倒したら覚えてろよ!」

 

 あらあら仲良しですこと。

 仲良しっていいねぇ。

 やっぱり俺の見立て通りクリスちゃんはやっぱりいい子だ。

 この調子で一緒に戦えたらいいな…

 そのためにはこいつらを倒さなきゃいけないか。

 もう結構食べたし、そろそろいくか!

 デュワッ!

 巨大化完了!

 ようやく本調子になれたって感じだ…

 ここらで一つ、決め台詞の一つでも言おうか…

 今、セブンの真似したからここはゼロの決め台詞で。

 

「ピーーー!!!(ブラックホールが吹き荒れるぜッ!)」

 

 …言葉を話せないの忘れてた。

 これじゃただの咆哮じゃねえか。

 まあ、怪獣らしくていいか。

 さて、響ちゃんとクリスちゃんもほぼ片付け終わったみたいだし…

 ガイガン最高の攻撃を見せてやろう。

 それは…

 熱線ッ!(本編未使用)

 レーザー光線なんかとは比べ物にならない威力。

 設定だけ存在した攻撃方法。

 そして…

 この威力!

 やっぱり怪獣は口からなんか吐いてこそだよね。

 大体倒し終わったか…

 よし、熱線終わりッ!

 熱線を吐き終えると口から煙が…

 えっ大丈夫?中身焼けてたりとかしない?

 …大丈夫そうだ。

 口から煙で思い出したけど、寒くて白い息出た時ゴジラの真似ってしたなぁ。

 あとペギラとか言って。

 ペギラの方は伝わんなかったけど…

 

「ピー助君、終わったね!」

 

 響ちゃん!お疲れ!

 元のサイズに戻って、サムズアップのつもりで右腕をあげる。

 見ない間に随分と強くなって…

 お兄さん泣きそうだよ…

 チラッと見たけどなんか武術極めてなかった?

 ああそうだ!

 クリスちゃーん!

 

「なんだよ…」

 

 クリスちゃんも一緒に二課に行こう。

 一緒に戦おうよ。

 

「あたしは…」

 

「クリスちゃん、よかったら私達と一緒に…」

 

「あたしは…お前達の敵だったんだぞ?」

 

 それがどうした。

 昨日の敵は今日の友だぞ。

 

「そうだね…敵だったかもしれないけど、一緒に戦ったらもう味方だよ。それに…」

 

 クリスちゃんの手を握る響ちゃん。

 ここは俺も…

 あっ、鉤爪だった…

 

「ほら、ピー助君も」

 

 響ちゃんに鉤爪の先を握られる。

 優しい子やで…

 こんな怪獣とまで手を繋いでくれるなんて…

 あ、関係ないけどどうにも小さくなると殺傷能力が下がるみたいだから大丈夫だけど、巨大化した時は気をつけてね?

 

「ほら、こうやって手を取り合えた…だからもう、私達は味方だよ?」

 

 うんうん。

 俺達は仲間で友達だ!

 友達…?

 トモダチハゴチソウ!

 …なんか変なのに乗っ取られそうになった。

 危ない危ない。

 

「ふん!そんな都合のいいこと…」

 

 まったくこの子は素直じゃないんだから…

 えいっ。

 

「いてっ!おいペンギン!抱きつくな!って…あはは!そこ、は…くすぐるなぁ!あははははっ!!!」

 

「ほら、ピー助君も一緒に来てほしいみたいだから一緒に行こう!」

 

「分かった!着いて、いくから、くすぐるのを…やめろペンギンッ!あははっ!!!」

 

「ペンギンじゃなくてピー助君だよ」

 

「ピ、ピー助!やめっ…」

 

 やめまーす。

 ようやく、名前で呼んでくれた。

 これがちょっと不満だったんだよね。

 ガイガンはペンギンじゃなくて雁だぞ。

 …それは、どうでもいいか。

 お、あの車は…

 

「響さんっ!あぁ!ピー助さんも無事なんですね!」

 

 緒川さんっ!

 ちょっと顔見てなかっただけでなんだか懐かしい気がする。

 

「よし、あとは緒川さん達に任せて…ご飯食べに行こー!!!」

 

 おー!

 

「あたしはいか…いや、行くから飛びかかろうとしないでくれ…」

 

 分かればよろしい。

 それにしてもこれで装者が三人、怪獣が一匹。

 これだけ揃えばあの痴女にだって勝てるはずだ。

 絶対にリベンジしてやらぁ!




オマケ CMパロディ

翼「最近、私のことを固い寝床とかペットにお世話されてるとかピー助は完全に私のことをなめていると思うの…ん、この本は…まず、上下関係をハッキリさせること…この本使えそうね」

ちっちゃいガイガンになってた Blu-ray DVDなんてものはない

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