ちっちゃいガイガンになってた   作:大ちゃんネオ

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いつもたくさんの感想ありがとうございます。
感想から新しい翼さんいじり思い付いたりするので、ドシドシ感想ください。
みんなで一緒に翼さんをいじろう!


ガイガン、人生の先輩

「はあ~」

 

 どうしたんだい響ちゃん?

 さっきからため息ばっかりついて。

 悩み事ですか?

 よくないなぁ神聖なる食堂でため息なんて。

 折角のご飯が不味くなっちゃうじゃないか。

 あー、早くお昼ご飯こないかなぁ。

 

「実は…大事な友達とケンカしちゃって…」

 

 ほう。

 青春してますな。

 大丈夫、大丈夫、弁護士が出てきたりしなければ修復可能だって。

 

「は~いいなぁピー助君は。なんにも考えてなさそうで」

 

 カチン。

 ちょっと今のはいただけないですね…

 これでもたくさん考えてるんですよ!今日のランチとか青鬼からどう逃げるかとかクリスちゃんの胸に飛び込みたいとかフィーネの脅威とか友里さんに甘やかされたいとか今日のディナーとか寝床をいかに柔らかいものにするかとか明日の地球のこととか…

 ほら、こんなにたくさん。

  

「はー。このストレスをぶつけるためにノイズでも出てこないかな~」

 

 コラコラ。

 不謹慎だぞ。

 あんな奴等出てこない方がいいんだから。

 

「あ、ピー助君。お昼ご飯ですよ」

 

 友里さん!

 今日のランチはなんですか!?

 今日の気分は黒毛和牛のステーキなんだけど…

 

「ごめんなさいピー助君…実は予算の関係とか諸々あって…今日はこれしかないの。ごめんね?」

 

 これは…シシャモだと…

 スーパーで売ってるような…

 なんて…こと…

 あーストレス発散のためにノイズでも出てこないかな~。

 俺の怒りの炎をぶつけたいんだが。

 

「すごい…見るからに不機嫌に…」

 

「もう少ししたらまたいいもの食べられるから…それまで我慢してね」

 

 そう言いながら俺の頭を撫でる友里さん。

 その程度のことでこの俺が許すとでも?

 …あ~許しちゃう~。

 撫で方ホントに上手いよ~友里さん。

 ほえ~。

 あー飼い主が友里さんだったらいいのに…

 友里さんにならいくらでも飼われるのに…

 

 

 

テレビ局 風鳴翼控室

 

「どうしました翼さん?急に素振りなんてはじめて」

 

「いえ、家に帰ったら斬らねばならないものがある気がして」

 

 

 

 

 あ~心がピーピーするんじゃ~…

 この癒しがいつまでも続けばいいのに…

 しかし、幸せとはいつまでも続かないものである。

 

「警報ッ!ノイズが現れたようね…」

 

 ほう…この俺の幸せを邪魔するかノイズ…

 この野郎ッ!ノイズ共ぶっ●してやるッ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ノイズが現れたのは森林公園。

 現場に急行し、ノイズ達を蹂躙する。

 破壊は怪獣の十八番だ、ノイズ達を次々と切り裂いていく。

 切り裂いた時の余波で木まで斬ってしまう。 

 あぁ自然破壊ッ!

 くそ…ノイズめ…環境まで破壊しやがって…

 おらっ!ノイズ共!俺の時間を奪ったんだ!分かってんだろうなぁ!

 オラオラぁ!死神様のお通りだぁ!

 今日の俺は一味違うぜぃ…

 

「きゃああああ!!!」

 

 !?

 今の悲鳴…近いぞ!

 まだ人が残ってたか…とにかく助けるぞ!

 

 

 

 

 ノイズ達をすれ違い様に切り裂きながら声がした方向へと向かう。

 …どこだ、どこにいるんだ。

 もう手遅れなんて事態は避けたい。

 そんなの後味が悪すぎる。

 それに俺は、悲劇が苦手なのだ。

 いた!女の子だ!

 ノイズに追い詰められているけど、この距離なら大丈夫。

 レーザー光線、発射ッ!

 真っ直ぐにノイズ目掛けて放たれたレーザーはノイズを炭へと変える。

 大丈夫ですか!?

 

「こ、今度はなにっ!?ペンギンの怪物!?」

 

 ペンギンじゃないッ!雁だ!

 雁とはカモ目カモ科ガン亜科の水鳥のうち鴨より小さくて白鳥より小さい水鳥の…って違う。

 うーん助けたはいいけど俺じゃ敵にしか見えないよな…

 いいや、二課の人がいるとこまで連れて行こう。

 俺の姿見られちゃったし。

 それじゃ失礼して。

 

「え?ちょ、ちょっとなにする気!?」

 

 ちょっと黒服のお兄さん達のところに連れてくだけだよ。

 それじゃ、翔べガイガンッ!

 

「きゃーーーー!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 上空から状況を確認するが…もう終わったみたいだ。

 安心して黒服…緒川さんがいたら緒川さんに任せられる。

 あ、いた。

 緒川さーんお届けものでーす。

 

「あぁ、ピー助さんお疲れ様です…その娘は…?」

 

 救助しました。

 あとは頼みます。

 

「救助してくれたんですね、ありがとうございます。あとは僕達で処理しますので帰還してゆっくり休んでください」

 

 そうさせてもらいます。

 よし、帰って友里さんにナデナデしてもらおう…

 お、あれに見えるは響ちゃん。

 

「緒川さーん!ピー助くーん!こっちも終わりま…未来…」

 

「響…」

 

 あれ、お友達?

 てか、この二人の間の微妙な空気はもしかして…さっき言ってたケンカ中のお友達?

 これは…めんどくさいことになりそうだ…

 

 

 

 

 

 

 

 二課本部に帰還して司令室に行くと仕事を終えた翼ちゃんと別件で動いていたクリスちゃんがいた。

 そして司令は重苦しい顔をしている。

 これは…何かあったようだ。

 ・

 ・

 ・

 難しい話だったけど要約すると二課の後ろ楯だった広木防衛大臣が殺害されたということ。

 元々、超法規的なことをやる二課は色々と目をつけられていて、そんな中で二課が不自由なく行動出来るように取り計らってくれていた人物。

 そして次の防衛大臣は今の副大臣…なのだが。

 この副大臣が親米派ということもあり、日本の防衛政策に米国の意向が汲まれやすくなってしまう恐れがあるという。

 あんまり関係なさそうだけど米国は聖遺物関連で何かと日本を突っついているらしく、二課の動きも慎重にならざるをえないらしい。

 そうなると俺も色々と動きに制限が出てしまうかも…

 それは嫌だな…

 

「ところで、クリス君の方はどうだった?」

 

「ダメだ…足跡すら見つかんねぇ…」

 

 クリスちゃんはフィーネ捜索の任務を受けていたけど…やはりフィーネの足取りはつかめないらしい。

 一体どこに隠れたのやら…

 奴の目的も分からないのが怖い。

 クリスちゃんはフィーネの口車に乗せられていただけだし…

 得体が知れないというのがこうも恐ろしいものなのか。

 

「そうか…今日はここまでにしよう。装者達はいつでも動けるようにしていてくれ」

 

 こうしてミーティングは終了して、司令室を出た。

 なんだろう、すごい嫌な予感がしてならない。

 もやもやして嫌な気分だ。

 こういう時は…友里さんは忙しそうだから…クリスちゃんの胸部装甲に突撃だ。

 クリスちゃんはさっき食堂の方に歩いていったからこっちだ。

 クリスちゃー…

 

「そうやって響はまた隠し事するんだ!!!」

 

 ふぁ!?

 ビックリしたー。

 この声は…さっきの女の子か。

 どうしよう、修羅場を目撃してしまった…

 ここ通らないと食堂行けないんだけどな…

 

「未来…これにはわけがあって…」

 

「もう聞きたくないッ!」

 

「未来ッ!」

 

 響ちゃんのお友達は走っていってしまった。

 ここ、機密だらけだからあんまりうろちょろするのはまずいんだけどな…

 そんなこと関係ないんだろう。

 

「うぅ…未来…」

 

 ああ…響ちゃんも泣いちゃって…

 …見てられないな。

 

「あ、ピー助君…ど、どうしたの?あ、分かった!お腹空いたんでしょ!さっきお昼食べ損ねたし、一緒に食堂に…」

 

 響ちゃん、平気なフリしたって無駄だぞ。

 全部見てたから。

 響ちゃんとの付き合いはかれこれ一ヶ月以上だけど、一人で背負い込んじゃうタイプなのは察していた。

 辛い時は辛いって言えばいいのに。

 人に言いづらいなら人じゃない俺に言えばいいじゃない。

 

「すごいねピー助君。見透かされてるみたいだ」

 

 うん、見てたからね。

 

「私…未来がいないとダメダメなんだ…」

 

 うんうん。

 

「未来がいてくれたから…どんなに辛いことがあっても頑張れたんだ…平気、へっちゃらって」

 

 うんうん。

 

「私…未来がいないと…」

 

 うんうん…

 話は大体分かった…

 響ちゃん、今すぐ未来ちゃんを追いかけなさい。

 

「追いかけろって?無理だよ…今の未来に私がなにを言ったって…」

 

 ええい!うじうじといつまでも!

 さっさと行く!

 行って思いの丈をぶつけてきなさい!

 

「…でも」

 

 でもじゃない!

 行く!

 最速で!最短で!真っ直ぐに!一直線に!

 

「は、はいぃ!!!」

 

 よし、言ったか…

 こういう時は黙って思いをぶつけるしかないんだ。

 拳で語り合う?

 いや、口で言ってください。

 Gガンの最終回みたいに。

 さて…若者を叱咤激励したら腹が減った。

 食堂でなんか食ーべよっと。

 




オマケ

翼「司令や友里さんよりも出番が少ない、この残酷…この残酷は…心地よくない…」

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