ちっちゃいガイガンになってた   作:大ちゃんネオ

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昨日の連続投稿のせいか疲れがヤバイ…
なんか文章が浮かばない…
このままじゃガイガンと翼さんとマリアさんのトライアングルストーリーが書けないぞ!
頑張れ!俺!
世界中が俺を待っている!(自意識過剰)


魔塔、立つ

 剣戟の音が響く。

 刀と鎌が打ち合い、火花が散る。

 

「ピー助…覚えてる?あなたと私がはじめて会った日のことを。奏と一緒にご飯をあなたにあげた…」

 

 私が話しているにも関わらず、ピー助は鎌で切りかかってくる。

 これは、しっかり躾が出来ていない私の責任ね…

 

「あなたが来てから、私と奏とピー助の三人でいることがいつの間にか当たり前になって、とても楽しかった…!」

 

 刀を上段から振り下ろし、ピー助の脳天を狙う。

 だがこんな分かりやすい攻撃がピー助が当たるはずもなく、回避され、反撃にバイザーから光線が放たれる。

 光線は刀で弾き、防御する。

 二人にはああ言ったが…私にピー助を斬る覚悟なんてなかった。

 私は未だにピー助をフィーネから取り戻そうとしていた。

 だって、こんな残酷は…奏が望まない。

 

「ピー助…ピー助は歌が好きでしょう?奏が歌を口ずさむとピー助はいつも聞き入ってた…」

 

 あの日の光景が目に浮かぶ。

 ピー助を抱いて、穏やかな顔で歌う奏がいた。

 そんな日常を私は守りたくて…だけど…

 奏がいなくなって、ピー助がいなくなって…

 なんとか探しだして、連れ戻して…

 それからも、奏の死から立ち直れない私をピー助は支えてくれた。

 ピー助がいたから、私は戦ってこれた。

 ピー助に助けられて、私はこうしてここにいる。

 だから今度は、私がピー助を助ける番。

 

「ピー助…あなたが一番好きだった歌を…あなたに届ける」

 

 逆光のフリューゲル。

 ツヴァイウイングの曲だから、本当は奏と二人で歌う曲だけど…

 奏…私に力を…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あれ…ここは…

 俺は…

 そうだ!俺は、あの女に…

 それで…

 

『申し訳ないことをした…』

 

 暗闇の中、声が響く。

 重低音の、温かさを感じる声が…

 誰かが俺に話しかけている。

 

『死に体の私が奴等に見つからなければ、君が犠牲となることもなかった…本当にすまない』

 

「じゃあ、あなたは…ガイガン?」

 

『そう呼ばれていたな…人がつけた名だが、気に入っている』

 

 その言葉に嘘はなさそうで、本当に気に入っているようだ。

 

『私はもうじき消える。これまでも多くの人の子が私の体へと入ってきたが10秒と耐えきれる者はいなかったが…どうやら君は、私の体に合うらしい。だから、私からの最後の願いを聞いてくれ』

 

 最後の願いだなんて…

 そんな…

 

『奴等に抵抗してくれ。怪獣達を…この星の命を守ってくれ』

 

 声が徐々に遠くなる。

 少しずつ、消えていくのが分かる。

 

『幸いなことに協力してくれる仲間がいる。君が私の体を動かせるようになったら気づいてやって来てくれるはずだ。それと…困ったことがあればゴジラのところに行け。いろいろ言われるだろうが、アイツは根はいいやつだからな。故に奴は怪獣の王と呼ばれるのだ』

 

 ゴジラ…

 ガイガンがいるし、他の怪獣もいるような口ぶりだったからいるとは思っていたけど…

 やはり、怪獣の王なのか…

 

『ああ…消えるか…出来ることなら、もう一度、この翼で大空を翔びたかった…』

 

 それから、ガイガンさんの言葉は聞こえなくなった。

 暗闇に静寂が訪れる。

 ガイガンさん…

 俺は…!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 歌が…聞こえる…

 暗闇の中、歌が…翼ちゃんの歌声が響く…

 この歌は…逆光のフリューゲル…

 ツヴァイウイングの…翼ちゃんと奏ちゃんの曲…

 俺は…

 フィーネに操られて…

 翼ちゃんが歌っている…そして、その隣には奏ちゃんが…

 

『ピー助…帰ろう?』

 

 あぁ…!

 俺はなにをしている。

 あの女に操られて…

 フィーネの意思が、黒い波となって流れている。

 くそッフィーネ!

 出てけ!出ていけぇ!

 俺から出ていけッ!!!

 首が熱い…!

 ここが…フィーネになにかされたところか…!

 くそッ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 歌が効いたのか、ピー助に変化があった。

 あれは…苦しんでいるの?

 校舎の壁に後頭部を打ち付けて、擦り付けて…

 …あそこになにかあるというの?

 それなら…

 

「ピー助!今助けるから!」

 

 暴れているところに近づくのは危険…

 まずは動きを止める。

 短刀を取り出し、ピー助の影に向かって投擲する。

 

『影縫い』

 

 これで動きを封じて…

 背後に回り、後頭部を見ると…首になにかが撃ち込まれたようだ。

 さっき暴れたことにより、この異物が露出している。

 これを取り出すのは…難しい。

 ピー助を傷つけてしまうが…

 

「ごめんね、ピー助…少し我慢して」

 

 短刀でこの異物を抉り、取り出す…

 ピー助が悲痛の叫びを上げるが…我慢していて、もう少しだから…

 …!

 取れた!

 

「ピー助ッ!」

 

 元の姿に残ったピー助が倒れる。

 まさか、今ので…

 

「ピー助ッ!ピー助ッ!目を覚まして!」

 

 そんな…

 私はピー助を助けることが…出来なかったの…?

 そんな…

 しかし、悲しんでいる余裕など、戦場は与えてくれなかった。

 大地が震えた。

 この揺れは、一体…?

 次の瞬間、塔が天高く聳え立った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 二課本部中枢。

 ここにはフィーネが人知れず開発していたカ・ディンギルの中枢。

 ここにデュランダルをセットすれば…

 

「了子君…」

 

「…よくここが分かったわね」

 

 風鳴弦十郎が私を睨み付けている。

 ここは私以外知らないはず…

 

「俺がなにもしていないとでも思ったのか?ここが…二課本部そのものがカ・ディンギルと気づいたのは先程だ…塔を建造するなんてどうしたって人目につくからな。隠すには地下に伸ばせばいい…そういうことだろう、了子君?」

 

「まだ私をその名で呼ぶか…!」

 

 ネフシュタンのムチをあの男めがけて振るう。

 しかし、あいつはそれを容易く避けたった一歩で私の懐へと入り込んだ。

 

「なっ…!?」 

 

「うおおおッ!!!」

 

 拳が来る。

 ただの人間の拳と普通なら嘲笑う。

 しかし…

 この男の拳は避けざるをえない。

 

「ッ!!!」

 

 男の拳は勢いそのままにさっきまで私のいた床を粉砕する。

 しかし…砕けたのは床だけではなかった。

 

「ネフシュタンが!?余波だけでひび割れたというの!?」

 

 やはりこの男は脅威となりうる…

 しかし、人間ではノイズに敵わない。

 ソロモンの杖よりノイズを召喚しようと構え…

 

「させるかッ!」

 

 床を踏み砕き、破片を蹴り飛ばしソロモンの杖を弾き飛ばした!?

 ソロモンの杖は天井へと突き刺さり…

 やはりこの男、規格外。

 このままでは…

 

「おおおおおッ!!!!!」

 

 雄叫びと共に、私に迫る。

 私は動かない。

 あの拳が当たれば、ただではすまないだろう。

 しかし…

 

「弦十郎君ッ!」

 

「ッ…!」

 

 男の中に、一瞬の躊躇が生まれた。

 思った通りだ。

 この男は…優しすぎる。

 この隙に、ムチで男を突き刺した。

 馬鹿な男だ…

 非情に徹しきれば、あるいは…

 

「司令!?」

 

 あの男は…緒川か。

 それと、あの少女は確か、融合症例の友人だったか…

 緒川が忍びの技を使うとしても、私の敵ではない。

 緒川は私に向かって拳銃を撃つ。

 放たれた弾丸三発は全て私の左胸に命中する。

 いい腕ではあるが…

 無力。

 このネフシュタンの鎧の前には無力。

 

「そんな…」

 

「このままでは…」

 

 所詮、人では私を止められない。  

 シンフォギア装者でも来なければ…

 

「はあッ!」

 

 その声と共に、天井が崩れた。

 現れたのは…

 

「ちょせい!」

 

 弾丸の雨が降り注ぐ。

 ガイガン…足止めも出来ないなんて。

 やはり獣など使い物にならないということね。

 

 

 

 

 

「未来、緒川さん!師匠をお願いします!早く!」

 

「ありがとうございます!さあ、未来さん」

 

「響っ!」

 

「未来…わたしは大丈夫だから。今は安全なところに逃げて」

 

「…分かった。響も、絶対に帰ってくるんだよ?」

 

「うん。絶対に帰ってくる」

 

 未来と緒川さんは去った。

 なら、ここからは本気で…

 

「お前達はどこまでも…しかし、計画は既に最終段階!ここで邪魔をされるわけにはいかないッ!」

 

 了子さん…フィーネはムチをわたし達…ではなく、天井へと伸ばした…

 あれは…ソロモンの杖!?

 

「ノイズでも時間稼ぎには使えるか…」

 

 大量のノイズを召喚するフィーネ。

 これじゃ…

 

「チッ…面倒なことを…」

 

「あなた達はそこで見ているといいわ。カ・ディンギル起動の瞬間を」

 

 そう言って、フィーネはデュランダルを取り出した。

 一体なにを…

 

「デュランダルを炉心とし、カ・ディンギルは起動する…!」

 

 デュランダルがセットされると地面が大きく揺れた。

 そして、少しずつ上昇をはじめ…

 

「おい!一旦ここを離脱だ!これはヤバイぞ…!」

 

 クリスちゃんの言葉に頷き、地上を目指す。

 カ・ディンギルの起動を阻止出来なかった…

 




オマケ 擬人化ガイガン

翼「ピー助、今度私がしっかり歌というものを指導してあげる」

ピ「それじゃあ、お…私は翼ちゃんに家事教える…」

翼「え」
 ・
 ・
 ・
響「わぁ、ピー助君。料理上手~!」

ピ「そんなことない」

響「そういえば翼さんって料理出来るんですか?翼さんならきっと和食得意なんだろうな~」

ピ「翼ちゃんは料理なんて…むごっ!」

翼「も、もちろんよ。今度、腕によりをかけて作ってあげるわ!」

響「やったー!翼さんの料理楽しみ~」
 ・
 ・
 ・
翼「ピー助…私に料理を教えてください…」土下座

ピ「見栄なんて張るから…」

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