ちっちゃいガイガンになってた   作:大ちゃんネオ

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いきなりドンと増えた感じなんだけど一体なにが…


決戦‐Synchrogazer‐

 デカイ…

 なんだよこの赤い竜は。

 対抗しようにも流石にまた元の大きさに戻るほどの力はない…

 なんとかやるしかないか…

 

「でかくなったところでいい的!くらいやがれ!」

 

 クリスちゃんがビームを放つ。

 あれ、なんかデンドロビウムとかミーティアとかに見える。

 かっけぇ。

 なんて呑気なことを言ってる場合ではなくなった。

 一瞬で再生している…

 

「これなら!」

 

 翼ちゃんが蒼ノ一閃を放つ。

 傷はついたけどやはり再生される。

 ネフシュタンの力か…!

 

「逆鱗に触れたのだ…相応の覚悟は出来ておろうな」

 

 あいつデュランダルまで持ちやがって…

 完全聖遺物のデパートかよ!

 今度は向こうが仕返しとばかりに熱線を放って…

 これは、ヤバイ…

 すぐに避けないと…

 

「くっ…」

 

「このやろっ!」

 

 クリスちゃんが回避しながらビームを放つが…

 防御され、逆にビームの砲撃を受けてしまう。

 しかし響ちゃんと俺がこの隙に接近している。

 響ちゃんは正拳突きで竜の体に大穴を開け、俺はチェーンソーでとにかく切り刻む。

 しかし一瞬で再生され、反撃のビームが飛んでくる。

 なんとか回避したけど…

 くそ、このままじゃ…

 

「いくら限定解除されたギアであっても、所詮は聖遺物の欠片から造られた玩具。完全聖遺物に対抗できるなど思うてくれるな」

 

 くそ、流石に完全聖遺物相手では…

 いや、待て。

 聖遺物の欠片でダメなら完全聖遺物さえあれば。

 三人も気づいたようだ。

 

(ピー助、奴のデュランダルを奪う。私が道を開くから雪音と一緒に突入して)

 

 翼ちゃんの指示に首を縦に振る。

 念話で会話したら翼ちゃん戦いそっちのけになりそうだし…

 とにかく行くぞ!

 

(お願いピー助君!)

 

 了解!

 腕を鎌に戻す。

 チェーンソーの方はパワーに優れるけど機動力が損なわれる。

 ここは小回りの利く、こっちの姿の方がいい。

 クリスちゃんの後ろについて、竜に接近する。

 

「それでは…いくぞ!はあッ!」

 

『参翼ノ一閃』

 

 巨大な刃から巨大なエネルギーの刃が飛ぶ。

 命中した箇所にあいた大穴が再生する前に飛び込む。

 クリスちゃんがビームを一斉射する。

 これは流石にたまらなかったフィーネは防壁を開ける。

 …それを狙っていた。

 フィーネが持つデュランダルに鎖を射出して巻き付ける。

 それを引っ張ってフィーネからデュランダルを強奪!

 

「なにッ!?手癖の悪い獣風情が!!!」

 

 これまで好き勝手やってくれたからその仕返しだ!

 これを…響ちゃんに!

 届け!

 

「そいつが切り札だ!勝機を溢すな!掴み取れ!」

 

 翼ちゃんが叫ぶ。

 そうだ…それが勝機!

 絶対に損ねるな!

 損ねたらエサ一年分請求するぞ!

 宙を飛ぶデュランダルをクリスちゃんが拳銃で狙撃して響ちゃんに届かせた。

 しかし、デュランダルを掴んだ響ちゃんは暴走している…

 いや、抗ってる!

 顔だけは黒くなってない。

 目は赤いし、牙は生えてるけど。

 

「正念場だ!踏ん張りどころだろうが!」

 

「強く自分を意識してください!」

 

「昨日までの自分を!」

 

「これからなりたい自分を!」

 

 二課のみんなが地上から響ちゃんに声援を送る。

 よかった…みんなは無事なのか…

 

「屈するな立花。お前が構えた胸の覚悟…私に見せてくれ!」

 

「お前を信じ、お前に全部かけてんだ!お前が自分を信じなくてどうすんだよ!」

 

 そうだよ響ちゃん!

 君ならやれる!

 …あんまりいい言葉が浮かばない。

 とにかく頑張れ!

 あ、ほら!響ちゃんのお友達?もいいこと言ってるから!

 あれ聞いて正気に戻って!

 

「姦しい!黙らせてやる!」

 

 フィーネの奴が羽だと思ってた部位を触手みたいに伸ばしてきた。

 それを鞭のように叩きつけてきて…

 …全部捌いてやる。

 一つ、二つ、三つ、四つ!

 おら!どうした!

 ネフシュタンの鞭の方が痛かったぜ!

 …って、あれ!暴走がもっとひどくなってる!?

 顔まで真っ黒に…

 

「ウオオオオオッ!!!!!」

 

 ダメなのか…

 

「響ーーー!!!」

 

 この声は未来ちゃんの…

 すると徐々に響ちゃんを覆っていた黒が消えていく…

 たった一声で…

 これが親友の力か…

 正気を取り戻した響ちゃんに応えるようにデュランダルもその黄金の輝きを強めた。

 これは…エクス…

 なんでもありません、失礼しました。

 

「その力!?なにを束ねた!?」

 

「響きあうみんなの歌声がくれたシンフォギアでぇぇぇ!!!!!」

 

『Synchrogazer』

 

 天に向かって掲げたデュランダルを降りおろ…

 って、やべえ避けねえと!!!

 思いっきり射線上だここ!!!

 

「完全聖遺物同士の対消滅…どうした!ネフシュタン!?この身砕けてなるものかぁ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ここに黙示録の赤き竜は崩れた。

 まあ俺が元のデカさだったら余裕で倒してたな!

 …倒してたんだから!

 地上に降りて、エネルギーがもう限界だったのかペットボトルサイズに戻ってしまう。

 はぁ~疲れた~。

 朝日が眩しいぜ…

 

「ピー助…」

 

 あ、翼ちゃんおつか…うぇぶっ!?

 く、ぐるじい…

 そんな強く抱きしめないで…

 

「バカ…心配したんだから…」

 

 うぇぷ…

 う、ごめんなさい…

 心配をおかけしました…

 

「まったくお前は…しばらく一人での行動禁止だ」

 

 ぴえぇ…

 それは罰が重すぎます~!

 

「あとこれから毎日、一緒にご飯食べて、散歩して、お風呂に入って、添い寝して…他にもいろいろ…」

 

 ぴえぇ!

 少しは一人の時間が必要なんやで!

 それに翼ちゃんだって一人の時間が絶対欲しくなるはず!

 

「私はピー助と一緒で全然大丈夫よ」

 

 そんなぁ…

 もっとプライバシーをって…

 

「今、ピー助がなにを言ってるのか完全に分かった気がする…」

 

 や、やべえ…

 翼ちゃんがとんでもない能力に目覚めやがった…

 これは早いところ対策をたてないと…

 って、あれは響ちゃんに…フィーネ…

 

「このスクリューボールが…」

 

 クリスちゃんがそう呟く。

 けどその言葉はどこか嬉しそうな…悪い気ではないようだ。

 

「もう終わりにしましょう了子さん」

 

「私はフィーネだ…」

 

「でも、了子さんは了子さんですから。きっと私達、分かりあえます」

 

「…ノイズを作り出したのは先史文明期の人間…統一言語を失った我々は手を繋ぐことより相手を殺すことを求めた…そんな人間が分かりあえるものか」

 

 そうだ…

 5000年前、奴との戦いの最中に人間は統一言語を失った。

 それからノイズが作られて、俺はノイズを倒して…

 

「人が…ノイズを…」

 

「だから私はこの道しか選べなかったのだ」

 

 …

 だとしても、多くの人を犠牲にするなんて…

 

「人が言葉よりも強く繋がれること、分からない私達ではありません」

 

 響ちゃんは自信を持ってそう言った。

 だけど…

 フィーネはネフシュタンの鞭を響ちゃんめがけて放つ。

 それを響ちゃんは避けるけど、鞭はずっと延び続けて…

 どこまで行くつもり…

 っ!?

 まさか!?

 

「取った!私の勝ちだ!」

 

 あの野郎、月の欠片に向かって…

 

「でぇぇぇ!!!!やあああああッ!!!!!」

 

 なんて、馬鹿力。

 目の前の光景が受け入れられない。

 

「月の欠片を落とす!私の悲願を邪魔するものはここでまとめて叩いて砕く!この身は滅びようと!魂までは滅びはしないからな!」

 

 こいつ…

 くそ、流石にもう無理か…

 

「聖遺物の発するアウフヴァッヘン波形があるかぎり世界のどこか、いつかの時代に甦る!」

 

「うん、そうですよね。どこかの場所、いつかの時代…甦る度に私の代わりにみんなに教えてください。世界を一つにするのに力なんて必要ないこと。言葉を越えて、私達は一つになれるということ…私達はきっと未来で手を繋げられるということ」

 

「お前、まさか…」

 

「了子が未来に伝えるために、私が今を守らないと」

 

 響ちゃん、まさか…

 いくらなんでもそれは…

 

「まったくもう、しょうがないんだから…胸の歌を信じなさい…」

 

 そうしてフィーネは力無く、地面に倒れた。

 少しずつ、体が砂になっている…

 この体は終わりらしい…

 

「軌道計算出ました…直撃は避けられません…」

 

 藤尭さんが力無く言った。

 このままじゃ…いくら響ちゃんとは言え…

 ──突然、大きな力の気配を感じた。

 この力は…

 まさか…

 空を見上げると、一筋の青い線が月の欠片に向かって伸びている。

 あれは…放射熱線。  

 かの王の放つそれは…小さな星なら容易く砕くほどの威力。

 空で、月の欠片が爆ぜた。

 砕けた破片達が流れ星となって降り注ぐ。

 

「あれは…一体」

 

「今ので…破片は全て大気圏で燃え尽きます!」

 

「あぁ…まさか、目覚めるなんて…数多の怪獣の中で頂点に立つ怪獣の王…ゴジラ…」

 

 フィーネがゴジラの名を口にする。

 そう、あれはゴジラの放ったものだ。

 まさか、まだこの地球で生きているなんて…

 

「こんな奇跡…あってもいいのね…あの娘が、自分を犠牲にする必要がなく、なる…」

 

 そう言ってフィーネは消滅した。

 ホントにあいつは空気が読めるやつというか…

 

(ガイガン、お前がいながらこの体たらくとはな)

 

 …びっくりしたぁ。

 あんさんいつからテレパシーなんて使えるようになったん?

 

(そんな些末なことを気にする俺ではない。俺は再び眠りにつくがこのようなことになる前に…火の粉が広がる前にお前でなんとかしろ)

 

 ふぁ!?

 そんな横暴な!!

 

(今のこの星で自由に動けるのがお前だけなのだ。しょうがないだろう。…今の一発で消耗してしまうほどに俺も力を失っている)

 

 確かにどこか声に迫力がないというか…

 昔は声を聞くだけで震え上がったというのに。

 これが老いというやつですかねぇ…

 

(失礼なことを考えていないかガイガン)

 

 いえ!なにも考えていません!

 …最近心を読まれ過ぎてる気がするなぁ。

 

(お前は分かりやすい)

 

 そんな…テレパシーで話しかけてる人にまで…

 

(それでは俺は寝る。…あとは任せたぞガイガン。よくない風が吹いている、警戒しておけ)

 

 アイアイサー!

 おやすみゴジラ!いい夢を!

 …はぁ、緊張した。

 フィーネとの戦いよりも緊張した。

 まったくあの王様は横暴なんだから…

 さて、これで一件落着…とはいかないよな…

 ゴジラが現代に現れるとかもう大混乱だろう。

 どこから熱線撃ったかは知らないけど米国とか大国は既に捕捉しているだろうし…

 また面倒な問題が増えたかもな…

 まあフィーネのことは解決したんだ。

 とりあえず、今はこのことを喜ぼう。

 

戦姫絶唱シンフォギア編 fine




オマケ 擬人化ガイガン

ピ「まさかJKになるなんて思わなかった」
(偽名 風鳴雛)

響「いやぁ同じクラスでよかったよかった!分かんないことあったらなんでも聞いてね!」

未来「お昼休みになったら学校案内してあげるね」

先生「それじゃあ授業をはじめます。それじゃあ昨日の続きから歌とはハーモニーが…」

響「あっ…」
 
先生「いま話したところに注意して歌いましょう」
 ・
 ・
 ・
ピ「ぼえ~」

先生「風鳴さん!?」

駆け足だった、しかし、それ以上に早く翼さんとマリアさんとピー助のトライアングルストーリーが書きたかったんだ!
あと年内はこれが最後だと思うので…
みなさんよいお年を!
 

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