ちっちゃいガイガンになってた   作:大ちゃんネオ

46 / 105
あけましておめでとうございます(2回目)
遂にG編入ります。
今回はそのプロローグ的な話。
一期分の設定(真)や友里さんとの朝チュンの真実等々の番外編も投稿していきたいと思っていますのでお楽しみに。
追記
誤字報告先程確認いたしました。
ありがとうございます。
いただいたのに…なぜか誤字を確認しようとページを開いても開かないのッ!
一体どうなってるのマムッ!?


戦姫絶唱シンフォギアG編
素晴らしき日


 翼ちゃんの目を掻い潜り、なんとか外に出ることが出来た。

 まあすぐに戻るつもりだから大丈夫だろう。

 

 

 

 

 

 街に着くと以前よりも活気が戻ってきたように感じる。

 人通りが多い。

 このあたりも復興してきたということだ。

 よきかな、よきかな。

 ん、あれは…

 

「お姉さんマジ美人だねぇ!俺達と遊ばない?」

 

「ウェイウェーイ」

 

 うわー今時あんなテンプレートなストリートナンパいるんだ…

 チャラチャラチャラチャラして…

 男は朴訥としているべきというのが持論の俺からすればああいう輩は許せないのだ。

 下半身でしか物事を判断出来ないケダモノめ…

 

「ごめんなさい急いでいるの、あなた達の相手をしている暇はないの」

 

「えーいいじゃんよー少しくらいー」

 

「ウェイウェーイ」

 

 チャラ男が無理矢理、女性の腕を掴もうとした瞬間…

 俺はチャラ男二人のベルトを切り裂いた。

 バレてはいけないので高速で飛行しながらだが。

 さて、ゴミ箱を盾に身を隠しながらチャラ男の様子を見ると…

 

「ウッソだろ!?な、なんだよこれ!?」

 

「ウェイウェーイ!?」

 

 …行ったか。

 ふう、これで今日も街の平和を守っ…

 

「あなた?私を助けてくれたのは」

 

 ふぁ!?

 いつの間に後ろに…

 この人、何者…

 

「えーと、あなたは…ペンギン?」

 

 ペンギンじゃない!

 ガイガンだって…って、ワオ…

 ムッチャ美人…スタイルいい…背ぇ高い…おっぱいデカイ…

 ピンク色の髪で髪型がネコっぽい。

 

「ありがとね、不思議なペンギンさん…ふぅん、へぇ…」

 

 ジロジロ俺を見る美人さん。

 しゃがむと俺を撫ではじめ…あひゃひゃ!そこくすぐったい!

 

「…かわいい」

 

 ふぁーーー!!!!

 ダメそこ!ダメそこ!やめて止めてやめて止めてー!

 アッーーー!!!

 

「ふふ、気に入ったわ!あなた、この街に詳しい?」

 

 ひぃ…ひぃ…

 ま、まあ…野良猫達の世話をしているうちにこの街を庭って呼べるくらいには詳しくなったけど…

 

「そう…じゃあ、この街案内してもらえるかしら?」

 

 え、なに言ってんのこの人(ドン引き)

 こんなサイボーグペンギンに街を案内してだなんて普通頼まないでしょ…

 

「不思議な生き物から街を案内されるなんて、面白そうでしょ?」

 

 …まあ、もし自分が知らない土地でヘンテコな生物と出会したら…いや、それでも案内なんて頼まないでしょ。

 

「なかなか強情なペンギンね…そうだ!案内してくれたらお礼にご馳走してあげるわ!」

 

 やります!

 是非、エスコートさせてください!

 

「よろしくね、ペンギンさん。私はマリア…マリアよ」

 

 よろしくお願いしますマリアさん!

 さあ、それではこちらにどうぞ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『おい…あれは…総帥だ!総帥が帰ってきたぞ!』

 

 その一声に、この一帯の野良達が集結した。

 

『そーすい!そーすい!そーすい!』

 

 はっはっは、野良達よ私は帰ってきたぁぁぁぁ!!!

 

『おおおおおおお!!!!!!!!!』

 

「え、と…ここは…?」

 

 ここは野良達の野良達による野良達のための楽園…

 さあ、無料の猫カフェです。どうぞお楽しみください。

 

「あはは…あなたは慕われているのね」

 

 いやぁとんでもない。

 みんな仲良くがモットーですから、はっはっは。

 よろしければみんなにエサの施しを…

 

「あなたって商売上手なのね…しょうがない。このお肉をあげるから、仲良く食べなさい」

 

『おおおおおおお!!!!!!!!!』

 

 本日二度目の大歓声。

 マリアさん、あんた神やで…

 

 

 

 

 

 

 本当にマリアさんありがとうございました…

 みんなとても喜んでいました…

 

「喜んでくれたなら結構…それで、次はどこに案内してくれるのかしら?」

 

 もうお昼近いですからこの辺りで昼食でも…

 

「そうね、美味しいところでお願い」

 

 承知。

 

 

 

 

 

 

 

「このお店は…ふらわー?随分とボロボロのようだけど…」

 

 はい…先のノイズによる被害で店舗が被害にあいましたが…この通り、通常営業中なのであります!

 

「なるほど…まさに不死鳥のように甦ったというのね」

 

 その通りであります!

 ささっ、どうぞ。

 

「えぇ…入るわよ」

 

 暖簾をくぐり、店内に入る。

 お、まだお客さんが来てない。

 貸し切りだ!

 

「いらっしゃいませ…って、あらピーちゃんどうしたの?こんな美人さん連れて」

 

 おばちゃん、いつもの頼むでー!

 

「はいよ。あ、好きなとこ座ってどうぞ」

 

 とりあえずテーブル席に座ったマリアさん。

 おばちゃんがお冷やを置いて、鉄板に火を入れる。

 

「ありがとうございます…あの、ここってどんな料理を出すお店なんですか?」

 

「あら、知らないで入ったの?ピーちゃんも教えないなんて意地悪しちゃって…ここはね、お好み焼き屋よ」

 

「お好み焼き…?」

 

「まあ楽しみにしてて」

 

 楽しみにしててください。

 あ、おばちゃん俺は自分で作るから。

 

「はいよ豚玉ね」

 

 わーい来たぁ!

 これを混ぜて~鉄板にのせて~

 ジュー!

 ふぉー!

 

「あなた器用なのね…腕が爪になってるのに…」

 

 まあ、特訓しましたから。

 さて、ここからしばらくお待ちください…

 ・

 ・

 ・

 そろそろ返すか… 

 シャキンと腕の鎌を…

 

「ちょっと待ちなさい!?あなたそんな腕だったかしら!?」

 

 えぇ?

 そんな驚くことかな?

 

「だってさっきまで…爪だったじゃない!?鎌じゃなかったわ!?」

 

 まあまあ腕が爪から鎌に変わったり、挙げ句の果てにはチェーンソーに変わるからね。

 この世界で腕が変わる程度で驚いてたらやってけないよ?

 それにこの腕は鎌だけど…何かを傷つける以外の使い方があるッ!

 

「鎌で…ひっくり返した!?」

 

 そう…この腕は…ヘラとしても使えるッ!

 誰かを傷つけるだけじゃない…誰かを笑顔にすることだって出来るんだ…料理を通して…

 俺はそれを…お好み焼きから学んだんだ…

 

「お好み焼き…なんて素晴らしい料理なの…」

 

 マリアさんもお好み焼きの素晴らしさを分かってくれた。

 そう…料理は国境を越えるッ!

 歌も…料理も…人を笑顔に出来る…

 なんて素晴らしいんだ!

 

 

 

 

 

 さて、そうこうしているうちに俺のお好み焼きも完成し、マリアさんのお好み焼きも運ばれてきた。

 ソースの匂いが香ばしい…

 それじゃいただきまーす!

 

「いただき、ます…」

 

 マリアさんはフォークを使ってお好み焼きを口の前まで運び、ふうふうと冷ましはじめた。

 そして、お好み焼きを口に入れると…

 

「美味しいッ!」

 

 それはよかった。

 気に入ってくれたようでなにより。

 それからマリアさんは夢中でお好み焼きを食べはじめた。

 すごい気に入りようだ。

 連れて来た甲斐があったというものだ。

 さて、俺も食べよう。

 あっつ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 それから適当に街のいろんな穴場(ガイガン基準)を歩き回り、気づけば日が暮れはじめていた。

 俺達以外、人のいない公園で夕陽を眺める。

 

「それじゃあそろそろ私も帰るわ。ありがとう不思議なペンギンさん。とても楽しかったわ」

 

 よせやい照れるぜ。

 まあ、まだまだこの街には面白い場所があるから案内してほしかったらいつでも案内するぜ。

 

「ふふっありがとね…それじゃあ、これはお礼よ」

 

 おでこに柔らかい感触が…

 これは…まさか…キッス!?

 キッスや!キッスやで!?

 

「こんなサービス、滅多にしないんだから喜びなさい?」

 

 いやもう喜んでます!

 喜んでますとも!

 まさかこの体になってからキッスされるなんて…

 

「それじゃあまた会いましょう…」

 

 そして、マリアさんは帰っていった。

 …綺麗な人だったなぁ。

 人間の時なら即惚れてた。

 それくらい、とても魅力的な人だった…

 さて、俺も帰るか…

 

 

 

 

 

 ルナアタックが行われた地を調査するにあたって使用している拠点に帰った私を待っていたのは厳しい追及だった。

 

「これはどういうことデスかマリアッ!?今日はみんなで焼き肉の予定だったじゃないデスかッ!?」

 

「これには流石の私も説明を要求…」

 

「ごめんごめん、ちょっといろいろあったのよ…ところで二人共、お好み焼きって知ってる?」

 

 買い物袋からお好み焼きセットを取り出してウインクする。

 焼き肉もお好み焼きも鉄板を使うからちょっとしたメニュー変更くらい大丈夫なはず。

 それくらい私はお好み焼きと…あの不思議なペンギンさんのことを気に入っていたのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 はあー今日はまさかまさかの出来事があったなー!

 人生…じゃなかった、ガイガン生の中でもこんな日があっただろうか!

 美女とデートするだなんて!

 もう、これでしばらく頑張れる。

 さあ、我が家に着いたぞ。

 あとは夕飯食べて、風呂入って、寝るだけ!

 あーなんて素晴らしい日だったんだろう!

 ただいまー!

 あれ、翼ちゃん帰ってきてないのかなー?

 今日は大人しく翼ちゃんの抱き枕になることも厭わないくらい機嫌がいいのにもったいないなー。

 暗い廊下を歩いて、リビングの扉を開ける。

 部屋が荒らされている…

 その部屋の中央にいたのは…

 

「ピー…すけぇ…」

 

 不自然な角度で首を曲げ、こちらを見る翼ちゃん…

 月光が窓から射し込んで、妖しく翼ちゃんを照らす。

 忘れてた…

 俺、今日勝手に抜け出して…

 

「ピー助ぇぇぇぇ!!!!!」

 

 アッーーー!!!!!!

 

 このあと、めちゃくちゃ気絶した。




オマケ

翼「ピー助!どこにいったの!テレビのリモコンじゃないんだから!」

2時間後

「ベッドの下にもいない…」

4時間後

「雪音の所にもいない…」

6時間後

「クローゼットの中にもいない…」

8時間後

「ピー助…ワタシのピー助…」←ここでピー助帰宅

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。