ちっちゃいガイガンになってた   作:大ちゃんネオ

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お気に入り700件突破!
突破記念に近々ガイガンが主役のラブコメを番外編で投稿するでー。
続くか分からないし、誰のルートになるか分からないがなっ!


紺青の流星

 なんで…

 なんでガングニールが…

 だっていま、ガングニールは響ちゃんが…

 

「なんとかして中継を止めさせるんだ!響君達はあとどれくらいで会場に着く!?」

 

「あと20分はかかります!」

 

 それじゃあ遅すぎる…

 これからなにが起こるか分からないというのに…

 もう黙っていられない…

 

「ピー助!どこへ行く!」

 

 司令室を飛び出す。

 仮設本部は潜水艦だから脱け出すのはかなり厳しい…

 だけどなんとかして脱け出さなければ…

 壊すのはヤバイし…

 

「捕まえたぞピー助!」

 

 司令!

 わざわざ司令室から出てきたのかよ!

 こんな時に!

 

「こんな時だからだ。ピー助、お前に任務を与える」

 

 さっきは出るなとか言ってた癖に!

 

「俺なりに考えてな…お前の速さならすぐに会場まで辿り着ける。それに、緒川から聞いているぞ、最近順調らしいじゃないか」

 

 まあ俺の速さならすぐに着くし、緒川から聞いたってことはあれのことだろうし…

 

「ピー助、お前には奇襲作戦を行ってもらうぞ!」

 

 司令…

 了解!

 隠密に…稲妻のように一瞬で終わらせてくるぜ!

 

「よし、頼んだぞ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「我等、武装組織フィーネは各国政府に対し要求する。…そうだな、さしあたっては国土の割譲を求めようか!」

 

 黒いガングニールを纏ったマリアは再びそう会場に、世界へといい放った。

 バカな…

 

「もしも24時間以内に果たされない場合は、各国の首都機能がノイズによって不全となるだろう」

 

 24時間以内…

 まったく現実的ではない…

 いったいなにが狙いで、どこまで本気なのか…

 

「私が王道を敷き、私達が住まうための楽土だ。素晴らしいと思わないか!」

 

 依然として会場にいる観客達はノイズによって身動きがとれない人質状態…

 こうなったら…

 

「なにを意図しての騙りか知らぬが…」

 

「私が騙りだと?」

 

「そうだ!ガングニールのシンフォギアは貴様のような輩に纏えるものではないと覚えろ!Imyuteus ameno…」

 

 聖詠を歌い出した瞬間、通信が入った。

 

『待ってください翼さん!今動けば、風鳴翼がシンフォギア装者だと全世界に知られてしまいます!』

 

「でも…!」

 

『風鳴翼の歌は!戦いの歌ばかりではありません。人を癒し、勇気づけるための歌でもあるのです』

 

 私の歌は…

 ここは堪える。

 立花と雪音の到着を待つのだ…

 

「確かめたらどう?私が言ったことが騙りかどうか」

 

 堪えろ…

 今はまだ…

 

「なら…会場のオーディエンス諸君を解放する!ノイズに手出しはさせない!速やかにお引き取り願おうか!」

 

 なに…!

 何が狙いで自分の有利を失くす…

 

 観客達は会場から出ていく。

 しかし、未だに全世界にここの様子は中継されている。

 ギアを纏うわけには…

 

 

 

 

 

 

 観客達は全員、会場から避難した。

 あとここにいるのは、私とマリア、そしてノイズだけ…

 

「帰るところがあるというのは、羨ましいものだ」

 

「マリア…貴様は一体…?」

 

「観客はみな退去した!もう被害者が出ることはない。それでも私と戦えないというのであれば、それは貴女の保身のため…貴女は、その程度の覚悟しか出来てないのかしら?」

 

 安い挑発だ…

 しかし…

 

 突然、マリアがマイクを剣代わりにして、私に襲いかかった。

 それをマイクで受けて事なきを得るが…

 マリアはマントを翻すとそれは刃となって迫る。

 マイクで防御したが…切り落とされてしまった。

 これでは使い物にはならない。

 マイクを捨て、徒手ではあるが構える。

 相手は得物を持ち、こちらは素手。

 完全に不利な状態だ。

 迫りくる剣戟をなんとか回避し続け…

 カメラの目の外に出るのを狙う。

 写らなければ私もギアを纏える。

 剣戟が止んだ隙に、ステージ裏へ向かう。

 

「ッ…!」

 

 マリアはマイクを投擲し妨害してくる。

 足を狙ったそれを私はジャンプすることで回避して…

 ッ…!?

 ヒールが…折れ…

 

「貴女はまだ、ステージを降りることは許されない」

 

 既に背後にまで迫っていたマリアはそう言い放ち、蹴りを放つ。

 

「アッ…!!!」

 

 腹部に蹴りを食らった。

 そのまま宙を舞って…

 背後にはノイズの群れ。

 このまま落下すれば炭と変わる。

 ここで死ぬわけにはいかない。

 たとえ、全世界に私がシンフォギア装者であることを知られたとしても…

 私は防人。

 守らなくてはならないものがある。

 決別だ…

 歌女であった私に…

 聖詠を口に出そうとした瞬間、赤い光が空から私に迫って…

 あれは…

 

「ピー助ぇ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翼さんの救出のため、ヘリで急いでいるけれどまだ着かない。

 

「もっとスピード出せねえのかよ!」

 

 クリスちゃんが苛立ちのあまり声をあげる。

 焦る気持ちも分かる。

 早くしないとなにが起こるか分からないし…

 翼さんは中継されてちゃギアは纏えないし…

 もし、翼さんがギアを纏ったらアーティスト活動を続けられなくなってしまう。

 だから早く…早く着いて…

 

「あと10分で着き…きゃっ!?」

 

「うわっ!?」

 

 な、なに!?

 ものすごい速さの物体が横切ったけど…

 

「あれってまさか…」

 

「ああ…あの感じ、かなりキレてるぜ。まったくケンカしただかなんとか言ってもやっぱりあいつのことが大事なんだよ。ピー助は」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 風鳴翼が落下していく先にはノイズが…

 勝手なことを!

 しかし、もう間に合わない。

 風鳴翼がギアを纏わなければ…

 風鳴翼がノイズと接触しようとした瞬間、叫んだ。

 …ぴーすけ?

 それが断末魔かと思った瞬間。

 赤い光がノイズを襲い、土煙が巻き起こった。

 

「なに!?」

 

 他のシンフォギア装者?

 だとしてもこんな高速で…

 一体どんなギアだというのか…

 やがて、土煙が晴れてそれは姿を表した。

 紺色の体に、鋭く光る両腕の鎌。

 なんでも切り裂いてしまいそうな腕だが、風鳴翼を守るように抱き抱えていた。

 跪き、俯いていたそいつは少し顔を上げると赤いバイザーを発光させた。

 この子は…まさか…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 翼ちゃん救出のため、飛ぶ。

 最速で最短のコースを選択し、全てを振り切って飛ぶ。

 途中、ヘリと接触しそうになったが関係ない。

 翼ちゃん第一だ。

 奏ちゃんを失った翼ちゃんを守ると決めたんだ。

 だから…今はとにかく飛ぶ!

 もっとスピードを出さなくては…

 ファイナルウォーズ!起動!

 体を石が包むがあまりの速度に一瞬で剥がれ落ちていく。

 石が落ちた先に人とか民家とかないといいけど…

 よし、あそこだ!

 会場の真上までいって…!?

 翼ちゃんが蹴り飛ばされてノイズの群れに…

 ああああああああッ!!!!!

 間に合え!!!!

 近くのノイズ達はバイザーから放つ拡散光線で倒し、翼ちゃんが落ちる先にいるノイズは着地しながら切り裂く。

 そして、落下してきた翼ちゃんを抱き抱えて…

 ごめん…翼ちゃん…もっと早くに来ていれば…

 

「ピー助…ありがとう…」

 

 そう言いながら頬を撫でる翼ちゃん。

 休んでて翼ちゃん…

 あとは俺がやる…

 

 土煙が徐々に晴れ、マリア・カデンツァヴナ・イヴの姿が見える。

 黒いガングニールを纏ったマリアを睨み付ける。

 もうアンタのファンはやめだ。

 翼ちゃんにこんなことしたんだ、覚悟してもらおうか。

 

「あなた…まさか、あのときの…」

 

 そうだけど関係ない。

 とにかく今はアンタを倒す。

 それだけだ。

 翼ちゃんを降ろして、両腕の鎌をぶつけて火花を散らせる。

 そして、それが合図となる。

 マリアに向かって飛びかかりながら、斬りつける。

 マントで防御されるがマントを切り裂いて追撃する。

 

「ッ!?」

 

 マリアはアームドギア…槍を構える。

 お前が…奏ちゃんの…響ちゃんのガングニールを纏うなッ!

 槍と鎌がぶつかり合い、火花が舞う。

 …悔しいことだが、このガングニールは本物らしい。

 得物のリーチでは向こうが有利。

 

「はあッ!」

 

 槍の刃で切り裂くように横一閃に振るってくるが俺はそれを防御することなく、胴をがら空きにする。

 

(なぜここで防御しない…ッ!?あれは!?)

 

 腹の回転鋸を起動させ、槍の刃をボロボロにする。

 刃こぼれしたなぁ!撃槍!

 

「なっ…!?」

 

 その隙、もらっ…

 マリアへの攻撃をやめ、後ろに飛び退く。

 そして、さっきまで俺がいた場所にはピンクの丸ノコが。

 …新手か。

 空を見ると、ピンクのギアを纏った少女と緑色のギアを纏った少女が二人。

 この丸ノコはピンクの方か。

 そして、緑の方は鎌を大振りして…

 

「…デスッ!!!」

 

 飛来する二つの刃。

 それを光線で迎撃する。

 装者が三人…

 

「マリア!無事デスか!?」

 

 緑の方がマリアに問いかける。

 やけにですの発音がエセ外人っぽいが関係ない。

 どんな奴だろうと斬ってやる…!

 

「こいつ、鎌とノコギリだなんて…」

 

「キャラが被ってるデス!許せないのデス!」

 

「調、切歌、こいつ相手に冗談なんて言ってる場合じゃないわ。装者ならまだしも、こいつは情報が少ないアンノウン…完全聖遺物かもしれないとマムも言っていたわ。そのポテンシャルは計り知れない…ッ!?」

 

 お喋りなんて余裕そうだな…

 悪いな、俺にはそんな余裕ないんでな。

 斬って斬って斬りまくる!

 

「ッ…三人を相手に押してくるなんて…」

 

「だけど三対一!数では圧倒的に有利…」

 

「悪いが三対二に訂正だ…はあッ!」

 

 翼ちゃんがピンク相手に肉薄する。

 ギアを纏っているが、中継は…されていない!

 

「そんな…いつの間に…!?」

 

 恐らく緒川さんか…

 これで心置きなく戦える。

 それに…三対二でも無くなったようだ。

 

「ッ!?上から!?」

 

「どしゃ降りだ!」

 

 クリスちゃんが上空からガトリングを一斉射。

 緑とピンクは回避して、マリアはマントで防御する。

 クリスちゃんと響ちゃんが加わりこれで四対三。

 こうして、敵と味方の装者が並び立った。




オマケ ガイガンが主役のラブコメ
クリスちゃんルート攻略
 本編のヒロイン、クリスちゃんのルート。
 同じクラスで隣の席ということで色々イベントが発生しやすい。
 最初は好感度低めだけど上がりやすいので気にすることなかれ。
 クリスちゃん編攻略のカギは…とにかくイベントを発生させて思い出を作ること!
 ストーリーで語られるが色々あってこれまで学校にあまり行けていないクリスちゃんと学校行事や季節のイベントを一緒に過ごすと好感度急上昇!
 ちなみに不安要素が無さそうなクリスちゃんルートだが…
 この先は君の目で確認してくれ!

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