ちっちゃいガイガンになってた   作:大ちゃんネオ

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ラブコメガイガンをもう別作品として分けようかなと思う今日この頃お年頃。
分けるとしたら本格的に始まる時ですかね…
長くなりそうですし…
みなさんの意見も聞いてみたいのでご意見ある方は感想にてお聞かせください。

それはそれとして擬人化ガイガン。
お前、みんなから忘れ去らr…ギュィィィィン(回転鋸の音)


廃病院とかめっちゃホラゲ感あってドキドキする

 警報が鳴り響き、私は隔壁を閉じた。

 ネフィリムが暴れ出したのだ。

 ネフィリム。

 私達の切り札となる完全聖遺物。

 飽くなき飢餓衝動をその身に宿した存在。

 これは人の身に過ぎたものではないのか…そう思わずにはいられない。

 

「人の身に過ぎた、先史文明期の遺産…とかなんとか思わないでくださいよ」

 

 ドクターウェルが私の心を見透かしたかのようなことを言う。

 

「たとえ人の身に過ぎていても、英雄たるものの身の丈にあっていれば、それでいいじゃないですか」

 

 優男のような顔と声だが、この男の本質は…

 計画のために必要な人材ではあるが、関り合いにならなくて済むなら関わらないほうがいい人間だ。

 

「マム!今の警報は!?」

 

 シャワーを浴びていたマリア達が駆けつけた。

 心配して来てくれたのだろう。

 

「心配してくれたのね、でも大丈夫。ネフィリムが少し暴れただけ。隔壁をおろして食事を与えているから直におさまるはず…」

 

 そう言った瞬間、再びネフィリムが暴れ轟音が響く。

 

「マム!」

 

「対応措置は済んでいるので大丈夫です」

 

 マリアは心配性なのだ。

 この子が世界を相手に宣戦布告を行うなんて、酷なことを背負わせてしまった。

 だが、やらねばならないのだ。

 計画のためには…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ふん!ふん!

 

「ほ、本当にやるんだねピー助君…」

 

 やりますよ藤尭さん。

 今日の俺は覚悟が決まりすぎてるくらい決まってるから。

 目の前には藤尭さんが入手してくれたあのテロリストアイドルのグッズ達。

 DVDは瓦割りの瓦のように積まれ、今か今かと割られる瞬間を待っていた。

 腕を素振りして、気合いを入れる。

 ふん!ふん!ふん!

 …では、やろうか。

 王の判決を言い渡す…死だッ!

 勢いよく振り下ろされる右腕。

 それはDVDを破壊できるほどの威力であった。

 しかし…

 

「やっぱりダメだー!ピー助君のお金で買ったものとはいえ、俺が買ったものを壊されるなんてみたくない!」

 

 後ろから藤尭さんに持ち上げられることで右腕は空を切り、DVDはその命を繋いだ。

 

 な、なにをするんだ藤尭さん!

 あれは敵なんですよ!

 きっとこれの売上だって奴等の活動資金にされてしまったんだ!

 俺は奴等の手助けをしてしまったのかもしれない…

 だから俺はこれを破壊して、奴等をぶった斬ってやらないといけないんだ!

 

「せめて、せめて…封印って形にだけさせてくれ!頼む!この通り!」

 

 土下座まではじめる藤尭さん。

 土下座するほどかよ…

 

 ちなみにピー助は知らないが藤尭はマリアの隠れファンでありピー助のように敵と割り切ることが出来ず、自分の持っているグッズを捨てようとしても捨てることができなかったのである。

 そんな隠れファンである藤尭の前でマリアグッズを壊すなど神様仏様、藤尭様が許さない。

 そして、ピー助も鬼ではなかった。

 土下座する藤尭の姿に男…漢を見たピー助は藤尭を許すことにしたのである。

 一人の立派に自立した大人の男が土下座までしているのだ。

 彼は…そこまでの覚悟をしているのだと感じたのだ。

 こうして、ピー助のマリアグッズは二課仮設本部の物置の最奥に仕舞われたのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 深夜の廃病院。

 ここに奴等が潜伏しているという情報が入り、装者三人とガイガン一匹で潜入することになった。

 今夜中に決着をつける気でいけという司令からのありがたい言葉をいただき潜入を開始した。

 なんか、深夜の廃病院ってホラゲ感あるよね。

 特に、中に入る前に廃病院を見上げると余計に感じる。

 

「なんか…すごい雰囲気ありますね…空気が重いっていうか…」

 

「なんだ、ビビってるのか?」

 

「そうじゃないけど…」

 

 雰囲気はすごい。

 廊下なんて暗闇で先がまったく見えない。

 それより…なんだこの赤いの?

 あとなんか変な匂いがする…

 なんていうんだろう…雨が降ったあとの山の匂いみたいな…

 みんなは気づいてないみたいだけど…

 怪獣の嗅覚じゃないと分からないとか?

 

「ピー助は怖くない?」

 

 怖くないでー。

 ついこの間ホラー体験したから。(G編1話)

 それよりは全然平気。

 そんなことよりこの匂いの方が…

 

「…なにか、失礼なことを言われた気がするけど…まあいいわ。それより、意外に早い展開だぞ…」

 

 翼ちゃんが防人語になったということは…

 敵である。

 暗闇の向こうからノイズが現れた。

 

『Balwisyall Nescell gungnir tron』

 

『Imyuteus amenohabakiri tron』

 

『Killter Ichaival tron』

 

 三人はギアを装着し、俺も巨大化する。

 狭い場所で盾となるものもないこの通路(戦場)

 クリスちゃんのガトリングがノイズを次々と炭素に変えていく。

 しかし、新たなノイズが現れる。

 これは…

 

「間違いなく制御されている…ピー助、立花、雪音のカバーだ!懐に潜り込ませないように立ち回れ!」

 

「はい!」

 

 了解!

 とにかく近接戦闘向きの奴等ばかりのこのチーム。

 射撃が出来るクリスちゃんは重要なのだ。

 ノイズの群れへと突撃して、統率され陣形を組むノイズ達を分断する。

 陣形を崩されたことによりバラバラとなるノイズを翼ちゃんと響ちゃんが各個撃破する。

 これが二課の切り込み隊長こと俺の仕事よ。

 際限なく現れるノイズだが、斬られ、殴られ、撃たれと生まれた意味を失くしていく。

 だけど…少しずつ、三人の様子がおかしくなった。

 息は上がり、ノイズを倒すのに手間取っている様子だ。

 いくら制御されているとはいえノイズに遅れをとるような三人じゃないのに…

 こうなったら俺がやるしかない。

 今この場で万全なのは俺だけなんだから。

 三人を取り囲むノイズを鉤爪で斬って、噛み砕いて、ノコギリでバラバラにした。

 これで…終わり…?

 

「みんなッ!気をつけてッ!!!」

 

 響ちゃんが叫ぶと同時になにかが襲いかかってきた。

 響ちゃんに襲いかかったそれは響ちゃんの拳を受けて天井へと吹き飛ばされたが、器用に天井を走るパイプを掴んで体勢を直して今度は翼ちゃんに襲いかかった。

 しかし、真っ直ぐ過ぎる攻撃を翼ちゃんが捌けないはずもなく刀で斬られたそれは通路へと叩きつけられた。

 しかし…

 

「アームドギアで迎撃したんだぞ!?」

 

「なのに何故炭素と砕けない!!」

 

「まさか…ノイズじゃ、ない…?」

 

 まさか、あれは俺と同じ…

 暗闇の向こう側から、乾いた拍手の音が響く。

 誰だ…?

 怪獣になり、目が良くなった俺は音の主を見る。

 白髪の…細身の男。

 こいつもマリア達の仲間なのか?

 

「ウェル博士!?」

 

 ウェル博士?

 えっ…誰…?

 戸惑っていると、あの謎の生物はウェル博士とかいう男の足元に置いてある檻に入っていった。

 …こいつが誰だか知らないが、敵だということはこれで理解した。

 

「意外に聡いじゃないですか」

 

「博士は岩国基地で…」

 

「つまり…ノイズの襲撃は全部…」

 

 あぁ…話しているのを聞いたかもな。

 ソロモンの杖の研究だかなんだかで米軍基地に移送しただかなんだかした時の男か。

 俺はその任務にはさっぱり関わりがないから知らんかった。

 

「バビロニアの宝物庫よりノイズを呼び出し、制御することを可能にするなどこの杖をおいて他にありません」

 

 ウェル博士とかいう男はソロモンの杖からノイズを召喚する。

 

「そして、この杖の所有者は今や自分こそが相応しい…そう思いませんか?」

 

「思うかよッ!!!」

 

 クリスちゃんが激昂する。

 クリスちゃんにとってソロモンの杖とは拭いきれない過去の過ちの象徴とも言える…

 怒るのも当たり前だ。

 ウェル博士の指示を受けて迫り来るノイズに向かい、クリスちゃんはミサイルを発射した。

 ノイズ達を倒し、病院の壁まで崩したが…

 

「うわぁぁぁッ!!!!」

 

 クリスちゃんが悲痛の声を上げる。

 ウェル博士はノイズで自分を防御し無事のようだが…

 

「なんで…こっちがズタボロなんだよ…」

 

 翼ちゃんに肩を貸してもらい、立っているのがやっとなほどのダメージをうけている…

 まさか…シンフォギアからのバックファイアが…

 以前に聞いたことがある。適合係数が低いとシンフォギアからのバックファイア…負荷により、最悪の場合死に至ると。

 そのために奏ちゃんは適合係数の低さを補うためにLiNKERを投与していた。

 だけど、なんでLiNKERを使う必要のない適合者であるクリスちゃんがバックファイアをうけているんだ…?

 

「あれは!?空にノイズが…さっきのケージを持ってる!」

 

 あいつ…あのまま逃げる気か…

 こうなったら飛べる俺が…!

 

「ピー助!」

 

 翼ちゃんの制止の声を振り切り飛ぶ。

 あいつは…恐らく俺と同じ完全聖遺物…

 それも、俺の天敵だ。

 本能が叫んでいる。

 あいつを逃がすのはまずい…

 ノイズの飛行速度は遅く、追い付くのは余裕だ。

 洋上で、ノイズを切り裂く。

 炭となり、ケージが重力に従い海へと落下していく。

 なんとしても…回収するんだ。

 あと少しで手が…

 

 手が届く瞬間、黒い槍に阻まれた。

 鉤爪に直撃した槍のせいで勢いよく俺は海面へと叩きつけられる。

 くそ…奴等のご登場かよ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あいつは…」

 

 夜明けと共に、海上の姿がはっきりと見えた。

 あれは…マリア・カデンツァヴナ・イヴ…

 

「時間通りですよ…フィーネ…」 

 

 今、こいつはなんと言った…

 

「フィーネだと…」

 

「終わりを意味する名は我々組織の象徴であり、彼女の二つ名でもある…」

 

「まさか…じゃあ…あの人が…」

 

 海上で宙に浮く槍を足場に立つあの女が…

 

「新たに目覚めし、再誕したフィーネです!」

 

 フィーネ…終わりの名を持つもの…

 三ヶ月前に戦い、散ったフィーネが再びあたし達の前に立ち塞がった。




オマケ

擬人化「復讐だ!私を忘れた者達への復讐を開始するッ!我が怨念を一身に受け、ただの肉の塊になるがいい…」

???「そこまでよ!擬人化ガイガン!」

擬人化「お前は…残酷な描写タグ!残酷な描写タグが何故ここに!」

残酷な描写「あなたは間違っている!だって…あなたはたくさん出番があった!(一期の頃は)だけど私なんてフィーネにスプラッタした時くらいしか出番がなくて…」

擬人化「残酷な描写…そうか…お前も皆から忘れられて…な、なんだ!?残酷な描写に吸い込まれていく…!?」

残酷な描写「うん…だからね…私も復讐しようと思うんだ。保険でつけたタグなんて言ってしまえば遊びの関係みたいなもんじゃない。必要な時だけ甘い言葉で囁いて、必要なくなったら捨てるなんて…だからね…」

残酷な描写ガイガン「今から、みんなのところに行くから…」(ハイライトオフ)

残酷な描写ガイガン
 忘れ去られた二人が合体(擬人化ガイガンを無理矢理吸収)した姿。
 見た目は擬人化ガイガンの目のハイライトが消えて、返り血に染まっている。
 多分、この作品の中で一番ガイガンらしいヒールな戦い方をする。

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